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女「男~!!起きてください!!」

1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 15:55:25.36 ID:q4Flv5XH0

女「もう朝ですよ~!!」

男「……んん…うるさいな」

女「早く起きない男が悪いんですよ」

男「わかったわかった、ごめんな」

女「うんうん、わかればよいのです……ご飯食べますか?」

男「その前に散歩する」

女「ああっ、私も行きます~!」

男「ごめん、ひとりで散歩したい気分なんだ」

女「……男のいじわる」


6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:00:17.72 ID:q4Flv5XH0

男(少しストレートだったかな)

男(まあいいや、女は優しいから謝れば許してくれるさ)
   テクテク
男(……人、やっぱりいないな)
   テクテク
男(もうあれから二週間経つもんな)
   テクテク
男(やっぱり、女は分かっていないんだな……)
   テクテク 
男(教えてやろうかな?……まあいいや、きっと説明しても分かんないだろう)


7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:06:04.10 ID:q4Flv5XH0

ガチャ
男「ただいま」

女「おかえりなさい!どうでしたか?」

男「……なにが?」

女「散歩ですよ、さ・ん・ぽ!!」

男「ああ、……気持ち良かったよ」

女「次は絶対一緒に行きましょうね!」

男「前向きに検討しておきます」

女「…前回も前々回も同じ答えですよ」プクー

男「ハハッ、わかったわかった、今度は一緒に行こうな」

女「嬉しい!やっぱり男は優しいです」

男「よせよ、そんなこと」



9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:11:51.71 ID:q4Flv5XH0

女「そういえば、ご飯できてますよ」

男「ああ、ありがと。後で食べるからそこに置いといて」

女「…………」

男「どうした?女」

女「いっつも、男って私とご飯食べませんよね」

男「え、そうだっけ?」

女「ご飯はあきたこまちがいいんですか?」

男「いいや、はえぬきのままでいいと思うよ」

女「味噌は八丁味噌がいいんですか?」

男「日本海味噌が一番だよ」

女「じゃあ具がいけないんですか?」

男「わかめと豆腐のままでいいと思うよ」

女「それならいいですけど……」


10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:16:46.84 ID:q4Flv5XH0

男「じゃあ俺、二階に行ってるわ」

女「結局一緒に食べないんですか!?」

男「仕事がたまってるんだ。早く片付けないと」

女「むぅ……やっぱり男は意地悪です」

男「そうだな、そうかもしれん」

女「私とごはんと仕事、どれが大切なんですか?」

男「四月二十五日八時現在では仕事が一番大切」
 タッタッタッ……
女「あっ……ひどい…」


11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:20:24.31 ID:q4Flv5XH0

女(二週間位前から男が冷たいです……)

女(前はご飯も一緒に食べてたし…)

女(散歩に行くときは手もつないで歩いたし…)

女(仕事より私のほうが大事だって言ってくれてたのに…)

女(私、何かいけないことしたのかな……)


12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:24:46.13 ID:q4Flv5XH0

男(はあ……女に悪いことしてばっかりだ…)

男「なんだって、主人は俺と女を置いてったのかな……?」

男「俺と女はシェルターに入らなくても生きていけるのに…」

男「それに、女は主人のことを覚えてないようだ」

男「主人のこと、聞いてみるかな……」


14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:32:32.01 ID:q4Flv5XH0

男「まあいいや、今はとりあえず仕事をせんと……」

男「……相変わらず値は高いな、致死量より少し低いくらいか…」

男「それに、どんどん広がっているな…もうほぼ中部も収まろうとしている」

男「…人間は、みんな避難したのかな」

女「避難って、なんの話ですか?」

男「うわあっ!!お、驚いた…」

女「それはこっちのセリフです」

男「ど、どうしたんだ女。なんか用か」

女「用も何も、ご飯食べに来ないじゃないですか!!」

男「あ、わ、悪い…」

女「仕事に夢中になるのもいいですけど、ご飯も食べてください」

男「そうだな、すまんすまん」


15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:36:45.45 ID:q4Flv5XH0

男「……もう行ったか」

男「さて、今日の朝食は……」

男「やっぱり、値が上がっている」

男「こんなの食べたら、体壊すだろうな」

男「まあ女には関係ないか……」

男(それにしても……俺は飯を食えないのになんで女は…)

男(「俺と飯を食った」なんて言い張るんだろうな)


16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:39:49.84 ID:q4Flv5XH0

すまん、俺じゃなくて男だった

女「最近、男は独り言ばっかりです……」

女「寂しいなぁ……」

女「…もしかして、男はナーバスになってるのかな?」

女「そうだとしたら…私が励まさなくちゃ」


17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:44:57.83 ID:q4Flv5XH0

男(さて、測定も終わったし下に降りるか)

女「男~」

男「ん?なんだ女」

女「じゃじゃ~ん!!」

男「なんだそれ?」

女「折り紙折ってみたんだよ!」

男「おお、器用だな」

女「これは兜でね…」

女「これは鶴だよ」

男「すごいじゃん」

女「………」

男「どうしたんだよ?」

女(反応薄い……)


19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:50:40.72 ID:q4Flv5XH0

女(折り紙じゃ喜ばないか……)

