1 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 13:48:45.82 ID:brq762rg0.net
男「ハロウィンか」
男「別にどうってことないな」
男「特に街に出る用事もないし」
男「別に一緒に回る奴がいないわけじゃないし」
男「しいて言うなら、誰にも誘われなかっただけだし」
男「仮装大会とか、来ていく服ないし」
男「・・・やめよう、なんか虚しくなってきた」
男「いっそお菓子でもせびりに行こうかな・・・」
男「はぁ」
少女「ようボッチ」
男「!?」
少女「おいボッチ、聞いているのかボッチ」
男「・・・家の外、誰かいるのか・・・?」
少女「ボッチ、ボッチ、ボッチッチ」
男「なんかうぜぇ」
2 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 13:51:29.30 ID:brq762rg0.net
少女「開けろよ、ボッチ」
男「ずうずうしい奴だな、あとボッチ言うな!」
少女「お、反応した。ボッチが反応した」
男「だからボッチ言うな」
少女「じゃあビッチ」
男「俺は男だ」
少女「サノバビッチ」
男「まだボッチの方がましだわ」
少女「じゃあボッチで行きましょう」
男「てか誰だよ、いきなり外から話しかけてくるなよ
3 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 13:54:35.97 ID:brq762rg0.net
少女「まず玄関開けて下さい」
男「え~」
少女「開けないとここで騒ぎますよ!ハロウィンにかこつけて!盛大に!」
男「うっさい、すでにうるさいわ」
少女「いいから開けろ、開けなさい」
男「何様だよ」
少女「ハロウィン様だよ!!」
男「わけわかんねぇ」
少女「そろそろホントに開けてください、他に行っちゃいますよ」
男「いいよ勝手に行けよ」
少女「えー」
4 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 13:58:35.96 ID:brq762rg0.net
少女「やっと中に入れた」
男「押し負けてしまった」
少女「いやぁ~熱い戦いでしたね」
男「楽しめたようで何よりです」
少女「またやりたいですね~」
男「皮肉が通じない・・・」
少女「あ、そうだ。私用があってきたんですよ」
男「ハロウィンだろ」
少女「え!なんでわかったんですか」
男「いやさっき自分で・・・」
少女「まさか本物とか?
男「本物?なんの?」
少女「いやあの・・・アレですよ、アレ」
男「どれだよ」
5 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 14:01:34.39 ID:brq762rg0.net
少女「取り敢えず、お菓子とお茶下さい」
男「お茶まで要求されるとは思わなかったぞ」
少女「この家ではわざわざ訪問してきた人にお茶も出さないんですか?」
男「なんで俺が貶されてんの?」
少女「貶されてしかるべきことをしてるからですよ」
男「なんで上から目線なんだよ」
少女「あ~、のど乾いたのでお茶優先でお願いします」
男「出すこと前提なのか・・・」
7 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 14:08:02.06 ID:brq762rg0.net
少女「あぁ~潤いますね~」
男「こっちは消費する一方だけどな」
少女「そういう日もありますよ」
男「お前は毎日潤ってそうだな、周りのおかげで」
少女「潤ってますね~、尊い犠牲のおかげで」
男「自覚あるなら少しは改善しようか」
少女「善処します」
男「する気ないだろ」
少女「今更ですけど麦茶より緑茶の方がよかったですね~」
男「この上まだ望むのか・・・」
少女「いやぁこの後お菓子が出てくることを考えると緑茶の方が・・・」
男「ないぞ、お菓子」
少女「は?ここ本当に人の住む家ですか?」
男「お前にとってお菓子ってどれだけの価値があるの?」
8 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 14:12:11.02 ID:brq762rg0.net
少女「なんか一気に萎えました」
男「そうか、帰ってもいいんだぞ」
少女「いえ、せめて存分にくつろいでから帰ります」
男「この期に及んでまだあがくのか」
少女「悪あがき得意なんですよ、私」
男「どこまでも図々しいもんな」
少女「テストとかもチャイムなっても書き続けるタイプなんで」
男「それ普通にアウトだろ」
少女「『名前書き忘れてた』戦法ですよ」
男「グレーだな」
少女「レギュレーションぎりぎりのスリルが堪らないんです」
男「長生きしそうだな、お前」
少女「100まで生きる気満々なんで」
9 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 14:18:33.83 ID:brq762rg0.net
少女「暇なんでテレビつけてもいいですか?」
男「完全に我が物顔だな」
少女「ジャイアニズムですよ、ジャイアニズム」
男「言いたいだけだろ」
少女「ごうだたけし理論、じゃだめだったんですかね?」
男「ゴロ悪い、言いにくい」
