1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 20:36:55.20 ID:RRhqLhVO0
咲「全国の選手を潰す旅に出ていた私……」
咲「永水遠征を終えたところでとんでもない事態に!」
咲「何がとんでもないって、私にも何が起こってるのかさっぱり分からないところ」
咲「大星さん……いや、あわあわちゃんに助けられ何とか永水女子から逃げおおせた私だが」
咲「あわあわちゃんから出来るだけ特定されづらい場所に逃げろと言われたので平滝高校に避難するのであった」
3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 20:38:18.32 ID:MMJqW8Ht0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 20:40:09.25 ID:RRhqLhVO0
咲「ここが平滝高校……麻雀部室はこっちか」
咲「こんにちはー」
咲「……って、誰も居ないみたいだね」
咲「さすが弱小校、部室が清澄と同じくらいの規模だ」
咲「それでも全自動卓はあるんだね……まあ当然か」
咲「南浦さんというそこそこ優秀な選手が居るんだし……」
咲「でも対戦相手居るのかなぁ……近くの雀荘とか通ってるのかな?」
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 20:42:40.22 ID:RRhqLhVO0
数絵「誰!?」
咲「あっ、南浦さん」
数絵「あらあなたは……清澄の宮永さんね。こんなところに何の用かしら」
咲「いろいろあってね。ちょっとかくまってもらえないかな」
数絵「えっ……」
咲「お願い。詳しい事情は話せないけど……」
咲「というか、私にも分からないんだけどね。どうも追いかけられてるみたいってだけで」
数絵「何があったのよ……」
咲「だから私もわからないんだってば。とにかく見つかるとまずいみたいなんだよ」
数絵「ふーん……」
9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 20:47:34.25 ID:RRhqLhVO0
数絵「いいわ、かくまってあげる」
咲「ほんと!?」
数絵「そのかわり、その間私の練習相手になってもらうわよ」
咲「えっ……ま、まあいいけど」
咲(さすがに手加減しないとまずいことになるなぁ……)
数絵「よし、決まりね」
咲「でも他の面子は? 一人は南浦さんのおじいちゃんが居るとして……」
数絵「お爺様は用事で今は家に居ないわ」
咲「えっ、そうなの?」
数絵「そうよ。適当に雀荘あたりで打つしかないわね。ここの部員は真面目に部活にも来ない人ばかりだし」
咲「そっかぁ……」
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 20:50:13.39 ID:RRhqLhVO0
数日後・平滝高校麻雀部部室――
数絵「さすがに強いわね、宮永さん」
咲「えへへ」
数絵「それであなた、いつまでここに居るつもり?」
咲「えっ……」
数絵「あっ、迷惑だとかそういう事が言いたいんじゃないのよ。あなたもいつまでもここには居られないでしょう?」
咲「うーん……」
咲(確かになぁ……でもほとぼりが冷めるのがいつになるのか……)
咲(いや、そもそもどうしてお姉ちゃんが私を狙ってるのかすら分からないし……)
(ガラガラガラ)
数絵「あら、誰か来たみたいね」
咲「えっ?」
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 20:52:56.18 ID:RRhqLhVO0
白望「ここに居たかぁ……」
咲「こ、小瀬川さん!?」
数絵(宮守女子の小瀬川白望? どうしてこんなところに……)
白望「宮永さん……大丈夫?」
咲「えっ、大丈夫って……私は別に何ともないけど」
咲「それより小瀬川さんはどうしてここに?」
白望「お小水のついでに……」
咲「そ、そんな冗談を言う人だったっけ?」
白望「んー……冗談じゃないんだけどなぁ……」
白望「実は……」
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 20:54:32.31 ID:RRhqLhVO0
数絵「つまり、宮永さんを探して迷っていたらこの学校に着いて」
咲「おトイレを借りようと立ち寄ったところ私を見つけたと……」
白望「そういうこと……」
咲「どうして私を探していたの? お姉ちゃんの差し金?」
白望「んー……まあね……」
白望「だるいけど、私の力が必要だって言われたからなぁ……」
咲「お姉ちゃんは何で私を探しているの?」
白望「詳しくは分からないけど、宮永さんが全国の学校に遠征に行ってた事が関係してるとか……」
白望「ああ、あと白糸台の大星さんがどうのとか言ってたかぁ……」
咲「大星さん……いや、あわあわちゃん?」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 20:57:09.73 ID:RRhqLhVO0
白望「だるいからそろそろ照さん呼んで来ていい……?」
咲「だ、駄目!!」
白望「えー……」
咲「そうだ、龍門渕の国広一ちゃん呼んで来てよ! 宮守で一緒に対局したよね?」
白望「ああ、あの人かぁ……」
咲「小瀬川さんなら上手くはじめちゃんだけを連れて来れると思うから」
白望(んー……?)
白望「分かった……さすがに時間かかると思うけど、待ってて……」トテトテ
咲「うん、ありがとう」
数絵「あなた、追いかけられてるってあの宮永照にだったのね……」
咲「どうもそうみたいなんだよ」
数絵(何かしら……妙な胸騒ぎがするわね……)
17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 20:59:45.53 ID:RRhqLhVO0
数時間後――
咲「遅いなぁ……」
数絵「そりゃそうよ。平滝は長野の最北端だもの」
数絵「ここに小瀬川さんがたどり着いたのが不思議なくらいだわ……」
咲「あはは、あの人はそういう人だからね」
白望「ただいま……」
咲「あっ、小瀬川さん! おかえり!」
一「ひ、久しぶりだね。咲ちゃん」
咲「は……はじめちゃん!! 会いたかったよ!」ギューッ
一「わわっ!? く、苦しいって……」
照「久しぶりだな、咲」
咲「げえっ お姉ちゃん!?」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:02:44.17 ID:RRhqLhVO0
照「お前、随分暴れまわってるそうじゃないか」
咲「どど、どうしてお姉ちゃんまで……」
白望「ごめん……気付いたらなんかこうなってた……」
照「私が居ると不都合か? どうせ白糸台にも乗り込むつもりだったんだろう」
咲「そ、それは……」
照「だったらちょうど良かったじゃないか。今ここでやろう」
咲「えっ?」
照「聞こえなかったか? 一緒に麻雀を打とうと言っているんだ」
咲「う、うう……」
21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:04:41.33 ID:RRhqLhVO0
照「国広さん、小瀬川さん。悪いが面子に入ってくれないか」
一「うん……」
白望「ん……だるいけど、了解……」
数絵「わ、私は?」
照「少し見ていてもらおう。今の私の妹の本当の力を」
数絵(本当の力……? 私には手加減してたとでもいうの?)
照「さあ、覚悟を決めろ咲。私が相手だぞ」
咲「くっ……こ、後悔しないでよね……」
照「ほざくじゃないか。その意気で打ってくれよ」
一(咲ちゃんのお姉ちゃん、すごいプレッシャー……)
一(あの咲ちゃんが本気で萎縮するほどの相手か。がんばれ、咲ちゃん)
23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:06:34.44 ID:RRhqLhVO0
東一局 親・小瀬川白望
白望:25000 照:25000 一:25000 咲:25000
照「さあ、行くぞ咲」
咲「!?」
咲(後ろから何かが……これは、お姉ちゃんの照魔鏡!?)
白望(なるほどなぁ……)
一(噂には聞いていたけどこんな感覚なのか……)
照「ほほう……なるほどな。これは思った以上に深刻なようだ」
咲「深刻って何だよ……そんな鏡で私の何が分かるのさ!!」
照「分かる、何でも分かるさ」
照「お前が麻雀で弱者を虐げ悦んでいること……自身に届き得る実力者を恐れる臆病者だということも!」
咲「!!!」
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:08:33.02 ID:RRhqLhVO0
咲「わ……私は臆病なんかじゃないもん!」
照「ほう、そうか。上重さんの謎の爆発力に怯えるお前が臆病ではないと」
咲「うっ」
照「神代さんの覚醒を恐れて栄養ドリンクなどという小細工を弄したお前が臆病者ではないと?」
咲「そ、それは……」
一(ああ、そういや栄養ドリンク用意させられたっけ……)
咲「あれはちょっとした遊びだったからいいんだよ! 真面目な勝負なら私だって、正々堂々臆さず挑むもん!」
照「ふむ……そういえばお前、出まかせを言ってごまかすのも上手くなったみたいだな」
咲「で、出まかせじゃないよ! 現にこうやってお姉ちゃんには真剣勝負で挑んでるでしょ!」
照「そうだといいんだがな」
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:11:44.94 ID:RRhqLhVO0
五巡目――
照「ツモ。300・500」
咲「うっ……」
白望(始まるかぁ……)
数絵(チャンピオンの連続和了!)
一(これを止めるのはいくら咲ちゃんでも厳しいのかな……)
咲(いいもん、そっちがそう来るのならこっちだって手加減しないもん!)
咲(配牌時の支配力ならお姉ちゃんにだって負けないんだから……)
咲(次はお姉ちゃんの親番……一撃で飛ばしてあげる!)
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:15:01.47 ID:RRhqLhVO0
東二局 親・宮永照
白望:24500 照:26100 一:24700 咲:24700
照「……!」
照(この萬子だらけの配牌……こいつ、純正九連で待ち構えているな……)
照「咲、お前……『真剣勝負で挑んでる』というさっきの言葉は嘘だったのか?」
咲「私は真剣だもん!」
照「ふざけるな!!」
咲「ふざけてない……そんなことより早く牌を切ってよ、進まないでしょ!」
照「こいつ……口で言っても分からんようだな……」スゥッ
一(あ、あの構えは……)
咲(お姉ちゃんのコークスクリューツモ!)
数絵(この場面でツモったら多牌だぞ!?)
照「はぁぁ……ダイナミック☆チョンボ!!」ガッシャーン
29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:17:28.01 ID:RRhqLhVO0
数絵「!!?」
白望(この大胆さ……さすがはチャンピオン……)
咲「あわわわ……」
一「ちょ、ちょっと! 今のは危険でしょ!?」
照「そこの腑抜けが悪い……咲よ、正面からぶつかって来い」
照「……次もこうならば無傷とはいかんぞ」
白望(阿知賀編OPでしか見たことのない伝説の技……)
白望「まさか直接目にする事が出来るとは思ってなかったなぁ……」
照「チョンボだからな。はい、4000オール」
数絵(何してるのこの人……)
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:19:13.59 ID:RRhqLhVO0
東二局 親・宮永照
白望:28500 照:14100 一:28700 咲:28700
咲(は、配牌での戦いで勝てないからってこんなのおかしいって……)
咲(正面からぶつかって来いって言うけど、そっちこそ私に正面からぶつかれてないじゃんか!)
咲(……お姉ちゃんの言い分なんか知らないよ、私は真面目に打ってるもん!)
照(こいつ、懲りもせず……)
照(今度は幺九牌のみ……ということは国士十三面待ちか)
照「へたれめ。その手は食わんぞ咲!」
照「はぁっ! ダイナミック☆チョンボ!!」ガッシャーン
一「あ、あぶな……!」
咲「わわっ!!」ビシビシ
白望(さっきよりも強烈な一撃……)
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:20:13.55 ID:nhpuIJ6j0
てるてる酷すぎるだろwww
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:21:49.52 ID:RRhqLhVO0
咲「いてて……」
一「牌をぶつけるなんてやりすぎだよ!!」
照「ふん……」
照「そんなことより、これで私は残り2100点だぞ」
照「この圧倒的有利な状況でもなお勝負を避けてそれを続けるか?」
咲「うう……」
照「だとしたらお前はとんでもないチキンだな」
白望(点数的にはピンチなのに、これが王者の風格かぁ……)
数絵(この人本当にチャンピオンなの……?)
35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:24:44.32 ID:RRhqLhVO0
東二局 親・宮永照
白望:32500 照:2100 一:32700 咲:32700
咲(腑抜けだとか、へたれだとかチキンだとか……)
咲(私は真剣も真剣、大真面目なんだよ!)
照「……」
照(くっ、この配牌……)
照(むむむ、咲のやつまさかまだ続けてくるとは思っていなかった。やばいな……)
照(失望したと同時に策が尽きた……もう一度あれをやったら罰符で飛んでしまうし……)
照(さすがに飛ぶのは姉として恥ずかしいぞ。どうする?)
照(手牌は再び幺九牌だらけ……十三面待ちならどれを切っても振り込む……)
照(大会ルールには九種九牌も無いし……む、そうか!)
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:27:10.39 ID:RRhqLhVO0
照「九種九牌だ」
咲「えっ、九種九牌は無しじゃ……」
照「誰が大会ルールと言った? 九種九牌、流局だ。親は流れるぞ」
咲「えええっ!? 九種九牌で親流れなんてルール採用してるの!?」
照「ああ、そうだ。今ここでルールの詳細を大まかに伝えたいところだが、時間も無いので問題があった場合に随時説明する」
咲(それじゃお姉ちゃんの都合のいい通りになっちゃうじゃん!!)
一(こ、この人……さすが咲ちゃんのお姉ちゃんだ!!)
白望(ある意味尊敬するなぁ……)
数絵(お姉さんを殴っても誰も責めないわよ、宮永さん)
39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2012/06/29(金) 21:27:51.78 ID:/D8ah3hE0
魔王の姉は大魔王だった
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:29:16.45 ID:RRhqLhVO0
東三局一本場 親・国広一
白望:32500 照:2100 一:32700 咲:32700
咲(まさかそう来るとは考え付かなかった……)
咲(ふ、ふふ……でも関係ないよ!)
咲(はじめちゃんに和了ってもらえばお姉ちゃんは飛び、私は二位!)