女「ね、ねえ男」

男「ん?」

女「仕事、忙しい?」

男「ま、まあまあかな……」

女「私、仕事手伝うよ」

男「いや、女は手伝わ」

女「手伝います!手伝うって言ったら手伝うんです!!」

男「(どうしたんだ…)そ、そうか。ありがとう」

女「いいですよーそれくらい」


21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:54:40.48 ID:q4Flv5XH0

女「じゃあ早速」

男「昼寝でもするか」

女「ええっ、起きたばっかりなのに……」

男「いいじゃないか」

女「まだ9時なのに……」

男「構わない構わない」
 
女「……ふーんだ。なら寝ればいいじゃないですか」

男「zzz……」

女「もう寝てるし」


22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 16:57:07.50 ID:q4Flv5XH0

女「はあ、私も昼寝しようかな…ひとりじゃ仕事できないし」

女「…………」ジーッ

女「外、出てみようかな」チラッ

女「男も寝てるし。いいよね?」
 



23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 17:03:44.18 ID:q4Flv5XH0

女「んーーっ!!!これ重いです。ドアじゃないのかな?」

女「ファイトォ……いっっぱーつ!!」

女「やっと開いた……」

女「久しぶりの外……一か月ぶりくらいかな?」

女「すっかり桜も……あれ?」

女「桜の葉っぱ、今にしてはすこし少ないです…」

女「かと思えばこっちは大きいし……」

女「おかしいですね、なにかの病気なのかな……?」

女「……人もいませんね」キョロキョロ



24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 17:08:35.20 ID:q4Flv5XH0

女「もうちょっと探検してみることにしましょう」

女「商店街には……人はいないですね」

女「駅ビル……にもいないですね」

女「ちょっと大声を出してみるです」スゥーッ

女「おーい、でてこーい」

女「…応答なしですか……」

女「電光掲示板もついてないし…一体どうしちゃったんですか?この街は?」



25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 17:11:57.94 ID:q4Flv5XH0

男「ん……もう十一時半か…って」ガバッ

男「女がいない!?」

男「おかしいな、鍵の在り処なんて知っているわけが……」

男「…最新世代は力が強いんだな」

男「ともかく、女を捜さなければ」


27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 17:20:15.74 ID:q4Flv5XH0

女「もうそろそろ帰るとしますか。誰もいないし……」

?「ぐはっ、…ハア……ハア……」

女「だ、大丈夫ですか!?」

?「……ンター」

女「え、な、なんですか?」

?「リサイ…クル……センターは……どこだ…」

女「リサイクルセンター?歩いてじゃいけませんよ。それに、なんであなたは養蜂家のおじさんみたいな格好してるんですか」

?「ア、アンタだって………よく生身で……生きてぃ」

女「ちょっと、ねえ、答えてください!!」ユサユサ

男「ゴミ泥棒か……そんな恰好でほっつき歩いてると死ぬって分かんなかったのか」

女「男!!?」


29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 17:25:05.87 ID:q4Flv5XH0

男「心配したぞ、女」

女「ねえ、男。この人……」

男「ああ、分かってる。会話は聞いてたよ」

女「どうしよう、死んじゃったよ……」

男「自業自得だ。もう避難命令が下っている地域に火事場泥棒なんて」

女「ひ、避難命令……?」

男「あっ、言っちまった……」


30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 17:28:51.85 ID:q4Flv5XH0

女「ねえ、なんの話?私たち、ここにいるのおかしいの?」

男「い、いや、今のはなんというか、言葉のあやだ」

女「嘘つかないで!」

男「お、女……?」

女「男って嘘つくとき、親指をくるくるするんだよ」

男「………ああ、そうだ。ここはもうとっくの前に避難命令が下っている」

女「男……」


31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 17:33:46.01 ID:q4Flv5XH0

女「ひどいよ、はやく非難しないと、私たちも死んじゃうよ?」

男「何言ってんだ、俺たちは別に平気だよ」

女「適当なこと言わないでよ!!」

男「いや、本当だ!俺たちはアンドロイドなんだぞ!!」

女「……男ってそんなに嘘つくの下手だったんだ」

男「う、嘘?これは本当の――」

女「私たちは人間だよ!!!!!」

男「お、女………?」


33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 17:37:32.46 ID:q4Flv5XH0

女「もういい。私一人で帰るから」

男「ちょ、ちょっと待てよ」
 スタスタスタスタ……
男「なんてこった……」

(「私たちは人間だよ!!!!!」)

男「人間だよって……嘘だろ?」

男「……俺も帰るか」


34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 17:43:02.35 ID:q4Flv5XH0

ガチャリ
男「た、ただいまー」

女「…………」ゴソゴソ

男「おい、なにやってるんだ?」

女「私だけ避難するの」

男「焦るな、冷静になれよ」

女「男はアンドロイドなんでしょ?ここにいても平気じゃん」

男「それはお前だって――」

女「……」ギロリ

男(どうするんだ……どうするんだよ、俺)

女「じゃあね、さよなら」

男「ま、待った!!!」



36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 17:51:40.16 ID:q4Flv5XH0

女「……今更どんなに謝っても、意味ないよ」

男「意味ないのは、お前の避難っていう行動だ!」

女「どういう意味?」

男「俺がずっとしていた『仕事』っていうのはな。避難しなくても済むようにする仕事だったんだ」

女「………?」

男「そもそも、どうして避難命令が下ったかっていうと、ずっと北のほうで事故があったからなんだ」

女「事故?」

男「ああ、それで有害な物質が漏れ出してしまった」

女「だから避難するって――」

男「そうだ、わかってる。そこで俺はその物質を消す技術を開発してたんだ」

女「そ、そうだったの?」

男「ああ。あと三日、三日でできる。それまで待ってくれ!」

女「男……」


38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 17:57:37.05 ID:q4Flv5XH0

男「……分かってくれたか?」

女「……本当に三日でできるの?」

男「約束する」

女「わかった。なら三日だけ待つ」

男「…ありがとう。女」

女「ごめんなさい、知らなかったの。男の仕事を」

男「いや、いいんだ。言わなかった俺も悪かった」


39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 18:03:19.51 ID:q4Flv5XH0

女「ねえ、男」

男「ん…どうした?」

女「改めてなんだけど、なにか手伝えること、あるかな?」

男「いや、今のところはいいよ。あるとすれば……そうだな、午後からもう一回街に出ようか」

女「うん!わかった、準備しておくね!」

男「じゃあ、二階に行ってるよ。俺も準備をしないと……」


41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 18:07:08.26 ID:q4Flv5XH0

男(……どうしたものかな)

男(放射能を消す技術なんて、作れっこないだろ……)

男(…そもそも、なぜ女は自分のこと人間だなんていったんだろうな)

男(もしかして、主人の仕業か……?)


