1 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:01:01 ID:xU/RxVnc
支援者「やったー!」
支援者「これで多くの人達が救われる!」
右側「馬鹿な!? 狂ったのか首相!?」
支援者「この人種差別主義者!ざまぁwww」
右側「犯罪者が増えるだけだ!」
右側「EUを見ろ!酷い有様だぞ!?」
支援者「知るかバーカ!」
支援者「人道主義は人間として当たり前の行動だ!」
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:01:57 ID:xU/RxVnc
首相「そういう方をお待ちしておりました」
支援者「へ?」
首相「まず、我が国は難民を受け入れましたが」
首相「それ専用の施設を作るには時間が必要なのです」
首相「予算も組まなくてはなりません」
首相「そこで、その間、難民受け入れ支援者の皆さんで一時的にホームステイ等で」
首相「難民を預かって欲しいのです」
支援者「あ、預かる……え?」
首相「右側の様な人達から、難民の皆さんを守る為にもお願いします」
支援者「!」
支援者「……そうですぅね」
支援者「分かりました!」
支援者「人道主義に基き、預かります!」
首相「感謝します」
3 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:02:31 ID:xU/RxVnc
難民「kjjhsじhtふぁzxl、mんjひfrdっこんgf?」
難民「ぎおぽkhbンdxzsっさあdj;khgggdd;:。」
支援者「えと、何言ってるのか分からないけど」
支援者「よろしくね!」
難民「おきkhっでゅgfき」
難民「sjgdふぃtzsjtfb?」
支援者「ん?ご飯……かな?」
支援者「わかったよ」
支援者「……あれ?」
支援者「俺が食費とか払うの?」
難民「sjgdふぃtzsjtfb?」
支援者「あーはいはい」
4 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:03:01 ID:xU/RxVnc
時は流れ
難民「シエンシャ=サン」
難民「ゴハンクレ」
支援者「はいはい」
難民「モグモグ」
支援者(……あれからずい分経つのに)
支援者(国からの支援は一切無い)
支援者(いったいどうなってるのか……)
5 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:03:39 ID:xU/RxVnc
支援者「あ、あの、首相さん」
首相「はい?」
支援者「難民の事なんですが……」
首相「ああ、すみません」
首相「土地の確保すら難航していて……」
支援者「ええ!?」
首相「もう少し、お願いします」
支援者「そ、その!」
支援者「出来ましたら、食費だけでもいただけたら、と……」
首相「残念ですが、人道上の理由で出来ないんですよ」
支援者「はあ!?」
6 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:04:12 ID:xU/RxVnc
首相「人種差別撤廃に関する国際条約で」
首相「人種による差別はいけない事になっています」
支援者「それは当たり前ですが……」
支援者「それと何の関係が?」
首相「難民だからと言って彼らを優遇するのは」
首相「人種差別になるからです」
支援者「」
支援者「はあ!?」
首相「日本国に在住・定住する外国籍者は」
首相「国から何の支援も無く生活をしています」
支援者「し、しかし!」
支援者「難民は、突然に迫害を受けたりして難民になるわけでして……」
支援者「そういった事情は考慮されても良いのでは!?」
7 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:05:00 ID:xU/RxVnc
首相「ええ。ですから、今、在住に向けた土地収用などを行っています」
首相「ですので、もう少しお待ちいただきたい」
支援者「もう少しって……」
支援者「いったい何時までですか!?」
首相「さあ……その辺りは何とも」
支援者「」
首相「では、私はこれで」
支援者「しゅ、首相さん!」
支援者「……」
支援者「そ、そんな……」
支援者「……」
8 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:05:33 ID:xU/RxVnc
店主「あー支援者さん」
支援者「え?」
支援者「あ、近所のスーパーの店主さん」
支援者「どうしました?」
店主「どうした、じゃないよ」
店主「あんたのところの難民さんがウチの商品を盗み食いしてね」
支援者「ええ!?」
難民「シエンシャ=サン」