少女「ジャイアニズムがいいですね」
男「何もよくないんだけどな」
少女「いいじゃないですか~ハロウィンですし」
男「ハロウィンで許されるのはお菓子をせびることだけだろ」
少女「お菓子もらえなかったしぃ~」
男「お菓子の代償が大きすぎる」
少女「じゃあなんか下さいよ」
10 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 14:23:18.96 ID:brq762rg0.net
男「じゃあ・・・これ、アイス」
少女「この時期にアイスとか舐めてるんですか?アイスだけに?ん?」
男「一人でコントするなよ、いらないなら別にいいぞ」
少女「何味ですか?」
男「スイカ味」
少女「完全に冷凍庫のそこで眠ってたやつですよね」
男「大丈夫アイスは腐らないよ」
少女「在庫処理を押し付けないでください」
男「グダグダ言いつつ食べるのな」
少女「もったいないですし」
男「ほかの家でもだいぶむしり取ってきてそうだな」
少女「あ、私の戦利品見ます?」
男「戦争か」
少女「遊びてやってるんじゃないんだよ!」
男「余計に立ち悪いわ」
12 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 14:27:58.37 ID:brq762rg0.net
少女「まず飴玉が17個」
男「別に見せなくていいから」
少女「クッキー五枚」
男「なんか高そうなクッキーだな」
少女「ミンティア一個、ガム一箱、缶ジュース・・・」
男「どれだけ強奪してきたんだ」
少女「より多くの家を訪問するという目的を達成するためには、致し方ない行為です」
男「十字軍か」
少女「私はジャンヌダルクだったのか・・・」
男「何納得してんだよ」
14 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 14:33:22.51 ID:brq762rg0.net
少女「まあ、今年は豊作でしたね~」
男「罪悪感の欠片もない笑顔だ・・・」
少女「あ、あとこんなのももらいましたよ!」
男「なにこれ?Tシャツ?」
少女「みたいですね、私にはちょっと大きいですけど」
男「お前チビだもんな」
少女「黙れボッチ」
男「そんなに睨むなよ」
少女「人のコンペリエンスをあざ笑うとか最低ですよ」
男「コンプレックス?」
少女「あーそれそれ、コンプレックス」
男「コンプレックスって恐竜に居そうだよな」
少女「あなたがボケでどうするんですか」
男「なんかすいません」
15 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 14:38:11.81 ID:brq762rg0.net
男「というかこれ、このTシャツにプリントアウトしてあるやつ・・・」
少女「ああそれは」
男「なんだこれ?宇宙人?」
少女「それ、チュパカブラらしいですよ」
男「チュパ・・・何?」
少女「チュパカブラ、またの名をゴーストサッカー」
男「なんかかっこいいな」
少女「あ、要ります?」
男「ちょっと欲しい」
少女「でもあげなーい」
男「なんとなくわかってたけどさぁ・・・」
少女「予測可能回避不能ですね」
男「ドヤ顔するな」
16 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 14:45:01.14 ID:brq762rg0.net
少女「・・・眠いです」
男「帰って寝れば?」
少女「ここで寝ます」
男「寝るな、起きろ」
少女「なんか面白いことやってください」
男「無茶ぶりだな」
少女「じゃあ眠気が飛ぶようなことやってください」
男「え~」
少女「無理なら寝ちゃいます」
男「・・・外でお菓子配ってる人がいる」
少女「どこですか!ちょっと行ってきます!!」
男「ホントに欲望に忠実だな・・・」
少女「物欲こそが正義」
男「・・・マテリアルガール」
少女「なんですかそれ?」
17 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 14:50:57.16 ID:brq762rg0.net
少女「あー、肩が重い」
男「お菓子入れたリュック背負ってあるいてりゃ、そうなるわな」
少女「肩たたいてください」
男「やだよ」
少女「じゃあ肩揉んで~」
男「変わってないじゃん」
少女「このままじゃ肩が重くて腕が削げ落ちる~」
男「軽くなんじゃん、良かったな」
少女「何言ってるんですか、腕がなきゃリュック背負えませんよ、馬鹿なんですか?」
男「突っ込むとこそこなのか・・・」
少女「いいから肩たたいて~」
男「・・・じゃあ、さっきのTシャツ頂戴」
少女「え?あのTシャツそこまで欲しかったんですか?」
男「なんか、今逃したら一生手に入らない気がする」
少女「手に入らなくていいでしょこんなの・・・」
18 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 14:54:58.00 ID:brq762rg0.net
少女「ああ~肩が、肩が、あぁ~」
男「肩が何なんだよ」
少女「端的にいうと、気持ちいいですね」
男「そうか」
少女「はい」
男「こうか?}
少女「ああ~そんな感じです」
男「意外と疲れるな、これ」