42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 18:14:26.24 ID:q4Flv5XH0

男(あれは、避難命令が発令される二日前だったかな)

男(主人が女を呼び出して、二時間くらい何かしてたな)

男(……あの時、主人はいったい何をしたのか)

男「わかんねえなあ……」

女「男ー!昼ごはーん!」

男「ああ、後で食うよ」

女「また『一人で食う』だ……」

男「ごめんな、準備に手間取ってるんだ」


43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 18:21:25.06 ID:q4Flv5XH0

男「……俺はメシ、食えないのにな」

男「あいつは俺より一世代後だから飯を食ってもうまく消化できるらしいが」

男「……やっぱり、主人が記憶データを変更したとしか思えないな」

男「主人、生きてるかな」

女「主人?主人ってだれ?」

男「い、いきなり入ってくるなよ!」

女「さっきからいたのに…それより、準備できた?」

男「あ、ああ。できたぞ。もう行くか?」

女「その前に男は昼ご飯食べなきゃ!」

男「そ、そうだったな。ハハハ…」

女「もう、とぼけないでよ」


44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 18:30:38.20 ID:q4Flv5XH0

…………
女「もうご飯食べた?」

男「ああ、食ったよ」

女「じゃあ行こうか」

男「うん、そうだな」

女「また商店街の方に行くの?」

男「いや、駅にはいかない。反対方向だ」

女「じゃあ住宅街?」

男「そうさ」

女「誰かに会いに行くの?」

男「……それは考え中」

女「そっか。…とりあえず外、出ようか」

男「ああ」



46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 18:38:40.10 ID:q4Flv5XH0

女「んー、気持ちいいね、春って」

男「ああ……そうだな」

女「どうしたの、男?ずっと悩んだような顔しているよ」

男「そ、そうか?」

女「うん……悩みがあるなら、私に相談しなよ!」

男「大丈夫。悩み事なんてないよ」

女「ならいいけど……」

男(女を心配させたくはないからな…笑顔でいないと)

女「あっ、ツバメだツバメ!!」

男「おお、ほんとだ。来てたんだな。こんなところにも」




47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 18:44:50.40 ID:q4Flv5XH0

女「……人、いないね」

男「ああ、そうだな」

女「ここでなんの調査をするの?」

男「うーん、調査というか、人探し」

女「もう避難命令が出てるのに?」

男「いやいや、だからこそ、逃げ遅れてる奴を探してるんだよ」

女「私たちがそれに該当するんだけどね」

男「まあ、そうだな」



48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 18:56:49.70 ID:q4Flv5XH0

男「…帰るか?」

女「……ううん。もう少し歩こうよ」

男「そうだな」

女「久しぶりに……一緒に散歩するね」

男「(初めてなんだけどな)……うん」

女「もう桜の花、散っちゃったね」

男「見たかった?」

女「うん。……来年は見に行こうね」

男「ああ……」


49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(東京都)[] 2011/03/18(金) 19:05:16.82 ID:q4Flv5XH0