難民「コレ ウマウマ」
支援者「」
支援者「す、すみません」
支援者「お金は払いますので……」
店主「金さえもらえれば良いと言うもんじゃない」
9 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:06:08 ID:xU/RxVnc
店主「あんたが面倒見てるのなら、そういう社会のルールも教えてやってくれよ」
支援者「そ、それは……はい、そうですね」
店主「ったく……」
支援者「……」
支援者「……なんで……俺が……」
難民「シエンシャ=サン」
難民「ゴハン」
支援者「……」
10 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:06:52 ID:xU/RxVnc
さらに時は流れ
支援者「こんにちは」
難民「コンニチハ」
支援者「ありがとう」
難民「アリガトウ」
支援者「うん、言葉もだいぶ上手くなったね」
難民「シエンシャ=サンノオカゲ」
支援者「ははは、どういたしまして」
難民「シエンシャ=サン」
難民「ゴハンホシイ」
支援者「う、うん」
難民「サイキン、ゴハン、量、スクナイ」
支援者(もう……貯金も底をついた)
支援者(これ以上は無理だ……)
11 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:07:34 ID:xU/RxVnc
支援者「首相さん!」
首相「はい、何でしょう?」
支援者「あの、難民の事なんですが!」
首相「その事でしたら、もう少し……」
支援者「もう俺も限界なんです!」
支援者「何とか、難民特別法とかで対応して」
支援者「食費の支援だけでもして頂けませんか!?」
首相「は?特別処置ならすでにしていますが?」
支援者「え!?」
首相「一部税金の免除です」
首相「本来なら納税義務のある住民税、市民税などを免除しています」
支援者「し、しかし!」
12 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:08:14 ID:xU/RxVnc
首相「すみませんが、これ以上は人種差別になってしまいますので」
首相「もう少しそちらで対応して頂けますか?」
支援者「た、対応って……どうすればいいんですか!?」
首相「難民の方に働いてもらうとか」
支援者「」
支援者「そ、そんな! 彼らは、片言の言葉しか話せないんですよ!?」
首相「そう言われましても……」
首相「とにかく、お願いしますね」
支援者「あ! ま、待って!」
支援者「……」
支援者「……どうすれば」
13 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:08:56 ID:xU/RxVnc
難民「ハタラク?」
支援者「う、うん」
支援者「難民だからといって、何もしないままはルールとしてやっちゃダメなんだ」
難民「イママデデキタ」
支援者「今までは俺が何とかしてたんだ」
支援者「でも……もう限界で……」
難民「……ソウカ」
難民「オレハタラク」
支援者「頼むよ」
14 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:09:31 ID:xU/RxVnc
店主「……ウチは客商売だからね」
店主「言葉が不自由だとちょっと」
オーナー「こっちも接客業だからね……」
工場長「俺んとこは字が読めないとねぇ」
運送業者「運転免許が絶対条件」
支援者「」
暗黒業者「ちょいとキツくていいのなら」
暗黒業者「俺んとこで雇おうか?」
支援者「!」
支援者「あ、ありがとうございます!ありがとうございます!」
暗黒業者「なーに」
15 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:10:05 ID:xU/RxVnc
難民「シエンシャ=サン」
難民「ハタラクツライ」
支援者「我慢してくれ……」
支援者「こっちもいっぱいいっぱいでさ……」
難民「……」
難民「ワカッタ……」
16 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:10:40 ID:xU/RxVnc
難民「給料デタ」
支援者「おー良かったね」
支援者「いくらもらったの?」
難民「コレダケ」
支援者「……」
支援者「!?」
難民「ゴハンイッパイタベレル?」
支援者「ちょ、ちょっと待ってね」
支援者(め、明細書……)
支援者(……)
支援者(なんだよ……この特別雇用費って……)
17 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:11:11 ID:xU/RxVnc
支援者「暗黒業者さん!」