咲(トップではないもののお姉ちゃんには勝てる!!)
照(ふっ……お前の考えなどお見通しだ)
一(ごめんね、咲ちゃん)トンッ
咲「!?」
咲(あ、あれ……天和じゃないの!?)
46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:31:20.24 ID:RRhqLhVO0
照「不思議そうな顔だな、咲……」
咲「な、何さ……」
照「ふふ、少し待ってろ……」プルルルル
咲(電話? どうしてこのタイミングで……)
一「……」
照「ああ、私だ。うむ。例の人質に代わってくれ」
咲「人質!?」
照「ほら。喋ってみろ」
咲「も……もしもし」
衣『おー、その声は咲かー? 元気にしてたかー!』
咲「こ、衣ちゃん!?」
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:33:14.06 ID:RRhqLhVO0
照「ああ、咲は元気だぞ。でも今は麻雀打ってて忙しいからな、また今度だ」
衣『そうなのかー! がんばれよー!』プツッ
照「……と、いうわけだ」
咲「さ……最低だよお姉ちゃん!!」
照「ふむ。ならばその最低な姉を正面から倒してみるがいい!」
咲「言われなくても!!」
白望(ん、ようやくネタ抜きの勝負が始まるかな)
数絵(何なのよこれ……)
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:35:44.28 ID:xOcz6ncd0
ネタ抜きわろた
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:35:46.80 ID:RRhqLhVO0
咲(くっ……やっぱり有効牌は引けないか……)
照(ふふ、やはりいざ局が始まってしまえば私に分があるようだな……)
照「ちなみに国広さんには和了や差し込みや副露等を禁じているだけで、私に有利になるような指示はしていないぞ」
照「小瀬川さんにも似たような指示を出してある。あくまでサシで戦いたいということだ」
咲「なるほどね……」
照「理解したか? ツモ、600・1100」
咲「うっ……」
一(今度こそ始まるのか、お姉さんの連続和了!)
数絵(やっとまともに……どうなるか見ものね……)
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:37:35.31 ID:RRhqLhVO0
東四局 親・宮永咲
白望:31900 照:4400 一:31600 咲:32100
照(フフフ……配牌時の支配さえ封じてしまえばこちらが有利……)
照(正面から当たるのならこの点差でもちょうどいいハンデだ!)
照(いくぞ、咲!!)
咲「ツモ、天和」
照「……」
一「あっ……」
白望(あれぇ……?)
数絵(えー……)
照「き……キサマぁ!!」
咲「べーっ、だ」
終局
咲:80100(+70) 白望:15900(-14) 一:15600(-14) 照:-11600(-42)
57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:39:14.65 ID:RRhqLhVO0
咲「ふんだっ、お姉ちゃんに有利な条件の下で戦うなんて賢くないもんね」
咲「ともかくこれで私の勝ちだよ。衣ちゃんを解放してあげて」
照「チッ……人質作戦が裏目に出たか」
照「だが咲、解放されるのはお前の方だ。滝見さんよろしく」
春「了解」スタスタ
咲「なっ……!!」
照「照魔鏡で覗いたがこいつは思ったより深刻だ。全力でやってくれ」
春「言われなくてもそのつもり」
一「咲ちゃん、おとなしく祓われてね。ボクも事情は聞いたから」ギュッ
咲「じ、事情? 何なの?」
白望「だるいからおとなしくしてて……」ガバッ
咲「いやっ、離して!!」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:41:07.55 ID:RRhqLhVO0
春「全ての神よ、そして全ての生命よ……」
咲「いや、いやああーー!!!」ジタバタ
照「こら、暴れるな」
一(ごめんね、咲ちゃん……でもこれも咲ちゃんのため……)
春「彼の者に依りし魔を取り祓い給え……」
春「破ぁーーーーー!!」
咲「ううっ……!」グッタリ
一「咲ちゃん!?」
春「大丈夫、気絶してるだけ。すぐに気が付く」
照「神社生まれとは本当にすごいな……」
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:42:16.22 ID:TsRS2MwgO
寺生まれのTさんかよw
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:42:54.39 ID:RRhqLhVO0
咲「うっ……こ、ここは……」
一「咲ちゃん! 気が付いた!?」
咲「く……国広さん? 咲ちゃんって、えっ……?」
一「!?」
春「おそらく彼女は魔に操られるまま行動していた」
春「魔を祓ったために操られていた期間の記憶は飛んでいるかもしれない」
一「そ、そう……なんだ……」
春「魔があまりにも自然に彼女を動かしていたためなかなか気付けなかった。申し訳ない」
一「いや、滝見さんは悪くないよ……」
春(そう。彼女が魔を上手く制御していたのではなく、魔が彼女を上手く制御していた)
春(それを見抜けなかった私はまだまだ未熟……)
64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:44:13.48 ID:RRhqLhVO0
咲「さっきから『ま』って、何の話……?」
咲「あれ……国広さんだけじゃないや。滝見さんに、小瀬川さんに南浦さん……」
咲「それに……お、お姉ちゃん!? 何この面子?」
照「確かに面白いメンバーだな」
数絵「そうね。この面子が一堂に会することは後にも先にもないでしょうね」
白望「インハイですら集まらなかった面子だからなぁ……」
咲「そ、それよりこれはどういう状況なの?」
照「む。そうだな、きちんと説明してやらんとな」
照「まずお前は十六年前宮永家に私の妹として生まれ……」
咲「知ってるよ!!」
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:45:52.83 ID:RRhqLhVO0
咲「そ、そっかぁ……私が全国の高校を回ってそんなこと……」
照「うむ。結構えぐい事もやってたみたいだぞ」
一「ボクも鹿老渡と宮守には付いて行ったけど、酷かったなぁ。『平和的解決』とか」
咲「ええっ!? あれやっちゃったの!?」
照「むむ……それは照魔鏡でも見なかったことにしておいたのに……」
一(ああ、お姉さんは被害者だったっけ……)
照「まあいい。ところで咲、お前は自分の真の能力を自覚しているか?」
咲「えっ、真の能力って……嶺上開花?」
照「違う。お前の真髄、それは『開花(かいか)』だ」
咲「カイカ? カイホーじゃなくて?」
照「そうだ」
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:48:07.81 ID:RRhqLhVO0
照「開花……すなわち、他者の能力開花が咲の真髄だよ」
照「幼い頃麻雀でぼっこぼこにやられた私が言うんだ。それに照魔鏡にも映っているから間違いない」
咲「そ、それでお姉ちゃん強いんだ……」
照「そう。そしてここ最近お前にやられた全国の選手たちも能力を開花させているらしい」
一「そうなの?」
照「ああ。魔に操られたお前は相手を徹底的に打ち負かすために加減せず能力を使ったはずだ」
照「それは同時に開花の能力も全力で発揮したということになる」
咲「そういうものなの……?」
照「うむ。そしてそれこそが大星淡の狙い……」
咲「大星さん?」
照「そうだ」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:50:06.29 ID:RRhqLhVO0
照「大星淡が咲の魔の根源だ。あいつが咲に魔を植え付けた」
春「!」
咲「な、何のために……」
照「お前に全力を出させるためだ。自身では開放できないほどの力をな」
照「そしてあいつは全国決勝で開花の能力を全力で受けた」
咲「そういえば……そうだ、決勝の大将戦辺りから記憶がない!!」
咲「教えて、お姉ちゃん……優勝したのはどこの高校なの?」
照「もちろん白糸台が三連覇したさ。そりゃもう圧倒的だった」
咲「そっか。私たちは優勝出来なかったんだね……それじゃ和ちゃんも……」
一「いや何しれっと嘘吐いてるのさ!? 清澄が優勝したからね!」
照「チッ……」
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:52:26.96 ID:RRhqLhVO0
咲「えっ、私たちが優勝したの?」
一「うん。咲ちゃんがばばーんとやってオーラスで逆転勝利だったよ」
咲「く、国広さん。その『咲ちゃん』ってのくすぐったいんだけど……」
一「うっ……な、何さ。そっちが先に呼んだくせに」
咲「えっ!?」
一「ほんとに自分勝手なんだから……ばか咲……」
咲「ば、馬鹿って……」
照「元はといえば魔に操られていたお前が国広さんを『はじめちゃん』と呼んだのが始まりだ」
咲「えっ? 私がそんな……」
一「……」ジトーッ
咲「えっ?えっ? だって、国広さん年上でしょ?」
照「フッ……だからお前はアホなのだ」
咲「あ、アホじゃないもん!!」
77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:56:21.10 ID:RRhqLhVO0
照「彼女は年齢など関係ないと思っているぞ」
咲「そ、そうなの?」
照「ああ。そもそも国広さんはお前が魔に操られているなんて知らなかったんだ」
照「あれが本当のお前だと思って『はじめちゃん』と呼ばせるのを快諾した……」
一(いや快諾はしてなかったけど……)
照「そこには先輩後輩などという垣根はなかった。あったのは友達という繋がりだ」
咲「友達……」
照「そしてその繋がりを確かな物と感じたからこそ、国広さんの方も『咲ちゃん』と呼んだんだろう」
照「そうだな、私も咲ちゃんって呼んでいいか?」
咲「なるほどね……いやそれは駄目だけど」
78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 21:59:20.84 ID:RRhqLhVO0
咲「ごめんね、『はじめちゃん』」
一「!!」
咲「はじめちゃんは操られていた私とはいえ私を友達と認めてくれてたのに……」
一「ぼ、ボクはいいけどさ……その間の記憶がない咲ちゃんはボクの事を友達って思えるの?」
咲「うん。だって『私』が認めた友達なんだから」
一「……そっか。本当の咲ちゃんは優しいね」
咲「えっ……」
一「あっちの咲ちゃんったら酷かったよ! 利己的で、嗜虐心強くて、優しさのかけらもなかった!」
咲「そ、そうなの?」
一「うん。でもそんな人でも、いざ会えなくなると寂しいものなんだね……」
咲「その時の私だって、歪んでたかもしれないけどきっと私の一部だよ」
咲「私はここにいるよ、はじめちゃん」
一「咲ちゃん……」
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:01:05.44 ID:RRhqLhVO0
一「そうだよね、咲ちゃんはここに居るもんね。教えてくれてありがと……」
咲「ふふ、どういたしまして」
一「お礼に『咲』って呼び捨てしてあげるよ」
咲「えっ!? お、お礼なのそれ?」
一「へへっ。お返しだよ、咲」
咲「お返し?」
咲(って、ほんとに呼び捨てしてるし……)
照「よし、そんなどうでもいい話はそこまでにして本題に入ろうか」
一(どうでもいい!?)ガーン
82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:03:35.29 ID:RRhqLhVO0
照「今の淡は私ですら手の付けられない魔物と化している」
咲「そ、そんなに強いの?」
照「うむ。仕方ないから麻雀勝負を諦めて部員全員で取り押さえようとしたんだが、妙な力で逃げられてしまった」
春「おそらく、元来持っていたと思われる魔の力も増幅されている」
春「神を降ろした姫様ですら彼女を止めることが出来なかった」
照「そういうわけで奴を止めるのは麻雀でも物理的にも難しいのだ」
照「しかし……止めねばならん、何としても」
咲「ど、どうやって?」
照「まず麻雀で負かし、その後にへこんだ淡の魔を祓うのだ」
一「えっ。でも麻雀でも止められないってさっき言ってたじゃんか」
照「その通りだがな。しかし咲がいれば或いは……」
咲「わ、私?」
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:05:53.12 ID:RRhqLhVO0
照「奴をおびき出すこと自体は容易だろう。あいつは自分と対等に戦える対戦相手に飢えている……」
照「それもそのはず、全国大会後は一度も負けたことがないんだからな」
一「一度も?」
照「ああ。何十、何百と対局をして一度もだ」
白望「それはヤバそうだなぁ……」
照「うむ。奴を相手にするとテンパることすら難しくなる」
照「私の知っている限り、奴と戦って和了れたのは私一人だけだ」
数絵「チャンピオンでしか対抗することが出来ない相手……!?」
照「対抗というほどの事すら出来ていないがな」
85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:08:26.25 ID:RRhqLhVO0
照「だが咲。お前なら対抗出来うると私は考えている」
咲「そんな凄い人相手に私が……?」
照「そう。お前と、お前のその開花の能力が唯一の対抗手段だ」
照「さっき私が操られた状態のお前と戦ったのは二つ理由がある」
照「一つは、本当の咲のためにも操られていた咲を何としても叩き潰しておきたかった」
照「残念ながらこちらは叶わなかったが、もう一つ……」
咲「……もしかして『開花』を受けるため!?」
照「その通り」
照「これで私がどうなったか……楽しみだな」フッ
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:10:14.11 ID:RRhqLhVO0
照「さっきも言ったとおり、淡をおびき寄せるのはおそらく簡単だ。ただ対局を挑めばそれでいい」
照「後は叩き潰すだけだ」
