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1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 17:07:10.52 ID:/jW4/o1I0


少年「平気だって!はやく~」

生垣を乗り越えた少年は、振り返って幼馴染を呼ぶ

幼馴染「ヤダ・・・私怖いよ・・・」

そこは近所の廃屋。幽霊屋敷とも噂される場所だった

少年「大丈夫、大丈夫!先行っちゃうよ?」

幼馴染「オバケ・・・出るかも知れないよ?」

実のところ、それがこそが少年の目的だった。怖い物見たさと云う奴である

尻込みする幼馴染を置いて少年は一人進む。好奇心は猫を殺すのだ



3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 17:12:21.59 ID:/jW4/o1I0


少年「おっと」

庭の中は想像以上に歩きにくい。背の高い草が生い茂り、植木も伸び放題だ

少年「ここから入れそうだな・・・」

玄関は鍵が掛かっている様で開かない。割れた窓から中へ入ることにした

少年「ふ~ん」

そこはリビング、荒れ果てた外見とは違い、室内は特に痛んでる風もなかった

生活感もなければ、何の気配もない。少々ゴミが吹き込んでいるのを除けば、ただの家といった感じである

少年「これなら夜に来ればよかったかな?」

床の軋む音に怯える必要も無い。少年は更に奥へと足を進めた



4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 17:20:23.11 ID:/jW4/o1I0


少年「何だろう・・・?」

二階へ昇る階段の中ほどに何か動く物が見える

上は日が射し込まない様で、暗くて様子は窺えない。だが、それは闇の中でも妙にはっきりと視認できた

「やれやれ、こんなガキまで入り込んで来るとはね・・・」

不機嫌そうな声、少年は反射的に身構える

「他人の家に勝手に入って何やってんだい!?」

白い影が揺らめきながら形を作る。それは見る間に人の姿になった

少年「あ・・・ぅ・・・」

望んだはずの物は目の前に在る。だが、少年の足は震え、体は竦んでいた



6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 17:25:11.41 ID:/jW4/o1I0


現れたのは女の幽霊だった。細い体は透き通り、黒い髪は背中まで伸びる

前髪の隙間から覗く片目が少年を見据え、紅い唇が開かれた

女霊「子供に手を出す趣味は無いけど、この稼業、舐められちゃお終いなんでね・・・」

怯えて動けぬ少年の首に、女霊の白い腕が伸びる

女霊「ち・・・もう一人居たのか・・・」

女霊は顔を上げ、階下の広間を見やる。幼馴染が少年を追って来ていた

少年「幼馴染、来ちゃダメだ!!」

少年は叫んだ。口が動くなら体も動かせる、早くここから逃げるのだ



7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 17:30:07.62 ID:/jW4/o1I0


少年は階段を駆け降り、幼馴染の手を取って走る

女霊「逃がさないよ!」

髪を靡かせて追う女霊は早い。出口にたどり着く前に少年の襟首に手が掛かる

少年「うゎあぁああああ!」

無我夢中である、少年は手を振り回し、女霊を突き飛ばした

女霊「な・・・?」

床に倒れこんだ女霊は呆気に取られて、西日の中へ消えてゆく二人を見送った

女霊「あのガキ・・・私に触れられるのか・・・こいつは面白いねぇ・・・」

静けさを取り戻した家の中で、女霊は一人笑う



9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 17:35:11.02 ID:/jW4/o1I0


その日の出来事は二人だけの秘密となる

その後あの廃屋に近寄ることは決してなかった

それから程なくして、少年は近くの街へ引っ越しをする

精々電車で数十分の距離だったが、子供の足には遠い。幼馴染と会うこともなくなった

新しい環境、新しい生活に追われ、あの日の出来事も記憶の奥底へと埋没する

歳月は流れ、少年は男へと成長した

この物語はそんな男の平凡な日常を淡々と描くものです。過度な期待はしないでください



11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 17:40:57.35 ID:/jW4/o1I0


~男宅~

男「死ねぇえええええ!」

自室で一人ゲームに興じる男。共働きの両親は夜まで帰らない

男「さて・・・」

男はコントローラーを置き、パソコンを立ち上げる

3 minute ago!抜くと決めたぜ!

マウス片手に画像を決めたぜ!

その挙動を見守る視線が有ることに、男は気が付いていなかった



12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 17:45:29.65 ID:/jW4/o1I0


男「ふぅ・・・」

事が済んだら速やかに後始末に移る

よくオナニー後のティッシュなどをゴミ箱に捨てるのを目にするが

あれはどうだろうか?

僕(作者)自身が不器用なせいもあると思うが

臭いが充満して吐きそうになった事がある

気温が高ければなお危険だろう

ならどうするか?

十分な臭気対策を施すべきだ!