少女「肩もみって言うのはね、案外重労働なんですよ」
男「やられてる側が言ってもなぁ~」
少女「常に労働者の立場を考える良い雇用者なんですよ私は」
男「うっさい、じゃあ税金減らせ」
少女「そんなの私に言わないでください」
20 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 15:01:45.81 ID:brq762rg0.net
少女「おかげさまでだいぶましになりました。肩こり」
男「まさか三十分もやらされるとは・・・」
少女「さて、じゃあそろそろ私行きますね」
男「ん?ああ、次の襲撃に行くのか・・・」
少女「一緒に来ます?仲間は多い方がいいですし」
男「共犯者になりたくないので」
少女「そうですか、じゃあ普通に見て回ります?」
男「何を?」
少女「商店街、仮装と装飾で大変なことになってますよ?」
男「そうなのか」
少女「もう、世紀末を彷彿とさせる荒れっぷりで・・・」
男「行きたくないわそんな危ないところ」
少女「そうですか?残念ですね~」
男「お前と一緒にいたら、もっと危なそうだし」
少女「失礼しちゃいますね~」
21 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 15:07:55.30 ID:brq762rg0.net
少女「じゃあ、お世話になりました」
男「おう」
少女「あと、ご馳走様でした」
男「うん」
少女「それと、失礼しました」
男「そうだな」
少女「・・・やっぱり一緒に見て回りません?」
男「遠慮しとく」
少女「え~、せっかく女の子が誘ってくれてるのに?」
男「なんか申し訳ないような気がしないでもないけど、遠慮しとく」
少女「つれない人ですね~」
男「悪いな」
22 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 15:11:30.73 ID:brq762rg0.net
少女「・・・Tシャツ、あげちゃおうかな~」
男「え?」
少女「一緒に来てくれたら、あげちゃおうかなぁ~」
男「マジ?」
少女「マジ」
男「じゃあ行く」
少女「軽い男ですね~」
男「物欲は正義なんだろ?」
少女「自分の言葉でこんなに説得力感じたの初めてですよ」
男「まず、Tシャツ、よこせ」
少女「片言になってますよ」
男「いいから」
23 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 15:13:56.42 ID:brq762rg0.net
少女「いっそ来て行ったらどうですか?」
男「そうしようかな」
少女「まじか・・・お前、まじでか・・・」
男「なんでドン引きしてんだよ」
少女「なんとなく?」
男「別に変じゃないだろ、ハロウィンだし」
少女「そりゃそうですけど・・・私チュパカブラと一緒に歩きたくはないです」
男「俺はチュパカブラじゃないぞ」
少女「チュパカブラとウツボカズラって似てません?」
男「心底どうでもいいわ」
24 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 15:17:49.01 ID:brq762rg0.net
少女「ねえチュパカブラさん」
男「だから違うって」
少女「ウツボカズラさん」
男「似てるだけだって」
少女「おいボッチ」
男「原点回帰か」
少女「早く出かけましょう、日が暮れます」
男「ハロウィンって日が暮れてからが本番じゃないの?」
少女「母さんがステーキ焼いて待ってるので、六時までには帰らないといけないんです」
男「いい子か、純粋な小学生か」
少女「心はいつでも17歳ですよ」
男「まだ中学生だろ」
少女「いいから、早く行きましょう」
25 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 15:21:15.13 ID:brq762rg0.net
少女「着いたら綿あめ奢ってくださいね」
男「母さんのステーキはどうした」
少女「別腹です」
男「奢らんぞ、俺は何も」
少女「え~ケチー」
男「散々要求しといて何をいまさら」
少女「え~」
男「・・・」
少女「・・・」
男「・・・500円までな」
少女「小学生のおやつか!!」
男「突っ込まずに喜べよ!」
26 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 15:22:06.86 ID:brq762rg0.net
おしまい
気が付いたら三時回ってた、ヤバいやばい
27 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[sage] 2015/10/31 15:26:51.68 ID:u2bRBZZ30.net
おつ
28 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/10/31 15:40:39.31 ID:TJxKna8/p.net
おつおつ
元スレ:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1446266925/
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