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6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 17:14:00.93 ID:K/S/Fyi30

俺「新庄と清原が一緒に解説したらしい」

妹「色々とハジけてたね」

俺「あれくらいせんと視聴率稼げないんだろうな」

妹「野球は野球場でやるものなのにね」

俺「そうだな」

9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 17:22:19.93 ID:K/S/Fyi30

俺「盗塁ってかっこいいよな」

妹「そうだね」

俺「あの投手との駆け引きがなんともいえないんだよなぁ」

妹「それもそうだけど、レフト前ヒットで一塁ランナーが三塁まで進む走塁が好きだな」

俺「あー」

11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2009/11/06(金) 17:26:59.13 ID:+avEYzGx0

この前もこんな感じのスレ立ってたな・・・

13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 17:28:47.62 ID:K/S/Fyi30

>>11
同じ人ですよ
一応、続編ってな感じです

12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 17:27:13.82 ID:K/S/Fyi30

俺「このプロ野球チップスカード、いつのだろうな?」

妹「2000年くらいじゃない?」

俺「なんでわかるのさ?」

妹「ソックスの履き方で」

俺「時代を感じるよなぁ」

14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 17:35:25.51 ID:K/S/Fyi30

姉「ねぇ」

俺「ん?」

姉「ギダって何?」

俺「ギダ? あぁ、犠打ね。犠牲バントの事だよ」

姉「へぇ」

16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 17:37:57.16 ID:K/S/Fyi30

俺「ドラッグバント、セーフティーバント、プッシュバント。一口にバントと言っても色々なやり方があるんだよ」

姉「へー、じゃあこのパソコンは?」

俺「ブロードバンド」

姉「……」ニヤニヤ

俺「言わせといてそのドヤ顔やめてくれ……」

17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2009/11/06(金) 17:38:02.96 ID:ncl9+/rNO