困難なのは複数回ことに及ぶとき

完全に臭いを消すのは不可能に近いことだ

やむを得ず抜いてしまう場合

トイレットペーパーを使い、トイレに流して処理すると

比較的ダメージが小さい



14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 17:51:06.17 ID:/jW4/o1I0


「もう終わったの?」

男「な?」

不審な声、男はパンツに片足入れたまま辺りを見回す。今、家には自分しか居ないはずだ

「会いたかったよ・・・」

壁の影が形をなす。透き通る白い肌と光を吸い込む長い髪が、眠っていた記憶を呼び起こす

男「ア、アンタは・・・」

部屋に現れたのは、あの日の女霊。若干髪型が変わっていたが、そんな事はどうでも良かった

女霊「ようやく見付けたよ。ふふ・・・良いねぇ、その顔だ・・・」

女霊は散らかった床を滑るように男に近付く

男「な・・・あ・・・」

冷や汗が流れ落ちる。全身に悪寒が走る

そして男は気付いた。一番寒いのは下半身だという事に



17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 17:55:38.56 ID:aO+0HTxS0


まだだ、まだ見限るには早い



19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 17:57:04.94 ID:/jW4/o1I0


男「一体・・・いつからそこに?」

これは重要な問題である。男はパンツを穿きながら尋ねた

女霊「いつからって?さっきから居たけど」

女霊の半笑いは男に絶望を与えて余りあるものだった

男「見てたのか・・・?」

結果は判りきっていても確かめずにはいられないのが男というものである

女霊「一部始終、仔細余すところなく堪能させてもらったよ」

男「ですよね・・・」

背筋は凍り、頬は火照る。恐怖と羞恥、どちらを優先すべきか男には判断出来かねた



20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:02:11.04 ID:/jW4/o1I0


男「何をしに来た・・・?」

チャックを上げながら男は尋ねる。何とか話題を逸らすのだ

女霊「お前に会いたかったって言ったろう?取り憑かせてもらおうとね・・・」

女霊は再び男に近寄り、腕を絡める

男「なんで・・・何で俺なんだよ!?」

話を逸らしたところで、事態は何ら解決していない。男は女霊の手を払いのけようとする

女霊「私とお前は魂の形質が近いんだよ。私に触れられるのが証拠だね」

男「そんな・・・」

女霊「同調しやすい方が憑いてて楽だからね。お前は選ばれし者ってワケさ」

選ばれても、さっぱり嬉しくないのが困った所である



23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:06:57.12 ID:/jW4/o1I0


女霊「ホ~ラ、こうやって霊体を同調させて・・・」

女霊の指が男の首筋に触れ、そのまま体内に滑り込む

男「ぐぅ・・・!」

男は猛烈な不快感に襲れ屈み込む。風邪でも引いたかの様に体が重い

女霊「あらあら、私は快適だけど、お前は随分と具合が悪そうだね」

女霊は体から抜け出して、涙目の男を覗き込んだ

女霊「ま、とり殺そうって訳じゃないんだ。ちょいと祟らせてもらうだけさ」

男「勘弁して下さい」

女霊「ダメ」

かくして、女霊の憑依生活は始まったのだった



26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:13:30.63 ID:/jW4/o1I0


女霊の祟りは苛烈を極めた

靴下は片方ずつ隠され、歯ブラシには洗剤を塗られ

目覚まし時計の時間はずらされ、トイレに入れば紙が無い

男「祟りってゆーか、ただのイジメじゃねーか!」

男は心身ともに衰弱しきっていた

女霊「私は人の負の情念を喰うのさ。お前のストレスは最高の薬だね」

男「このままでは俺の寿命がストレスでマッハなんですが」

女霊「世話になる人間は、生かさず殺さずが私の主義だから安心しておくれ」

男「いや、ホント勘弁して下さい」

男の苦難の日々は続く



29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:17:28.95 ID:/jW4/o1I0


~街~

急行の止まる駅。男は人波と共に電車を降りた。無駄に長い前髪を風が吹き上げる

男「本屋にでも行って暇を潰すか」

家に帰るまでは女霊から解放される。自然と外に居る時間は長くなった

男「もう、こんな時間か・・・」

買い物を終えた男は再び駅へ、その足取りは重い。だが、帰らない訳にはいかないのだ

「あの、ちょっと良いですか?」

男を呼び止めたのは見慣れぬ制服を着た女子だった。どこかで見たことが在るような無いような

「あ、やっぱ男だ。すご~い、久しぶり~。私だよ、幼馴染だよ」

男は女子をまじまじと眺めた。なるほど、言われてみれば面影が窺える

男と幼馴染、十数年ぶり偶然の再会だった



31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:24:58.81 ID:/jW4/o1I0


男「よく俺だって判ったな」

近くの喫茶店で話す二人

幼馴染「まぁ、写真とかで顔は知ってたからね~」

当人達は会ってないが、親同士の交流は続いている。家族写真の年賀状は、そろそろ止めて欲しいと男は思っていた

幼馴染「でね、声を掛けたのは他にも訳があってさ。アンタ、憑いてるよ?」

男「え?」

幼馴染の意外な一言に、男は反応出来なかった

幼馴染「最近、幽霊とかで困ってない?」

男「何故それを?」

幼馴染「私にとっちゃ専門分野だからね。美少女ゴーストバスター幼馴染とは私の事よ!」

幼少期の鮮烈なる霊体験は幼馴染の行動に多大な影響を及ぼした

あの時から独学で研究を重ね、今や幼馴染は霊能力者と呼べる代物になっていた

少女と呼ぶにはギリギリの年齢だったが、そんな事はどうでも良かった



34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:32:16.16 ID:/jW4/o1I0


幼馴染「・・・ふ~ん、あの時の霊がねぇ・・・」

男は自身の状況を打ち明けた。この事を他人に話すのは初めてだった

男「あぁ、毎晩激しくてさ。どんどん生気を吸われてる感じだよ」

熟睡すると女霊が騒ぐ。男は慢性的な睡眠不足に悩まされていた

幼馴染「毎晩、激しく精気を吸い取る・・・?」

幼馴染の目の色が変わる

幼馴染「わかった。私が除霊してあげる!明日の午後、空いてる?」

男「明日は大丈夫だな。それじゃ、お願いしようかな」

溺れる者は藁をも掴む。男は幼馴染を頼ることにした



35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:34:13.94 ID:Vi6rmZl5O


やっとエロか



38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:37:53.34 ID:TJADszijO


>>35
やっとってなんだ?

まだ35だろうが



39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:39:48.02 ID:Vi6rmZl5O


>>38
午前中から抜きどころ探して全裸だったんだ



37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:36:51.05 ID:/jW4/o1I0


~男宅~

女霊「おやおや、今日は何だか機嫌が良さそうじゃあないか?」

部屋で寝転ぶ女霊は、帰宅した男の表情に普段の陰鬱さが無いことを見抜いた

男「い、いや、新刊が手に入ったもんでさ・・・」

男は買って来た漫画を取り出す。明日の事を気取られる訳にはいかない

女霊「そうかい、後で私にも読ませておくれよ」

女霊は男が外出している間、部屋にある漫画などを読み漁って過ごしている様だった

男「あ、ああ・・・」

ククク・・・今のうちに笑っておくが良い。明日こそ貴様に引導を渡してくれるわ!