咲「でも誰が大星さんと戦うの? お姉ちゃんと私は確定なんだろうけど……」
一「確かに……あっ、そういえば全国の選手も咲の影響で覚醒したって言ってたよね」
数絵「なるほど、その内の誰か一人というわけですか」
照「ふふ……違うぞ。もっと恐ろしい人物を用意してある」
咲「えっ?」
照「ふむ、ちょうど到着したようだな」
マホ「やっと着きましたー。宮永先輩、久しぶりです!」
咲「!?」
88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:12:36.61 ID:RRhqLhVO0
咲「ま、まさかマホちゃんが!?」
照「ああ。その実力は私にとっても未知数なんだが、相当なものらしい」
咲「どうしてマホちゃんがそんな……」
マホ「事情は聞きましたよ、宮永先輩。変なモノに操られていたんですね……」
咲「うん……どうもそうらしいね」
マホ「マホ、インターハイで活躍する宮永先輩を見てとても憧れました!」
マホ「それでインハイ後に宮永先輩と対局したんですが、立ち直れないくらいぼこぼこにされちゃったです……」
咲「えっ、全然記憶に無いけど……」
照「ふむ。その時の咲はすでに魔に操られていたからな」
咲「ああそっか……」
90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:15:01.18 ID:RRhqLhVO0
マホ「でも実力差があるのも当然だと思ったので、毎日のように清澄高校の麻雀部に通い諦めず何度も立ち向かいました!」
白望「毎日……よくやるなぁ……」
マホ「でも、半荘数十回はやりましたけど、結局宮永先輩には勝てずじまいでした……」
咲「そ、そんなに!?」
マホ「そして残念なことに、マホ、一週間くらいしたら打ってもらえなくなったのです」
マホ「やっとまともな勝負ができるようになったかなぁと思ったところだったんですけど……」
一「あの咲とまともな勝負が出来そうなレベルになったの!?」
照「あいつは基本的にへたれだからな。開花した夢乃さんを脅威と感じて勝負を避けるようになったんだろう」
マホ「それからも清澄に押しかけたんですけど、全国遠征に出かけたとかいろいろと忙しそうで諦めたんです」
93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:17:49.25 ID:RRhqLhVO0
マホ「そしてその後、マホは部内では敵無しになってました」
マホ「それどころか、他校との練習試合でもまったく負けないくらい強くなっていたんです!」
照「『開花』をもっとも色濃く受けているのはこの子だろうな。私ですら危ういかもしれん」
照「そしてさきほど大星淡への対抗手段と言った咲の能力の真髄がこの子に詰まっている」
咲「えっ、それってどういう……」
マホ「ふふふ。マホはここ数日間、宮永先輩にやられたという全国選手を見て来ました!」
マホ「さすがにすごい人たちばかりでしたけど、マホにはその全てを真似できるようになったという自負がありますよ!」
咲「す、全て……?」
照「ふむ、ちょうどいい。夢乃さん、咲に潰された選手がどんな能力開花を遂げたのか説明してくれ」
マホ「はい」
94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:19:26.60 ID:RRhqLhVO0
マホ「新子憧さんは鳴きに磨きがかかり、二副露以上した局ではほぼ必ず和了ります」
マホ「松実玄さんはドラを自在に操れるようになっていました」
マホ「松実宥さんは赤色を含む牌ならばある程度思った通りの牌を引けるようになったようです」
マホ「森垣友香さんはテンパイ時に捨てた牌が何故か必ず通るようになったみたいです」
マホ「安福莉子さんは手に一筒を引き寄せ、対戦相手は一筒でのテンパイが困難になります」
マホ「江口セーラさんは毎局のように配牌時から満貫以上の手がほぼ確定しています」
マホ「園城寺怜さんは予知に逆らった時の一巡先までも少し見ることが出来るようになりました」
マホ「そしてさらには未来が都合のいいように変わることもあるらしいですよ」
マホ「上重漫さんは爆発力を身に纏い、このままなら来年度のエースは確実らしいです」
マホ「愛宕洋榎さんは『今なら宮永咲を触れることなく潰せる気がする(物理的な意味で)』と言っていました」
咲「ちょ、ちょっと! 愛宕さんだけおかしくない!?」
マホ「どうやら宮永先輩が怒りを買うようなことをしていたみたいで……」
96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:21:42.41 ID:RRhqLhVO0
白望「そういえば塞も塞ぐのが容易になったとか言ってたなぁ……」
白望「胡桃は胡桃でテンパイ気配がまったく読めないし……あれは配牌時にテンパってるのかもしれない……」
マホ「そういう小瀬川さんも『迷い』が冴えてるみたいじゃないですか」
白望「んー……まぁ……」
マホ「佐々野さんは残念ながらまだ麻雀を打つ気になれないそうですが、いろんな可能性を考慮してるみたいですね」
マホ「あっ、あと永水女子の薄墨さんは北家の時の配牌で東と北が必ず四枚入るようになったらしいです」
一「おそろしいね……」
照「何より恐ろしいのはその全てをこの夢乃さんが使いこなせるということだな」
咲(私ですら敵わないでしょ今のマホちゃんになんか……)
97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:22:07.47 ID:D2Q4ZHJm0
何これこわい
99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:22:42.55 ID:RRhqLhVO0
照「ふっ……だがな、咲。私は今のお前が一番強いと思っているぞ」
咲「えっ、魔に操られていない私はたぶんリミッターを外せないよ?」
照「あいつはへたれだった。弱者をいたぶることしか考えていない。だからあいつが苦戦した相手は何人かいた」
照「真の強者を倒すには、真なるお前の真なる力が必要だ」
マホ「魔状態の宮永先輩がマホごときとの勝負から逃げていたんだとしたら、マホもお姉さんと同意見です!」
咲「お姉ちゃん……マホちゃん……」
一「確かに、今の咲の方が底力はありそうだよねー」
春「魔を纏っていない宮永さんの方が、どこか素敵」
咲「はじめちゃん、滝見さん……」
白望「だるいからさっさと大星さん倒して」
数絵「正直私には付いていけない部分も多いけど、あなたはあなたにできることをやりなさい」
咲「小瀬川さんに南浦さんまで……」
102 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:26:17.63 ID:RRhqLhVO0
咲(能力開花をし、もはや敵なしとも思えるマホちゃん……)
咲(ただでさえ全国王者だった上に開花までして完全に未知数な存在となったお姉ちゃん……)
咲(そして本当の自分を取り戻した私……)
咲(これだけ揃えばいくら大星さんが強いといっても負けないわけないと思うけど)
咲(でも、だからって油断はできない……)
咲(麻雀は勝てばいいってものじゃない。私は麻雀でみんなの心の花を咲かせたい)
咲(そのためにも大星さんを止めるんだ! みんなで力を合わせて!)
咲「みんな……うん、私がんばるよ!!」
咲の勇気が大星淡を打ち破ると信じて……!
『リンシャンマスター咲』 ご愛読ありがとうございました!
104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2012/06/29(金) 22:27:17.52 ID:BbIa85vzO
俺達の戦いはこれからだ!
106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2012/06/29(金) 22:27:39.59 ID:/D8ah3hE0
大完結編とかファイナルとかピリオドとかにつながるんだろわかってるって
114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:30:28.70 ID:oatxaUE10
お疲れ
115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:31:12.05 ID:RRhqLhVO0
[大星淡戦・予告]
淡(リーチ一発で当たり牌を掴まされた!?)
照「どうした淡。さっさと牌を切れ!」
淡「ふ、ふふふ……『超新星爆発(スタークエイク)』!」
照「な、何だ!?」
マホ「雀卓が独りでに揺れて……このままだと牌が崩れちゃいます!!」
一「そんな! それじゃこの局がノーゲームになっちゃうじゃんか!」
咲「『九連世界の支柱(ユグドラシル)』!」
淡「なに!?」
ゆみ「揺れが収まった……?」
春「ユグドラシル……世界を形成する大樹」
咲「さあ、大星さん。早く牌を切って」
淡「くっ……」
118 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:32:40.02 ID:rQOS4nvf0
どういうことなの・・・
119 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:32:50.33 ID:RRhqLhVO0
淡「これで終わりよ。『流星小夜曲(スターダストセレナーデ)』!」
マホ「これは……筒子のチンイツ、ですか?」
淡「ただのチンイツではないわ」
照「何だと……?」
副会長「た、大変です会長! 突如隕石群が清澄高校に向かって落下を……」
久「何ですって!?」
淡「ふふ……これは和了時の筒の数だけ隕石を飛来させる能力よ!」
一「そ、そんな!!」
衣「やっと衣の出番か。行くぞ、咲!」
咲「うん!」
咲・衣「『咲く月(ニュームーン)』!!」
123 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:35:35.60 ID:RRhqLhVO0
咲「そ、そんな攻撃で倒れる私じゃないよ……」
淡「くっ。『十字磔刑(サザンクロス)』では威力が足りなかったか……」
淡「やはり魔王には魔王の力で対抗するしか無いわね」
淡「『全力全開の魔光(スターライトブレイカー)』!!」ゴォォォ
咲「……っがは!!!」ドゴッ
一「咲!!」
照「何だ今のは!? 謎の波動で咲が吹っ飛ばされた……!?」
咲「うぅ……」グッタリ
マホ「宮永先輩! しっかりしてください!!」
※以上、難易度が高すぎて実現できなかったボツ案です
127 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:39:56.97 ID:RRhqLhVO0
後日・清澄高校麻雀部部室――
ゆみ「本当に大星淡は来るのか?」
照「安心しろ。あいつがこんな餌を見逃すはずがない」
竜華「そない言うても、全然音沙汰ないやんか」
怜「安心しぃ、竜華。ウチには見えとるで」
美幸(あの園城寺がそういうのなら間違いなさそうな気がするけど……それよりも……)
美幸「怖い人が集まり過ぎだってばもー!」
友香「今すぐにでもみんなと打ちたい!」
莉子「ふ、二人とも落ち着いて……」
咲(確かに、ここには錚々たるメンバーが揃っている……)
咲(大星さんを打ち倒すためにみんな集まったんだ)
131 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:43:18.55 ID:RRhqLhVO0
和「咲さん」
咲「あっ、和ちゃん……」
和「良かったです……名前で呼んでもらえるんですね……」
咲「えっ?」
和「つい最近まで何故か苗字で呼ばれていたんです」
咲「そうだったのか……ごめんね和ちゃん」
和「いえ、事情は聞きましたから。咲さんは多重人格だったんですね」
咲「た、多重人格?」
マホ「魔に操られていたって説明したんですけど信じてもらえなくて……」
優希「のどちゃんのオカルト嫌いにも困ったものだじぇ」
咲(ああ、そういうことか……)
132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:44:45.02 ID:RRhqLhVO0
洋榎「おう、久しぶりやんか宮永咲。話は聞いとるで?」
咲「!?」
洋榎「一発どついたりたい気分やけど、元凶は他に居るんやってなー」
洋榎「ふん、ほんならまずはそいつをぶちのめさんとなぁ」
洋榎「それが片付いたら改めて勝負しようや! 本当のウチとな!」
咲「う、うん。楽しみに待ってるね……」
漫「もう、主将ってば落ち着いてくださいよ……」
セーラ「まあこいつは品のない奴やから仕方あらへんよなぁ」
洋榎「何やて!? 江口、自分麻雀でウチに敵わんからってそないな……」
セーラ「んん、誰が誰に敵わんって? シード校にもなれんかった弱小姫松のエースさん?」
洋榎「おお? なんや、やる気か?」
泉「や、やめてくださいって先輩方……」
134 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:46:07.26 ID:RRhqLhVO0
初美「久しぶりですねー、宮永さん」
咲(ま、また声かけられた!?)
初美「あはは、そう怯えないで下さいよー。大体の事情は聞きましたからねー」
小蒔「敵視する者が多くてさぞ大変でしょうね……」
咲「だ……大丈夫ですよ! たぶん……」
霞「うふふ……初美ちゃんをいじめてたあの子が、本当はこんな優しそうな子だったなんてねぇ」
初美「い、いじめられてなんていませんよー」
霞「あらあら、宮永さんは初美ちゃんの泣きじゃくった顔がかわいいって言ってたわよ?」
咲「ええっ!?」
初美「そんなこと一言も言ってなかったじゃないですかー!」
霞(言ってはいなかったけれど、絶対そう思ってたわよその子)
135 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:47:13.13 ID:RRhqLhVO0
塞「やあ、あの時はすまなかったな宮永さん。といっても記憶はないんだろうけど」
咲「えっと……臼沢さん?」
塞「うむ。たかが麻雀勝負で倒れてしまってすまなかったね」
咲「そんなことがあったの!?」
宥「た……倒れたといえば私も……」
穏乃「そういえば宥姉さんも宮永さんと対局して気を失ってましたよね……」
咲(わ、私……一体全国回って何してたの!?)
