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1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 17:29:18.96 ID:CziOQ/2v0

ハマーン「シャア、手料理に触れるな!」
シャア「こんな家庭が他にあるのか!?」

ハマーン、シャアともに椅子を蹴りつつ立ち上がり、テーブル越しににらみ合っている。
そこに、今日の客であるカミーユが口を挟んだ。隣にもう一人本日の客、アムロ・レイがいるが、腕を組んで目を伏せたまま、状況を伺っているようだ。

カミーユ「落ち着いてくださいよ、二人とも。そりゃあ僕たちはあなたたちから見ればお客さんだけれど言いますよ。大尉、どうしてハマーン……カーンさんの手料理が嫌なんです?」
シャア「カミーユ、夫婦二人の会話に入るな! 勝手に妻を名前で呼ぶな! そして私を大尉と呼ぶな!」
ハマーン「他人に当たるな、シャア!」


3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 17:31:19.50 ID:LfGqe3Z60


     γ      ~ヽ   \
     /           ヽ  \
    ノ λi_λ_(_ノ!_ノ__火     \
   ノ  i'ta:、 イtヲフ' |    \
  //  | .フ   ″  | |γ
 < ノ    ゝヾ___    |i.レ'
  ヾ ノ i ヾ!ヽ   _  |i.| ノ
   `'-、ノ  `- ┐   ノノ/
      '-ノ,_/. |   ヽ ノ/



4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2010/07/08(木) 17:32:18.23 ID:CziOQ/2v0

カミーユをにらんだシャアの視線が、ハマーンへと戻った。

シャア「言わせてもらう。どうしてシチューにチョコレートとイチゴのシロップがかかっているのだ! これでは食中毒になって、皆が病院の世話になってしまう!」
ハマーン「それが、どうしたというのだ」
シャア「そうなれば! 夫に対して、僚友に対して贖罪しなければならん! それを分かるんだよ、ハマーン!」

そのシャアの言葉に対して、ハマーンは不敵に微笑む。

ハマーン「ふふふ、夫になった己の不幸と、そして食卓を共にした不運を呪うのだな」
ハマーンの言葉に、シャアは歯噛みしながらじっと手を挙げようとするのをこらえる。そこへ、再度カミーユが割って入った。
カミーユ「大尉、いえ、クワトロ代議士も落ち着いてください。シチューに甘いシロップが掛かっている事の、何が駄目なんです!?」
シャア「カミーユ、私はシャア・アズナブルだ。それ以上でもそれ以下でもない!」


5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 17:36:03.59 ID:CziOQ/2v0

カミーユ「質問の答えになっていませんよ!」
ハマーン「そこまでだ、俗物。私の前でいがみ合うのは止して貰おう。しかし少年、私の持つ料理の世界をよく理解しているな」
シャア「ハマーン、いたいけな子どもを毒するとは……!」

シャアはサングラスをはずしつつ、カミーユとハマーンを交互に睨む。

シャア「私だって人の子だ、大概の料理は食ったさ。しかし、ここまでおかしな料理を食わされるとは予想もしていなかった。愛の夫婦生活という私の夢を壊した責任、これをどうするかだ!」
ハマーン「さっきも言ったことだろう、シャア。私の夫になった不幸を呪うがいい。しかし、おかしな料理とは、酷い難癖をつけてくれるものだな。よくもずけずけと人の世界に入る。恥を知れ、俗物!」
カミーユ「やめろ――――――――!」
一同「なッ!」

突然のカミーユの怒鳴り声に、一同驚く。


11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 17:46:35.58 ID:CziOQ/2v0

カミーユ「僕は子どもじゃないっ! ……アムロさんも、この手料理美味しいですよね!?」

アムロ「……僕に振ろうっていうのかい、カミーユ? 人にはそれぞれ味覚って物が、」

カミーユ「アムロさんまで! 言い訳をするなんて、それのどこが大人なんです!」

シャア「……カミーユ君、冷たい言い方だが、家庭とはこういうものだ」

ハマーン「ほう……、ではその覚悟とやらを受け取ってもらおうか」

シャア「…………!」

ハマーン「さあ、私の手料理を存分に味わってもらおう。一人身で数十余年、その年月、舐めて貰っては困る」

シャア「……私だって、一人身だった……」


12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 17:47:52.47 ID:NaEzrtiIO

幾つだよこのハマーン様


13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 17:47:56.16 ID:uBXX9zd60

このハマーン様は幼馴染ですか?