40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:42:32.79 ID:/jW4/o1I0


~翌日男宅~

幼馴染「・・・と、いう訳で、あなたを祓いに来ました」

幼馴染は男の部屋に上がり、除霊を行おうとしていた

女霊「へぇ~、あのお嬢ちゃんがねぇ・・・随分立派になったもんだ」

幼馴染「今すぐ男から手を引くなら良し、引かないのなら、速やかに地獄に送って差し上げます」

幼馴染は少々喧嘩腰に話す。これには女霊も気分を害した様だった

女霊「嫌だね。大体、何でアンタにそんな事言われなきゃならないのさ?」

幼馴染「男は迷惑してるんです!」

女霊「うるさいねぇ、アンタに指図されたくないよ」

傍から見ればただの喧嘩である。しかし何分、勝手の分からぬ事だ。除霊とはこう云う物なのだと男は理解した



42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:48:52.80 ID:/jW4/o1I0


幼馴染「だから、どうして男じゃなきゃ駄目なんですか!?」

幼馴染は床を叩く。女霊との噛み合わない会話で、かなり感情的になっていた

女霊「体の相性が良いんだよねぇ。初めて二人繋がった時の事は、今も忘れられないよ」

女霊は口元を歪め、意味ありげな視線を送る

男「誤解を招くような言い方は止めていただきたい」

堪らず口を挟む男。これ以上幼馴染を刺激するのは避けたいところだった

女霊「何を言ってるんだい、あの時だって私の目の前でいきなりパンツを下ろして・・・」

男「くぁwせdrftgyふじこlp」

事実なだけに性質が悪い。うろたえる男を女霊は薄ら笑いで流し見る

幼馴染「もう良いです。これ以上話しても無駄みたいですね・・・」

冷めた口調、目は据わっている。幼馴染は鞄を探ると、何やら物騒な物を取り出した



44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 18:54:20.98 ID:/jW4/o1I0


男「おい、何だよそれは・・・」

幼馴染が持つのは特殊警棒、慣れた手付きでそれを捌く

幼馴染「ホントは御札とか使えればもっと良いんだろうけどね、私のは我流だから・・・」

この特殊警棒こそが幼馴染の主力武器。数多の不浄霊を調伏してきた呪法具であった

女霊「ちょっとちょっと、そんな物で叩かれちゃかなわないよ」

素早く身を翻すと、女霊は男の体に逃げ込んだ

男「う・・・ぉおお・・・」

膝を付いて呻く男、この感覚はいつになっても慣れるものではない

幼馴染「・・・それで隠れたつもりですか?男、立って!」

幼馴染は男に命令する。武器を持った奴が相手なら、言うことを聞かざるを得ない



46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 19:00:27.41 ID:/jW4/o1I0


幼馴染「気をつけ!目を閉じて!歯ァ食い縛って!」

男「え?」

幼馴染の指示に不穏な響きが混じるのを、男は聞き漏らさなかった

男「何をするts・・・」

幼馴染「口からクソを垂れない!ゆっくり息を吐いて~。そうそう・・・・・・せいッッ!」

男の水月に幼馴染の左正拳が突き刺さった

男、女霊「「ぐぶはぁっ・・・!」」

霊体が同調している以上、ダメージも連動するのだ。男は悶絶し、女霊は体を抜け出した

幼馴染「消えて・・・無くなれ・・・!」

幼馴染の除霊術は、全て隙を生じぬ二段構え。右手の特殊警棒が女霊に向かって振り下ろされた



49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 19:08:05.62 ID:/jW4/o1I0


女霊は目を瞑り、頭を庇う。しかし、覚悟した一撃は空を切り、這い蹲る男を打ち据えた

女霊、幼馴染「「あれ?」」

男「ぐぉおおぉおお・・・!」

思いもよらぬ衝撃に男はのた打ち回る。だが、そんな事はどうでも良かった

幼馴染「おかしいな・・・」

再び武器を振るう幼馴染、しかし何度やっても女霊の体をすり抜けるばかり、廻し蹴りも裏拳も効果は無し

幼馴染「何でだろう・・・?」

黙り込んで考える幼馴染を、男は涙を浮かべて見上げていた



50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 19:13:52.15 ID:/jW4/o1I0


幼馴染「うん、無理だ」

しばしの熟考の後に幼馴染は口を開いた

男「無理って・・・そんなんあり・・・かよ・・・?」

幼馴染「コイツが通用しないとは思わなかった。ちょっと対策を練る必要があるね」

幼馴染は霊をどつき倒す以外に除霊の方法を知らなかった

幼馴染「おかしいですよ!何で悪霊のクセに私の攻撃が効かないんですか?」

女霊「フフン、それを私が教えると思うのかい?」

いかなる呪法具も、当たらなければどうという事はない。女霊は警戒を解いていた



52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 19:19:08.50 ID:/jW4/o1I0


幼馴染「・・・今回は出直させてもらいます。役に立てなくてゴメンね、男」

幼馴染は靴下を直し、上着を羽織って鞄を持った

男「あ、ああ・・・」

幼馴染を引き止めることに意味は無い。無理なものは無理なのだ

女霊「ちょいとお待ち。このまま帰れるとでも?」

逃げ腰の相手には強気になれる。女霊は幼馴染を呼び止めた

幼馴染「え?いや、帰るって言ったじゃないですか。待って、来ないで・・・ん・・・嫌ぁ・・・入ってくるぅ!!」

幼馴染は体に入り込む女霊に抵抗出来ない。こんな奴に・・・くやしい、でも―――



54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 19:25:44.19 ID:/jW4/o1I0


幼馴染「あ~、気持ち悪かった・・・」

へたり込んで息を荒げる幼馴染。髪は乱れ、顔は汗ばんでいた

女霊の憑依は一時的な体調不良を引き起こす。頭痛、吐き気、発熱、関節痛などが主な症状である

幼馴染「それじゃ、今度こそ帰るね・・・」

ふらつきながら立ち上がった幼馴染は、近寄る男を制して玄関へ

幼馴染「じゃ、男、またね。女霊さん、次は消します」

幼馴染の捨て台詞を残して、扉は静かに閉じられた

女霊「フン、二度と来るんじゃないよ」

毒づく女霊は、ささやかな安堵を感じているのに気が付いた



55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 19:32:31.21 ID:/jW4/o1I0


~男宅前道路~

幼馴染「あ~・・・もう!!」

幼馴染は一人、顔を覆って悶える。すれ違うオッサンが不審の目を向けた

得意気に首を突っ込んでは無様に失敗。男の前で醜態を晒したのだ。幼馴染は自分を許せなかった

幼馴染「でも、どうして当たらなかったんだろう・・・?」

今まで多くの怨霊を退けてきた幼馴染の術である。全く通用しなかった事など、ただの一度も無かったのだ

幼馴染「帰ったら調べてみなくちゃ・・・あれ?」

考えながら足を進める幼馴染は、ある事に気が付いた

幼馴染「駅は・・・どっちだっけ?」

不慣れな土地である。男の案内を断ったのを幼馴染は少々後悔した



56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 19:38:16.75 ID:/jW4/o1I0


~男宅~

男「アイツ、全然駄目じゃん。あんな物で霊を殴れると思ってたのか?」

自室に戻った男は愚痴る。期待していた分、失望も大きかったのだ

女霊「そうでもないさ。あの子の道具には霊力も篭もってたしね、幽霊相手でも充分有効だよ」

幼馴染の特殊警棒が、ただの武器でないことは女霊には判った

男「そうだったのか・・・でも、アンタには通じなかったよな?」

女霊「う~ん、何故だろうねぇ・・・?」

男「分からねーのかよ!!」

余裕ありげな態度を見せていた女霊だったが、別に理由を知っての事ではなかった



58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 19:45:14.66 ID:/jW4/o1I0


~数日後男宅~

女霊「ねぇ男、この記号はどういう意味なんだい?」

女霊は帰宅した男を捕まえて尋ねた。その手が示すのは一冊のノート

男「な・・・それは!」

それは数年前、男が考案したキャラクターの設定や必殺技のコマンドなどを記した物だった

女霊「↓\→+Aで帝気拳・・・これは“ていきけん”と読むのかねぇ・・・?」

