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由比ヶ浜「ねえわきのん」雪ノ下「……」比企ヶ谷「おい脇ノ下、返事くらいしろよ」雪ノ下「……」

1 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 17:58:06.71 ID:yr4HoITV0.net

いつもと何も変わりない部室
いつものように、いつもの場所で彼女は本を読んでいるかのように見えた
「どうした?」
居眠りでもしているのだろうか、口元を注視すると、微かに光る液体が見える
「眠ってるの?」
この状態を見て、起きていると言うやつは少ないと思うが
一応「そうみたいだな」と返しておいた
今日は天気も良い、程良く暖かい
眠くなるのも仕方ないというものだ
「俺も少し寝るかな」
そう言い、彼女の横にイスを並べる
「なにしてるの?」
「見てわかるだろ、ベッドを作っているんだ」
「うん、それはわかるけど、なんでそこに?」
「枕があるからな」
呟くように言い、俺はお手製ベッドに寝転がり、枕に頭を乗せた

3 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 17:59:07.36 ID:yr4HoITV0.net

なかなか寝心地が良い枕だ
俺は口元を再度注視した
そろそろだろうか、よだれが零れ落ちるのは
タイミングを見計らい、あくびのフリをし、大きく口を開け……
「ちょ、ちょっと待って!絶対これおかしいし!」
クソ、早くしないと零れ落ちてきてしまう
「あとで聞く、今は眠い」
「その今が大変なことになってるし!」
うるさいやつだ、おっと時間だ
「そんなこと言われても……ふぁ~あ」
タイミングはばっちりだった
狙い通り彼女のよだれが俺の口の中に吸い込まれた

5 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 17:59:39.99 ID:yr4HoITV0.net

うまい、その一言に尽きた
少し甘いようで、体温で丁度良いぬるさだ
そして、微かなアーモンド臭……ん?
飛び上がり、彼女を揺するが、起きない
それどころか、支えてないと崩れ落ちそうにだらんとした身体……
「おい、こいつ死んでるんじゃないか……」
「なに言ってんの?」
「だってこれ……」
支えている手を離すと、途端に彼女は床に崩れ落ちた……

6 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 18:00:21.61 ID:yr4HoITV0.net

「わ、私、先生を呼んでくる!」
そうだ、すぐに大人を呼んで……いや、この尻の感触はまさか
「いや、待て、待ってくれ!」
慌てて止めに入る
ドアの前で仁王立ちする気分だ
「でも早くしないと……」
どうする、正直に言うか……どうするか……
「ねえ、どうしたの?」
もう、言うしかない……
「履いてないんだ」
「え?」
「パンツ、履いてないんだ、このままだとノーパン女子高生殺害事件と新聞に書かれてしまう」
「う、うん……」
「だから、お前のパンツを代わりに履かせてやってくれないか?」
「そう、だね……わかった」

7 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 18:01:02.69 ID:yr4HoITV0.net

バカで良かった、そう呟きながらパンツを脱ぐ姿をムービーに収める
へえ、意外と薄いんだな
「脱いだよ……」
なぜ報告を……いや、これはチャンスだ
「よし、よくやった、早く貸してくれ」
「う、うん、わかった」
伝わる温もり
少し湿っているだろうか
たまらず匂いを嗅ぐ
「ちょ、なんで匂い嗅いでるし!」
このツッコミにハッとした
まずい、まずいぞ
「その、なんだ……」
出てこい、出てこい言い訳!
「えーっと、ほら、他人の匂いは俺が吸い込んでから履かせてやろうかと思ってだな」
苦しいか……?
「なるほど、さすが紳士だね!」
バカで良かった……

11 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 18:04:43.96 ID:yr4HoITV0.net

俺はその香りを肺一杯に吸い込む
なんて幸せな気分なんだろうか
勃起、そう、勃起している今
このパンツを手放すのが惜しい
「なあ、ブルマ持ってないか?」
我ながら名案だと思った
「一応あるけど……えっと、はい」
「ありがとう」
俺は動かない彼女にブルマを履かせてやった
パンツは、鞄だ
「じゃあ私、先生呼んでくるね」
そう言い、バカは教室を飛び出した

15 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 18:09:03.46 ID:yr4HoITV0.net