怜「ウチもたかが麻雀で倒れたことあるで?」
竜華「アンタのはまた別やないか。宮永さん関係ないやろ」
137 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:48:40.07 ID:RRhqLhVO0
灼「……」ジーッ
咲「うっ……」
灼「正気に戻ってるんだよね」
咲「う、うん」
灼「そう。じゃあ許してあげる」
咲「えっ? えっ??」
灼(憧も玄も強くなった。だから……倒すことはできなかったけど、許す)
玄「宮永さん! 大星さんを倒すのなら、私におまかせあれ!」
憧「私も手伝ってあげるわ!」
咲「あっ……うん、期待してるね」
139 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:50:32.86 ID:RRhqLhVO0
桃子「しかしリンシャンさんが光り出した時には何事かと思ったっすよ」
咲「えっ……光る?」
ゆみ「うむ。ステルスモモに対抗してシャイニングサキという能力を編み出していてな」
咲「ひ、光ってたの? 私の体が?」
智美「ワハハ、そうだなー。牌が見えないくらいまぶしかったぞー」
咲「私人間だよね!?」
純「どうだろうなー。まあ衣も光ったりするから気にすんなって」
透華「そうですわよ! 目立ってナンボですわ!」
衣「うむ、その通りだな!」
一「さ、さすがにそれはどうかと思うけどなぁ」
一(なるほど、それをボクに見られたくなかったのか……確かにイカサマ以上かも……)
141 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:53:36.75 ID:RRhqLhVO0
美穂子「宮永さんにやられて以来目の調子がいいわ」
咲「そうなんですか?」
未春「えっ、キャプテンそれ以上目が良くなることがあるんですか?」
美穂子「あら……私はそれほど良くなかったのよ。0.8前後だった視力が1.5以上になったの」
星夏「純粋な視力の話ですか……」
華菜「事情は聞いたぞー、清澄。その大星とかいう奴はこの私がぶちのめしてやるし!」
華菜「何しろ私たちが全国に進んでいたら当たってた相手だからな!」
咲「いや、私は一応全国でその人倒してると思うんだけど……」
咲(まあその全国の時よりパワーアップしてるらしいけどね)
145 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 22:56:28.74 ID:RRhqLhVO0
久「みんな静かにしなさい。お客様はとっくに来てるわよ」
淡「待たせたわね」
一同「!!」
照「ようやくご登場か。随分と遅かったじゃないか」
淡「あ、貴女たちがあまりにもにぎやかだったから入るタイミングを逸してたのよ」
久「うん……見かねて私が入れちゃった」
まこ(意外と小心者じゃのう……)
149 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:00:13.24 ID:RRhqLhVO0
淡「そんなことより宮永咲。私の名前を呼んでみなさい」
咲「えっ……大星さん?」
淡「違うでしょ?」
咲「えっ、何が違うの!?」
京太郎「な、何を言ってるんだ? この人偽者なのか?」
淡「ふむ……なるほど。本当に魔は祓われたみたいね」
春「なるほど。あの時あわあわと言っていたのはこのために」
淡「その通りよ。いざという時のための駒が欲しかったけど、そういうことなら仕方ないわね」
照「咲を駒として使うつもりだったのか……」
淡「悪いですか、宮永先輩?」
151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:03:57.42 ID:RRhqLhVO0
淡「まあ、駒なんてなくても貴女たちになんて負ける気がしないけどね」ゴォォォ
一「ううっ……」
純「こいつ、なんてプレッシャーだ……」
淡「たとえ宮永咲により開花した者がいても、元々持っている素質の差があるわ」
照「ほう……私を前にしても同じ事が言えるのか?」
淡「宮永先輩……そう、貴女も開花の洗礼を……」
淡「でも、幼い頃から宮永咲と戦っていた先輩にそこまでの伸びしろがあるんでしょうかね」
マホ「マホも居ます!」
淡「む……確かになかなかのオーラを感じるけど、まだまだよ。よく見たら中学生じゃない」
マホ「中学二年ですが、あなたになんか負ける気はしません!」
淡「二年……それならインハイで戦うことになるかもしれないわ。その時までせいぜい自分を磨くことね」
152 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:05:16.72 ID:RRhqLhVO0
咲「大星さん……絶対に倒すからね」
淡「やはり貴女が一番素質を持っているわね。でも素質だけでも私には勝てないわよ」
淡「一番の素質を持っているものが開花の恩恵を受けられない……皮肉なものね」
照「やってみなければ分からんだろう」
マホ「そうです! マホたちは絶対勝ちます!」
淡「いいわ。それじゃあ始めましょう」
咲(負けないよ、大星さん!)
154 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:08:47.52 ID:RRhqLhVO0
東一局 親・大星淡
淡:25000 マホ:25000 照:25000 咲:25000
淡「さて、始めようかしら……」
淡「ツモ。天和・字一色、16000オールよ」
マホ「なっ……!」
照(来たな……)
ゆみ「いきなり役満だと!?」
淡「ふふ、この程度で驚かれては困るわね」
咲「字一色の七対子……」
衣「おーなるほどなー、大七星か」
155 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:10:04.06 ID:RRhqLhVO0
照「こいつは必ず起家で天和・大七星を和了る」
照「そしてその後は対局終了まで全員ノーテンになるんだ」
一「そ、そんな……飛ばすとかじゃないの!?」
照「うむ。対局相手を飛ばしたことは一度もない。しかし誰一人テンパイへと至れないのだ」
照「その支配を抗って和了れたのは今まで私一人……しかし逆転には到底及ばなかった」
咲「へえ……怖いなぁ」ニヤッ
マホ(宮永先輩、笑ってます……)
怜(何や、自信ありげやないか)
156 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:12:12.42 ID:RRhqLhVO0
東一局一本場 親・大星淡
淡:73000 マホ:9000 照:9000 咲:9000
流局――
淡「ノーテン」 マホ「ノーテンです」 照「ノーテン」 咲「ノーテン」
淡「どうしたのかしら。私を倒すんじゃなかったの?」
マホ(ふむー……)
照「……」
咲(んー……)
一「本当にみんなノーテンだ……」
初美「大丈夫なのでしょうかー?」
ゆみ「いや、この三人がこの程度のはずがない」
久(そうよ。見せなさい、あなたたちの真の実力を!)
159 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:14:46.91 ID:RRhqLhVO0
東二局二本場 親・夢乃マホ
淡:73000 マホ:9000 照:9000 咲:9000
マホ(大星さん、その程度ですか? ならば行かせてもらいます!)
マホ「本当、穏乃さんってば計算が出来ないんですから……」
穏乃「えっ、私!?」
憧「違う! あれは私よ!」
咲(新子さんの能力は確か……なるほど、二副露させてあげればいいんだね)
マホ「ポン!」
マホ「ポン!」
マホ「ツモ、二本場で2200オールです!」
マホ(宮永先輩、ナイスアシストです)
淡「へー」
160 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:16:24.01 ID:RRhqLhVO0
照(なるほど、これが新子さんの二副露すると和了るという能力か)
照(私ですらほとんど和了るチャンスがなかったのに、この子はいとも簡単に……)
咲(確かに大星さんの支配は強い。だけど絶対的というほどじゃない)
咲(狙って鳴かせることくらいならできる!)
塞「本当に他人の能力が使えるのか……」
マホ「マホにかかればこれくらいたやすいです!」
淡「なかなか面白いけれど、一度和了ったくらいで調子に乗らないでもらえるかしら」
マホ「ふふ、調子に乗りますよ! 一回だけでは終わらないですからね!」
162 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:18:06.13 ID:RRhqLhVO0
東二局三本場 親・夢乃マホ
淡:70800 マホ:15600 照:6800 咲:6800
マホ「行けますよね……」
莉子「!!」
莉子(まさか、今度は私の一筒を集める能力……?)
四巡目――
マホ「カンです!」
マホ(集まった一筒をカン……宮永先輩の能力でリンシャンから有効牌として引き寄せて、そして……)
マホ「リーチです」トンッ
泉「あのリー棒を立てるリーチは……」
竜華「怜の一巡先を見る能力!?」
163 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:19:41.53 ID:RRhqLhVO0
五巡目――
マホ「あったかい牌、来てください……」スッ
宥「あ、あれは私の……」
マホ「あはっ、未来が変わって赤い方引いちゃいました!」
マホ「ツモです。リーチ一発赤1、4300オール!」
咲「すごい、マホちゃん……」
怜「未来変更まで完璧に操れるんか? それやとウチ以上やないか……」
マホ「それはたまたまですよ。マホの本領はあくまで模倣ですから!」
淡「ふふ……」
マホ「おや、大星さんどうしました。負けを認めますか?」
淡「負け? 馬鹿言わないで、まだ4万点近くの点差があるのよ」
170 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:35:48.92 ID:RRhqLhVO0
淡「それに宮永先輩と宮永咲の点数を見てみなさい」
淡「残り2500点……ツモ和了りだけじゃ限界だと思うけど」
淡「逆転するのなら私からの直撃を取れないとね。基本姿勢がノーテンの私から出来るかしら?」
照(確かにこの点差だ。私たちにもっと点数がないと厳しいな……)
玄「うう、これだけのプレッシャーの相手から直撃なんていくら夢乃さんでも……」
マホ「おまかせあれ、です!」
玄「えっ」
玄(今の、もしかして私の……?)
174 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:37:44.44 ID:RRhqLhVO0
東二局四本場 親・夢乃マホ
淡:66500 マホ:28500 照:2500 咲:2500
マホ「松実玄さん」
玄「な、何?」
マホ「私、宮永先輩の『開花』で最強になったのは玄さんだと思っています」
玄「えっ!?」
マホ「玄さんの真似をしていて気付いたんですけど、予想以上にドラゴンを操れるんですよ」
玄「それってどういう……」
マホ「まあまあ、見ていてください!」
175 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:39:33.91 ID:RRhqLhVO0
八巡目――
照(先ほどからドラを目にしていないが……)
咲(やっぱりマホちゃんが松実妹さんの能力を発動させているからだよね)
淡(しかし、松実玄が最強になったとはどういう意味かしら。好きなタイミングで好きなドラを引いて来られるとか?)
マホ「やはり、大星さんの支配は思ったほどじゃないですね」
淡「!?」
マホ「リーチです」トンッ
照(今度は園城寺さんのリーチではないのか)トンッ
咲(でも、何か考えがあっての行動のはずだよ)トンッ
淡(ドラを集めてのリーチか。三倍満以上のツモなら宮永姉妹を飛ばして一位終了……)
淡(ふふっ、そう来ると思ったわ。かかったわね!)スッ
177 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:40:22.74 ID:RRhqLhVO0
淡「!?」
淡(ドラを引いた……!? そんな、松実玄の能力はどうなってるの……)
淡(それに……ううっ、急に頭がボーっとして……)
淡(意識が、薄れて……)トンッ
マホ「それ、ロンです!」
淡「!!」
マホ「リーチ一発ドラ6、25200!」
淡「なっ……わ、私がツモ切りしたというの!?」
マホ「はい。ドラゴンの力を用い人の意識さえ奪ってしまう……」
マホ「これが『真の龍帝(マスタードラゴンロード)』の能力です!」
玄「わ……私、こんなことが出来るの?」
灼「異常……」
182 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:42:58.97 ID:RRhqLhVO0
東二局五本場 親・夢乃マホ
淡:41300 マホ:53700 照:2500 咲:2500
照(夢乃さん、予想以上の力だな)
一(まさか逆転しちゃうなんて……)
マホ「さあ、後がなくなりましたね大星さん」
淡「後がなくなった? 冗談言わないで。これでようやく五分、半分の力が出せるってものよ」
マホ「まだそんなことを言う威勢がありますか……」
マホ「それなら早く全力を出してください!」トンッ
淡「ロン、四暗刻単騎。33500!」
咲「!!」
マホ「なっ……!?」
照「何だと?」
186 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:44:16.09 ID:hGEtvJ530
えげつねえよwwwww
187 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:44:25.32 ID:RRhqLhVO0
淡「これが私の五割の力……『点数輪廻(オービットホーラ)』!」
淡「私にとって32000点以上の手を和了るなんて造作もないことよ」
漫「ど、どういうことやねん……」
美幸「何言ってるのかさっぱり分からないよ、もー!」
塞「そうだ、意味が分からん。第一それなら何故飛ばさない……」
ゆみ「いや……まさか飛ばせないのか?」
白望「なるほど、飛ばすことによって何らかのペナルティを負うってことかぁ……」
小蒔「し、しかし飛ばしてしまえばそんなこと関係ないのではありませんか?」
純「以降に響いてくる何かなのかもしれないな。能力の弱体化とか」
洋榎「能力持ちってめんどくさいんやな……」
189 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:46:40.13 ID:RRhqLhVO0
マホ「うう、点を稼いでも一気に取り返されちゃうみたいです……どうしましょう……」
咲「ねえお姉ちゃん。照魔鏡では大星さんの能力は見抜けなかったの?」
照「うむ。こいつに照魔鏡を使っても色濃い魔に遮られてほとんど何も見えなかったのだ」
咲「そっか……32000以上の手って事は、役満か親の三倍満だけってことだよね」
照「なおかつ飛ばせない……つまり、淡が親の時は他が36000点以上、子の時は32000点以上になると動いてくるのか?」
照「いや、こちらが三人とも点数を持っていた場合にはツモ和了りもあり得るな」
咲「理想的なのは32000点の手を和了った時にぎりぎり飛ばしてしまう状況……」
咲「つまり、大星さんが子の時に親が15900点、子が31900点ずつ持っていること?」
マホ「しかし『五割の力』と言ってましたし……まだまだ底が見えないです……」
192 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:49:33.69 ID:RRhqLhVO0
東三局 親・宮永照
淡:74800 マホ:20200 照:2500 咲:2500
照(さて、私の親番だな)
照(夢乃さんがあれだけ活躍したんだ、私もがんばらねば)