男「いや、大した意味は無いんだ。だからそれを返してくれ!」

忌むべき過去の遺物。決して他人に見られたくないノートである

女霊「説明してくれなくちゃ分からないよ。↓\→×2+Dで旋脚蛮雷。これは・・・」

男「やめろぉおおおおおおおぉおおおおおおおおおおおおおッッ!!」

男は、物を捨てるのが苦手な自分を恨んだ



59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 19:51:11.83 ID:/jW4/o1I0


男「これは何でも無いんだ。だから気にしないで下さい。お願いします、いやマジで」

男は、やっとの思いで女霊から取り返したノートを引き出しにしまい込む

女霊「ふ~ん・・・」

机に腰掛けた女霊は唇に指を当てて微笑む。男の慌てぶりに何か思うところある様だ

男「え~と、あまり勝手に俺の物を触らないで頂きたいのですが・・・」

女霊「とは言っても、昼間はやる事が無くてねぇ」

男「ってゆーかアンタ、幽霊のくせに何で昼間に活動してるんだ?」

男にはそれが解せなかった。幽霊とは夜に出るのが普通ではないのか

女霊「私をそこらの雑霊と一緒にするんじゃないよ。これでも前の町じゃ、一帯をシメる女帝だったんだ夜露死駆」

男「・・・で、女帝様は領地に帰らないんスか?」

男は言葉に僅かばかりの毒を含めた。せめてもの抵抗である

女霊「それは・・・出来ないんだ・・・」

女霊は表情を曇らせて俯く。何やら事情があるらしいが、居着かれた男にとっては堪ったものではなかった



61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 19:57:46.63 ID:/jW4/o1I0


~数日後男宅~

幼馴染「女霊さん、この特殊警棒(新)で今度こそ地獄に叩き落としてあげます!」

前回の雪辱を果たすべく、男の部屋で女霊に挑む幼馴染

男「今日は大丈夫だろうな?」

幼馴染「この前とは違うのだよ、この前とは!」

幼馴染は改良を加えた新たな武器に、大きな自信を抱いていた

女霊「大した奴だ・・・ここまでの子とは・・・これはマズいかもね」

男「待て」

回り込んで逃げ出そうとする女霊の肩を、男の左手が掴んで引き留める

男「幼馴染、今だ!」

幼馴染「私の凶器が光って唸る!お前を祓えと轟き叫ぶ!」

幼馴染は立っていたのではない、既に構えていたのだ。胴体目掛けて横薙ぎに一閃

幼馴染「なん・・・だと・・・?」

確かな手応え。幼馴染の特殊警棒(新)は、見事に男の脇腹を痛打した

呻きながら崩れ落ちる男を、女霊は冷ややかに見下ろしていた



64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 20:06:16.16 ID:K1eAIq+IO



~翌日街~

第二回女霊対策会議を開く男と幼馴染

幼馴染「何なのあの人?私の術が効かないなんてあり得ない!」

愛と友情の2プラトン作戦も失敗に終わった。幼馴染は感情をケーキに叩き付ける

男「お前が役に立たないのは分かった。さて、どうする・・・?」
実のところ男は、惨敗続きの幼馴染をあまり信用していなかった

幼馴染「ねぇ、今すっごい失礼な事言ったの分かってる?」

男「え・・・いや・・・」

思いがけない反応。幼馴染の苛立ちが自分に向けられたのを男は察した

幼馴染「私は別に、アンタがこのままでも良いんだよ?」

男「あ・・・その・・・ゴメン。言い方が悪かった。女霊に対しては、って事だ・・・」

男は幼馴染との会話に浮かれて調子に乗り過ぎた事を後悔し、言い繕おうとするが幼馴染は収まらない

幼馴染「大体、分かってんの!?誰のせいで私があんな目に・・・あれ?・・・そういえば・・・」

女霊に憑かれた時のことを思い出した幼馴染に、新たな疑問が浮かんだ



65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 20:13:28.39 ID:K1eAIq+IO



男「幼馴染?」

幼馴染は考え込むと周りに目がいかなくなる。一人で頭を捻る幼馴染に男は置いて行かれていた

幼馴染「うん、あれも変だ。貧弱な男はともかく、私があそこまで酷い症状になるのは絶対おかしい」

男「どういう事だ?」

幼馴染「霊に憑かれて気持ち悪くなるのは、同調した霊体が肉体に過度の負担を掛けるからなんだよ」

男「ふむ」

幼馴染「つまり、普段から鍛えてる私の体が耐えられない程、女霊さんの霊体は強いってこと」

男「それで?」

幼馴染「霊体の力が大きい程、存在も強くなる。除霊術が作用しないなんて普通だったら考えられない」

男「結論は?」

幼馴染「・・・よく分かんない」

議論は振り出しに戻る。男はすっかり冷めたコーヒーを飲み干した



67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 20:20:53.32 ID:K1eAIq+IO



~男宅~

女霊と話す男。幼馴染との会議の中で気になった点があった

男「アンタ、幼馴染の話じゃ相当強い霊なんだって?」

しかし男には、この女霊がそんなに大した存在だとは思えなかったのだ

女霊「まぁね。地元じゃあ、そのスジの霊も私を避けて通ったもんさ」

男「その割には、やる事がケチじゃないか?」

女霊が男にしてきた事といえば、地味な嫌がらせばかりである

女霊「お前を殺す気は無いって言ったろう。それとも何かい?もっと過激なのをお望みかねぇ?」

男「い、いえ、そんなつもりじゃ・・・」

女霊「私は別に、お前が憎くてこんな事をしてる訳じゃないのさ。それはそうと、そろそろアレの時間だね・・・」

女霊は男の肩に腕を回し、頬に指を這わせる

男「手短に済ませて下さい」

男は諦めて目を閉じる。その喉元から女霊は入り込んだ

女霊「あぁ・・・癒やされるねぇ・・・」

男の体でくつろぐ女霊。これは3日に一度の恒例儀式となっていた



68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 20:27:31.56 ID:K1eAIq+IO



~幼馴染宅~

幼馴染「これも違う・・・」

幼馴染は本を閉じて立ち上がった

左足を引き上げ、体を開いて後方へ振り出す。踏み込んだ足を軸に腰の回転で上半身を引き付ける

移動した先は本棚。『解説 悪霊のしくみ』を棚に戻し、『よくわかる除霊術(上級編)』を取り出した

幼馴染「あれ?これはもう見たやつだっけな?」

資料を漁る幼馴染。だが、どんな文献を見ても女霊を祓う方法は解らない

幼馴染「でも、緊急性は無さそうなんだよな・・・」

男に話を聞く限りでは、命に関わる問題でもない様だ。急いで対処しなくても良いかも知れない

幼馴染「しかし、知り合いが霊に悩まされてるってのは、どうも落ち着かないね・・・」

専門家としての自負も在る。そして何より、男に侮られたままでいるのは我慢ならない

幼馴染「う~ん、あそこに行ってみるか・・・」

幼馴染は資料を机に置き、携帯を手に取った



70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 20:34:26.31 ID:K1eAIq+IO



~街~

急行の止まらない駅。男は一人、電車を下りた。この駅に来るのは何年ぶりだろうか

男「あ~、もしもし?ん、今着いた。あー・・・はいはい」

電話で確認を取り、北口へ向かう

男「あれか」

改札を通る男に手を上げる幼馴染。男も手を上げて応えた

男「ここも結構変わったな」

幼馴染「ん~、アンタが引っ越してからだいぶ経つしね~」

駅前の風景は男の記憶と、かなり違っていた。時間の経過を考えれば当然なのだろう

男「で、あの場所で何を?」

幼馴染「それは着いてからのお楽しみ~」

夕刻の街を並んで歩く。向かう先は二人だけの思い出の場所



71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 20:40:46.35 ID:/jW4/o1I0


~廃屋前~

男「出来ればここには来たくなかったんだがな・・・」

その廃屋は以前と変わらぬ存在感でそこに在った

幼馴染「私だってヤだよ。だからアンタを呼んだんじゃん」

赤信号、事故は道連れ世は情け。幼馴染は幽霊屋敷に独りで来る気にはなれなかった

幼馴染「ここに来れば、女霊さんについて何か分かるかもしれないと思ってね」

男「俺はただの付き添いか・・・ん?」

敷地内を覗いた男の目に人影のような物が映る。そして、それが人間でない事は容易に判断できた

男「足は付いていないな・・・」

幼馴染「あんなの飾りです」

偉い人にはそれが分からんのですよ!