17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 17:52:33.25 ID:CziOQ/2v0

カミーユ「大尉! 大尉は好きだったからハマーンさんと結婚したんじゃないんですか! 愛してるんでしょう!」

シャア「カミーユ、たとえ愛があってもこの手料理は私が食べるわけにはいかない。私は、もはや自分一人の身ではないのだ。代議士は生きている限り、己の状況と戦わねばならん」

ハマーン「……そうかい。“たとえ愛があっても”……。私を弄んだと言うのか?」

シャア「…………! では本音を言わせて貰う。私は貴様のコネで代議士になりたかった」

カミーユ「大尉!」

シャア「かつて宰相だった貴様のコネさえあれば、私が連邦議会の代議士になるなどたやすいことだったからだ」

カミーユ「なんて汚い……! 良い大人がなんて事をするんですか! 目的のために女だって利用する、それはシロッコがやったことだ!」

シャア「カミーユ、まだ青いな。愛だけでは出来ないこともある。私はこの歳まで生きてきて、それをつくづく思い知った」

カミーユ「愛も無い大人の言うことか! そんな大人、修正してやる!」

 シャアは片手でカミーユの拳を受け止めた。


20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2010/07/08(木) 17:57:48.38 ID:CziOQ/2v0

シャア「ならば、今すぐ、ここにある料理すべてを食ってみせろ!」

カミーユ「やってやる! 愛があればそれが可能だって、証明してやる!」

ゆでられた海老に、生クリームとカラメルソースが掛けられている料理を手にとり、ためらうことなく食う。

カミーユ「美味しいじゃないですか、大尉。これの何が不満なんです」

そう言って、ナスとキュウリの中華風炒め物メープルシロップ掛けを手に取る。
片栗粉を溶かしてあるのか、光沢と粘り気が程よく嫌悪感をそそる。

シャア「カミーユ……」

カミーユ「大尉は贅沢なんですよ。こんな美味しい手料理が毎日食えるってのに贅沢ばっかり言って!」


22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2010/07/08(木) 18:01:52.47 ID:CziOQ/2v0

カミーユ「美味しいし、それに好きだからやっているんですよ! こんな汚い食い方!」

シャア「その、好き、というのは……まさか……」

ハマーン「どうなのだ! 少年!!」

カミーユ「人妻を愛しても、良いじゃないですか。ハマーン……さんは、どうなんですか?」

ハマーン「考えておこう、少……いや、カミーユ」



シャア「このままでは済まさんよ……」

アムロ「シャア……」


23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 18:03:39.85 ID:5PjMI7sOO

カミーユ味覚崩壊してるな…


24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 18:06:54.69 ID:NAWpyymsO

>>23
シロッコ「貴様の味覚も連れていく!」


27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2010/07/08(木) 18:14:01.80 ID:CziOQ/2v0

数時間後のバーにて。
シャア「グリプス戦役からもう七年だぞ、アムロ。やっと連邦議会の代議士として、ジオンの息子として人々を解放出来ると思っていた矢先に……!」

アムロ「落ち着けよ、シャア。……ここは人目に付く。移動しないか?」

シャア「良いさここで。しかし……、ハマーンに対して抱いていた愛情は、かつてララァ・スンに対して抱いていた母性に対する感情と同じ物ではないのかと、そうカミーユに指摘された気がしてな……」

アムロ「シャア……」

シャア「……しかし、男としてこのまま引き下がるわけにもいかん」


28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 18:19:04.22 ID:CziOQ/2v0

バーのマスター「先生、今日はよく呑むね。ハマーンさんと何かあったの?」

アムロ「マスター!」

シャア「いや、良いさ。マスターの奥様は……」

バーのマスター「別れたよ、DVでね。主に嫁からの」

シャア「……なんという。しかし、それはうちも同じようなものだ。そういえば、アムロは確かチェーンとかいう女性と同棲してなかったか」

アムロ「……別れたさ。あそこでの生活は地獄だったよ……」


数年前。
チェーンがアムロの部屋に入りながら、アムロの未洗い洗濯物を投げつけた。
チェーン「アムロ! 何度言ったらわかるの? あたし心配だわ! あたしが死んでもちゃんと生きていけるのかって」