照「チー!」
照「ポン!」
照「チー!」
流局――
照「テンパイ」 咲「ノーテン」 淡「ノーテン」 マホ「ノーテン」
照(くっ、テンパイが精一杯か。やはり私の力では厳しいようだ)
照(しかしまずいな。このままでは咲が飛んでしまう……)
194 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:50:52.59 ID:RRhqLhVO0
照「大丈夫か、咲」
咲「……ん? ああ、ちょっと力温存してるだけだから平気だよ」
淡「何……?」
憧(温存? さっきから動きがないと思ったら……)
咲「うん、でもそろそろテンパらないとまずいかな」
咲「力を蓄えた私にとって、この程度の支配くらい余裕だから安心してお姉ちゃん」
照「あ、ああ……」
セーラ「あっはは! なかなか言うやないか」
マホ「さすが宮永先輩です!」
淡「ふん。その威勢がどこまで続くかしらね……」
197 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:52:28.81 ID:RRhqLhVO0
東三局一本場 親・宮永照
淡:73800 マホ:19100 照:5500 咲:1500
照(咲め……頼もしすぎて不気味なくらいだ)
照(ならば私も屈していられないな)
十巡目――
照「ツモ。一本場で1100オール」
穏乃「チャンピオン、今度は和了れたのか……」
淡「へえ……宮永先輩も私の支配を破れるようになりましたか」
照「当然だ」
淡「アッハッハ! でも貴女の妹さんはもう400点ですよ?」
照「だからどうした?」
淡「ちっ。どこからその余裕が湧いて来るんですか……」
淡「いいですよ、ならばせいぜい私から直撃を取ってみてください!」
198 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:53:46.56 ID:RRhqLhVO0
東三局二本場 親・宮永照
淡:72700 マホ:18100 照:8800 咲:400
六巡目――
照「直撃を取る、か……」フッ
照「夢乃さんや咲には悪いが私にはそれほどの力は無い」
淡「あら……じゃあさっきの余裕は何だったんですか?」
照「私たちは皆でお前を倒すからな。私に必要なのはある程度の点数だ」
淡「そうですか。ですが妹さんがその点数ではツモ和了りはもう出来ないでしょう?」
照「そうだな」
マホ「……」トンッ
照「ロン、6400!」
淡「なっ……! 夢乃さんから!?」
照「ああ。たとえ格好が悪くとも、お前を倒すためなら私は何でもする」
199 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:55:29.15 ID:RRhqLhVO0
東三局三本場 親・宮永照
淡:72700 マホ:11700 照:15200 咲:400
淡(小賢しい真似を……)
照「さあ、咲……そろそろお前の番だぞ!」
咲「うん。がんばるよお姉ちゃん!」
十八巡目――
咲「……」トンッ
淡「結局流局とはね……何が『がんばるよ』、かしら」
淡「やはり貴女には私の支配は破れないみたいね」
照「分かっていないなお前は……ノーテン」
淡「分かっていない? 何が?」
咲「和了ったらお姉ちゃんが飛んじゃってたからね。テンパイ」
淡「これは、四暗刻テンパイ!? しかも海底牌が和了り牌だったの……?」
200 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:56:32.67 ID:RRhqLhVO0
淡「……ノーテンよ」 マホ「ノーテンです」
淡(不快だわ……私の勝ちが揺らがないとはいえ、ね)
華菜「役満和了り放棄……まるで県大会決勝の私みたいじゃないか……」
星夏「一緒にしたら宮永さんが傷つきますよ……」
華菜「それはどういう意味だし!?」
一(さすが咲……このプレッシャーを物ともしてないんだね)
衣「むぅ~、衣も混ざりたいぞー」
透華「ふっ。我慢なさいな」
純「うおっ、こいつ『冷たく』なってやがる……」
201 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:58:40.80 ID:RRhqLhVO0
東四局四本場 親・宮永咲
淡:71700 マホ:10700 照:14200 咲:3400
五巡目――
咲「ツモ。4400オール」
淡「!!!」
淡「宮永咲……本当に私の支配が効かないというの!?」
咲「まあ、正直慣れて来たかな。最初はマホちゃんを鳴かせるのが精一杯だと思ってたけど」
咲「でもまだ完全じゃないよ。今回も本当は直撃を取るつもりだったし」
淡「ふん。あまり調子に乗っていると後で痛い目見るわよ」
マホ「マホには勝利の未来が見えていますけどね!」
照「私にも見えている」
淡(ちっ……幸せな人たちね……)
204 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/29(金) 23:59:43.16 ID:RRhqLhVO0
一「満貫かぁ……」
竜華「なんや、大星さんの支配なんて目やないやんか……」
憧「これは勝負あったわね」
小蒔「ま、まだそう言い切るには早いのではありませんか?」
ゆみ「いや……今の満貫で点差は50700になった」
穏乃「それって途方もない点差だと思うんですけど……」
洋榎「何言うとるんや。役満ツモ和了りすれば逆転と同時に飛び終了やないか!」
美幸「その発想が恐ろしいって、もー……」
豊音「宮永さんならやりかねない気がするけどー」
久「まあ……何にしても、咲に期待ね」
207 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:01:21.19 ID:2yofKIvT0
東四局五本場 親・宮永咲
淡:67300 マホ:6300 照:9800 咲:16600
淡(役満をツモれれば宮永咲の一位で決着……確かにそうなんだけれどね)
淡(それこそが罠なのよ。さあ、来るがいいわ!)
咲(うん、確かにそれなら私は一位……でもね……)
七巡目――
咲「ツモ。4500オール」
淡「また満貫? やはり私の支配下で役満は無理なようね」
咲「うーん……そんな事もないけど、役満和了っちゃったら二人が飛んじゃうし」
マホ「!?」
淡「はっ?」
照「咲、お前何を言って……」
208 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:02:30.80 ID:2yofKIvT0
桃子「り、リンシャンさん何を考えてるっすか!?」
マホ「そうですよ! マホたちの飛びを憂慮するより、この場は大星さんを倒すのが優先です!」
咲「うん……でもさ、大星さんはこっちを飛ばせないんだよね?」
咲「だったら、それってフェアじゃないなって思って」
一「それはそうだけど……」
照「そんなことを言っている場合じゃない。さっさと私たちを飛ばして淡を倒すんだ」
咲「それに何となく違和感があるんだ」
初美「違和感ですかー?」
咲「うん。だって、大星さんがこの程度だとは思えないんだもん」
淡「!!」
210 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:05:27.00 ID:2yofKIvT0
咲「これは憶測なんだけど、大星さんだけじゃなくて私たちも他家を飛ばせないんじゃないかなって」
ゆみ「ど……どういう意味だ?」
怜「せやで、和了って飛ばしてしまえばそれで終わりやんか。飛ばせないって意味が分からんわ」
咲「自分でもおかしな事を言ってるって分かってるよ」
咲「でも、大星さんが他を飛ばせないのならもしかしてこっちもって思って……」
淡(なんて人なの……まさか体験しない内に気付くとは……)
咲「ともかく、私は二人を飛ばすつもりはないよ。仮に飛ばすとしても大星さんだけ」
照「咲、お前という奴は……」
マホ「そ、それならばマホが宮永先輩たちを飛ばして一位を取ります!」
咲「マホちゃん……」
211 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:08:22.72 ID:2yofKIvT0
咲「もしかしたらマホちゃんはそう言うかなって思ったけど……」
咲「んー……」
咲「……うん、分かった。それなら私の点棒はマホちゃんにあげるよ」
マホ「えっ……?」
咲「その代わり……魔に操られていた私の打ち方、見せてもらえないかな?」
マホ「ど、どうしてですか?」
咲「どうも何かが足りないような気がして落ち着かないんだよね。やっぱりそれも私の一部だったんだと思う」
咲「その状態の私と一番数多く戦ったのはマホちゃん……だから、出来るよね?」
マホ「……分かりました。がんばってみます」
淡「話は終わったかしら?」
マホ「はい、やってやるです!」
213 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:11:04.98 ID:2yofKIvT0
東四局六本場 親・宮永咲
淡:62800 マホ:1800 照:5300 咲:30100
マホ「それじゃ手加減せず行きます……!」
咲(ん、この配牌は……筒子だけ?)
咲(えーっと、魔に操られていた時の私の能力が働いてるんだよね……)
咲(ってことはもしかして、これ全部当たり牌!?)
咲(あはは、面白い事してたんだなぁ私)トンッ
マホ「ロンです。チンイツドラ5、25800!」
照「八面待ち……淡の支配の中でよくここまで……」
怜「何切っても当たり……ウチも体験したわ」
初美「あの人は一巡目で役満とか普通でしたからねー」
白望「ぶっちゃけすごすぎて読みやすかったんだよなぁ……」
胡桃(逃れるのは無理だったけどね)
214 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:12:08.14 ID:2yofKIvT0
咲「ふーん……なるほどなぁ……」
咲「何となく、分かったよ。何かを取り戻せた気がする。ありがとうマホちゃん」
マホ「ど、どういたしましてです!」
マホ(点数を奪ってお礼を言われるのは少し複雑な気分です……)
照(何故だろうな、咲……不思議と一回り大きくなった気がするぞ)
春「……」ポリポリ
春(宮永さんからまた謎のオーラを感じる)
春(これは魔に似ているが魔ではない。私たち巫女が持つ光に似た輝きをすら感じられる)
春(もしかすると、これが魔を善の方向に転化させたもの……かもしれない)ポリッ
215 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:13:16.88 ID:2yofKIvT0
南一局 親・大星淡
淡:62800 マホ:27600 照:5300 咲:4300
淡「さあ、私を居ない者扱いするのもそこまでよ」
淡「ここからは南場。私の八割の力を見せてあげるわ」
淡「『許されざる者(ポイントパッカー)』……」
淡「『超巨星に呑まれて(ライジングスター)』!」ゴォォォ
照「!!」
ゆみ「うぐっ……!?」
華菜「へっ?」
マホ「ぷ、プレッシャーが倍増したです……」
塞(倍なんてものじゃない……あの時の宮永さん並じゃないか!)
玄「ううう……怖いよぉ……」
217 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:16:47.78 ID:2yofKIvT0
淡「ふふっ。これは前半戦私が支払った点数に応じて支配力が増す能力」
淡「東場で私が支払ったのは確か……合計で4万点くらいだったかしら?」
淡「もっと和了っていれば試合続行不可能だったかもね」
マホ「うう……」
咲「そんなこともないんじゃないかな」
淡「なっ……!? 宮永咲、貴女平気なの?」
咲「全然何ともないよ?」
マホ「み、宮永先輩……」
照「このプレッシャーでまったく動じていないだと……」
淡「くっ、どういうこと!?」
220 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:18:51.67 ID:2yofKIvT0
咲「私がどうしてマホちゃんに和了ってもらったと思う?」
淡「何……?」
咲「大星さんも経験したんでしょ、魔に操られていた私の能力」
淡「ま、まさか……模倣だけで能力開花まで発動出来たというの!?」
マホ「えっ、そうだったんですか!?」
咲「うん。それによく分からないけど、開花と同時に魔に操られていた時の力もある程度戻ってきたみたい」
淡「馬鹿な……」
咲「東場で大星さんから100万点くらい和了ってたら私も危なかったかもなぁ」
マホ「宮永先輩、すごいです……」
照「ふっ……やはり淡を止められるのは咲だけか……」
咲「違うよ、お姉ちゃん。私たちで止めるの」
淡「くっ……いいでしょう。貴女たちの本気、見せてもらうわよ!」
221 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:21:39.65 ID:2yofKIvT0
流局――
淡「ノーテン」 マホ「ノーテンです……」 照「ノーテン……」 咲「ノーテン」
淡「アッハハハハハ! 調子のいい事言って、結局ノーテンじゃない」
淡「やはり貴女たちに私を倒すのは無理のようね!」
咲「そんなことないよ。次の親はマホちゃん……行けるよね?」
マホ「えっ……」
咲「私たちを飛ばして、逆転勝利でしょ?」
マホ「で、でもこんなプレッシャーの中で……」
咲「マホちゃんなら出来るよ」
淡「くっ、まださえずるか……出来るものならやってみなさい!」
229 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:48:51.41 ID:2yofKIvT0
南二局一本場 親・夢乃マホ
淡:62800 マホ:27600 照:5300 咲:4300
淡(そうよ、三倍満以上なんて出来るはずがない……例え出来たとしても……)
マホ(どうすればいいですか……マホの使える能力は……)
マホ(……わかりました、やってみます!)
久「マホちゃんが何か準備してるわ……」
セーラ「が、学ラン着出したで!?」
塞「それにあのモノクルは私の……」
漫「何やあの子、いきなり額に字を書き始めて……『卯』!?」
宥「マフラーまで着けてる……」
230 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:50:24.98 ID:rw001g9d0
格好まで真似る必要あんのかよw
233 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:53:45.92 ID:2yofKIvT0
マホ「くすっ」
胡桃(もしかして私の笑い方を真似してるつもりかな?)
マホ「マホにおまかせあれ、です!」
玄「ま、また私の台詞……」
淡「そ……そんな小細工で私の支配を打ち破れるとでも……」
マホ「さあ、かかってくるがいいです!」ジロッ
淡「くっ……」
初美「あれは私を封じた技ですよー!」
塞「完璧にではないが、大星さんの力を数割塞ぎかけている……」
咲(さあ……見せて、マホちゃん!)
234 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:54:39.89 ID:2yofKIvT0
マホ「ポン!」
怜「ドラの中をポン……これで4飜やな」
マホ「ポン!」
穏乃「赤ドラ五萬! これで5飜だ!」
憧「それに二副露、私の能力の条件を満たしたわ!」
マホ「カンです!」
優希「中を加槓、カンって事は咲ちゃんの能力だじぇ!」
洋榎「おい、槓ドラも中やないか……これで10飜やん……」
桃子「いえ、リンシャンさんの能力っすよね? って事は……」
一「もしかして嶺上開花で三倍満!?」
235 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:57:12.05 ID:2yofKIvT0
マホ(その通りです……行きますよ、これがマホの全力……!)