73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 20:47:05.55 ID:/jW4/o1I0


幼馴染「私が捕まえるから、男は注意を引いといて」

男にそう告げると幼馴染は塀沿いに回りこむ。幽霊を捕獲するつもりらしい

男「うーん、注意を引くっつってもな・・・・・・あのー、すいませーん!」

門柱に手を付き呼びかける男。玄関に向かっていた幽霊は動きを止め、男の方向を振り返った

男「ってゆーか、どうすんだコレ・・・こっち来るぞ・・・」

男は体を道路に向ける。指示された以上の事をする気は無い。近付いて来る幽霊に、逃げ出す覚悟・完了

幽霊、男「「!?」」

門まで約3メートル程、草陰から幼馴染が襲いかかった。前蹴りで股間を捉え、下がった頭部を拳で打ち上げる

幼馴染「戯れなれば、当て身にて」

男「幽霊にも金的って効くんだな・・・」

男は幼馴染の手際を、驚きと感心をもって眺めていた



74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 20:53:34.74 ID:/jW4/o1I0


~廃屋敷地内~

幼馴染は幽霊の喉に指を食い込ませ、片手で持ち上げる。街でよく見るネック・ハンギングの状態である

幼馴染「アンタは一人?それとも他に仲間が居るの?」

幼馴染は特殊警棒の柄で幽霊の脇腹を小突きながら問う

幽霊「一人・・・だ・・・」

幽霊は両手で下腹部を押さえ、苦しそうに答えた

男「幼馴染、やり過ぎだろ。そいつだって悪い霊じゃないかも・・・」

幼馴染「現世に長いこと留まってる霊なんて、ろくでもない奴ばっかだよ。男だって被害者でしょ?」

度を超した暴力、見かねて止めに入った男を、幼馴染は片手で制する。その視線が幽霊を外す事はない

男「まぁ・・・それはそうだけど・・・」

幼馴染「で、ちょっと聞きたい事が有るんだけど・・・」

言葉を濁す男は置いて、幼馴染は尋問を続けた



75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 20:54:00.52 ID:Vi6rmZl5O


キュンてした


主に股間が



76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 21:00:01.69 ID:/jW4/o1I0


幼馴染「前に、この家に住んでた女霊さんって知ってる?」

幼馴染は尋ねた。首を掴む指に力が入る

幽霊「お前・・・女霊を知ってるのか!?アイツは今どこに・・・?」

幼馴染「質問を質問で返すなあーっ!!疑問文には疑問文で答えろと・・・え?アンタ女霊さんの知り合い?」

質問を質問で返した幽霊に、幼馴染は質問で答える

幽霊「ああ、ちょっとした仲だ。それより、手を放してくれねぇか?」

逃げるつもりも、抵抗するつもりも無さそうだ。幼馴染は幽霊を解放した

幽霊「女霊はちょっと前にここを出て行ってな。俺も探してたんだが・・・」

幽霊は女霊と顔見知りらしい。ここまで足を運んだ甲斐は有ったのかも知れない



77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 21:07:02.72 ID:/jW4/o1I0


~男宅~

女霊「あら?この続きは無いのかねぇ・・・」

漫画を読み終えた女霊は奥付を開いた。確認した発行日は一ヶ月程前、最新刊はまだ出ていないだろう

これで男の持っている漫画は、あらかた読み尽くした。今夜の仕掛けは既に終わっている

女霊「退屈だねぇ」

女霊は床に腰を下ろして髪を弄ぶ。男が居れば話し相手にもなるが、今日はまだ帰らない

座ったまま部屋を見渡す。何か暇を潰せそうな物は無いか

女霊「そう云えば、あそこには手を付けてなかったね・・・」

机の引き出しに目が止まる。女霊は唇に指を当て、笑みを浮かべて立ち上がった



79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 21:14:03.32 ID:/jW4/o1I0


~街~

男「いや、俺等はメシ食ってから帰るんで、また明日にでも・・・」

幽霊「そうか、じゃあ俺は外で待ってるよ」

幽霊は街路樹の下に佇んで動かない。男と幼馴染は諦めて店に入る事にした

幼馴染「どうすんの?アイツ家までついて行く気っぽいよ」

女霊が男の家に居ると知った幽霊は、用があるので会わせてくれと言ってきた

幽霊は、突然姿を消した女霊の行方を捜しており、女霊不在の間あの廃屋を預かっている、との事だった

男「まぁ、女霊を連れ帰ってくれるなら、それで良いけどな」

男にとっては望ましい申し出だったが、何となく拒否したくなる雰囲気を幽霊は持っていた

幼馴染「私はあんまりお勧めしないけどね」

男「う~ん、断れない様な気がする。話した感じじゃ、そんなに悪い人でもなさそうだし・・・」

元々押しに弱い男である。幽霊に対する幼馴染の一方的な暴力も男の負い目になっていた

幼馴染「ふ~ん。でも一応気を付けてね。さっきも言ったけど、霊なんて本当にロクなもんじゃないから」

男「・・・」

幼馴染は水に手を伸ばし、男は厨房に目を向けた。会話は止まり、二人はラーメン半チャンセット×2を待った



80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 21:20:37.74 ID:/jW4/o1I0


ラーメンは美味しいけど、熱い物がダメだからちょっと苦手

そんな人に送る、猫舌のためのラーメンの食べ方講座

①麺は少量ずつ取り、よく冷ます

②麺を口に入れた後、スープを一口、二口含む

①→②の作業を繰り返せばOK

冷めた麺でスープの熱を緩和することで、火傷をせずに食べることが出来ます

※麺の代わりにチャーハンなどを用いても良い

重要なのは回数を多くして少しずつでもスープを減らすこと

全体量が少なくなれば冷めるのは早くなるからです

こまめに水を飲んで口内の温度を下げるのも大切です



81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 21:22:03.53 ID:0AalnK0e0


なるほど!
わかったから続き書けよwww



82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 21:25:34.27 ID:/jW4/o1I0


~駅~

幼馴染と別れた男は自宅へ。幽霊と一緒の電車というのは何とも奇妙な乗り心地だった

男「家はこっちの・・・」

駅を出て幽霊を家に案内する男。いつもなら寄り道の一つもして行くところだが、今日はそうもいかないのだ

男、幽霊「「・・・」」

家までは十数分の距離、沈黙が重い。何を話せば良いのか分からない。幼馴染が暴行を働いた相手だけに一層気まずい

男「あの・・・さっきは幼馴染が酷い事をしてスンマセン」

男は取り敢えず謝ってみる。こちらには謝罪する正当な権利が在るのだ

幽霊「大丈夫、気にしてねぇよ」

幽霊の穏やかな表情は、男の気持ちを緩ませた。だが、会話はそれ以上続かない

男、幽霊「「・・・・・・」」

夜道に男の足音だけが響く



84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 21:31:31.29 ID:/jW4/o1I0


~男宅~

女霊「ねぇ男、これは何に使う物なんだい?」

女霊は帰宅した男を捕まえて尋ねた。その手が示すのは小さな白い箱

男「な・・・それは・・・」

それは男が数日前、万が一有るかも知れない幼馴染との不測の事態に備えて、薬局で購入した物だった

もっとも、使用する機会などあろうはずもなかったが、そんな事はどうでも良かった

女霊「サガミオリj・・・」

男「くぁwせdrftgyふじこlp;@:いや、これは何でも無いんだ!・・・そんな事より、アンタにお客さんだ」

女霊の手から箱を引ったくると、男は幽霊を招き入れた

女霊「客?・・・!!」

幽霊の姿を確かめた女霊は身構えた。元々青白いその表情が強張っているのは男にも分かった



85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 21:37:24.31 ID:/jW4/o1I0


幽霊「やっと会えたな女霊・・・随分捜させやがって!」

顔を出した幽霊は再会に浸るでもなく、女霊に掴みかかる

女霊「く・・・男め、厄介な奴を・・・」

飛び退いてそれを避けた女霊は、躊躇う事なく窓から逃げ出した

幽霊「待てやぁああ!」

幽霊も続いて飛び出す。男は呆然とその様子を眺めていた

男「何だったんだ・・・?」

嵐の通り過ぎた部屋、男は鞄を置いて椅子を引いた。腰を掛けて一息吐く

男「えーと・・・」

事態は把握出来ないが、幽霊同士の事情を人間である男が詮索するのは野暮かも知れない

男「だったら・・・」

なすべき事は決まっている。今夜は久々に女霊が居ない。風呂に入ってゆっくり寝るのだ



86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 21:43:15.18 ID:/jW4/o1I0


男「・・・っはぁ・・・え!?」

薄明かりの中、男は寝苦しさに襲われて目を開けた。顔の上に女霊、眠気は消し飛ぶ

男「アンタ・・・戻って来たのか。アイツは何だったんだ?」

女霊「私はあの男に追われるんだ。この街に来たのもアイツのせいさ」

男「それで?」

女霊「逃げ切れなかった・・・」

「女霊、いつまでそこに居るつもりだ?出て来ないんなら、そいつをぶっ殺して引きずり出すしかないぜ?」

部屋の隅からの物騒な言葉、男は布団を跳ね退け飛び起きるが、全身がだるい。女霊は男に取り憑いていた

男「あんな事言ってるぞ?出てってやったらどうだ?」

女霊「ちょっと、私がどうなっても良いってのかい?お前はそれでも人間か!?」

お前が言うな!と、思った男だったが、人間ではない女霊相手にそれを言う事は出来なかった



89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 21:49:54.95 ID:/jW4/o1I0


接近する幽霊に男は後退る。霊同士の荒事に巻き込まれるなど冗談では無い

時計、手鏡、リモコン、足元の物を手当たり次第に投げ付けるが、相手は幽霊である。決して当たることのない物の中を悠然と進んでくる

男「いや、ちょっと待て。そしてアンタは出てけ!俺は関係ねーだろ!」

女霊「嫌だよ!」

幽霊は迫り、女霊は動こうとしない。女霊への怒りと幽霊への恐怖が、男の精神を激しく乱す

幽霊「悪く思うなよ・・・」

幽霊は男を壁際に追い詰めた。出口は反対方向。そもそも、この体調では逃げるのは不可能だろう

男「うぐ・・・!」

呻く男。幽霊に掴まれた手首に、無数のガラス片が刺さったかの様な痛みが走った

幽霊「恨むんなら女霊を恨むんだな」

男「・・・ふざけんな!」

男が女霊を恨むのは当然の事、だがそれは、幽霊を恨まない理由にはならないのだ

理不尽な危機に、怒りは恐怖をねじ伏せる。男は拳を握り、幽霊の顔面を力の限りブン殴った



91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 21:54:59.51 ID:/jW4/o1I0


それは、ささやかな抵抗の姿勢を示す、ただそれだけの物の筈だった

男、女霊「「あれ?」」

男が幽霊を殴り倒したのは、その場の誰にとっても予想外の出来事だった

幽霊「こいつ、俺にさわれるのか!?」

幽霊は鼻を押さえて起き上がり、混乱した頭を振る。男は感触の残る拳に目を落とした

男「随分痛そうじゃねーか。親父にもぶたれた事なかったのか?」

男は前に出て威圧する。不可解な事態、ハッタリは情勢を左右する要因にもなる

女霊「まだやる気かい?もう力も弱まってきてるんだろう?」

幽霊「チ・・・」

外は明るくなってきている。時はチュンチュンタイム、幽霊が活動出来る時間は少ない

幽霊「引き上げだ・・・だが、次はねぇぞ!」

吐き捨てて部屋を去る幽霊。男と女霊は、しばらくそのまま扉を見つめていた

男「あ~・・・疲れた・・・うぉ!?」

襖に刺さった目覚ましが起床時間を告げる。歯を磨いてうがいをしろ!!髭を剃って顔を洗え!!服を着替えて身支度しろ!!朝食をとって外出しろ!!

さあ朝はこれからだ!!日常はこれからだ!! 早く(ハリー)!!早く(ハリー)早く(ハリー)!!早く(ハリー)早く(ハリー)早く(ハリー)!!!



92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 22:00:28.53 ID:/jW4/o1I0


~街~

男「あの・・・トイレの中まで付いてくるのは止めていただきたいのですが」

ウンザリした様な声を吐き出す男。朝から女霊が離れないのだ

女霊「何さ、私が心配じゃないってのかい?」

女霊は幽霊の来襲に備え、男と行動を共にする事を決定していた。当然ながら男の了承を得た訳ではない

男「全く心配じゃないです。ってゆーか何でアンタは狙われてるんだ?」

用を済ませ、手を洗った男は尋ねる。そういえば詳しい事情を聞いてはいなかった

女霊「アイツは私を喰おうとしてるのさ。前に襲われた時は、髪の毛をちょいと持っていかれただけで済んだけどね」

男「ふーん」

女霊「奴は他の霊を補食する。純粋な霊体の私にとっちゃ最悪の天敵なのさ」

男「ほぉ・・・」



93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 22:06:58.10 ID:/jW4/o1I0


女霊の話した内容は男にとって大変興味深い物だった

男「・・・」

男は歩きなら考える。幽霊改め天敵を上手く利用すれば女霊を排除出来そうだ

女霊「馬鹿な事を企むんじゃないよ。何のために私がお前と一緒に居ると思ってるのさ?」

男の様子を見咎めた女霊は、男の首に腕を回して体内に滑り込む

女霊「私が喰われる時はお前も道連れだよ」

男「そんな・・・」

男は電柱に手を付いて喘ぐ。女霊と繋がったままこんな街中歩くなんて、頭がフットーしそうだよぉっっ



95 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 22:12:42.17 ID:/jW4/o1I0


~数日男宅~

幼馴染「・・・なるほどね、そんな事になってたのか・・・」

幼馴染を呼んで助けを請う男。天敵の襲撃こそ無かったが、女霊に付きまとわれる生活は大きな負担である

幼馴染「やっぱアイツは悪者だったのね。私の言った通りでしょ?」

男「何でそんなに嬉しそうなんだよ・・・?」

声を弾ませる幼馴染に男は力なく呟く。気の休まる事のない日々は、確実に心身を蝕んでいた

幼馴染「いや別に。どうしようか、取り敢えず部屋に結界かな?」

男「ああ、それで頼む」

頷く男。幼馴染は鞄を探り、紙とマジック等を取り出した

幼馴染「で、この前はどうやって追っ払ったの?」

作業を終えた幼馴染は男を振り返って聞いた。素人であるの男が、如何にして天敵を退けたのか

男「え?その・・・ブン殴って・・・」

幼馴染「はぁ?霊を?」

女霊「それなんだけどねぇ、私なりに考えてみたんだよ・・・」

少し離れて漫画を読んでいた女霊が口を挟んだ



97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 22:20:16.20 ID:/jW4/o1I0


女霊「男はホラ、私に触れられるだろ?だから天敵を攻撃も出来たんだと思うんだよ」

幼馴染「でもそれは、よっぽど魂の形質が近くないと起こらない現象ですよ!?」

女霊「いや、奴は私の髪を喰ってる。つまり私の霊体の一部を取り込んでるんだ。それが原因じゃないのかねぇ?」

幼馴染「なるほど、そういう事ですか・・・」

男「・・・」

二人で納得して頷き合う女霊と幼馴染にに男は付いて行けない。よろしい、ならば沈黙だ

幼馴染「ま、一応結界は張りましたけど、これはあくまで応急処置なんで、根本的な対策は・・・」

帰り支度を始めた幼馴染は言う。専門分野は暴力沙汰なのだ。今幼馴染に出来る事は少ない

女霊「また後日かい?」

幼馴染「そうなりますね」

拙い結界だが、ひとまず部屋の安全を確保する程度の強度は持っている筈だ

問題は解決していないが、これで女霊が男に付いて回る必要もない。当座の危機は脱したと言って良かった



100 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 22:26:34.16 ID:/jW4/o1I0