やっぱり、野球的な何か、の人か。
前の大好きだった。頑張って。

20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 17:42:26.33 ID:K/S/Fyi30

俺「今年もドラフト終わったなー」

姉「ドラフトってアレでしょ? 車の」

俺「そりゃドリフト」

姉「8時だよ」

俺「そりゃドリフ」

姉「世界三台珍味」

俺「ひょっとしてワザとやってねぇか?」

23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 17:48:19.58 ID:K/S/Fyi30

姉「あたし野球なんかわかんないもん」

俺「そうかい」

姉「盗んだり刺したり殺したりするスポーツって事くらいしか知らないわ」

俺「それ何のネタだっけ」

姉「あん?」

26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:02:29.48 ID:K/S/Fyi30

俺「引退したらムービースターになるって言った選手が居るらしい」

妹「ムービースターというよりエンターテイナーね」

俺「でもカッコイイんだよなぁ」

妹「だね」

俺「だなぁ」

27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:08:57.59 ID:K/S/Fyi30

ブン

ブン

妹「はぁ、はぁ」

ブン

ブン

俺「素振りですか」

妹「高校になって対戦投手のレベルが急に上がった気がするの」

俺「中には卒業したらプロに入るやつも居るしな」

妹「あたし、負けたくないの」

ブン

ブン

28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:14:54.73 ID:K/S/Fyi30

俺「左打席の時な、右肩の開きが早いからなるべく最後まで肩は閉じてろ」

妹「うん」

俺「あと、右打席の時は右肘の使い方を意識した方がいい、その方がヘッドが早く出るからな」

妹「うん、こんな感じ?」

俺「もっとこう。肘をこうやって押し出すカンジでな」



姉「いつも言おうと思ってたけど、くっつきすぎでしょアンタ達。スキンシップにも程ってもんが」

妹「そう?」

姉「そうよ、あんたも一応女の子なんだからね」

29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:18:34.62 ID:K/S/Fyi30

俺「ん? ひょっとして背伸びた?」

妹「えへへ、気づいた?」

俺「う~む……」

妹「?」

俺「ここは成長ナシ、か」

妹「お兄ちゃん!」

30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:24:21.05 ID:K/S/Fyi30

姉「で、どうなのよ。社会人になった感想は」

俺「ん~……、意外とこんなものなのかなって」

姉「あん?」

俺「得意先行って頭下げて、会社帰って頭下げて、熱くなる事もなく一日が終わって、気がついたらヘトヘトだよ」

姉「それがサラリーマンって生き物よ」

俺「さいでっか」

31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:26:05.04 ID:K/S/Fyi30

俺「なんか、こう。もっと熱くなれるものがあればとは思うけど」

姉「そんなアンタに社会人の先輩から一つ素敵なアドバイスをしてあげるわ」

俺「なんだよ」

姉「仕事してる時はあくまで違う自分で居なさい、その方が楽だから」

俺「そんなものかねぇ……」

姉「皆そうやって生きてるのよ」

俺「生き難い世の中だこって」

33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:30:01.09 ID:K/S/Fyi30

姉「あたしだって好き好んで銀行員なんかやってないわよ。出勤すりゃお局様からは小言攻撃、残業だって多いし、しんどい事の方が多いわよ。でも生きていくためにはしょうがないのよ」

俺「しょうがない、ね」

姉「毎日毎日電卓叩いてお札数えて、たまーに’あたしはそんな事の為に生まれてきたんじゃない!’って思うけどね。でもどこかで妥協しなきゃ仕事なんかやってらんないわよ」

俺「妥協、ね」

姉「まー、あんたにもそのうちわかるわよ」

俺「さよか」

34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:33:07.16 ID:K/S/Fyi30

>>32
姉(社会人)と妹(JK)が居ます。
わかりにくくてスマソ
──────────


妹「あ、お兄ちゃん。おはよー」

俺「はよー」

妹「あのね、今日って早く帰ってくる?」

俺「たぶんな、今日は定時で帰れるはず」

妹「じゃあ……またスイング見てくれない? 試合も近いしさ」

俺「おう、いいぞ」

妹「やったあ! じゃあ待ってるね!」

俺「おう。それじゃあイッテキマス」

妹「いってらっしゃ~い!」

35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:35:54.08 ID:K/S/Fyi30

俺「ちわっす」

先輩「おー、どうよ俺くん。営業の仕事はもう慣れた?」

俺「いや、まだまだですよ」

先輩「ははは。うちの会社これでもマシな方なのに辞めていく人が多くて困ってたんだよねぇ。俺くんが来てくれて助かったよ。まったく最近の若いヤツは根性が足りないというか──」

俺「はぁ……」

36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2009/11/06(金) 18:38:03.33 ID:ncl9+/rNO

主人公が就職して、妹が高校生になっとる……。

37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:38:09.21 ID:K/S/Fyi30

俺「後は日報書いて終わり、と」

先輩「俺くん今日もう終わり?」

俺「そうっす」

先輩「いいねぇいいねぇ。じゃあこの後ちょっと一杯やってく?」

俺「今日はちょっと……」

先輩「ん? なんかあるの?」

俺「あ、いや。ご一緒します」

先輩「ははは、だよねぇ。ここじゃ先輩のお誘いは断らないのが長くやってくコツだからね? 覚えておくといいよ?」


38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:41:48.27 ID:K/S/Fyi30

先輩「おねーさん、生ビール二つね」

店員「ありやとやしたー」

先輩「はい、カンパーイ。おつかれさまー」

俺「お疲れ様です」

先輩「ぷはー! ったくさー、毎日毎日やってらんないよなぁ。あ、そういえば今日の部長なんか機嫌悪かったでしょ? あれって昨日奥さんにキャバクラ通いバレたらしいよ、あとね係長が──」