マホ「ツ……うっ!?」
和「マホちゃん?」
優希「どうしたんだじぇ!?」
マホ(きゅ、急に声が出なく……何ですかこれ……)
マホ(駄目です……意識も遠のいて……)
淡「あはは、かかったわね!」
照「何だと……」
淡「これが私の真の力……『泡沫時間(バブルアワーズ)』」
春(泡のhour……あわあわ……)
236 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:59:15.22 ID:2yofKIvT0
淡「飛ばして勝つなんて許さないわ。私との対局では誰もが誰をも飛ばせない……」
照(本当に咲が言ったとおりだったというのか……)
淡「貴女たちが私に勝つなんて、所詮は儚く脆い泡沫の夢だったということよ」
咲「まだ勝負は終わってないよ」
淡「いいえ。これを発動させた私は止められないわ……」
淡「夢乃さん、早く牌を切りなさい」
マホ(嫌です……マホは、和了って……勝つです……)
咲「無理しないで、マホちゃん。もう勝ちは見えてるから」
マホ「宮永……先輩……?」
咲「マホちゃんが居なければ勝てない。でも、だからこそここは諦めて、ね?」
マホ「……わかりました、宮永先輩を信じます……」トンッ
237 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 00:59:57.81 ID:2yofKIvT0
淡「勝ちが見えてる、か」
淡「まあ制限解除された私を見ていないからそんなことが言えるのよね」
照「制限解除……だと?」トンッ
咲「……」トンッ
淡「そうよ。見せてあげる……」トンッ
マホ「うう……」トンッ
淡「ロン。24300」
マホ「えっ……!?」
照「何だと!?」
淡「ふふふ……」
239 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:01:34.09 ID:2yofKIvT0
憧「そんな! 32000以上しか和了れないんじゃなかったの!?」
ゆみ「いや……大星淡は32000以上を和了るのが容易と言っていただけに過ぎない」
ゆみ「おそらく彼女のルールに背いて他家を飛ばそうとした者が現れた時、彼女はそれ以下の手も和了れるようになる……」
塞「さっきの制限解除という言葉から察するにそういうことだろうね」
怜「せやけど、それでも他家を飛ばすことは出来へんみたいやな」
竜華「おそらくそれは大星さんの能力の根幹なんやろうな……」
淡「その通りよ。これが私の100%の力……これで飛ばさない手ならいくらでも和了ることが可能……」
淡「まさか、私の持ち点が5万以下かつ32000以上の手を和了ったら他が飛んでしまうという状況下で発動する一時的制限解除能力
『半分の星がのぼる宙(ザ・ハーフスター)』より先にこっちを披露することになるとはね」
淡「こうなった私は対局終了まで誰にも止められないわ!!」
242 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:05:05.66 ID:2yofKIvT0
南三局 親・宮永照
淡:87100 マホ:3300 照:5300 咲:4300
三巡目――
マホ(一巡先……大星さんが和了ってしまいますね……)
マホ(でも……まだです、まだマホは戦えます)
マホ「リーチです!」トンッ
美幸「あの点棒を立てるリーチは園城寺の……!」
淡「へえ、まだそんな力が残ってたの……」
美穂子「夢乃さんには一巡先が見えているのね……」
漫「でも、直撃を取らんとまずいですよ!?」
霞「あら……その自信が彼女にはあるんじゃないかしら」
243 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:06:41.49 ID:2yofKIvT0
淡「……」スッ
淡(ドラ? ……くっ、頭が)
淡「煩わしいわね……ドラゴンごときで今の私を止められると思わないで」
淡「ツモ。2000・4000」
マホ「!!」
照「くっ……」
穏乃「そんな!」
灼「真の龍帝の力も破られた……」
マホ(万策尽きましたか……)
咲「まだ諦めちゃ駄目だよ、みんな」
淡「あっはっは! 役満直撃でもなければ逆転できないこの状況で何を言っているのかしら?」
照(そうだ……この絶対的ピンチをどう切り抜けるつもりだ、咲……)
244 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:07:38.81 ID:2yofKIvT0
咲「逆転って、私が役満直撃しても大星さん二位でしょ?」
淡「はっ……? そりゃそうだけど……」
咲「私たちは全員勝つよ。大星さんを四位にする」
淡「!!」
一「な、何を言ってるのさ咲!」
照「そうだ、連荘するとしても全てこの淡から直撃を取らないとならないんだぞ!?」
咲「うん。分かってる……」
淡「随分となめられたものね。やれるものならやってみなさい!」
咲「手加減はしないよ!」
246 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:08:32.97 ID:2yofKIvT0
南四局 親・宮永咲
淡:96100 マホ:300 照:1300 咲:2300
咲「……」トンッ
淡(ふっ……いきがっていられるのも今の内よ)
淡(苦しみなさい。そして絶望するがいいわ!)トンッ
咲「ロン。平和のみ1500点」
マホ「!!」
照「ぴ、平和のみだと……?」
塞「うっ……嫌な記憶が……」
一(これってもしかして、『平和的解決』!?)
淡(かかった!)
248 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:09:36.14 ID:2yofKIvT0
咲「それじゃ次……うっ!?」
一「……えっ? さ、咲?」
和「咲さん、どうかしましたか?」
咲(何これ……体がいうことを利かない……)
照「おい、しっかりしろ!」
マホ「宮永先輩!!」
淡「無駄よ」
ゆみ「何……?」
巴「ま、まさかこれも大星さんの力なの!?」
淡「その通り。ラス親がオーラスで私から点数を奪った時に発動する能力……」
淡「『和了りやみ(ホーラホラー)』!!」
249 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:10:35.57 ID:2yofKIvT0
照「な……何だそれは……」
淡「この名前は『闇』と『病み』、それに『和了り止め』をかけた……」
胡桃「そういうのいいから能力の説明!」
淡「あっ、はい……」
淡「オーラスで私から点数を奪った親は、和了り止めを選ばない限り闇に蝕まれ続けるのよ!」
一「闇って、何それ!?」
咲「そ、んな……うぐっ……」
マホ「宮永先輩……しっかりして下さい……」
淡「闇の味はどうかしら? 真っ当な人間に耐えられはしないでしょう」
淡「さあ、さっさと和了り止めしなさい!」
咲「ぐっ……」
255 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:14:31.82 ID:2yofKIvT0
一「駄目だよ咲……」
咲「はじめ、ちゃん……?」
一「こんなところで終わるような咲じゃないでしょ!?」
一「あんなに他人を徹底的に打ちのめしてきた咲が、そんな訳の分からない闇なんかに打ちのめされないでよ!!」
一「真の自分を取り戻したんでしょ……? 大星さんを四位にするんでしょ……?」
一「だから、咲……咲ちゃん……」
咲「……」
淡「あはは、無駄だというのが分からないの!?」
咲「……そうだね、はじめちゃん」
淡「えっ!?」
256 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:15:51.80 ID:2yofKIvT0
マホ「宮永先輩、無事なんですか!?」
咲「あんまり無事じゃないけど、問題はないよ」
一「さ、咲……?」
淡「馬鹿な……何故平気なの!?」
咲「真っ当な人間じゃないからかな。それに『あわあわちゃん』を倒さなきゃならないからね」
春「……!」
淡「貴女、その呼び方……」
一「もしかして魔の方の……『咲ちゃん』だった時の咲!?」
咲「うん。はじめちゃんに呼ばれたからつい出てきちゃった」
照「何と……あの腑抜けがか?」
咲「失礼だなぁお姉ちゃん……」
257 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:17:23.21 ID:2yofKIvT0
咲「まあ、本当の私の助力があるのは確かだけどさ」
咲「さっきまではあっちの私の方に私がちょびっとだけ力を貸していたけど……」
咲「今はその逆。向こうが私を全力でサポートしてくれている……闇を引き受けながらね」
淡「そんなことが可能だというの!?」
咲「『私』は強いからね。能力自体にはさほど影響ないんだけど、体が動かせなかったみたい」
咲「今の私は肉体を動かすための意思みたいなものだよ」
淡「くっ……だとしても私の圧倒的点差は揺るがないわ!」
淡「それにもう一度和了れば今度こそ完全に貴女は闇の餌食よ!」
咲「ふふふ、分かってないなぁ。私が出てきたのがどういうことか……」
咲「私って弱い者いじめが大好きなんだよねー」
淡「なめたことを……」
262 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:25:38.55 ID:2yofKIvT0
咲「さて、大星さんの四位には時間がかかっちゃうから早いところ再開しようか」
照「なっ……まだそんなことを言っているのか!?」
一「そうだよ、大星さんから和了ったらまた闇に蝕まれちゃうんでしょ!?」
咲「うん。だったら一度の和了りで逆転すればいいんだよ」
照「9万点以上の差だぞ、どうやって一回和了るだけで四位にするというんだ!」
マホ「いえ、100%不可能というわけではないです。でも……」
淡「まさか流局し続けるってこと? 馬鹿にしないでもらえるかしら……」
淡「私のハコ割れ禁止能力は罰符にまでは及ばない。貴女たちのテンパイは保証できかねるわ」
淡「つまり、もし運よく私がノーテンで流局したとしても、自力でテンパイし続けないとならないってこと……」
淡「この支配の中でそれが出来るの? 宮永咲はともかくとして、夢乃さんや先輩はどうかしら」
淡「一度だけならまだしも、何十回という単位でそれが求められる。あまりふざけた事は言わない方がいいわ」
263 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:28:13.00 ID:2yofKIvT0
咲「ふざけてるのは確かかもしれないけどね。でも、私には自信があるよ」
咲「今の私ならリミッターを外して戦える。そして『私』のサポートにより真の力までをも引き出せる!」
咲「でもさすがにこの点差は私一人の力では厳しい……だから、マホちゃん」
マホ「は、はい?」
咲「私に力を貸して。マホちゃんの力があれば大星さんを打ち破れる」
マホ「マホの力を、ですか? よく分かりませんけど分かりました……がんばります!」
一「咲ちゃん……」
咲「大丈夫だよはじめちゃん。私たちの勝利、見届けてね」
淡「呆れた……ならば見せてもらうわよ。貴女たちの最後の悪足掻きを!」
照(夢乃さんの力があれば9万点5千点近くの差を縮められるだと……?)
照(何を企んでいる、咲……)
266 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:33:41.14 ID:2yofKIvT0
穏乃「ど、どういうこと?」
憧「私にだって分からないわよ……」
小蒔「宮永さんには秘策があるのでしょうか……」
初美「あの人も化け物ですからねー、いざとなったら直接息の根を止めかねません」
白望「さすがにそれはないと思うけどなぁ……」
塞「まあ、考えていても仕方ないだろうさ」
ゆみ「そうだな。私たちはおとなしく見守ることとしよう」
華菜「これで負けたら承知しないぞー、清澄!」
怜(私には見える……せやけど……)
怜(宮永さん、アンタ相当のアホちゃうか)
267 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:34:50.30 ID:2yofKIvT0
南四局 親・宮永咲
淡:94600 マホ:300 照:1300 咲:3800
マホ(うーん。マホの力を借りたいと言われても、どうしたらいいんでしょうか?)
マホ(この配牌、一向聴ですけど……)
咲「それじゃ始めるよ。カン」
淡(カン……?)
咲「……カン。もいっこカン」
照(連続カン……四槓子か? だがそれでは……)
咲「……」トンッ
一(三槓子で止めた……?)
マホ(これはどういうことで……あっ!)
269 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:36:48.01 ID:2yofKIvT0
マホ「な、なるほど! それカンです!」
淡「今度は夢乃さんがカン……? な……まさか、四開槓!?」
咲「やっと気付いた?」
照「なるほどな、その手があったか……」
淡「馬鹿げた真似を……しかし詰めが甘かったようね……」
淡「四開槓流局は四つ目のカンをした者が振り込まなかった時に成立するのよ」
淡「私の支配下で、貴女はともかく夢乃さんは放銃を回避できるかしら?」
咲「あはは、それに関してもちゃんと考えてあるよ」
マホ「そうですね。これはさすがに大星さんも考慮できてなかったみたいです」
淡「何……?」
>>267
一本場が抜けてたわ
272 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:39:31.36 ID:2yofKIvT0
マホ「テンパイでー!」トンッ
友香「あ、あの口調は私!?」
美幸「あれは友香ちゃんの、テンパイ時には絶対振り込まない能力だ!」
淡「なっ……」
照「流局、だな」
淡「ば、馬鹿な……一度だけならまだしも、そう何度もテンパイになるはずが……」
咲「テンパイさせるよ。私が……」
咲「いや、私とマホちゃんがね」
一「す、すごい……」
一(だけど、咲ちゃん……これって……)
274 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:40:22.01 ID:2yofKIvT0
南四局九本場 親・宮永咲
淡:94600 マホ:300 照:1300 咲:3800
マホ「カンです!」トンッ
咲「流局だよ」
淡「くっ……」
一「ちょっと咲ちゃん! これいつまで続けるつもりなのさ!?」
咲「えっ? えーっと、マホちゃんが逆転するには94400点だから……」
咲「役満の48000を引くと46400で……それを300で割ると……あと145回?」
小蒔「ひゃ、ひゃくよんじゅう……?」
一「ばか! 日が暮れちゃうよ!!」
咲「ええーっ、だってそうしないとあわあわちゃんを完全に潰せないし……」
一「もう流せる事は分かったって!! だからこの辺省略しよ? ね?」
咲「えー……」
276 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:41:18.20 ID:2yofKIvT0
一「いいから! 次が155本場だと思って打つの、分かった!?」
咲「う、うん。はじめちゃんがそこまで言うのなら分かったよ」
咲「……マホちゃんやお姉ちゃんもそれでいいの?」
照「う、うむ。私は一向に構わん」
マホ「マホも大丈夫ですよ! 宮永先輩が逆転するところさえ見れればそれで……」
咲「そっか、それなら仕方ないか」
咲「というわけで覚悟してね。大星さん」
淡「あ……貴女たち、どれだけ私をコケにする気かしら……」
279 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:43:02.41 ID:2yofKIvT0
淡「私は負けない。四開槓を止めるというのなら、私が和了って圧倒的一位で終了よ!」
咲「残念だけど、それはさせないよ」
淡「くっ、ほざいてなさい……」
マホ「あれ。気付いていないんですか?」
淡「何……?」
照「次は十本場……その時点で淡は何をどう和了っても誰かを飛ばすことになる」
マホ「これでもう大星さんは和了ることが出来ません!」
淡「なるほどね、そういうこと……」
照「制限解除とやらで調子に乗りすぎたな」
照「まあ、強すぎるお前にとって初めての経験だろうからそれも仕方ないかもしれんな」
淡「……」
282 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:44:30.86 ID:2yofKIvT0
南四局十本場 親・宮永咲
淡:94600 マホ:300 照:1300 咲:3800
咲「……」トンッ
淡「ふふ……あはは、あはははは!!」
一「な、何!?」
照「ついに正気を失ったか?」
マホ「いいえ、大星さんが失ったのは勝機です!」
淡「正気も勝機も失ってはいないわ。私は本当はオーラスでも大七星を和了ることが出来るのよ」
照「何だと!?」
マホ「そ、そんな……」
淡「これは体に負担がかかるから使いたくなかったんだけどね」
淡「私の原初にして最終の能力……『七ツ星きらり(ビッグディッパー)』!」
淡「貴女たちはここで終わりよ!」
284 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:46:45.47 ID:2yofKIvT0
一「そんな、大星さんは他を飛ばせないはずじゃ……」
照「まさかその制約すら無視して和了れるというのか!?」
マホ「い、いえ! ただのはったりかもしれないです!」
淡「はったりかどうかは見ていれば分かるわ」スッ
淡(……!? 北……じゃない!?)