幼馴染を見送った男は女霊に向き直った

男「しかし、アンタをここに匿う事になるとはな・・・」

本来ならば女霊を追い出したかった男である。成り行きとは恐ろしい物だ

女霊「うーん、私としても本意じゃないけど、まぁ仕方ないかね」

男「んで、アンタはどうしたいんだ?帰れるんなら帰りたいのか?」

女霊「そうしたいのは山々なんだけどねぇ、天敵をどうにかしないと・・・」

男「・・・となると、やっぱり幼馴染を頼るしかないか」

いざとなれば他人に丸投げ出来るのは強みでもある。男は弱者である自分の立場をよく理解していた



101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 22:32:24.42 ID:/jW4/o1I0


男「・・・そんな訳で今現在、一番の障害は天敵な訳だ」

第三回女霊対策会議を開く男と幼馴染。ある程度方針の見えた今回は進展も期待出来る

幼馴染「つまり、天敵を血祭りに上げれば良い訳ね」

切った張ったなら望むところである。幼馴染は得意顔で指間接を鳴らす

男「出来るのか?」

幼馴染「任せて。そーゆー分かり易いのは好きだよ」

それにしてもこの幼馴染、ノリノリである

男「そうか、一応俺の方で作戦は考えてある・・・」

男は切り出した。ここからが今日の本題なのだった



102 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 22:36:42.40 ID:/jW4/o1I0


男「・・・と、いう様な感じで行こうと思うのだが」

男は幼馴染に計画の概要を説明した

幼馴染「アンタ・・・実は外道だね・・・」

男「それほどでもない」

男の提案は、幼馴染にとって少々意外に思われた。何だかんだ言いつつも、女霊との関係は悪くない様に見えたからだ

幼馴染「ちょっと気の毒な気もするけどね・・・」

男「目的は女霊を助ける事か?違うだろ。アイツが居なくなればそれで良いんだ」

幼馴染「ふ~ん、ま、アンタがそのつもりなら、私も別に良いけどさ」

女霊に肩入れする理由も特に無い。幼馴染は男の考えに従う事にした

男「んじゃ、決まりだな。後は・・・」

女霊を上手く誘導するだけである



106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 22:41:35.96 ID:/jW4/o1I0


~男宅~

男の部屋の前、天敵は扉に伸ばした手を引っ込めた

天敵「クソ、結界か・・・」

扉には「天敵立ち入り禁止」の貼り紙。侵入するのは不可能だ

天敵「やっと女霊が一人になったのによ・・・」

天敵は女霊が男から離れるのを、辛抱強く待っていたのだ

男さえ居なければどうとでもなる。だが、部屋に入れないのでは話にならない

天敵「チ・・・」

結界を破るには、それなりの準備が要る。天敵は苛立ちを噛み殺して引き上げるしかなかった



108 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 22:46:41.16 ID:/jW4/o1I0


~しばらく後男宅~

女霊「アイツが・・・ついに来たよ!あの子の結界のお陰で何とかなったけどね!」

女霊は帰宅した男に興奮気味に話す。天敵の来襲は室内の女霊にもはっきりと伝わっていた

男「やっぱり来たか・・・どうする・・・?いつまでもこのままって訳にはいかねーよな?」

男は慎重に言葉を選ぶ。女霊が危機を感じてくれるなら都合が良い。その不安は利用出来るものだ

女霊「そうは言っても・・・」

被捕食者である女霊に出来ることなど何も無い。言い澱んだ女霊は男を見詰める

男「アンタは家に帰りたい。俺はアンタに出て行って欲しい。それで、だ・・・」

女霊「うん・・・」

少し間を取る男。女霊は困惑と期待の表情で続きを待った

男「天敵から家を取り戻そう。今日、幼馴染に相談して来た。アイツも協力してくれるそうだ」

女霊「あの子が・・・それなら・・・」

幼馴染の霊力は、女霊も認めるところである。戦力としては申し分ない

男「アンタをこの部屋から追い出してやるよ」

男は緩みそうな口元を引き締める。ここまでは予定通り・・・



110 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 22:51:49.61 ID:/jW4/o1I0


~翌日街~

急行の止まらない駅、男と女霊は電車を降りた。改札前で待つ幼馴染と合流する

男「昨日の今日で悪いな」

幼馴染「良いよ、今日は私も空いてるしね。それに、こーゆーのは早い方が良いでしょ?」

幼馴染はすぐに歩き出す。男と女霊もそれに続いた

女霊「ねぇ男、よく考えたら私は来なくても良かったんじゃないか?」

道中で女霊は気付いた。勢いに流されてここまで来たが、天敵を祓うだけなら女霊が居る必要は無いのだ

男「う・・・まぁ、アンタは当事者だしな。それに・・・元々はアンタの家だ、中の事とかもよく知ってるだろうし」

幼馴染「そ、そうですよ!女霊さんも来て下さいよ!危ない事は私が大体やりますから」

女霊「そうかい。なら良いけどね」

夕刻の街を並んで進む。向かう先は三人の因縁の場所



111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 22:59:45.26 ID:K1eAIq+IO



~廃屋前~

幼馴染「見た感じ外には居ないね。やっぱ家の中かな?」

周囲から敷地内を窺った幼馴染は、男に偵察の成果を報告した

男「この前は、このくらいの時間に居たんだけどな・・・う~ん、家に押し入るしかないか」

女霊「ちょいとお待ちよ」

女霊は二人を制して塀に近付くと、縁に手を掛け身を乗り出して、アホ毛を動かした

女霊「うん、私の幽霊アンテナに反応が無い。ここにアイツは居ないよ」

男「アンタ、そんな機能があんのかよ・・・そうか、どうする?出直して次の機会を待つか?」

幼馴染「そうだね・・・」

天敵の力の弱まる夕暮れ時や早朝の方が仕留められる可能性は高い。慎重を期するなら今日始末する事に拘らなくても良いのだ

女霊「いや、これは逆にチャンスかも知れない」

男、幼馴染「「え?」」

女霊「奴だって自分の家で待ち伏せされるとは思わないだろう。家の中で待ち構えて、帰って来たところを叩くってのはどうだい?」

男「なるほど、それもアリかな・・・」

男の計画よりも手っ取り早くカタが付きそうだ。男は女霊の案を受け入れる事にした



114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:06:04.58 ID:K1eAIq+IO



~廃屋内~

廃屋に潜入した男と幼馴染は内部を見て回った。部屋の間取り等を確認して方針を決定する

実働役は幼馴染に任せ、男と女霊は少し離れたところで待機

男「なぁ、アンタやけにビビってんのな。前は何か偉そうな事言ってなかったか?」

薄闇と静寂、男は隣でせわしなくアンテナを旋回させる女霊に口を開いた

女霊「そこらの怨霊や地縛霊だったら小指でヒネれるさ。だけどアイツは違う、そんなのとは訳が違うんだ」

男「へえ、そーなのか」

真剣な顔で返した女霊に、男は生返事で応える

女霊「最初にやり合ったときに判ったよ。奴は霊体を吸収する。私は純粋な霊体だからね。触れるだけで危険なのさ」

男「ふーん」

男は理解することを放棄した。よく解らんがそういう事らしい

幼馴染「・・・純粋な霊体・・・?」

さり気なくやり取りを聞いていた幼馴染は、女霊の言葉に違和感を覚えていた



115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:12:23.22 ID:K1eAIq+IO



女霊「父さん、霊気を感じます」

女霊のアンテナが伸び、方向を示した。一同は緊張を纏って状況を開始する

天敵「とんだ無駄足じゃねぇか!クソがぁ!」

家に向かう天敵は唾を吐き捨てた。ぶつけ所の無い怒りは、腹の中に抱え込むには重過ぎる

天敵「女霊の奴・・・どこへ行きやがった!?」

わざわざ結界剥がし液を用意して赴いたものの、女霊は男の部屋に居なかった

どこかに場所を移したとすれば、改めて探す必要がある。これまでの経緯を考えると、それはそれで面倒な事である

ここまで手間を掛けるつもりは無かった。女霊を見つけ出した時点で目的は果たしたも同然だった筈だ

天敵「クソ・・・」

天敵は門を抜けて玄関へ。思い通りにならない事が多すぎる、明日からを思うと気が滅入るばかりだった



117 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:17:39.35 ID:K1eAIq+IO



~廃屋内~

幼馴染は一見派手な凶器攻撃のイメージが強いが

恐ろしいのは不意打ちの動きだ

忍び寄ると同時に飛び掛かり 死角から真っすぐ打ち出される奇襲は

油断すると意識の遥か遠くを走り 非常に見えにくい!!!