29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 18:29:04.51 ID:CziOQ/2v0

アムロ「……チェーン、僕の洗濯物は自分で洗うよ」

チェーン「当たり前でしょ! 自分のことは自分でしなさいよ!」

アムロ(数時間前に出た洗濯物だってのに……。毎日同じ現象が起きるようになっちまった)



シャア「毎日だと?」

アムロ「そうさ。それも、料理も大して美味くないどころか、紹興酒を大量に使うんだぜ……」

シャア「それは厳しいな……」

バーのマスター「最近来るお客さんで奥さん持ちの人はみんな似たようなもんだよ」


31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 18:35:12.03 ID:CziOQ/2v0

シャア「そうなのか?」

バーのマスター「女性が強いのは昔からだがね、最近はやれ女性解放だのやれ女性参賀だのと……、まぁ悪いこっちゃ無いんだろうけどね」

アムロ「基本的には良い行為さ。だが、最近は女性も強くなりすぎてる気はするな」

シャア「地球に居続ける人々は、支配欲を満たしたいだけではなくて、女性のエゴも多いに関係していると言う事か!?」

アムロ「それも一因かも知れない。誰かが調査したわけではないけどね」

シャアが急に席を立って、周囲の人々から注目を浴びる。


32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2010/07/08(木) 18:49:45.85 ID:CziOQ/2v0

シャア「我々の夫婦というものは、計算で動く男性と感情で動く女性を繋ぎ合わせて作られた、極めて不安定な営みである。
それも、過去の男尊女卑から生まれた抑圧のために、一層不安定になっているのである。
しかも、地球連邦政府が夫婦に対して作った枠組みは結婚という関係のみで、
彼らは地球に引きこもり、我々に男性の尊厳を持たせるような事はしなかったのである」

アムロ「シャア、何を……!?」

シャア「私の父ジオン・ダイクンが宇宙移民者、すなわちスペースノイドの自治権を地球に要求したとき、父ジオンはザビ家に暗殺された。
そしてそのザビ家一党は、ジオン公国を語り、地球に独立戦争を仕掛けたのである。
その結果は諸君らが知っているとおり、ザビ家の敗北に終わった。それは良い!
しかしその結果、地球連邦政府は増長し、男性たちは家庭内部で媚び、ティターンズのような半連邦政府運動を生み、ハマーンのような女性の跳梁ともなった!」


33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 18:52:10.67 ID:CziOQ/2v0

アムロ「止めろ! もう良いんだ!」

シャア「これがカカァ天下を生んだ歴史である。ここにいたって私は今後、絶対に夫婦間の戦争を繰り返さないようにすべきだと確信したのである!
諸兄、自らの道を開くため、男性のための政治を手に入れるために、あと一息、諸兄らの力を私に貸していただきたい。
私はここにネオ・ジオンの再建を宣言し、地球圏の戦争の源であるかも知れない地球に縛られ続ける男性を解放する!」