男「楽しかったか?」

女「うん、楽しかったよ」

男「ごめんな、歩くだけじゃつまんなかっただろ?」

女「そんなことないよ!男と散歩できて良かったよ」

男「………」

女「そ、そんなに見つめないでよ///」

男「あ、いや、その……」

女「…夕ご飯、作るね」

男「お、おう」


51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 19:17:56.52 ID:q4Flv5XH0

女「お湯、入ったよ」

男「おお、そうか。お前入って来いよ」

女「………」モジモジ

男「どうしたんだよ、入ればいいじゃないか」

女「えっと、その、きょ、今日くらい、一緒に入ってもいいかなって……」

男「え……」

女「いや、あ、汗かいたんじゃないかなーって思ったから……」


52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 19:23:11.63 ID:q4Flv5XH0

男「いやいやいや、いいよ。そんな、女も嫌だろ?」

女「構わないから言ってるの!」

男「じょ、冗談だろ?」

女「本気だよ!何度も言わせないでよ……//」

男「……女がそこまで言うなら」

女「えっ、ほ、ホントに一緒に入るの……?」

男「ほ、本当だよ。そっちこそ何度も言わせんな」

女「………分かった、先に行ってて」



53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 19:37:46.10 ID:q4Flv5XH0

男「勢いで言ってしまったが……」

男「女……ほんとに来るのか?」

男「……いかんいかん、ほかの事でも考えよう」

女「お、男?」

男「女!!?……なんだ、裸じゃないのか」

女「バスタオル、巻かないほうがよかった?」

男「い、いや、それでいい」

女「そ、そうだよね」チャポン

男「…………」

女「…………せ、背中洗ってあげる!」




54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 19:39:44.31 ID:q4Flv5XH0

男「いや、自分で洗えるから」

女「素直にたってよ!!」

男「わかったわかった!いまたつから……」

女「き、気持ちいい?」ゴシゴシ

男「ああ、ありがと」

女「…………」ゴシゴシ

男「…………」ザバーン




56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 19:44:09.34 ID:q4Flv5XH0

男「俺、もうのぼせたから出るわ!」

女「あっ、お、男……」

女「照れちゃったのかな」

男「……非常に心臓に悪かった」

男「どうしたんだろ、女」

男「…少し外ぶらついてくるかな」


57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 19:56:38.64 ID:q4Flv5XH0

男「月は変わらず昇っている」

男「されど誰も照らさぬ……か」

女友「どうした男、気分は詩人かい?」

男「なっ……お前いたのか……」

女友「どうやら君の主人とボクの主人は同じことを考えたようだね」

男「そりゃあそうだろうよ」



男「俺の主人とお前の主人は一緒だからな」


59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 20:01:47.42 ID:q4Flv5XH0

男「てっきり主人と一緒だと思ったぜ、隠し子が」

女友「隠し子だなんて……ひどいなあ、ボクは登録されていないだけなのに」

男「そういうのを隠し子っていうんだよ」

女友「あんまり偉そうにしないでくれる?」

女友「スペックで言えば、ボクのほうが君より断然上だから」

男「そう言われちゃあ何にも言えないな」

女友「フフッ、賢明な判断だ」

    飯食うわ


62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 20:15:37.37 ID:q4Flv5XH0

男「だけどよ、そのうちお前ばれるかもしれないぞ」

女友「誰に?政府かい?」

男「ああ」

女友「だったらばれないようにするだけさ」

男「……隠し子は大変だな」

女友「大変なのは君のほうだろ?」

女友「彼女を抱えてるんだから」

男「俺たちは協力し合っている。お前は孤独だ」

女友「君と彼女の力をたしても、ボクには到底及ばないよ」

男「……畜生め」

  
俺「さっきのは誤爆でした、これでひとまず最後。保守よろしく」




64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 20:37:21.23 ID:q4Flv5XH0

女友「まあ、その力が仇になって登録できないんだけどね」

女友「どうしてだろうね?ひがみ?それとも恐れ?訳が分からないよ」

男「……話があるなら早く言ってほしいんだが」

女友「じゃあ、本題に入ろうか」



女友「君と一緒にいる彼女についてなんだ」
  
支援ありがとうございます




65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 20:42:39.08 ID:q4Flv5XH0

男「女のことか?」

女友「他にいるのかい?」

男「……あいつがどうしたんだ」

女友「率直に言おうか?」

男「お前のそういうねちっこい所が嫌いなんだよ、早く言え」

女友「じゃあ、言うよ」

女友「彼女、ボクにとっては邪魔な存在なんだ。消したいんだけど」


66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 20:49:05.54 ID:q4Flv5XH0

男「……訳を聞こうか」

女友「訳か……作るとするなら、彼女は今ここにいちゃいけないからってことかな」

男「なんでいけないんだよ!あいつが何か悪いことしたっていうのか!?」

女友「うーん……悪いことしたっていうよりは、存在自体が悪なんだよなあ」

男「…………」

女友「なんのことかサッパリだろ?理由を知りたいかい?」




67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 20:55:12.94 ID:q4Flv5XH0

男「早く教えろ!!」

女友「まあまあ、そんな慌てるなよ。まずは、どこから話そうかな……」

女友「なんで彼女が悪なのかってことから話すことにするよ」

男「主人が関係あるのか?」

女友「……まあ、焦るな。今から話すさ」




69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 21:10:09.94 ID:q4Flv5XH0

女友「彼女はボクの一世代前のアンドロイドだ。いや、スッペクからすると二、三世代前かな」

男「それは知ってる」

女友「ちなみに、君は彼女の一世代前だ」

男「それも知ってるから話を進めろ」

女友「主人はボクを作った直後から、ボクを造ったことを後悔していた」

男「それは本当か?」

女友「ああ、さっきも言った様に、ボクは強すぎて登録できなかった」

女友「登録していないアンドロイドを所持するのは、法律違反だ」

女友「そこで主人は、彼女を改良することにしたんだ」

男「……女のことか」




71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 21:18:21.36 ID:q4Flv5XH0

間違えたwwwスペックね。

女友「ああ、そうさ」

男「お前を劣化させるっていう考えはなかったのか」

女友「君はすこし小さい砂の城を大きくするために完成している城の砂を持ってくるかい?」

男「……主人はそれで、女をグレードアップしたのか」

女友「ああ、したよ。避難命令が発令される二日前にね」

男「………!?」

女友「フフッ、心当たりがあるだろう?」


72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 21:27:47.88 ID:q4Flv5XH0

男「グレードアップする時間、どれぐらいかかったんだ?」

女友「うーん…二時間とかじゃないかな」

男「…………」

女友「話を続けていいかい?」

男「あ、ああ……」

女友「主人は彼女を改良することに成功した……だが」

女友「いかんせん、感情面のスペックが高すぎたんだな」

男「……簡潔に言ってくれないか」

女友「つまり、人間の心に限りなく近い…ほぼ100といってもいいAIが組み込まれたんだ」