きちんと腰をきめ急所に叩き込まれた打撃の威力は筆舌に尽くし難い

まるで熱くて重い物体が 霊体の中を突き抜けたような感じである

腰から崩れ落ち痛みはなかなか回復しない

除霊と言っても格闘する事に変わりはないのだ

幼馴染の影が走り、玄関を抜けた天敵を襲う。初弾の目突きで動きを止め、特殊警棒を頭部に向けてフルスイング



118 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:23:30.15 ID:K1eAIq+IO



幼馴染「避けられた・・?」

狙いと寸分違わぬ軌道を振り抜いた一撃に手応えは無し

幼馴染の目は、その肩越しに天敵の動きを捉えていた

幼馴染「オラァ!」

崩れた体勢を右足だけで踏み堪えて放った左回転後廻し蹴りも空を切る

幼馴染「く・・・」

反撃に転じた天敵の腕を特殊警棒で受けて捌き、左の膝蹴りで間合いを離す

天敵「てめぇは、この前の!?何しに来やがった!?」

束の間の膠着、天敵は襲撃者が幼馴染である事を認識した

幼馴染「ちょっと用が有ってね。それよりアンタ、こないだとは全然反応が違うじゃん」

一次攻撃の失敗は、狭い玄関という攻め手に有利な空間でありながら、幼馴染に追撃を躊躇わせていた

天敵「この天敵、生来目が見えん。そのわたしに目潰しなど笑止千万!!」

幼馴染「やれやれだぜ・・・」



119 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:26:15.03 ID:aO+0HTxS0


なんだか展開が怪しくなってきたぞww



120 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:28:06.36 ID:/jW4/o1I0


先に動いたのは幼馴染。左足を前に踏み出し、右足を引き付ける勢いで反転。身構える天敵に背を向けて駆け出した

幼馴染「ダメ、失敗!」

男「馬鹿、こっち来んな!」

向かって来る幼馴染に男は焦る。しかし、幼馴染の失敗は全くの想定外では無かった

幼馴染「作戦変更、プランAに移行ね」

幼馴染は物陰で様子を伺っていた男と女霊の脇を駆け抜け、リビング方面へ、インド人を右に

男「プランAか・・・仕方ねぇ!」

プランAとは、男が本来予定していた策である。立ち上がった男は女霊を引っ掴んで走る

天敵は多少の逡巡の後、男と女霊を追った



121 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:33:20.10 ID:/jW4/o1I0


女霊「こんな所に来てどうする気なんだい?」

男が飛び込んだのは二階の奥の小さな部屋。窓こそ在るが、行き止まりといって良い場所だった

男「大丈夫、俺に考えがある」

男は女霊に向けて歪な笑顔を作る。肩に置いた手は震えていた

男「そのまま動くなよ・・・」

女霊の背後に回った男は、両脇から腕を通し、首の後ろで手を組んだ。街でよく見るフルネルソンの状態である

女霊「何をしてるんだい?」

男「アンタは取り憑く時、いつも首筋から入り込む。つまり、首に手を触れさせなければアンタは憑依出来ない」

男は、今まで密かに考えていた仮説を実証しようとしていた

女霊「ちょっと、男?」

男「・・・で、アンタと一つ取引がしたいんだが」

男は顔を上げ、遠くに声を投げる。動揺する女霊を無視して、入口に現れた天敵へ話しかけた



122 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:37:49.07 ID:/jW4/o1I0


天敵「取引だと?」

男の申し出に怪訝そうな顔付の天敵。信用すべきか否か、そもそも男達の目的すら判っていないのだ

男「ああ、女霊を引き渡す代わりに、俺と幼馴染を無事に帰してくれって取引だ」

天敵「あ?ナメてんのか?いきなり人に襲い掛かっておいて、そんな条件が通る訳ねぇだろうが!」

男の口調と要求に天敵の怒りが有頂天になった。この怒りはしばらくおさまる事を知らない

女霊「男、お前・・・」

男「黙ってな。アンタはただの交渉材料だ」

男「さっきは悪かった、でも、俺達を殺しても得は無いだろ?そもそも俺達が居なかったらアンタは女霊を見付けられてなかった」

天敵「だから何だ?」

男の言葉に不明な点は思い当たらない。天敵は不機嫌そうに続きを促した

男「だから、俺達は女霊を捕まえるのに手を貸したって形で納得してくれないか?」

女霊「お前、まさか最初からそのつもりだったんじゃ・・・」

男「君は良い迷惑だったが、隙を見せたのがいけないのだよ!」

女霊「男・・・!謀ったな男!」

煮え滾る女霊の憎悪と絶望を、男は両腕で締め上げて抑え込む。ここまでは予定通り・・・



124 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:43:21.92 ID:/jW4/o1I0


天敵「お断りだよクソ野郎!自分さえ無事ならそれで良いって考えが気に入らねぇんだよ!」

天敵は声を荒げた。単純な損得勘定だけで済む問題ではない、男には若干の恨みも在るのだ

男「そんな事はどうでも良い、重要なのは結果だ。アンタは女霊を捕まえる。俺は女霊から解放される。最高だろ?」

男の弁は加速する。感情論の相手は、道理を叩き付けて勢いで押し切るべし

天敵「だが・・・」

男「てめぇはずっと待ってたんだろ!?女霊の魂を吸収する、女霊がこの世から消えて無くなる・・・
そんなてめぇが笑って、俺が望む最高なハッピーエンドってやつを。今まで待ち焦がれてたんだろ?こんな展開を・・・
何のためにここまで歯を剥き出してきたんだ!?てめぇのその口でたった一人の女霊を喰らって見せるって誓ったんじゃねえのかよ?
お前だって主人公の方がいいだろ!?脇役なんかで満足してんじゃねえ、命を懸けてたった一人の女霊を喰いたいんじゃないのかよ!?
だったら、それは全然終わってねぇ、始まってすらいねぇ・・・ちょっとくらい長いプロローグで絶望してんじゃねぇよ!
手を・・・ちょっと、暴れんな!いい加減に諦めろ、女霊!!」

天敵「・・・」

男「決まりだな。渡すからちゃんと受け取れよ・・・」

一方的に交渉成立を告げ、男は女霊を捕まえたまま天敵に歩み寄る



127 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:48:26.28 ID:0AalnK0e0


ドキドキする



128 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:48:57.32 ID:/jW4/o1I0


幼馴染「男、今どーなってんの?」

能天気な声に天敵は振り返る。部屋に踏み入ったのは幼馴染

男「遅かったな・・・予定通り女霊を引き渡す所だ。余計な事すんなよ?」

幼馴染「あっそ・・・」

幼馴染は男の意図を察した風に頷き、手を背中に回して立ち止まった

天敵「チ・・・さっさと寄越せや」

天敵は男に向き直って催促する。色を失くした女霊の瞳が宿すものは諦観か哀願か

女霊「嘘だろ、男・・・」

男「ああ、嘘だぜ。だが、マヌケは引っかかったようだな」

天敵まで数歩の距離、男は勢いを付けて女霊を放り上げる。真上に飛ばされた女霊は頭から天井に刺さった

天敵「なに!?」

思わず天敵の意識が上を向く。僅かな隙、男はすかさず天敵の両腕を掴んだ

男「今だ、やれ!幼馴染!」

幼馴染「はいよ!」

間髪入れずに幼馴染は攻撃体制を取る。女霊を囮に天敵を討つ。これが男の考案した「正義と勇気の3プラトン作戦」である



129 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:50:40.11 ID:aO+0HTxS0


扱いがひでぇwwwwww



132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:54:03.66 ID:/jW4/o1I0


天敵「頭脳がマヌケはてめぇの方だ」

天敵は組み付いた男をものともせず、背後から襲う幼馴染の攻撃をかわした

天敵「闇討ち、不意打ちと来て、騙し討ちを警戒しない訳ねぇだろうが!」

幼馴染の大振りな連撃を、見透かした様な体捌きで避け続ける天敵

男「こいつ・・・かなりの切れ者!やはり天才か・・・」

幼馴染は最小の打撃で倒す。一発打ち込めば勝負は着くのだ.。だが、その一撃が決まらない

汗を拭って呼吸を整える幼馴染。一撃必殺が基本の除霊術ゆえ、戦局が長引く程に不利になる

天敵「てめぇも、いつまでも引っ付いてんじゃねぇ!」

天敵は軽く腕を振って男の握力を引き千切り、よろめく男の喉に手をあてがった

男「あれ・・・?ヤバくねーかコレ?」

男はここにきて始めて自分の危機に気付く。計画は完全に破綻したのだ

そこで問題だ!この恐怖すら陳腐に覚える状況をどうやって切り抜けるか?三択-ひとつだけ選びなさい

答え① ハンサムの男は突如反撃のアイデアがひらめく

答え② 幼馴染が何とかしてくれる

答え③ どうにもならない。現実は非情である



133 : ぺぺ ◆SeXD.Q.Nrw 2009/05/24(日) 23:55:08.36 ID:HwJYjF4x0


①!