アムロ「何もできないでっ、ああっ!」

シャア「そして私は、父ジオンの許に召されるであろう!」

アムロ「えらいことになった……」


34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 19:00:32.15 ID:CziOQ/2v0

巻き起こる拍手と歓声。

シャア「そうか、これが私の求めていた物だったのか……」

アムロ「シャア、今ならまだ戻れる!」

シャア「私の袖などつかんで何をする気だ、アムロ! 私は男色家ではない!」

一同「ジーク・ジオン!」
一同「シャアは家庭から男性を解放してくれるんだ!」

アムロ「ああっ! みんな止めろ、もう良いんだ! 良い心療内科紹介してやるから!」

一同「ジーク・ジオン!!」


36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 19:06:55.85 ID:CziOQ/2v0

一方その頃のハマーン宅。

ハマーン「カミーユ、私の持つ料理の世界、それを理解してくれるのは貴様だけだよ」

カミーユ「はい、以前同棲していた彼女の料理が口に合わなかったのもあるものですから……」

ハマーン「ほう……近頃の若い連中は行動が早いな。どんな女性だ?」

カミーユ「ファって子なんですが、あの子の作る料理は食えたもんじゃありませんよ。あんな……醤油くさい料理!」

ハマーン「ふふふ、貴様も苦労性のようだな。どうだ、一つ手を組まんか?」

カミーユ「付き合う、では無くて手を組む?」

ハマーン「そうさ。付き合うだけでは些か物足りん。シャアのように女性を使い捨てようなどと考える輩を、いっそこの手で始末してやりたい」


39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 19:12:36.56 ID:CziOQ/2v0

カミーユ「始末、しちゃうんですか?」

ハマーン「不満か? 私のように捨てられて行く宛の無い女など、そこら中に溢れておろう」

カミーユ「それは、そうですが……」

ハマーン「それとも、私のことが嫌いか……?」

カミーユ「そんな! そんなことは……無い……ですけど……」

ハマーン「では決まりだな、私のカミーユ、カミーユ・ビダン」

カミーユ「は、はいっ!」

カミーユ(えらいことになった……)


38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 19:11:47.95 ID:TmDXNFLrO

どうでもいいけどシャアとハマーンが夫婦の設定なら
ハマーン宅じゃなくてシャア宅じゃないか?


40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 19:12:45.42 ID:c7obU6N8P

>>38
シャアにそんな甲斐性があると思うか


42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 19:15:17.82 ID:CziOQ/2v0

>>38
指摘thx。そこだけ補足しとくと、婚約中でハマーンの家に身を寄せている(半ヒモ)状態、という設定で書いてて忘れてた。

ちょっと食事で席はずします。戻ってきたときにまだあったら続き書きますね。


43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 19:16:47.49 ID:HqnvVUAdO

ハマーン様が素晴らしければなんでもいい


48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 19:53:34.78 ID:CziOQ/2v0

戻りました、支援ありがとうございます。




三十分後、アムロとカミーユは同じことを思い出していた。
アムロ「あの時カミーユと一緒に買い物に行かなければ、ヤツと会わずに済んだものを……」

カミーユ「代議士に道端で出会って話したから、話しちゃったから……」


49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 19:57:08.86 ID:CziOQ/2v0

そんな感想を抱いた二日前。
シャア「こんなところで会うとは、珍しい組み合わせだな」

アムロ「シャア、代議士は忙しいんじゃないのか?」

カミーユ「大尉こそどうしたんです?」

シャア「新居を見に行ってきただけだ。……そうだ、転居ついでにパーティーというのはどうだ?」

二人「パーティー?」

シャア「携帯に後でメール入れるが、二人とも明後日あたり押さえておいてくれ」

アムロ「料理はどうするんだ? ハマーンお手製のか?」

シャア「そうだ、洒落ているだろう。新妻自慢も兼ねてな」


51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 20:00:13.17 ID:CziOQ/2v0

アムロ「貴様はもうハマーンの手料理は食ったのか?」

シャア「いや、まだだ。入籍前だが発表はしたんだ、もう同居しても良いだろう」

アムロとカミーユが顔を見合わせる。

アムロ「大丈夫……なのか……?」

シャア「ネオ・ジオンの宰相だった女だ。どうということはないさ」


二人ともあの時に辞退していればよかったものを、と考えるがもう遅い。


52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 20:14:07.91 ID:CziOQ/2v0

次の日の朝、ネットの掲示板を見ていたアムロは愕然とする。

アムロ「これは……!」

シャアを支援する書き込みや、結束を促す書き込みで溢れるネット。
同好会員募集の書き込みにカモフラージュされているが、それだけで済みそうもない。
シャアの携帯に電話する。