今しかチャンスはない
俺は横たわる彼女を全裸にし、踊った
もちろんソーラン節だ
こうすることで彼女は死後の世界でも地位を保っていけるのだ
そうして踊り続けること15分
俺は彼女と合体した
この教室内で、この瞬間、俺たちはアダムとイブであった

20 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 18:13:53.94 ID:yr4HoITV0.net

さらに20分が経った頃、バカは一人で戻ってきた
「いやー、ちょっと世間話が長引いちゃって……テヘッ」
ペロッと舌を出す姿、いつもなら可愛いと思ったのかもしれないが
今はそんな気分じゃなかった
なぜなら、この横たわる彼女の死……
それが俺に重くのしかかっていたからだろう
「っていうかこの部屋、変な臭いしない?」
えっ?
やばい、気付かれたか?
いやしかし窓は全開にしたんだ、気付かれるはずがない
「さっきお前が脱いだパンツの臭いじゃないか?」
「ちょ、ひどいし!」
というか、なにしに行ったんだこいつ

21 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 18:18:43.42 ID:yr4HoITV0.net

俺たちは話し合うことにした
死体のこと、凶器のこと、犯人像、二人の将来のこと、飲みかけのコーヒーのこと……
「これは、殺人……でいいんだよな?」
「そうだと思うよ、だって自殺するような子じゃないし」
その通りだ
誰よりも美しく、強く、頭の良い彼女が自殺するとはとうてい思えない
「凶器は、なんだろうな」
「うーん、わからないよ」
「俺もだ、見当も付かない」
謎は深まるばかりだ

24 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 18:24:34.60 ID:yr4HoITV0.net

「というか、なんで死んでるって気付いたの?」
青天の霹靂とも言える発言だった
そうだ、俺はあの時なにかを……
そう、アーモンド臭、アーモンド臭だよ!
「問題です、アーモンド臭のする毒物といえば?」
「青酸カリ!」
「正解!」
「つまりこのコーヒーカップに青酸カリを仕掛けた犯人がいるんだね!」
「その通り!か?」
「ちょ、なんでいきなり疑問系になるし!」
先入観は捨てろ、そういつも授業で習っているじゃないか
そうだ、何も青酸カリはコーヒーカップに入れなければならないものではない
そうか、わかったぞ!
「今、パンツ履いてないだろ?」
「なんで知ってるし!変態!」
「それこそがこの殺人事件を解く鍵なんだよ!」

29 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 18:28:47.80 ID:yr4HoITV0.net

俺の推理はこうだ
まず今日の一時間目が体育だったこと
そして、授業内容はプール
バカはバカだから制服の下に水着を着てきた
しかし、パンツを忘れてしまったのである
こんなことは誰にも言えないし、パンツを貸してくれる友人なんて……
いや、いるかもしれない
そう、その貸してくれるかもしれないのが、この横たわっている彼女だ
そう思ったバカはヘラヘラと彼女に近づきこう言う
「うへへ、パンツ貸してよ、忘れちゃってさぁ」
間違いないだろう
ここまでは完璧な推理のはずだ

30 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 18:33:59.99 ID:yr4HoITV0.net

ここからが大事なところだ
恐らく、彼女はパンツを貸すのを断った
なぜなら、自分が履くパンツがなくなるからだ
当然とも言える
貸してくれないことに逆上したバカは、イスで思い切り彼女の頭を殴っ
殴ってはいない、そう、首を絞め……た跡もないから、首は絞めてない
そうだ、最近バカは毎日桃を食べていた気がする
それで、桃の種の中身を集め、彼女に飲ませたのだ
そしてパンツを奪い、何食わぬ顔でここへ戻ってきた
そして今に至るということだ

32 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 18:40:04.00 ID:yr4HoITV0.net

「お縄になっちまいな!」
俺は自分の完璧な推理に至福の感情を覚えながら、バカに吐き捨てるように言った
「ち、違う私じゃない……」
動揺してるのが丸わかりだ
「まあ、自首すれば多少罪は軽くなるだろう、あとはお前の良心に任せる」
一仕事終え、俺は彼女の座っていた椅子に座る
バカのやったことがどうでもよくなるくらい、いい天気だ
俺は近くにあったコーヒーカップに手を伸ばし、飲む
すぐ側で横たわる彼女の味がした気がした……

33 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[] 2015/05/13 18:40:29.31 ID:yr4HoITV0.net




元スレ:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1431507486/
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