73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 21:42:06.71 ID:q4Flv5XH0

男「それの何が問題なんだ?別にいいじゃないか」

女友「いいや、それが問題おおありなんだな」

女友「そもそも、彼女に組み込まれたAIは主人が開発してきた中でも、最高の出来だった」

女友「機能主義を肯定する主人にとってはそれを実証できるものだったんだ」

女友「……だが、出来上がってみると期待を裏切ったんだな、悪い方に」

男「……どういうことだよ」

女友「彼女の行動を、感情がブロックしてしまうんだよ」

男「例えば?」

女友「アンドロイドは人間には耐えられないものにも耐えられる。例を挙げると、放射能」

女友「しかし、感情があるとそれを『危険なもの』と感知してしまう」

女友「すると、原子病に似たものを発症してしまうんだな。想像妊娠みたいなものだよ」



74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 21:51:35.62 ID:q4Flv5XH0

女友「彼女は君のつく苦しまぎれの嘘を信じているだろ」

女友「仕事が忙しいからご飯は食べない、その仕事の内容、そして汚染された街を救える」

女友「君はたくさんの嘘を彼女についてるね」

女友「彼女も薄々気づいているだろうよ。なのに、なぜ君を信じるか」

女友「それは彼女が君のことを信じているということだよ、それもすごく」

男「……ちょっと待て」

女友「どうした?」

男「なんで俺たちの行動を知っている?」

女友「彼女とボクは、目には見えない糸で繋がっている」

男「ふざけんなよ、ちゃんと説明しろよ!!」




76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 21:58:51.72 ID:q4Flv5XH0

女友「具体的に言えば、彼女とボクには同じチップが埋め込まれている」

女友「それによって、お互いの発言や考えていること、感情が筒抜けになっているんだよ」

男「……ていうことは、お前が思っていることも女に筒抜けなんだろ?」

女友「それがちがうんだな」

男「……?」

女友「彼女のチップは機能が制限されている。したがってボクの発言等を知ることはできない」

男「一方通行ってことかよ……」

女友「まあ、そういうことだね」


78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 22:07:42.93 ID:q4Flv5XH0

男「それって不公平じゃないのか?」

女友「そうかな?まあ、そうとも言えるかもね」

男「それに、お前はいつでも俺達の行動を知っている。言い換えれば、監視しているってことだよな」

女友「監視しているだなんて……結果的にそうなっているけど、心外だな」

女友「それにボクは君の行動までは分からない。少ししかね」

男「主人が組み込んだのか?チップを」

女友「当たり前じゃないか。今までの話もすべて主人から聞いたものだよ」

男「主人……」

女友「また明日、ここで会おうか。待っているよ」

女友「ああ、最後に。彼女はもう少し君とお風呂に入りたがっていたよ」

男「…………」




79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 22:12:14.41 ID:q4Flv5XH0

女「お~~い、男~~!!!」

男「お、女……」

女「どこに行ってたの?心配したよ」

男「ご、ごめんな。ちょっとのぼせてたから風に当たってたんだ」

女「だれかと話してたの?」

男「い、いや、独り言だ。誰とも話なんてしてないさ」

女「そう、なら帰ろ!」

男「そうだな」


80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 22:20:17.25 ID:q4Flv5XH0

女「それにしてもさ……」

男「ん?」

女「避難した人は、無事なのかな……」

男「ああ、大丈夫さ。もうとっくの前に害のない所へ行っている」

女「そうだよね……」

男「女は大丈夫か?気分とかは?」

女「大丈夫だよ、私は。男は……ああそうか、アンドロイドだもんね」

男「やめろよ、そんなこというの」

女「冗談だよぉ~安心して、私はそんなこと思ってないから」

男「……ありがとう」

女「さっ、家まで競争だ!!!」ダッ

男「おい、ズルいぞ!!待てよ!」







81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 22:25:03.96 ID:q4Flv5XH0

バタン
女「ハアッ、ハアッ……私の負けだぁ…」

男「足の速さなら負けないぜ」

女「男って足速いんだね、ズルしても負けちゃったよ」

男「そんなことないよ」

女「なんか飲む?」

男「いや、俺はいい。……仕事、あるから」

女「頑張ってね。……私、男のこと信じてるよ」

男「ああ、必ず、三日で作ってみせるから」

女「うん……」



82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 22:30:30.96 ID:q4Flv5XH0

男(……女友、女の気持ちわかるだろ?)

男(女を消さないでくれよ……)

男「はぁ、どうしたものかな」

男「三日後に『消えましたー!』なんていっても信じないだろうな、女は放射能を感知できるからな……」

男「素直に逃げるしかないのか…放射能からも、女友からも」


83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 22:37:34.61 ID:q4Flv5XH0

女「男ーもうすぐで零時になるよぉ。下に降りてきて!」

男「(もうそんな時間か……)ああ、すぐ行くよ」

女「さっ、もう寝よ?」

男「……寝室にいかないのか?」

女「きょ、今日はここで寝ようよ……」

男「ここじゃ布団一つしか敷けないよ」

女「だ、だからね、今夜は一緒に寝ようかなって……」

男「な、なんですと!!?」


俺「風呂に入るので保守よろしくお願いします」



90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 23:32:04.39 ID:q4Flv5XH0

男「疲れるだろ。ベッドもあるんだし……」

女「男は布団よりベッドのほうがいい……?」

男「いや、別々に寝ようぜ」

女「今日は一緒に寝たい気分なの」ピトッ

男「女……どうしたんだ、今日のお前おかしいぞ」

女「よくわからないけど…一緒にいたいの」


やべえ、風呂で寝てたwwww
保守してくれてありがとうございました 


91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 23:38:19.81 ID:q4Flv5XH0

男(虫の知らせってやつか……?)

男「わかった、今日は一緒に寝ような」

女「やったあ!ありがと、男……///」

男「よしよし、わかったから離れよう、な?」

女「うん」
 テクテクテクテク……
男「……あ、あのー、腕が痛いんですけど?」 


92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 23:44:45.14 ID:q4Flv5XH0

バタン!
男「はあ、今日は疲れた……」

女「そうだね……でも」

男「でも?」

女「男とぶらぶらできて、楽しかった」

男「そうか……?」

女「男は楽しくなかった?」

男「いいや、女と散歩できて楽しかったよ」

女「よかった……ねえ、男」

男「ん?」

女「ピロートークは、した後でもできるよ」


93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/18(金) 23:50:46.47 ID:q4Flv5XH0

男「え、え……?」

女「…………////」モジモジ

男「女は、いいのか?」

女「お、男がお風呂で裸見れなかったから、残念がってないかなあと思って」

男「い、いや!!思ってないぞ、そんなこと!!」

女「親指くるくるさせてるけど?」

男「………」

女「いいよ、私は。男が構わないなら」




96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 00:01:22.47 ID:HKeMEw6N0

男(主人が言っていたけど……)

男(こういうのって、男がリードするもんなんだよな)

男(そもそも……女は感じるのか?)