アムロ「なぜ早く出ない……」

シャア「……どうしたアムロ、朝から電話とはグリプス以来じゃないのか? ……私は忙しい、切るぞ」

アムロ「ただの二日酔いで何を! ……貴様の勢いに乗った世直しを阻止できなかったとは……!」

シャア「朝から何の話だアムロ、頭痛が酷い、切るぞ」

アムロ「エゴだよそれは! ネットの書き込みも見ちゃいないのか!」


53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 20:27:27.57 ID:CziOQ/2v0

シャアはアムロからの通話を切り、公設秘書のギュネイにつなぐ。

シャア「ギュネイ、ネットで私についての書き込みにどんなものがあるか調べて貰いたい」

ギュネイ「大佐、女性からの自治独立をするからネオ・ジオンを立ち上げると仰ったんですか!?」

シャア「……憶えていないな。音声は無いか?」

ギュネイ「今メールでお送りします!」

演説の一切合財がメールで届き、顔から血の気が引く。

シャア「何……! 地球に縛られ続ける男性を解放する?」

シャア「……しかし、愚民どもを扇動するにしてもこの言い方はナンセンスだ。酔っていたとは言え、私も修正だな」


54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 20:39:01.11 ID:CziOQ/2v0

自分でもネットの書き込みを見、事務所のポストに入っている封筒の束を開封するにつけ、納得する。

シャア「私の考えは誤ってはいなかった。……まだ組織は出来上がっちゃあいない、しっかりと根付かせなければならんな」

ギュネイにつなぎを頼み、ネットの書き込みを削除するよう、フェミニストを装って管理人にメール送付を行う。

シャア「こんなものか……!」

シャア「ふふふ……はははははは……!」



同じ頃のハマーン宅、寝室のベッドにて。
カミーユ「なんだよこれ、既婚者女性のための掲示板……、内容が……」

ハマーン「うぅむ……」


58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 21:00:17.51 ID:CziOQ/2v0

掲示板に書き込まれていた内容は、シャアの演説を女性向きにしてさらにえげつなくしたようなものだ。

カミーユ「『連邦政府は男尊女卑を肯定し、組織としての対処をしなかったばかりか男性を増長させ』……」

ハマーン「『女性を食い物にするティターンズやシロッコの温床ともなった。女性による、女性のための国家をネオ・ジオンに求めよう』」

カミーユ「ハマーンさん!?」

ハマーン「様だ、カミーユ・ビダン。気安いな」

カミーユ「すみません、ハマーン様! しかし、これはいったい……」

ハマーン「昨日お前が寝た後ミライ・ノアにメールをしておいた。健気なヤツだ、もうこれほどまでに根を広げたか」

カミーユ「でも、ネットに書いてあることなんて……」

ハマーン「そうだ、カミーユ・ビダン。これを人心に植えつけられればやがて芽吹き、国家さえも揺るがすよ」

カミーユ「それじゃあ第二次ネオ・ジオン抗争が……!」


59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 21:04:46.99 ID:NaEzrtiIO

これはひどい戦争


60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 21:18:22.30 ID:CziOQ/2v0

ハマーン「第二次ネオ・ジオン抗争さえ起きれば、女性を家畜にする連中を一掃できる」

カミーユ「人を……家畜にする……?」

ハマーン「そうだカミーユ・ビダン。女性を家畜にしようとするから、女性は反発する。結果として女性は男性を支配しようとする」

カミーユ「男性が……家畜にしようとするから、……反発する」

ハマーン「そうだ。私はこれからミネバ様の許へ赴く。カミーユ、お前も共をするがいい」

カミーユ「はい、ハマーン様」



三ヵ月後、シャア・アズナブルによるネオ・ジオンの立ち上げが正式に発表される。
それにあわせ、ミネバ擁するハマーンが、シャアのネオ・ジオンに対して宣戦布告が行われる。
不戦の立場を表明した連邦政府であるが、シャアに裏から支援をしていることが明白であり、事実上の連邦対ネオ・ジオン戦争となったのである。


