1 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 00:36:31.08 ID:nE5N1gpj0.net
父「ウイ~……ヒック」
父「おいっ!」
少女「!」ビクッ
少女「な……なに? お父さん……」
父「サケ買ってこいや、クソガキ!」
少女「うううっ……」
父「早く行けやっ!」バリィンッ
少女「分かったよぉ……」
9 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 00:39:32.08 ID:nE5N1gpj0.net
少女「……」トボトボ…
少年「どうしたの?」
少女「実は、お父さんにサケ買ってこいって怒鳴られたの」
少女「でも、あたしこういうのはじめてで……サケってどこに売ってるのかな?」
少年「うーん……やっぱり魚屋じゃないかな?」
少女「どうもありがとう!」スタタタッ
少年「……」
12 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 00:42:15.54 ID:nE5N1gpj0.net
魚屋――
主人「へい、らっしゃい!」
少女「サケください!」
主人「サケかぁ~、今あいにく売り切れなんだよねえ」
少女「そんなぁ……」
主人「なにしろ今は空前のサーモンブーム」
主人「あのニンテンドースイッチより、遥かに入手困難なんだから」
少女「そんなに品薄なんだ……」
主人「だけど、オイラのいう条件を呑んでくれたら、サケを売ってあげてもいいよ」
少女「ホント!? 呑む呑む!」
主人「その条件はね……お嬢ちゃん、君の体さぁぁぁぁぁっ!」グワッ
14 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 00:46:08.17 ID:nE5N1gpj0.net
主人「ぐひゃひゃひゃひゃ!」ババッ
少女「ひっ!」サッ
主人「なぜ逃げる!? サケが欲しくないのか!?」
少女「うぅ……」
主人「さぁ、キスさせろ! 抱きつかせろ! 脱がさせろ! ヤらせろォ!」ガシッ
少女「やーっ!」バシッ
主人「このメスガキィ……! 魚の支配者たるこのオイラを殴りやがったな!」
主人「だったら、しょうがねえ」
16 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 00:48:12.77 ID:nE5N1gpj0.net
主人「右手に……タイッ!」ジャキッ
主人「左手に……ヒラメッ!」ジャキッ
主人「この二魚流で君を気絶させてから、じっくり体を味わうとしよう!」
主人「ほらほらほらほらほら!」ブンブンブンブンブン
ベチベチベチベチベチッ
少女「きゃーっ! 生臭いーっ!」
19 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 00:51:37.64 ID:nE5N1gpj0.net
少年「落ち着いて、少女ちゃん!」
少女「少年くん!?」
少年「昔話の“浦島太郎”を思い出すんだ!」
少女「あっ、そうか!」
少女「よぉし、だったら……」
少女「手を前に伸ばして! 背中を反って! 足は正座させる!」シャキンッ
主人「あっ! こっ、これは!?」
23 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 00:55:14.75 ID:nE5N1gpj0.net
乙
バーンッ!
主人「あの女の子の体が……“乙”の字を描いているッ!」
少女「そう、私は乙姫……」
主人「!?」ギクッ
少女「タイやヒラメなど、乙姫からすれば一山いくらのバックダンサーに過ぎないわ」
少女「さぁ、跪きなさい! 魚屋ッ!」
主人「ぐ……ぐぬぬぅ……」
主人「参りましたーっ!」ガバッ
26 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 00:57:21.48 ID:nE5N1gpj0.net
主人「フッ……オイラの負けだ。乙姫で来られちゃ、さすがの魚屋も手も足も出ねぇや」
少女「魚屋さん……」
主人「オイラに勝った証として、このあさりの貝殻を持っていくといい!」サッ
少女「わぁっ、きれい!」
少女「ありがとう、魚屋のおじさん!」
29 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:02:08.76 ID:nE5N1gpj0.net
少女「よかったぁ~……」
少女「あやうく、魚屋さんで“男”を知っちゃうとこだったよ」
少年「勘弁してよ。君のはじめてはボクが奪う予定なんだから。中古はやだよ」
少女「えへへへ……」
少年「笑ってる場合じゃないよ。まだサケを手に入れたわけじゃないんだから」
少女「そうだね。でも、どこに行けばサケはあるんだろ?」
少年「この町で、あとサケがありそうな場所といえば……水族館しかないね」
少女「水族館か……行ってみよう!」
31 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:05:25.00 ID:nE5N1gpj0.net
水族館――
館長「サケが欲しい?」
少女「はいっ!」
館長「じゃあこっちに来なさい」
少女「ありがとうございます!」
少女「どうやら手に入れられそうだね!」
少年「うん……」
34 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:07:36.92 ID:nE5N1gpj0.net
チャプン…
館長「それじゃ、この水槽の中に入って」
少女「? ……はい」
ザブッ…
館長「つーかまえたっと!」ガション
少女(あれ!? 水槽に蓋されちゃった!)ブクブク…
少年「なんてことするんです!?」
館長「ククク……私は一度飼ってみたかったのさ、人間の女の子をね!」
35 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:10:56.08 ID:nE5N1gpj0.net
ブクブクブクブクブク…
少女(開けて! 開けて!)ドンドンドンドン
少女(息が……できないっ!)ドンドンドンドン
館長「ほっほぉ~、水の中で溺れる少女! なんという芸術(アート)だ!」
館長「そらもっともがけ! 苦しめぇっ! 私を満足させるのだぁっ!」
36 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:13:17.68 ID:nE5N1gpj0.net
館長「ご来館の皆さま、あちらをご覧ください!」
少女「ガボッ! ゴボォッ!」ブクブク…
客A「うひょ~、女の子じゃん!」
客B「苦しそうにもがいてやがるぜ!」
客C「こりゃたまんねぇや!」
少年(ボクもいけない性癖に目覚めちゃいそうだけど……なんとか理性を保たないと!)