淡「ば、馬鹿な……何故……」
咲「どうしたの、あわあわちゃん。北じゃなくて西だったことがそんなにショック?」
淡「なっ……」
咲「さっきちゃんと和了らせないって言ったのになぁ。真の私の力すら扱える私に不可能はないんだよ?」
咲「そう……今の私なら薄墨さんやハッちゃん、悪石の巫女だって脳内で意のままに操れる!」
初美「って、それ全部私ですよー!? 脳内で何を妄想してるんですかー!?」
霞「あらあら……」
287 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:49:04.92 ID:2yofKIvT0
淡(この大一番ですら冗談を言うなんて……不快極まりないわ……)
淡(こんな人にこの私が負けるなんてありえない……あってはならないこと……)
淡(そうよ、私の勝利は揺るがないわ。次順で北を引いて終わりよ!)トンッ
咲「西切っちゃうのかぁ……」
淡「……何かしら」
咲「あわあわちゃん、あなたもしかしてまだ自分が負けないとでも思ってるのかな?」
淡「当然よ。この私が負けるなんて……」
咲「あはは、三流にふさわ……めんどくさいや、ロン。字一色、51000!」
照・マホ「!!」
淡「なっ……それは大七星!?」
終局
咲:54800(+45) 淡:43600(+14) 照:1300(-29) マホ:300(-30)
288 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:50:01.10 ID:tP7PVdbo0
かっ・・勝った!?
290 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:53:04.32 ID:2yofKIvT0
穏乃「決まった、宮永さんの役満!!」
宥「逆に大星さんから大七星を和了るなんて……」
照「やった、か……」
マホ「やりました! やりましたよ宮永先輩!!」
咲(闇が引いていく……半荘終了したからか……)
咲(疲れた……もう少しこっちの私に任せよう……)
咲「えへへ、さすが私だね」
一「すごい……本当に役満直撃させるなんて……」
咲「本当は155本場までやりたかったんだけどなぁ」
一「それはしなくて良かったってば!」
291 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:53:47.72 ID:2yofKIvT0
淡「そんな……私が負けた……?」
淡「認めない……私は認めない!!」
照「諦めろ、お前の負けだ」
初美「そうですよー。ちゃんと認めてくださいねー」
淡「一戦勝ったくらいで調子に乗らないで!!」
淡「もう一回! もう一回勝負よ!」
霞「あらあら……」
久「諦めの悪い子ねぇ」
淡「何よ!! 受けられないっていうの!?」
298 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:59:20.36 ID:2yofKIvT0
咲「いいよ、勝負してあげる」
淡「ふ、ふふふ……さすがね宮永咲、話が分かるじゃない」
マホ「マホも受けて立ちますよー!」
照「悪いが、お前の勝利の可能性はないぞ?」
淡「貴女たちまで……でも調子に乗れるのはそこまでよ!」
淡「今度はこのカウンタースタイルを捨てて挑むんだから!!」
咲(こうなることも事前に想定済みだよ)
咲(大星さんが負けを認めなかった時は全員でなりふり構わず叩き潰す……)
咲(あなたに勝ち目はないよ、大星さん!)
299 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 01:59:59.86 ID:2yofKIvT0
淡「じゃあ始めるわよ! ツモ、天和・字一色!」
咲「あの、大星さん。それ和了れてないよ?」
淡「何を言って……あれ!?」
マホ「南が三枚で西が一枚になってますねー」
淡「そ、そんなまさか……」
照「チョンボだな。罰符を出せ」
淡「私が……? 嘘でしょ……?」
咲(ふふ、さすがにこれは驚くだろうなぁ)
300 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:01:01.14 ID:2yofKIvT0
淡「くっ、でもまだ負けたわけじゃないわ!」トンッ
照「ロン。1300」
淡「なっ……!?」
淡(何故宮永先輩なんかに……? そういえばさっきから力が発揮出来ていないような……)
塞「……」ジロッ
マホ「……」ジロッ
咲「……」ジロッ
淡(と、トリプルで塞ぎに来ている!?)
淡(だからと言って負けるわけにはいかないわ!)
305 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:03:05.56 ID:2yofKIvT0
照「ロン。2000」
照「ロン。3200」
照「ロン。4500」
淡(ば、馬鹿な……こんなことが、こんなことが……)
淡(私の才能は開花している……なのに宮永先輩の連続和了の餌食だなんて……)
淡(開花する前だってここまでいいようにはやられてなかったのに……こんなこと……)
淡「あるわけ、ない……」トンッ
照「ロン。8600」
照(残念だったな、淡。こっちの才能も開花しているのさ)
307 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:06:01.32 ID:2yofKIvT0
マホ「大星さんの飛びで終了ですね!」
咲「大星さん、まだやる?」
淡「……そんな……私が……」
初美「ありゃりゃ、これはもう駄目みたいですねー」
照「そうだな。永水女子の皆さん、よろしく頼む」
巴「は、はい」
春「任された」
小蒔「これだけの魔です。みんなの心を一つにしないと祓えないかもしれません」
小蒔「準備はいいですか?」
霞「はい。姫様の御心のままに……」
310 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:07:41.85 ID:2yofKIvT0
数日後・清澄高校麻雀部部室――
一「でさー、そしたら衣が……」
咲「あはは、そうなの?」
和「……」
一「透華も透華でさ、素直に打ち明ければいいのに……」
咲「まあそれはりゅーもんさんらしいなぁ」
一(あの戦いが終わって、魔モードの咲ちゃんは優しい咲に戻った)
一(もう二度とボクたちの前に姿を現すことはないんだろうな……)
一(でもきっと、それはいいことなんだ。咲にとってもボクたちにとっても)
和「国広さん!」
一「えっ!?」ビクッ
312 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:08:46.12 ID:2yofKIvT0
和「どうして国広さんが清澄の部室に来ているんですか!」
一「と、友達の居る場所に遊びに来ただけですけど……」
和「むぅ……」ムスッ
咲「和ちゃん、はじめちゃんの事嫌いなの?」
和「そ、そうではありませんが……」
咲「だったらさ、私が龍門渕に遊びに行くから……」
和「それは駄目です!!」
咲「わっ……和ちゃん、声が大きいよ……」
和「う……す、すみません咲さん」
一(ははぁ、なるほどね……)
314 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:10:25.96 ID:2yofKIvT0
一「原村さん、ちょっと耳貸してよ」
和「何ですか」
一「ボクなら大丈夫だよ、咲の事は友達としてしか見てないから」ボソッ
和「ど、どういう意味ですか!? それではまるで私が咲さんを……」
咲「えっ、私がどうかした?」
和「……っ!! 何でもありません!!」
咲「えっ? えっ?」
まこ「平和じゃのう……」
京太郎「いいことじゃないですか」
優希「数日前はあんなに大騒ぎしてたのに、平和すぎだじぇ」
久「そうねぇ……」
315 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:12:31.01 ID:2yofKIvT0
久「数日前といえば国広さん」
一「ん?」
久「あの時の二戦目の最初のあれ、見事だったわよ。やってると分かっても気付けなかったわ」
一「ああー……いや、あれは東横さんのおかげですから」
咲「東横さんもすごいよね! 自分だけじゃなくて触れた者の気配も消せるようになったっていう……」
まこ「『モモの共犯者』とか言っとったのう」
和「消えるとか消えないとか、そんなオカルトありえません」
和「あんなに堂々とイカサマするなんて、どうなることかとハラハラしていましたよ」
一「あはは、実はこっちも結構ドキドキだったかも……」
一(他の人に見えてないと頭では分かっていてもなぁ……)
320 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:15:52.56 ID:2yofKIvT0
優希「マホもすごかったじぇ!」
和「そうですね。あのマホちゃんがあそこまでの打ち手になっていたとは……」
優希「そっちもそうだけど、最後に巫女さんたちで除霊した時もすごかったじょ」
京太郎「除霊じゃなくて退魔……御祓いだな」
優希「それだじぇ!」
久「姫松の愛宕洋榎さんの能力を使って、愛宕さんとマホちゃんの二人で暴れる大星さんを触れずに拘束していたものね」
まこ「あれは本当に同じ人間なんかのう……」
一「咲……どういう方向に開花させちゃってるのさ……」
咲「い、いや……愛宕さんには元々そういう才能があったんじゃないかな?」
久(麻雀ですら敵わなかったのに、適正はもっと別にあったとしたらへこむわね……)
321 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:18:22.59 ID:2yofKIvT0
(コンコン)
優希「おや、誰か来たみたいだじょ」
久「はーい、入ってもらえるかしら?」
照「こんにちは」
淡「失礼します……」
咲「大星さん!?」
照「むっ……私も居るぞ?」
咲「大丈夫だよ、ちゃんと視界には捉えてるから」
照「咲がそんな冷たい子に育っているなんて、私は悲しいぞ……」
一「あ、あはは……」
322 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:19:24.10 ID:2yofKIvT0
咲「だってお姉ちゃん、魔に操られていた私と戦った時酷かったじゃん!」
照「なっ……お、お前あの時の記憶があるのか?」
咲「ぼんやりとだけどね。あれはあの時の私に同情するレベルだよ……しかも結局負けてるし」
照「あれはお前のために仕方なくだな……」
淡「あ、あの宮永先輩……」
照「おっと、そうだったな。今はそんな話をしている場合じゃなかった」
咲(そんな話……)
照「今日はうちの大星が迷惑かけたことをお詫びに来た」
淡「すみませんでした……」
久「あら、いいのよ……って、それは私が言う台詞じゃなかったかしら」
咲「いえ……いいんです。何だかんだで大星さんとの勝負は楽しかったですから」
淡「そう言って頂けると幸いなのですが……」
324 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:21:56.99 ID:2yofKIvT0
照「ちなみにこいつは魔が祓われてからさらに強くなったぞ」
咲「えっ!?」
淡「み、宮永先輩!」
照「いいじゃないか。どうせ戦おうと思っていたんだろう?」
淡「それはそうですけど……」
咲「戦う……もしかして遠征に来たんですか?」
淡「ち、違います違います! むしろその逆です!」
和「逆、ですか?」
照「そうだ」
328 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:28:41.58 ID:2yofKIvT0
照「咲は全国出場校へと遠征に行っていたが、白糸台にはまだ来ていなかっただろう」
咲「うん、そうみたいだね」
淡「だから、あの……練習試合を申し込みたいんです。場所はうちの部室で……」
咲「練習試合かぁ……」
咲「また一緒に行く? はじめちゃん」
一「えっ……ぼ、ボクも行っていいの?」
淡「くすっ。白糸台はどなたでも歓迎しておりますよ」ニコッ
照「その通りだ」
咲「だってさ、良かったね」
一「うん……」
一(咲、『また』って言っていた……はっきりとじゃないかもしれないけど、思い出してくれてるんだ……)
330 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:30:53.01 ID:2yofKIvT0
和「はぁ、咲さん……だからどうして国広さんなんですか!?」
咲「わわっ……」
久「そうよ咲。私たちみんなで行きましょう」
まこ「そうじゃな。留守番も暇じゃしのう」
優希「少し前は気付いたら咲ちゃん居なくなってたけど、今度は逃さないじぇ!」
京太郎「俺は行かせてもらえるんだろうか……」
淡「大丈夫ですよ須賀さん。白糸台は女子高ではありませんから……」
京太郎「えっ、大星さん俺の名前把握してるんですか!?」
淡「え、ええまあ」
331 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:32:23.67 ID:2yofKIvT0
一「はぁ……そうなるとボクは場違いだね」
久「あら、龍門渕も一緒に行けばいいじゃない」
一「えっ……」
咲「そうだね。白糸台相手なら衣ちゃんもりゅーもんさんも大歓迎だと思うし」
一「でも、いいのかな……」
淡「さきほども申しましたが、白糸台麻雀部はどなたでも歓迎しております」
照「そうだ、遠慮するな。私も淡もあの天江衣とは戦ってみたいからな」
淡「か、勝手に私まで天江さんと戦いたいことにしないで下さいよ」
照「ふっ。戦いたいのは本当だろうに」
一「……うん、分かった。じゃあ透華たちに話をしてみるよ」
333 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:34:26.60 ID:2yofKIvT0
咲「龍門渕との合同遠征かぁ……」
久「なかなか楽しくなりそうじゃない」
咲「でもどうせなら、新道寺とか臨海女子とかにも遠征に行きたいですけど……」
優希「名前忘れちゃったけど、臨海と一緒に準決勝に上がってきたところともまた戦いたいじぇ!」
久「それもそうね。その辺りにも練習試合申し込もうかしら?」
まこ「ほお、それは忙しくなりそうじゃのう」
和「ですが引き受けてもらえるのでしょうか……」
久「ふふっ……和、清澄はもう無名校じゃないわ。全国に名を轟かせた高校なのよ?」
和「そういえばそうでしたね……」
咲「そっかぁ……今では私たちが挑まれる立場かぁ……」
336 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:37:27.39 ID:2yofKIvT0
一(咲……キミは確かに麻雀でみんなの心の花を咲かせているよ)
一(他の誰も持っていない魅力的な輝きを持っている……)
一(きっと、そこにボクは惹かれたんだ)
一(いや、ボクだけじゃなくて清澄高校のチームメイト……)
一(それだけじゃない。龍門渕や風越、鶴賀のみんな……それに全国の選手も……)
一(みんな咲の輝きに惹かれているはずだよ)
一(これからも、みんなの心の花を咲かせ続けてね。咲!)