暗黒業者「ん?なんだい?」
支援者「この特別雇用費って何なんですか!?」
支援者「いくら何でも天引きしすぎじゃないですか!?」
暗黒業者「嫌なら辞めてもらってもいいぜ?」
支援者「!」
暗黒業者「こっちは行き場のねぇ難民を雇ってやってんだ」
暗黒業者「これくらい我慢しろよ」
支援者「明らかな労働基準法違反だ!」
支援者「訴えてやる!」
暗黒業者「ああ、別に良いぜ」
支援者「!?」
18 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:11:52 ID:xU/RxVnc
暗黒業者「訴えられた瞬間に廃業して、別業者になるだけだからな」
暗黒業者「やりたきゃ好きにすればいい」
支援者「」
暗黒業者「さっきも言ったが、辞めたきゃ好きにしろ」
暗黒業者「また仕事を探してやるんだな」
暗黒業者「くっくっくっ」
支援者「……」
19 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:12:32 ID:xU/RxVnc
難民「シエンシャ=サン」
難民「ハタラクヤメタイ」
難民「給料スクナイ」
難民「ゴハンイッパイニナラナイ」
支援者「わ、わかってる……」
支援者「他も探してるんだけど……どこも無くて……」
支援者「もう少し、我慢してくれ」
難民「……」
難民「……ワカッタ」
20 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:13:08 ID:xU/RxVnc
さらにさらに時は流れ
首相「支援者さん」
首相「お待たせしました」
支援者「え?」
首相「難民の皆さんを受け入れる施設が完成しました」
支援者「!」
支援者「ほ、本当ですか!?」
首相「今まで本当にありがとうございました」
首相「人道に基き、難民の皆さんが生活できる環境も整え」
首相「今日を持って、難民特別法は解除し」
首相「難民の皆さんも他の外国籍者と同様に扱います」
支援者「……」
支援者「え?」
21 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:13:53 ID:xU/RxVnc
首相「つまり」
首相「これからは、住民税・市民税など免除していた税金を納税して頂きます」
支援者「あ……」
首相「人種差別は良くありませんからね」
首相「さ、難民の皆さん」
首相「こちらの施設へどうぞ」
支援者「……」
難民「シエンシャ=サン」
難民「オセワナリマシタ」
支援者「う、うん」
支援者「元気でね」
22 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:14:34 ID:xU/RxVnc
国は、難民受け入れ施設を構築した。
難民は住処を得たが、同時に外国人と同様の扱いを受ける事になった。
難民は自力で就職先を見つける事は困難で
難民専用の職業支援を行い、難民は主に農業に従事する様になった。
また、難民に支払わせる税金は入国した時期に遡って徴収され
家賃や光熱費と共に給料から天引きされた。
難民「……」
難民「……仕事ツライ」
難民「生活……楽ニナラナイ」
難民「お金……溜マラナイ」
難民「……」
難民「シエンシャ=サン……」
難民「……」
23 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:15:12 ID:xU/RxVnc
ある日、施設を抜け出し、盗みを働く難民が出た。
いや……
これを皮切りに続出した。
右側「何が人道支援だ!」
右側「国は自国民の安全を優先しろー!」
右側「犯罪者は祖国へ返してやれー!」
首相「強制送還します」
支援者「ええ!?」
首相「残念ですが、犯罪を犯す人を我が国に置いておく事はできません」
支援者「ま、待ってください!」
支援者「難民達の国はまだ紛争が絶えなくて……」
支援者「そんなところへ送り返すなんて、あんまりです!」
24 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:16:07 ID:xU/RxVnc
首相「我が国としては、精一杯、難民を人種差別無く受け入れたのですが」
首相「犯罪を犯す人間は難民と認めません」
支援者「」
右側「その通りだ!」
右側「難民として受け入れられている国で犯罪を犯すなんて」
右側「恩を仇で返す行為だ!」
右側「強制送還で妥当だ!」
支援者「い、いや! 難民達にも何か理由が!」
首相「平和と言うモノは、タダで手に入るものでは無いんですよ」
首相「彼らも我が国に来たからには、我が国のルールに従ってもらわないと」
支援者「だからって強制送還はやりすぎだ!」