少年(少女ちゃんを助けなきゃ!)
37 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:15:09.97 ID:0p/IoZDmr.net
ろくなのがいねえ!
38 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:17:53.95 ID:nE5N1gpj0.net
少年「この水槽のガラスを壊せば……!」ガンガンッ
館長「無駄だッ! この水槽のガラスは強化ガラスなんだ!」
館長「もっとも刃物には弱く、傷をつければ水圧も手伝って、ガラスを破ることは可能かもしれん」
館長「しかし、君たちのような子供が刃物を持ってるわけないからね……」ニヤ…
少年「ご丁寧にどうも」
少年(少女ちゃん、あさりの貝殻を使うんだ!)サッサッ
少女(うん、分かった!)ボコボコ…
39 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:20:21.69 ID:nE5N1gpj0.net
少女(貝殻で……ガラスに傷をつける!)ガッガッ
ピシッ
館長「――ん?」
少女(もっともっともっと!)ガッガッガッガッガッ
ピシピシッ
館長「い、いかんっ! ガラスにヒビがッ!」
少女(トドメよっ!)ガッ
館長「や、やめろぉぉぉぉぉっ!!!」
41 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:22:24.37 ID:nE5N1gpj0.net
バリィィィンッ!!!
ザバァァァァァッ!!!
館長「中の水がっ……! うっ、うわぁぁぁぁぁっ!!!」
客A「ぎゃああああっ!」
客B「ひいいいっ!」
客C「助けてぇぇぇぇぇっ!」
45 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:27:04.48 ID:nE5N1gpj0.net
少女「あたしの勝ちね!」
館長「ぐ……私の負けだ……」
少女「ご褒美になにかちょうだい!」
館長「この水族館を半分やろう」
少女「いらない」
館長「即答かよ。だったらうーむ……そうだな」
館長「私は装飾品のデザイナーでもあってね……その貝殻を貸しなさい」
少女「いいけど」
サササッ
館長「できた! 純白の貝のイヤリングの完成だ!」
少女「わぁっ、ステキ!」
少年「よかったね、少女ちゃん!」
47 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:30:45.83 ID:nE5N1gpj0.net
少女「魚屋も水族館もダメなら、次はどこへ行けばいいんだろう?」
少年「こうなったら、自力でサケを獲るしかないね」
少女「サケってどこにいるの?」
少年「サケといえば北海道だ……北海道しかない」
少年「北海道へ行こう!」
少女「北海道はでっかいどー!」
北海道編、開幕っ・・・!
50 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:34:09.28 ID:nE5N1gpj0.net
北海道――
マタギ「お前たち、どこへ行く?」
少女「森へ入って、川に行くの!」
少年「彼女のお父さんがサケを欲しがってるんです」
マタギ「やめとけ……ヒグマに食われて死ぬのがオチだ」
少女「そんなことないもん!」
マタギ「ならば、ここで射殺するのがせめてもの情けッ!」
51 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:34:44.54 ID:4AFOckMrd.net
極端すぎんだろwww
52 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:37:23.54 ID:nE5N1gpj0.net
ズドォン!
少女「!」シャッ
マタギ「避けた!?」
ズドォン! ズドォン!