61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 21:20:16.10 ID:c7obU6N8P

夫婦喧嘩が世界大戦になる器のデカさがやばい


66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 22:24:09.17 ID:CziOQ/2v0

風呂入って戻ってきたら、保守していただけてるようなので結末まで軽めに再開します。



ハマーン「シャア、既婚男性を欺いて女性を路頭に迷わせるな!」

シャア「ならば、今すぐ女性すべてに亭主関白を認める念書を書かせろ!」

カミーユ「アムロさんも、何だってそんなことの手伝いをしてんです!? 女性を家畜にするような連中の言うことを、真に受けて!」

アムロ「喋るな、カミーユ! 女性に虐げられたことの無い男に何が!」

壮絶な罵りあいが上層部で続けられている間も戦闘は続く。しかし、上層部と違い末端兵士の間では厭戦感情が支配し始めていた。

ハマーン付兵士「男は死んでも、女には逆らえんのだよ!」

シャア付兵士「そんな……、うちだってそうだけど、立ち上がらなければ変わらん!」


68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 22:35:46.51 ID:CziOQ/2v0

互いが互いに同情しあう戦場。しかし、シャアは第一次グリプス戦役で放棄されていたグリプスを手に入れ、地球に隕石落としを敢行する。

シャア「行けアクシズ! 忌まわしき記憶とともに!」

カミーユ「そんな、アクシズが! どうしてアクシズを地球に落とすんです!?」

シャア「人類すべてをニュータイプに覚醒させるためだ!」

ハマーン「ニュータイプにして、それでどうなる!
 男女がともにニュータイプになってしまえば、男は浮気をすることすら出来んようになるよ!」

シャア「ニュータイプへと覚醒した人類なら、浮気をする必要すらなくなり、戦争も終わるさ!」

ハマーン「私は貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類を安易に信頼することもしてはいない!」

カミーユ「そうです! そんなことで……、船頭が一人になるわけじゃないんだ! 思い込みで人を殺すのは、人間が一番しちゃいけないことなんだ!」


69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 22:46:18.53 ID:CziOQ/2v0

アムロ「ハマーン・カーン! 貴様がしようとしているのは、男を飼いならす大義名分を得ることじゃないのか!」

ハマーン「…………!」

カミーユ「ハマーン様! 何を迷うことがあるんですか!」

アムロ「カミーユ! それのどこが、飼いならされていない男なんだ!」

カミーユ「思うのは勝手です、アムロさん! でも、僕が信じているのはハマーンという女性なんです!」

アムロ「カミーユ……!」

シャア「私の居ないところで喋るな! いずれにせよ、もう遅い!」

ハマーンが振り返ると、キュベレイのシート越しにアクシズが見える。減速がかなり掛かっている。

ハマーン「おのれ、シャア! ……ミライ、お前に任せるよ」


71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 22:55:53.87 ID:CziOQ/2v0

ミライは夫のブライトに頷き一つで指示とする。

ブライト「かかるぞ! 接舷用意!」

アクシズの核パルスエンジンから発せられる光と電磁パルス、そしてミノフスキー粒子による電波かく乱を利用し、
バリュートを展開したアーガマが接近していたのだ。

シャア「ええい、ここまで接近されるまで気づかんとは! ギュネイ!」

ギュネイをアーガマに差し向ける。

シャア「間に合え……!」

ブライト「対空砲火! 撃ち落せ!」


75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 23:10:36.13 ID:CziOQ/2v0

ギュネイ「ファンネル、バリュートを狙え!」

地球とアクシズの間に挟まれる形で飛行しているアーガマは、アクシズのドッグに接舷しない限りバリュートが必要なのだ。

ブライト「ダミー放出! 左舷迎撃急げ!」

チェーン「こっち!」

ブライト「バリュート放棄、急速上昇して目標に接近をかけろ!」

ギュネイ「バリュートを自ら放棄しただって? うわっ」

アーガマに接近し過ぎたギュネイの機体が地球の大気に触れて急減速し、引力に引かれて急速に落ちてゆく。
燃えて、流れ星となって消えていった。

ブライト「接舷後、白兵戦でアクシズに爆薬を仕掛ける!」


76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 23:19:36.51 ID:CziOQ/2v0

ブライト「ハッチ開放!」

小型のモビルスーツが十機ばかり展開し、爆薬を設置してゆく。
十分とかからず爆薬を設置し、アーガマに帰投した。
アーガマが離れてゆく。

ブライト(これで、ミライに怒られずに済むな)

しかし、ブライト艦長の思いもむなしく、爆薬が爆発しても、アクシズが爆散するまでに至らない。

シャア「ふふふ、はははははは! 私の勝ちだな!」

カミーユ「何!?」

シャア「今計算してみたが、アクシズの後部は地球の引力に引かれて落ちる。ブライトのがんばりすぎだ!」

ブライト(!!!!!!)