男「な、なあ女――」

女「すぅ…すぅ…」ムニャムニャ

男「……なんだよ、期待させやがって」

女「んん……おとこぉ?」

男「えっ、ど、どうした?」

女「わたしのはんばーぐおいしぃ?」

男「寝言か……俺も寝るかな」

  (「彼女、ボクにとっては邪魔な存在なんだ。消したいんだけど」)

男「そうはさせるかよ……」


97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 00:07:19.98 ID:HKeMEw6N0

…………
女「男、おきて。朝だよ!!」

男「う、うぅん……もう朝か」

女「今日も気持ちいいね!!やっぱり春が一番だね!」

男「ああ…そうだな」

女「どうしたの、男?」

男「いいや、なんでもない」

女「朝ごはんの準備するね」

男「ああ、ありがとう」

男(昨夜のこと、憶えてないのかよ……)



99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 00:16:40.07 ID:HKeMEw6N0

女「おお~い、朝ごはんできたよぉ!!」

男「はいよ」

女「…………」

男「なんか顔についてるか?」

女「いや、今日は別々に食べないんだなーって」

男「あ、ああ……(俺も飯、食えるんじゃないのか?)」パクッ

女「おおーっ。感動です!!」

男「…………!!?(か、体が……苦しい……っ)」
 イブツシンニュウ。イブツシンニュウ。システムヲテイシシマス……
女「お、男っ!!!?」




101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 00:24:47.34 ID:HKeMEw6N0

女「ねえ男、しっかりしてよ。ねえってば」ユサユサ

男「…………」
 イブツヲハイジョシマス。イブツヲハイジョシマス。
女「ふざけないでよぉ…おとこぉ……」

男「――ッ!!ゲホッ、オゥエッッ!!」

女「お、男!!!?返事してよ!!」
  イブツハイジョカンリョウ。システムサイカイシマス
男「………ふーっ。ごめんな」

女「いいよ、男が大丈夫なら」ダキッ

男「い、痛い!きつく抱きしめないで!」


102 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 00:30:14.22 ID:HKeMEw6N0

女「どうしてごはん一口で……?やっぱりはえぬきがいいの?」

男「い、いや……なんというか」

女「なんというか?」

男「朝ごはんアレルギーなんだ、俺」

男「ついでに昼ごはんアレルギーで」

男「夕飯アレルギーでもあるんだ」

女「私のごはん、おいしくないの……?」ウルウル

男「す、すまん。本当にメシを受け付けない体質なんだ!」

女「……そ、そうなんだ。ごめんね、こっちこそ無理させちゃって」




103 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 00:33:54.04 ID:HKeMEw6N0

男「………ちょっと、気分転換に外に出るわ」

女「……………」
 ガチャン
男「はぁ、悪いことしたな……」

男「そりゃそうだよな。自分が作った飯を」

女友「自分の好きな人が食べて吐くなんて」

男「お、女友……」



104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 00:43:16.14 ID:HKeMEw6N0

女友「さくやは おたのしみでしたね」

男「お楽しみもクソもねえよ。女に悪いことしちまった……最悪な朝だ」

女友「そうだね、彼女はとても悲しんでる」

男「お前が言わなくてもわかってるよ」

女友「彼女が何してるか、知りたい?」

女友「君の吐瀉物を、ぞうきんで拭いてるよ」

男「………」

女友「あんなことされても君のことが好きだなんて、まさに恋は盲目だな」

男「俺、すごい馬鹿だわ……大馬鹿野郎だ……」

女友「確かに、あんな無茶するなんて君は馬鹿げているね」

女友「そういえば、彼女は君のなんとかアレルギーとかいう嘘も信じているよ」

女友「なんというか、女って――」



女友「すごい気の毒だよね」



106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 00:52:35.85 ID:HKeMEw6N0

男「……なんで、なんでお前は女を消すのに三日の期限をつけたんだ?」

男「主人からそう指示されているのか?なにか意味があるのか?」

女友「うーん、意味か……あえて言うならば」

女友「君のよくわからない嘘に期待している女を、絶望にでも落としてやろうかと思ってね」

男「……なら今日にでもやろうと思えばできるのか」

女友「君はそれを望むのかい?」

男「いや、望むわけないだろ」


107 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 00:57:56.48 ID:HKeMEw6N0

女友「だろうね」

男「当たり前だろ。『はい』とでもいうと思ったのか」

女友「そんな浅はかな考えしないよ」

男「お前には、絶対に殺させないからな」

女友「せいぜい言っておくがいいよ。彼女と残り少ない日々を過ごすんだな」
  タッタッタッ…
男「行っちまった……」


108 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 01:05:23.74 ID:HKeMEw6N0

女「お、男……?」

男「……女」

女「私、怒ってないよ。男はしょうがないよね」

男「…………」

女「アレルギーなんだよね?」

男「…………」

女「それで朝ごはんも昼ごはんもおゆはんも食べられないんだよね?」

男「……もう、いいよ」

女「だったらおやつは食べられるよね。そうなんだよね?」

男「もういい……っ。女、俺がどうしようもない奴なんだ……」


109 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 01:11:30.23 ID:HKeMEw6N0

女「男は……しかた………よ……ね」

男「……女?おい、女!!どうしてだよ、しっかりしろよ」

男「……畜生ッ!!!!俺が嘘をついてごまかしたから…ごまかしたから………っ」バン!!