少女「なんの!」シャシャッ
マタギ「また避けた!?」
少女「サケを獲るなら、ピストルの弾ぐらい“避け”られなきゃね」
マタギ「ワッハッハ! こりゃ一本取られたわい!」
少年「行こう」
少女「うん!」
マタギ「なるほど……あの二人ならサケを獲ることも夢ではないかもしれん……」
55 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:39:30.75 ID:8VZseYPP0.net
サケってなんだっけ・・・
56 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:40:01.01 ID:nE5N1gpj0.net
森の中――
少年「ここらへんでイヤリングを落とすんだ」
少女「うん、分かった」
ボトッ
すると――
58 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:43:52.20 ID:nE5N1gpj0.net
ガサガサ…
ヒグマ「お嬢さん、お待ちなさい」
少女「出たっ!」
ヒグマ「白い貝殻の小さなイヤリングを落としましたよ」
少女「ありがとう!」
ヒグマ「さぁ、お嬢さん、お逃げなさい」
少女「やだっ!」
ヒグマ「なに……?」ピクッ
60 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:47:28.08 ID:nE5N1gpj0.net
少女「お願いがあります!」
ヒグマ「お願いですって?」
少女「あたしにサケの獲り方を……伝授して下さいませ!」
少年「ボクからもお願いします!」
ヒグマ「……」
ヒグマ「一つ質問をしましょう」
少女「なんなりと」
ヒグマ「旅は道連れ、世はな?」
少女「サケ!」
ヒグマ「おみごと、この問いを正解できた人間はあなたたちがはじめてです」
ヒグマ「あなた方を弟子にしてあげましょう」
少年「あ、ボクは結構です」
62 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:49:08.49 ID:ImTiHwev0.net
ヒグマが一番まともだ・・・
64 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:52:40.11 ID:nE5N1gpj0.net
ヒグマ「いいですか、サケの捕獲は一日にしてならずです」
少女「オス!」
ヒグマ「サケを獲るには、サケを弾き飛ばす“腕力”、チャンスを待つ“持久力”」
ヒグマ「そして一瞬のチャンスを逃さない“反射神経”が必要なのです」
少女「オスッ!」
ヒグマ「いい返事です。さっそくトレーニングを始めましょうか」
65 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:55:05.47 ID:nE5N1gpj0.net
ヒグマ「この岩を持ち上げるのです!」
少女「オス!」ググッ…
ヒグマ「滝浴び開始!」
少女「オス!」ザババババ…
ヒグマ「この石を避けるのです!」
少女「オス!」シャシャッ
69 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 01:58:32.21 ID:nE5N1gpj0.net
半年後――
少女「どう?」
少年「う、美しい……!」
少年「まるでミロのヴィーナスのような、完璧に整った裸体……!」
少年「しなやかで、艶やかで、それでいてまったりとしてコクがある……!」ゴクッ…
少女「やだ~、褒めすぎだってば!」
ヒグマ「今のあなたなら、サケにも通用するでしょう。さぁ、ゆくのです!」
少女「オス!」
72 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 02:02:40.12 ID:nE5N1gpj0.net
川――
ザババ…
少年「サケが来たよ!」
ヒグマ「焦ってはなりません。狩りにおいて焦りは百害あって一利なし、頭を冷やすのです」
ヒグマ「そして、北海道の大自然と自身を一体化するのです」
ヒグマ「目で見るのではなく感じるのです……北海道の愛を! 北海道の絶望を! 北海道の全てを!」
少女「師匠、ちょっとうるさい」
ヒグマ「あ……」
ザバババババ…
少女(一瞬のチャンスを逃さない!)クワッ
ザバァッ!!!
73 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 02:06:28.41 ID:nE5N1gpj0.net
少女「獲ったどーっ!」ビチビチッ
ヒグマ「みごとです。もう私から教えることはなにもありませんよ」
少女「ありがとうございました……師匠!」
少年「帰ろう……君のお父さんのもとへ!」
少女「うん!」ビチビチッ
ヒグマ(北海道の神よ……あの二人に幸運をもたらさんことを……アーメン、味噌ラーメン)
74 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 02:06:53.85 ID:L9utkqrV0.net
神が神に祈ってる……
75 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 02:07:41.70 ID:XtplcI0Xr.net
ヒグマwwww
76 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 02:09:51.58 ID:nE5N1gpj0.net
少女「ただいまー!」
父「おお、お帰り」
父「半年もどこ行ってたんだ? 心配したんだぞ?」
少女「ごめんなさい……」
少女「でもね、ちゃんと獲ってきたよ……サケ!」ビチビチッ
父「おおっ! ありがとう!」
父「じゃあさっそくサケ料理を振る舞うとしようか! この“クッキングファザー”がね!」
二人「わーいっ!」
77 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 02:12:44.04 ID:nE5N1gpj0.net
父「ほらっ、サーモンの刺身だ!」
少女「おいしいっ!」モグモグ
父「鮭のムニエルだ!」
少年「素材の味を生かしつつ、それを絶妙に昇華させた一品だ……!」ムシャムシャ
父「メインディッシュ、石狩鍋だっ!」グツグツ…
二人「おいしそーっ!!!」
81 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2017/10/05 02:16:23.62 ID:nE5N1gpj0.net
グツグツ… グツグツ…
少女「お鍋、おいしいね!」ハフハフ
少年「うん、ダシがよくきいてて、骨から温まるようだよ」ハフハフ
父「喜んでもらえて嬉しいよ、ハッハッハ」
少年「北海道まで行ったかいがあったね」
少女「うんっ! はじめてのおつかい、大成功!」
おわり
元スレ:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1507131391/
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