俺「はぁ……、そうなんですか」



俺「(6時、か)」

40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:43:57.00 ID:K/S/Fyi30

先輩「そういえば俺くんって昔野球やってたんでしょ?」

俺「まぁ、一応」

先輩「やっぱり~? なんかそんな気してたんだよね。モサいっていうか、いかにも野球部ってカンジじゃん?」

俺「そっすか」

先輩「ははは。あ、別に悪口とかじゃないから落ち込まないでね? 野球は昔から興味ないんだよねぇ、野球なんかオッサンがスポーツ新聞で読むもんでしょ?」

俺「まぁ、そっすね」

先輩「それにさー、見たいドラマが始まるのが遅くなるのが許せないっていうか、まぁそんあカンジなんだよねー」

俺「そうですか」

42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:51:02.92 ID:K/S/Fyi30

先輩「くそー、しゃかいがぜんぶわるいんだー」

俺「ちょっと先輩大丈夫っすか? 飲みすぎですよ」

先輩「らいじょーぶ、らいじょーぶらって」

俺「タクシー拾いますから、ちょっと座っててください」

先輩「ひゃーい」


俺「もう11時か……」

43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:52:27.82 ID:K/S/Fyi30

俺「ただいま~」

母「おかえりなさい、随分遅かったのね」

俺「妹は?」

母「もう寝ちゃったよ、明日も早いんだってさ」

俺「そっか……」

母「何か食べる?」

俺「いや、食べてきたから今日はもう寝るよ」

母「そう」

44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 18:54:19.67 ID:K/S/Fyi30

俺「はぁ」

俺「寝て起きたら明日も会社か」

俺「社会人は大変だなぁ」

俺「妥協……、ね」

俺「はぁ、寝よ」

俺「おやすみ……」

47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2009/11/06(金) 18:57:20.91 ID:TPIWvgTRO