女「………………………」

男「俺が支えてやらなくちゃ、女を………」


111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 01:16:15.19 ID:HKeMEw6N0

…………
女「……………」

男「ほ、ほら、薬だ。口を開けてくれ」

男「開けてくれよ……」

男「もう、女は目が覚めないのか?そんなのって、ないだろ……」

女友「どうやら、自家中毒のようだね」

男「………お前どこから」

女友「鍵閉め用心、だよ」


114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 01:23:19.60 ID:HKeMEw6N0

男「自家中毒って、どういうことだよ」

女友「いま彼女の心は彼女自身にツタを絡ませている」

男「……昨夜いってたAIのせいなのか?」

女友「ご名答。彼女は君を信じたいという信念と、嘘をついた君に対しての怒り、でも何とかしてあげたいという慰め……いろんな感情がぶつかり合っている」

男「……俺のせいか」

女友「ああそうだ。彼女は君だけにシステムが停止するまで思いを傾けたのさ」


116 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 01:27:52.47 ID:HKeMEw6N0

男「……俺ができることは、ないのか?」

女友「敵にそんなことを聞くのかい?」

男「敵なら帰れよ」

女友「それじゃあ、お言葉に甘えて」シュッ

男「…ほんとに行っちまった」

女「…………」

男「………俺にはなにができるんだ?」




117 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 01:33:01.94 ID:HKeMEw6N0

男(俺は、女が倒れるまで騙しつづけた……)

男「ごめんな…今更、遅いか」

(女「もう桜の花、散っちゃったね」)

(男「見たかった?」)

(女「うん。……来年は見に行こうね」)



男「そうだよ」


男「俺は、女と一緒に桜の花を見るんだ……!」




118 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 01:38:12.57 ID:HKeMEw6N0

男「よいしょ……っと」ユサッ

女「…………」

男「少しの辛抱だ。安全なところまで、すぐに行けるからな」
  ガチャ…バタン
男「女友が気づくまでの勝負だ……」

男「できるか……分からんな」

男「……自分を信じろ、俺」
   タッタッタッ……



121 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 01:43:14.64 ID:HKeMEw6N0

女友「……まあ、選択肢の一つにはあったか」

女友「『ボクから逃げる』……愚行だな」

女友「そもそも、男がどんなに頑張ったところで安全地帯までは行けまい」

女友「女……主人の妄想なら、明日六度目のデートだったんだけどなあ」

女友「あれも、デートっちゃデートか」


123 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 01:50:16.40 ID:HKeMEw6N0

 主人は、ひどく女にあのAIを組み込んだのを後悔していた。
 人間のように喜び、笑い、怒り、哀しみ……そうできるAIを造ったはずなのに
 どうして思うように動かないのか
  どうして従順ではないのか
   どうしてためらうのか
 
 ……そうか、『感情』か。
 主人は女に偽りの思い出を吹き込み、そして感情をある程度殺したのだ。


124 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 01:59:04.62 ID:HKeMEw6N0

 主人のつくった嘘は、男のより夢があるぶん、残酷だった。

三月○○日
 初めて男と出会った。きっと運命だろう。私は今、とっても幸せ
三月○○日
 男と初めてのデート。手をつないで、街をブラブラ
三月○○日
 男と初めてケンカした。……でも、あっちから謝ってくれた。嬉しい
三月○○日
 男が初めて私の家に来た。私が作ったビーフシチューは大好評


女友「………四月からは、あいつらが作っていくはずだった」

女友「女はいろいろな『はじめて』を男としたかっただけなのに」

女友「………………」 
  


132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 06:24:54.02 ID:1rH5xfOx0

なんとなくほっこりするなぁ


144 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 10:34:07.47 ID:HKeMEw6N0

男「はぁ……」ペタン

男「いつ………着くんだ?安全地帯ってやつには」

女「……………」

男「女………」

男「ダメだ…こんなところで休んでちゃ。俺は……」スッ

男「女を助けなくちゃいけないんだ!!」


146 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 10:41:32.55 ID:HKeMEw6N0

女友「…もう三日目の朝か」

女友「メロスは日が沈む直前にセリヌンティウスのもとにたどり着けた」

女友「男……君はどうかな、たどり着けるかな?安全地帯とやらに」

女友「……また動き出したか」

女友「私もそろそろ、追いかけるとするかな」

…………

男「避難命令が下っている地域が……ひろがっている!?」

男「俺の力で100㎞か……」

男「やるしかねぇなぁっ!!!」


147 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 10:52:04.93 ID:HKeMEw6N0

男(俺と女が初めて会ったのは、いつだったかな……)

男(ちょうど、桜の葉が出始めた頃だったかな)


(主人「お~い、男、ちょっと手伝ってくれないか?」)

(男「どうしましたか」)

(主人「ついに僕も、最新世代のアンドロイドを手に入れることができたんだ!!」)

(男「え……そ、それは、よかったですね…」)

(主人「ああ、本当に良い出来事だ。さぁさ、運ぶのを手伝ってくれ」)


男「最新世代が入ったから、俺は捨てられると思ったんだよなぁ」

男(そのとき励ましてくれたのは、女だっけなぁ……)


148 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 11:01:11.98 ID:HKeMEw6N0

(女「お、男さん……」)

(男「…来るなよ、最新が」)

(女「主人、男さんのこと褒めてましたよ」)

(女「『ずっとよく働いてくれている』って」)

(男「……わざわざ、嘘はつかなくてもいいんだぜ」)

(女「ホントですよ!!……確かに、私の方がスペックは高いかもしれません」)

(男「………」)

(女「で、でも、お互いを信頼し合っているという点では、男さんのほうがずっと上です!!!」)
 
(女「だから……そんなにしょげないでください」)

(男「…どうしてそんなこと言ってくれるんだ?」)

(女「当たり前でしょ、私たちは」)

(女「『仲間』ですよ」)


150 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 11:09:36.68 ID:HKeMEw6N0

男(俺の思い込みだったんだな…)

男(女はすごく優しくしてくれたな)


(女「男さ~ん、掃除は代わりにやっておきますよ!」)