77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 23:25:16.06 ID:c7obU6N8P

ブライトやべぇwwwwミライに殺されるwwww


78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 23:36:04.42 ID:CziOQ/2v0

カミーユ「目の前の現実しか見えない男が!」

カミーユがシャアのサザビーに肉薄する。
ロングビームサーベルとビーム・トマホークが交錯した。

シャア「賢しいだけの子どもが何を!」

戦いつつ、二機はアクシズに接近してゆく。

カミーユ「賢しくて何が悪い! 目先の現実しか見えないから、見えていないから、将来の希望が見えないんだ!」

シャア「沈め、カミーユ!」

サザビーのファンネルがZを狙う。しかし、Zは赤い色を放ってファンネルの攻撃をすべて弾いた。


79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 23:43:15.02 ID:CziOQ/2v0

カミーユ「俺の体を、みんなに貸すぞ!」

シャア「何! Zに私の知らない新兵器が!?」

カミーユ「ここからいなくなれ――――――――!!」

シャア「モニターが消える!? 何!」

カミーユ「ハマーン様、ばんざぁぁぁぁぁぁい!」

Zガンダム、サザビーをアクシズの後部ごと貫通して叩き割る。

アムロ「この感覚……、サイコフレームの共振!?」

ハマーン「カミーユの力を吸って、シャアの機体が振動しているのか!」

アクシズの破片とともに、光の粒子が宙を舞った。


80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/08(木) 23:52:24.26 ID:CziOQ/2v0

ハマーン兵「……久しぶりに、実家に帰ってみるか」

シャア兵「嫁は、分かってくれてそうだな」

ハマーン「兵士たちが、ニュータイプへと覚醒してゆく!?」

アムロ「サイコフレームの光に、こんな力があるなんて……!」

ハマーン「停戦の発光信号を出せ、残存する機体で希望するものは回収しろ」

アムロ「人が人に……、幸せを与えられる存在になれるのか!?」

ハマーン「過度の期待はせぬことだ、アムロ・レイ」

アムロ「ハマーン!」

ハマーン「ニュータイプさえも戦争の道具とする世界だ、過剰な期待は第二のシャアを産むことになるぞ」

アムロ「シャア……」


81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/09(金) 00:01:07.42 ID:RXe0eqqK0

ハマーン「どうだアムロ・レイ、私とともに地球の将来のことを考えてみないか?」

アムロ「ハマーン、僕をシャアやカミーユの代わりになるなどと……!」

ハマーン「自信過剰だな。そのニュータイプの素質、私とともに生かさぬかと言っておるのだ」

アムロ「……考えさせてもらうよ。ともかく、そっちのグワダンに収容してもらって良いかい?」

ハマーン「良いだろう」


地球に土星のような優しい光の輪が出来て終わった、と各メディアで第二次ネオ・ジオン抗争の結末は語られた。
ニュータイプに革新すれば、人類はすべての人と平和的に暮らせるのか。それは今後の検証次第となる。


fin.


82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/09(金) 00:04:22.75 ID:RXe0eqqK0

1~2名様ご支援いただけたようでありがとうございました。
以上で用意していた(というか半分から後半アドリブでしたが)シナリオ終わりです。


83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/09(金) 00:05:08.17 ID:oUpGapXY0

おつ!


84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/09(金) 00:05:27.01 ID:oFIvV81H0

ギュネイ・・・


85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/09(金) 00:07:54.73 ID:39E3XT52P




86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/09(金) 00:11:32.21 ID:CyeX8QrV0

この手のSSはZまでのキャラしか出てこないな


87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2010/07/09(金) 00:13:17.15 ID:RXe0eqqK0

>>86
ZZ抜いた逆襲のシャア含めた三作じゃないと、色々面倒だからねー
00系とUC系が一緒になったらカオスだろw



元スレ:http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1278577758/
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