134 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:56:27.83 ID:0AalnK0e0


2で
ひとまかせが一番



135 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/24(日) 23:58:22.82 ID:aO+0HTxS0


①の後③



136 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:01:09.65 ID:StSADTSW0


天敵「てめぇも動くなよ?それ以上近付いたら、コイツの霊体引きずり出すぞ?」

天敵は武器を振りかぶった幼馴染を牽制する。体の中で何かを掴まれているのが男には分かった

幼馴染は唇を噛んで動作を止める。男が役に立たないどころか、足を引っ張る結果になったのは全くの誤算であった

男「この感じ・・・同じだ・・・」

震える脚で体を支えて呻く男。全身を襲う寒気と身体の平衡を保つ事すら困難な目眩は、今まで幾度も経験してきた物に似ていた

男「女霊に憑かれた時と同じだ――――――だったらイケるぜ!!!」

これならイケる!男の手に力が戻った。自分の喉元へ伸びる腕を掴み、体を引き寄せる

男「引きずり出すだぁ?ふざけるなァ!お前が・・・俺の中に来い!」

天敵「な、コイツ!?」

霊体を同調させている天敵は、なす術もなく男の体内に引きずり込まれた

幼馴染「!」

幼馴染の瞳孔が猫科動物の如く拡大した。拳を構え床を蹴る

幼馴染「ボディが、お留守だぜ!」

左中段正拳突きは腰の回転を始動とする心構えで、やや内角を狙い抉り込むように打つべし!



138 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:06:49.06 ID:StSADTSW0


男「~~~~ッッッ!!!!」

幼馴染の正拳は男の水月を射抜き、男は息も出来ずに悶絶する。嘔吐と涙が部屋を汚した

天敵の霊体が男の体から抜け出る。さあ来たぞ、絶好機。狙いを定めてぶちかませ!

幼馴染「そぉれえぇえええ!!」

幼馴染の除霊術は、全て隙を生じぬ二段構え、天敵の延髄ににトドメの凶器が叩き込まれた

ゴト

耳障りな音、床に叩き付けられた頭部が弾んだ。天敵は声も発する事なく倒れ伏す

男「こいつ・・・動くぞ!?」

男は涙と涎にまみれた顔を上げ、痙攣する天敵を見た

幼馴染「大丈夫、もう終わった。ソイツは消えていくだけ・・・」

幼馴染は武器を収めた。除霊術とは霊体そのものを攻撃する術ではない。霊体を現世に縛り付ける怨念等を断つものである

天敵の体は崩れ、大気に溶けてゆく。どんな強大な霊体も呪縛なしに現世に留まる事は出来ないのが摂理であった



141 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:11:58.83 ID:StSADTSW0


女霊「あらあら、本当にのしちまったのかい・・・」

天井から頭を引き抜いた女霊が、半ば崩壊した天敵を見下ろして声を掛けた

幼馴染「ええ、ちょっと手こずりましたけどね」

ここまで苦戦するとは思っていなかった幼馴染である。実際、多少の幸運があったのも否定出来ない

女霊「それはそうと男、よくも私を騙してくれたね・・・」

女霊は、腹部を押さえて蹲る男に目を落とした。唇に指を当て、微笑みながら屈み込む

男「いや、あれは・・・アンタも無事だし、良いじゃねーか・・・」

手を伸ばす女霊に男は狼狽する。立ち上がることもままならない体である。この上、女霊の相手など出来ることでは無い

女霊「大人しくしてれば、すぐに終わるさ」

男「あ・・・ちょっと、ひぁ・・・らめぇええええええ!」

女霊は抵抗できない男の頭を押さえつけると、その喉へ自分の霊体を乱暴にねじ込んだ



142 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:16:59.68 ID:StSADTSW0


女霊「ふぅ・・・良かったぜベイビー」

事を終えた女霊は横たわって震える男に言葉を落とした

男「ありがとうよ、最悪の気分だ・・・あれ?」

上半身を起こした男は異変に気付く。体内に澱んでいた不快感が消えていた

女霊「ふふふ・・・相当溜まってたみたいだね。でも、これで大分楽になっただろ?」

幼馴染「今、何をしたんですか!?」

二人を観察していた幼馴染が尋ねた。男の反応から推測すると、女霊の行動は幼馴染の常識に無いものだった

女霊「何って、男のストレスを吸い取っただけだけど?」

女霊にとっては普段の習慣である。幼馴染が何を疑問に思ったのか判らない

幼馴染「え?悪霊のくせに何でそんな事・・・あれ?ちょっと待って下さいね・・・」

思考を整理する幼馴染、これでまた女霊の事が分からなくなった

幼馴染「あの、ちょっと聞いて良いですか?」

女霊「何さ?」

女霊の正体とは何なのか?分からない事は当人に聞く、幼馴染は一番簡単な方法を失念していた



144 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:22:08.13 ID:StSADTSW0


幼馴染「女霊さんって怨霊ですよね?さっきは何か純粋な霊体って言ってましたけど・・・」

相手は自分の理解の外の存在である。幼馴染は基本的な事項から確認することにした

女霊「元々は・・・ね。だけど、永らく幽霊やってる内に恨みなんか消えちまったよ」

幼馴染「怨霊じゃない?ん~・・・・・・そうか!」

これで合点がいった。女霊に除霊術が効かなかったのも、怨霊ではないからと考えれば説明が付く

怨念を持たぬ幽霊に除霊術は作用しない。いや、本来ならば祓う必要も無いのだ

幼馴染「でも、そうだとしたら、どうして成仏せずに居られるんですか?」

ただの霊体が現世に長く留まる事は出来ない。しかし女霊はそんな法則を無視して存在している、普通なら考えられない事だった

女霊「他所から負の情念を補給したりして何とかね・・・」

幼馴染「そんなこと・・・出来るんですか!?」

女霊「ええ、まあ・・・」

女霊は怨念の代わりに他者からストレスを摂取して霊体の消滅を防いでいるという。幼馴染はそんな裏技が在る事を知らなかった

呪縛を持たない女霊を除霊する事は出来ない。火の無い所に立った煙は、火元が無いが故に消せないのだ(参考:RCサクセション けむり)



147 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:27:51.34 ID:StSADTSW0


男「細けぇこたぁ良いんだよ!女霊はこの家に戻る。それで解決だろうが」

立ち上がった男の関心は、一刻も早くこの場を去る事のみに向けられていた

幼馴染「あ、そっか・・・」

言われて幼馴染は今日の目的を思い出した。無理をして女霊と事を構える必要など無いのである

男「丸く収まった事だし、さっさと帰ろうぜ」

幼馴染「そーだね。じゃ、女霊さん、また・・・」

男は別れも告げずに歩き出す。幼馴染は女霊に軽く会釈して男を追った

女霊「ちょいとお待ち、そんなつれない事を言うもんじゃないよ」

女霊は、足早に部屋を出ようとする男を呼び止める。それは男が内心恐れていた声でもあった

男「いや、もう全部終わったろ?俺に用なんか無いだろ・・・?」

これ以上女霊と関わりたくない男である。全てが解決した事にして退散するつもりだったが、そう上手く運ばないのが世の常だ

女霊「さっきも言った通り、私には人のストレスが必要なんでね。また、ちょくちょくお前の所にお邪魔させて貰うよ」

男「勘弁して下さい」

女霊「ダメ」

それは女霊にとって生態上の必須行動であり、男の意向などは問題にならない。男の苦難の日々はまだ終わらないのだった



148 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:33:32.21 ID:StSADTSW0


~帰路~

男「なあ、あの天敵ってのは何だったんだ?」

駅に向かう男と、それを送る幼馴染。時刻は23時前、電車もまだ動いている

幼馴染「あれは、元々は人間の霊なんだろうけどね。長い時間掛けて霊体が変質しちゃって、幽霊って言うより妖怪に近いのかな」

男「ふ~ん・・・色んな奴が居るもんだな」

幼馴染「まあね、世界は広いんだよ。女霊さんみたいに変なのも居る事だし」

男「女霊か・・・アイツをどうするか・・・」

なるべく考えたくない案件だったが、女霊対策は避けて通れない課題なのである

幼馴染「“憑かれ”る奴ってのは“不運”と“踊っ”ちまったんだよ。大変だと思うけど頑張ってね」

男「オイちょっと待て、何で他人事なんだよ?」

女霊を手に負えない存在と判断した幼馴染は、自らの立場を傍観者に切り替えていた

幼馴染「ま、アンタが女霊さんに触れられるのは救いかな。鍛えれば肉弾戦で撃退出来んじゃん?地獄の沙汰も体力気力って言うしね」

男「偏差値低めだな・・・で、具体的には何をすれば良いんだ?」

幼馴染「まずは体造りからかな。取り敢えず、IDの数だけ腹筋しよっか」

幼馴染の助言が男を救うと信じて・・・!男の戦いはこれからだ!よっしゃああああッッ!THE ENDォオ!



150 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:35:50.19 ID:VUWGv2VYO






151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:35:58.58 ID:StSADTSW0


ハイごめんなさい腹筋スレでした~。最後まで見てくれた人ありがとねん



152 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:39:50.00 ID:zW3Ljut2O


>>151
なん…だと…?

しかし面白かったので甘んじて受けようじゃないか



153 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:41:37.00 ID:5j/SAFNe0


スレタイで逆に損している気もするが面白かったぜ
また書いてくれ乙



155 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 00:54:11.28 ID:5a34JJAPO


乙ー
これから腹筋か…



157 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 01:20:02.33 ID:tO/ON/ogO


おっつ



158 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/05/25(月) 01:31:24.83 ID:2CCCaxBy0


乙っす




元スレ:http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1243152430/
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