咲「ん? はじめちゃん今恥ずかしい事思わなかった?」
一「お、思ってないよ!」
337 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:41:12.44 ID:2yofKIvT0
一週間後・龍門渕高校校門前――
咲「はじめちゃん……」
一「さ、咲!? どうしてここに……」
咲「お願い。どうしても行きたいところがあるから、はじめちゃんに付いて来て欲しいの!」
一「行きたいところ?」
咲「何も言わずに付いて来てもらえないかな……」
一「……分かった、咲の頼みなら」
343 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:51:03.36 ID:2yofKIvT0
一「……って、ここ臨海女子高校じゃんか!!」
咲「えへへ、どうしても麻雀打ちたくて……」
一「もしかして……咲『ちゃん』?」
咲「うーん。やっぱり私はそっちの呼ばれ方がしっくり来るなぁ」
一「はぁ……今度は誰をいじめるの?」
咲「いじめるなんて酷いなぁ。ちょっとトラウマを与えるだけだよ!」
咲「でも臨海女子も曲者が多いからね、はじめちゃんの力を借りたいの」
一「はは……分かった分かった、付き合うって」
一(また凝りもせずこんな事を……ほんと、咲ちゃんは馬鹿なんだから)
一(まあ、また乗っ取られてる咲の方も大概だけどさ)
咲「何してるのはじめちゃん、早く行くよ!」
一「はいはい、分かってるってば」
完結編・END
345 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 02:52:34.10 ID:CHWt5gcS0
のっとられENDとはたまげたなぁ・・・
352 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 03:00:45.39 ID:2yofKIvT0
おまけ
清澄高校麻雀部部室――
マホ「こんにちはー。あれ、宮永先輩はどこですか?」
優希「あれ、また咲ちゃんが居ないじぇ!」
照「ふーむ……どうやらあいつ、退屈な状態が続くと魔モードに切り替わるようだな」
京太郎「じゃあ今頃またどこかに旅に出てるって事ですか!?」
和「厄介な多重人格ですね……」
まこ「って、どうしてここにチャンピオンが居るんじゃ!」
照「うむ。咲に会いに来たんだがな……タイミングが悪かったようだ」
マホ「マホもです……」
久「あはは、残念だったわね二人とも」
353 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 03:02:04.54 ID:2yofKIvT0
龍門渕高校麻雀部部室――
透華「はじめ! はじめが居ませんわっ!」
純「どこ行ったんだあいつ……」
歩「そういえば今日、宮永さんと一緒に居るところを見たって言ってた人が居ましたよ」
透華「なっ……また宮永咲ですの!?」
智紀「一緒に遊んでるとか……」
衣「おお、もしかしてデートかー?」
透華「デー……ト……!?」
透華「貴女たちは女同士ですのよー! 戻ってきなさいはじめ!!」
355 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 03:03:09.13 ID:2yofKIvT0
鶴賀学園高等部麻雀部部室――
ゆみ「……はあっ!」
ゆみ「……」
ゆみ(駄目か……)
智美「ワハハー、何やってるんだーユミちん?」
ゆみ「い、いや……大した事ではない」
桃子「先輩、最近たまにあんな感じで何かやってるっすよね」
睦月「うむ……」
佳織「何かあったんでしょうか……」
ゆみ(うーむ……やはり私のような一般人では発光することは出来ないのか……)
357 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 03:04:21.02 ID:2yofKIvT0
風越女子高校麻雀部部室――
貴子「池田ァ! そこ片付けとけっつっただろ!」
華菜「は、はいぃ……」
美穂子「すみませんコーチ、私が別の用事を頼んでいたもので……」
未春「最近私、何だか強くなった気がするなぁ」
星夏「私もです……もしかして、私たちにも宮永さんと戦った影響が出てきたんでしょうか」
未春「うん、そうかもしれないね。キャプテンも華菜ちゃんも一段と強くなった気がするし」
純代「……」
358 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 03:05:12.08 ID:2yofKIvT0
白糸台高校麻雀部部室――
菫「おい、照はどうした!?」
淡「さ、さあ……昼休みに出かけると言ったきり見かけてませんけど……」
菫「何? どうして淡に伝えるんだ……まったくあいつは……」
淡「そういえば弘世先輩。どうして清澄高校で宮永先輩たちと私が戦ってる時に来なかったんですか?」
菫「うっ……」
淡「宮永先輩が悲しんでましたよ?」
菫「こ、こちらもいろいろと忙しかったんだ」
誠子(あの淡に手も足も出なくて怖かっただけのくせに……)
尭深(今も敵わないみたいだけど)ズズ
359 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 03:06:24.39 ID:2yofKIvT0
阿知賀女子学院麻雀部部室――
玄「ロン、16000!」
憧「……あっ! またドラ切らされてる!」
穏乃「もう玄さん、練習でそれ使うの禁止してくださいよ!」
玄「だ、だって二副露してると憧ちゃん和了っちゃうんだもん……」
宥「あったかい牌がいっぱい……しあわせ……♪」
灼「次は私も混ぜて」
灼(大星淡が宮永咲に魔を植え付けたのは決勝の大将戦……)
灼(つまり開花の能力を受けなかったのは私だけ。それでも私はがんばるよ)
晴絵「あいつらに何があったんだ……」
360 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 03:08:17.20 ID:2yofKIvT0
劔谷高校麻雀部部室――
友香「リーチでー!」
莉子(行けるよね……)トンッ
美幸(うう、莉子ちゃんは一筒切りか……)トンッ
友香「ロン!18000!」
美幸「うえ……友香ちゃん強くなりすぎだってばもー!」
梢「一年生の二人があそこまで成長して……宮永さんには感謝しなければなりませんね」
澄子「すみません、来年度部長である私が弱いままで……」
梢「そう自分を卑下するものではありませんよ、澄子」
梢「それに部長には部長の果たすべき役割があるのです。後輩たちをよろしく頼みますね」
澄子「部長……はい、任せてください」
361 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 03:09:07.79 ID:2yofKIvT0
千里山女子高校麻雀部部室――
竜華「怜はプロ行きとか考えてへんの?」
怜「んー……とりあえず大学進学やな。受験勉強も進めとるし」
セーラ「おっ、ほんならインカレか?」
怜「体力との相談になるけどな。まあ麻雀は好きやし打っていたいわ」
浩子(この三人が抜けるとなると……来年度大丈夫やろか……)
浩子(いや、名門校の意地があるで。新一年にも恐ろしい子が入ってくるかもしれへん)
浩子「やけど、来年のシードは厳しいやろなぁ……」
泉(船久保先輩、悩んどるなぁ。がんばって下さいよ、来年度部長さん)
362 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 03:11:01.55 ID:2yofKIvT0
姫松高校麻雀部部室――
漫「ロン、12000!」
洋榎「うっ……やるやないか、スズ」
絹恵「ホンマ、強なったなぁ」
由子「私も宮永さんと戦ったのに、不思議なのよー……」
恭子(今の漫ちゃんになら姫松を任せられる……)
恭子(来年こそは全国優勝、叶えたってな)
郁乃「ね~、爆発見飽きた~」
恭子「……少し黙っといてください」
363 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 03:12:06.87 ID:2yofKIvT0
宮守女子高校麻雀部部室――
豊音「追っかけるけどー」トンッ
白望「ロン……」
胡桃「くすっ。ロン、6400!」
白望「頭ハネかぁ……」
エイスリン「Why...?」
トシ「みんな、強くなったわねぇ……これで卒業というのは残念だわ」
塞「私も残念です。しかし大会だけが全てではありませんからね」
塞「これからもみんなで麻雀を打っていけたら、と思っています」
トシ「そうね……楽しむ気持ちが一番大事よ」
塞「はい」
373 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 04:04:21.26 ID:2yofKIvT0
永水女子高校麻雀部部室――
小蒔「皆さん、私は今回の件で思ったところがあります」
霞「あら、何かしら小蒔ちゃん」
小蒔「私たち神に仕える者たちが麻雀に現をぬかしていて良いのかと……」
春「……!」ポリッ
初美「えっ……ひ、姫様? 何言ってるんですかー?」
小蒔「この世には魔に蝕まれている人が多いのかもしれません……それを黙って見過ごすわけには……」
春「姫様」
小蒔「何かしら?」
春「宮永さんと大星さん。二人とも屈指の麻雀選手だった」
春「麻雀を打つ者は魔に関わりやすいのかもしれない。私たちは麻雀を続けるべきだと思います」
小蒔「ふむ……確かにそれもそうですね。闇雲に探せるものでもありませんし」
霞(あら、納得するのね)
375 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 04:05:11.99 ID:2yofKIvT0
春(麻雀が出来なくなるのは寂しい)ポリポリ
春(それはそうと……)スッ
巴「あれ、春ちゃんどうしたの」
春「ちょっと出かけてくる。帰りは明日になるかも」
巴「えっ!?」
春(あの人は少し懲らしめないといけない)トテトテ
咲「……!?」ビクッ
一「ん? どうしたの咲ちゃん」
咲「な、何でもないよ……」
咲(気のせいだよね……)
おまけ・END
377 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 04:13:18.71 ID:QjW8C/lC0
すばらでした
380 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 04:21:23.17 ID:2yofKIvT0
咲さんの戦績
阿知賀編
咲:70600(+61) 玄:57000(+27) 宥:8000(-22) 憧:-35600(-66)
咲:88400(+78) 穏乃:6000(-24) 玄→灼:6000(-24) 宥:-400(-30)
劔谷編
咲:94100(+84) 莉子:25000(-5) 美幸:25000(-5) 友香:-44100(-74)
咲:54300(+44) 美幸:33400(+3) 澄子:24400(-6) 莉子:-12100(-42)
千里山編
咲:103800(+94) 怜:11000(-19) 泉:12200(-18) セーラ:-27000(-57)
咲:103300(+93) 泉:16800(-13) 竜華:13800(-16) 怜:-33900(-64)
姫松編
咲:41300(+31) 漫:40000(+10) 由子:14700(-15) 洋榎:4000(-26)
漫:49100(+39) 咲:48900(+19) 由子:13600(-16) 洋榎:-11600(-42)
風越編
咲:118800(+110) 未春:7500(-23) 星夏:3500(-27) 美穂子:-29800(-60)
咲:88900(+79) 未春:29000(-1) 華菜:0(-30) 美穂子:-17900(-48)
龍門渕編
咲:142200(+132) 純:-13300(-43) 一:-13600(-44) 透華:-15300(-45)
咲:97300(+87) 純:8900(-21) 透華:8900(-21) 一:-15100(-45)
381 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 04:22:19.28 ID:2yofKIvT0
鶴賀編
咲:62600(+53) ゆみ:23200(-7) 桃子:7700(-22) 智美:6500(-24)
鹿老渡編
不明
宮守編
咲:71300(+62) 胡桃:35200(+5) 一:17400(-13) 白望:-23900(-54)
一:59200(+49) 咲:46200(+16) 豊音:24000(-6) 胡桃:-29400(-59)
咲:103700(+94) 一:30300(+0) 白望:13500(-17) 塞:-47500(-77)
永水編
咲:62800(+53) 巴:27000(-3) 小蒔:25800(-4) 初美:-15600(-46)
咲:65500(+56) 小蒔:28400(-2) 巴:10700(-19) 初美:-4600(-35)
咲:96300(+86) 小蒔:20900(-9) 巴:20900(-9) 初美:-38100(-68)
完結編
咲:80100(+70) 白望:15900(-14) 一:15600(-14) 照:-11600(-42)
咲:54800(+45) 淡:43600(+14) 照:1300(-29) マホ:300(-30)
照:45400(+35) 咲:29000(-1) マホ:29000(-1) 淡:-3400(-33)
385 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 04:48:28.95 ID:2yofKIvT0
今までさるさん馬鹿にしててすみませんでした
2時くらいに終わると思ってました おかげで淡戦の反省とか吹き飛びました
いろんな意味で乙でした
388 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/30(土) 05:26:58.10 ID:bZWou8SU0
おつつ
楽しかったよ
元スレ:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1340969815/
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