25 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:16:47 ID:xU/RxVnc
首相「難民条約は次の様な条件で適応から除外されるとあります」
平和に対する犯罪、戦争犯罪及び人道に対する犯罪に関して規定する
国際文書の定めるこれらの犯罪を行った事。
支援者「窃盗がこれに当たるのかよ!?」
首相「我が国の国民が暴力に晒されました」
首相「人道に対する犯罪と認定します」
支援者「横暴すぎる!」
首相「どこが横暴なのですか?」
首相「我が国の国民の安全の為、私は心を鬼にしてそうするのです」
首相「それとも支援者さんが身元引受人になっていただけるので?」
支援者「そ、それは……」
支援者「……」
26 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:17:24 ID:xU/RxVnc
さらにさらにさらに時は流れ
右側「難民受け入れ反対!」
右側「国は犯罪者予備軍を入国させるなー!」
右側「人道を言うなら、まず自国民の生活向上を優先しろー!」
テレビ「国は連日続く難民受け入れ反対デモに対し」
テレビ「受け入れ条件を厳しくする方針を固め、午後にも発表する模様です」
支援者「……」
??「シエンシャ=サン」
支援者「え?」
27 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:18:07 ID:xU/RxVnc
支援者「!」
支援者「あなたは、難民さん」
難民「ヒサシブリ」
支援者「え、ええ……久しぶりですね」
支援者「お元気でしたか?」
難民「……」
難民「アナタ、イッタ」
難民「ワタシ、スクウト」
難民「ココクレバ安心ダト」
支援者「……」
28 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:18:44 ID:xU/RxVnc
難民「タシカニ命キケンナイ」
難民「イキテイケル」
難民「デモ、ラクジャナイ」
支援者「それは……俺も同じだよ」
支援者「この国は君も俺も何らかの犠牲を払って生きているんだ」
支援者「ある程度の我慢は必要なんだよ」
難民「……」
難民「シエンシャ=サン」
支援者「……」
難民「ナゼ、ソレ、先ニイワナイ?」
支援者「え?」
難民「コンナ国ダトシッテイレバ、コナカッタ」
支援者「で、でも……」
難民「シネ」
29 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:19:17 ID:xU/RxVnc
グサッ
支援者「がっ……!?」
難民「……」
難民「ワタシノ国、ウソツキハ死刑」
ザクッ グサッ ドスッ
支援者「ぎっ! あああっ! や、やめっ……」
難民「シネ、シネ、シネ」
ドサッ…
支援者「……」
支援者(どうして……コンナ……事……に……)
支援者「」
30 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:20:17 ID:xU/RxVnc
暗黒業者「支援者が死んだそうですぜ」
首相「そうか」
暗黒業者「で、やったのはまた難民」
暗黒業者「これでまた難民の受け入れが厳しくなるねぇ」
首相「まあ騒ぎたい連中は騒がせておけばいい」
首相「安価な労働力は、我が国には必要不可欠だからな」
暗黒業者「奴隷って言った方がいいんでない?」
首相「何を言う」
首相「彼らは大切な『安価な労働者』だよ」
首相「死なない程度に可愛がればいい」
暗黒業者「おーこわっ」
首相「甘い汁を吸いまくってる君に言われたくないな」
暗黒業者「へへっ」
31 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] 2017/02/24 23:20:53 ID:xU/RxVnc
暗黒業者「それではいつもの……」
首相「名前は変えて献金してくれよ?」
暗黒業者「分かっていますって!」
闇黒業者「それじゃ、俺はこれで……」
首相「うむ」
首相(さて、受け入れた難民がどうなろうと知った事ではないが)
首相(難民の国が終戦した後は、その処理も必要になる……)
首相(まあ、それは次の首相に頑張ってもらおう)
首相(くっくっくっ……)
終了
32 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] 2017/02/24 23:21:37 ID:xU/RxVnc
あくまでフィクションです。
元スレ:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1487944861/
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