(女「今日はもう疲れたでしょ?休んでいいですよ」)

(女「星がすっごくきれいです~男さんも、一緒に見ませんか?」)


男「女………女…………」


151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 11:15:09.85 ID:HKeMEw6N0

男「女とまた普通の生活をしたい……」

男「女と笑ったり」

男「泣いたり」

男「星をみたり……」

男「…まだしてないことが、いっぱいあるじゃないか」

男「俺はまだ……諦めちゃいけないんだ……!!」


152 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 11:25:44.49 ID:HKeMEw6N0

…………
男「もう、太陽が沈んでる……」

男「タイムリミットもあと少しか……」

男「でも、安全地帯もすぐそこ――」

女友「残念でした~」

女友「実はもう、三日経ってるんだよね」

男「……あとすこしなんだ!安全地帯まであと少しで着くんだ!!」

女友「………君は街に行けばセーフ、と考えているけど」

女友「女を消すということは決定事項だからね?」

男「…………」


153 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 11:33:44.45 ID:HKeMEw6N0

女友「そりゃあ、ボクだって消すのはつらいよ」

女友「元々は仕事仲間なんだしね」

女友「女は優しかった……」

男「そんなこと――」

女友「言わなくてもわかるだろ?」

女友「………君は三人で主人の研究に使う部品を買いにいったことを覚えているかな?」

女友「あれは楽しかったね、むだな買い物や休憩でお金がたりなくなったんだっけ?」

男「俺の金をそのとき貸してやったんだよ」

女友「あれ…ボクはくれたと記憶しているんだが」

女友「まあ、関係ないか……もう女はボクの手で消されるんだ」


154 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 11:40:58.79 ID:HKeMEw6N0

男「……クソッ」

女友「ボクは君たちを追いかけるよ」

女友「…もしも、人間を巻き込みたいなら街で事を済ましてもいいんだが」

男「やめろ!!俺が……俺が女の盾になるっ!!!!」

女友「ご勝手に」
 ダン!グシャッ!!
男「グッ………ハ……ッ」

女友「どうした、女の盾になるんじゃないのかい?」



155 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 11:50:23.37 ID:HKeMEw6N0

女友「さあ、立てよ」
 ダッ!
女友「もうダウンか?」
 ダン!
女友「やっぱり、スペックの問題だね」
 ガン!
男「ハ……ァ………お、女には…手を出させねぇぞ……」

女友「……最後だから主人から託されたボクの使命を教えてあげるよ」

男「………女を消すって……いうことじゃ………ないのか」

女友「ちょっとそれじゃあ説明不足だな」


156 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 12:00:39.87 ID:HKeMEw6N0

女友「まず一つに、女を消すということ」

女友「そして君を消して」

女友「ボクも消える」

男「………なんだよそれ。心中じゃないか」

女友「それが使命なんだよ、仕方ない」

女友「経緯を話すと、すこし長くなるな」

女友「まず、主人は女に嘘の過去を背負わせているってことから話さないとな」

男「……どういうことだ、嘘の過去って」

女友「女は君がご飯を食べられないのに、食べろ食べろってうるさかっただろ?」

女友「一緒に外を歩いたこともなかったのに、歩こう歩こう言ってきただろ?」

男「…確かにそうだ」

女友「それはね、女がむかし君とご飯を食べたり、デートしたりしたという記憶を持っていたからさ」

男「……それは知らなかったな」


157 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 12:10:42.56 ID:HKeMEw6N0

女友「今まで優しかったのに、急に冷たくなった。女はそう感じただろうね」

男「………なんで主人は、そんな記憶を作っておきながら?」

女友「主人は作った後に気づいたんだろうね」

女友「あの町に二人を置いといても、楽しい思い出は作れないって」

女友「それにあの記憶には矛盾点がある。むろん、嘘だからすべてが矛盾しているといえるけどね」

男「……お前は主人に指示されて、ここに残ったのか」

女友「ああ、そうさ。急遽ボクと女の体にチップを埋め込んで、ボクに彼女を監視させることにしたんだ」

男「……主人はすぐに女を消すことをためらったんだよ」




180 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 19:39:29.27 ID:atsKKeRvP

最後の男→女友

男「……どうして主人はすぐに消さなかったんだ?」

女友「きっと、女友にすこしでも男と過ごしてほしかったんだよ」

女友「それがすばらしい日々とならなくてもね」

男「…………」


181 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 19:42:24.50 ID:atsKKeRvP

女友「最後に、主人が僕に託した使命ってやつを教えてあげるよ」

男「女を消すっていうことじゃないのか?」

女友「それじゃあ説明不足なんだよな」

女友「ボクの使命は女を消して」

女友「君も消して」

女友「ボクも、ボク自身を消すということさ」


182 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 19:48:45.10 ID:atsKKeRvP

男「……それじゃあ心中じゃないか」

女友「仕方ない、主人の命令は絶対だからね」

女「……………め」

女友「…女?」

女「男を……消しちゃ………だめ!!!!」

男「女………」


183 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 20:02:56.65 ID:atsKKeRvP

女友「……AIのリミッターが外れたか」

男「…感情の制限が取れたのか?」

女友「ああ、女は君を思う感情を力に変えているんだよ」

男「…あんなに強く………俺を…」

女友「男、女から離れろ!力が解放され――」


184 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 20:07:08.49 ID:atsKKeRvP

…………
女友「……結局、心中になったか」

男「…まさか、こうなるとはな……」

女「…………男?」

男「どうした……女?」

女「…あり…………が…とう………」       完
 
 急ぎ気味ですみませんでした。代行さん、支援してくれた方、ありがとうございました   


186 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2011/03/19(土) 20:12:56.81 ID:axXDcYOl0

途中でいろいろ大変だったと思うけど
乙!




元スレ:http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1300431325/
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