うおおお!続編キター

48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 19:05:54.18 ID:K/S/Fyi30

俺「そういえば、そろそろ夏の地方予選か」

妹「うん」

俺「高校の公式戦じゃ、お前はベンチ入りできないんだよな」

妹「……うん」

俺「応援行くよ、今度の日曜だっけ?」

妹「○×野球場」

俺「わかったよ」

49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 19:12:07.57 ID:K/S/Fyi30

俺「そうか、もうそんな季節か……」

父「そうだなぁ、今年も甲子園の季節がやってくるな」

俺「とーさん。居たのか」

父「ふははははは、とーさんは時と場所を選ばずに参上する正義の味方なのだ!」

俺「正義の味方て」

父「はっはっは。まぁ、それは置いといて、だ」

俺「あん?」

父「仕事も良いがたまには生き抜きも必要だぞ? 最近お前の帰りが遅いもんでな、妹がすこぶる不機嫌でとーさんは正直いってツラい!」

51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 19:16:39.70 ID:K/S/Fyi30

俺「なぁ、とーさん」

父「うむ。何だね明智少年、ついに白状する気になったか? カツ丼食べるか?」

俺「いらん」

父「いらんって、とーさんハッキリ言われると傷ついちゃうぞ、ぷんぷん」

俺「可愛くないからそれ」

父「そうか」

俺「そうだよ」

53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 19:23:58.94 ID:K/S/Fyi30

>>50
ちょと重い展開つづくが我慢してけろ
──────────────────


俺「社会人って結構シンドいんだな」

父「ん」

俺「まだ野球の練習のシンドさの方がいくらかマシだったよ」

父「そうか」

俺「とーさんって、結構スゴイ大人なんだなって思った。ちゃんと家族養ってさ、毎日愚痴も言わずに働いてさ」

父「はっはっは。何だ何だ、褒めても何も出ないぞ?」

54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 19:33:00.32 ID:K/S/Fyi30

俺「けっこう俺もツラいんだわ。色々と」

父「だろうな、痩せたもんなお前」

俺「妹からスリムになったって言われたよ」

父「はっはっは、そうかそうか」

56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 19:36:00.99 ID:K/S/Fyi30

父「前にお前を月見草に例えた事があったな」

俺「そうだな」

父「知ってるか? 月見草ってのはな、冬は雪の下でじっと絶えて、夏の日照りの中でも枯れないんだぞ?」

俺「……?」

父「しぶとさがお前のウリだろう? 追い込まれてもファールで粘って粘って良いボールをはじき返すんだ」

57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 19:40:54.89 ID:K/S/Fyi30

父「あの夏のお前はどこに行った? 怪我して全部忘れてしまったか?」

俺「そっか、……月見草か」

父「ん」

俺「なんか元気でたよ。ありがと、とーさん」

父「そうか、元気でたか」

俺「うん、ありがとう」

父「なに、気にするな。それにこんな時くらい父親らしくありたいからな、はっはっは」

俺「一言余計だよ」

父「気にするな明智少年、はっはっは」

58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 19:49:47.62 ID:K/S/Fyi30

俺「今年で引退する監督居るらしい」

妹「最後は敵味方関係なく胴上げされてたね」

俺「それが野球の良さだよ」

妹「ちょっとウルウルしちゃった」

俺「ドラマだよなぁ」

妹「だねぇ」

59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 19:55:49.68 ID:K/S/Fyi30

TV『今シーズン7勝に終わった○○選手はアメリカで~~』


俺「お~、この選手もついにメス入れるのか」

姉「何を入れるって?」

俺「メスだよ」

姉「この人オスでしょ?」

俺「ヒジにはメスを入れるんだよ」

姉「それって、つまりふたn」

俺「まてまてまて、何をどう聞いたらそうなるんだ」

60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 19:58:42.49 ID:K/S/Fyi30

姉「改めて野球について勉強してみようと思うの」

俺「急に何だよ」

姉「というワケで教えなさいよ」

俺「まぁ、いいけど」

姉「今度のデートが野球観戦なのよ」

俺「あ、そ」

61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 20:00:51.56 ID:K/S/Fyi30

姉「なるほど、その’せりーぐ’と’ぱりーぐ’っていうのに分かれてるのね」

俺「そうそう」

姉「ふーん、サッカーと一緒なのね」

俺「あん?」

姉「どっちがJ2なの?」

俺「あん?」

63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 20:09:32.56 ID:K/S/Fyi30

俺「というわけで、妹の試合を見に来ました」

妹「あ、お兄ちゃん。来てくれたんだ!」

俺「おう、試合13時からだろ?」

妹「うん」

俺「先にスタンド行ってるからな、しっかり応援しような」

妹「……うん」

俺「なんだなんだ、元気ないな」

妹「やっぱり、試合に出れないのは、ちょっと悔しいっていうか……」

俺「うむ、その分だけ試合に出てる選手を応援しようじゃないか。な?」

妹「うん」

66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 20:38:12.68 ID:K/S/Fyi30

ワーワー

俺「う~ん、高校野球って感じの雰囲気だなぁ。懐かしい」

俺「ついこの間まで俺もそっち側に居たんだよなぁ」

俺「野球、か……うん。いいもんだよな」

俺「にしても、随分部員が少ないんだなぁ」

おじさん「あんたも△△高校の応援かな?」

俺「あ、そうです」

おじさん「そうかいそうかい、最近まで△△高校も強かったんだがここ三・四年でサッパリ弱くなっちまってね」

俺「そうなんですか?」

おじさん「なんでも廃部が検討されてるとかって聞くね、まぁそんな事にはならないとは思うんだけどね?」

俺「廃部って……」

おじさん「あ、ごめんね変な事言って。これあくまで噂だからさ」

67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 20:46:58.04 ID:K/S/Fyi30

審判「プレイボール!」


俺「お、始まりましたね」

おじさん「そうだねぇ」

妹「がんばれ~!」

68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 20:50:06.52 ID:K/S/Fyi30

審判「フォアボール!」


俺「また四球か。ちょっと球数も多いし流れが悪いなぁ」

おじさん「さっきの外野のエラーから調子崩したみたいだね、あの投手」

俺「エラーは良いんだけど、その後ですよ。さっき誰もカバーに行ってなかったでしょ?」

おじさん「ほう?」

俺「例えばピッチャーが一塁牽制した時はセカンドとライトがダッシュでカバーに入るとか、ショートゴロだったらキャッチャーはファーストのバックアップに入るとか、そんな基本的な事ができてない気がしますね」

おじさん「う~ん、よく見てるね」

俺「あ、すみません。クセみたいなもんで」

おじさん「良い目だ」

70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 20:58:42.89 ID:K/S/Fyi30

カキーン


おじさん「おぉ、よく打ったね今のボール」

俺「そうですね、ちょっと泳がされましたけど。気持ちでもっていったって感じのヒットでしたね」

おじさん「さあ、反撃開始だよ」

俺「この試合初めて出したランナーですからね、ノーアウトだし攻めていきたいですね」

おじさん「君だったら、次の打者にどんなサインを送るんだろうね?」

俺「ヒッティングですね」

おじさん「ほう? 定石のバントではなくて?」

俺「まだ回が若いですからね、ノせてあげると高校生くらいだと試合中に爆発する事もあるんですよ」

おじさん「爆発、ね」

俺「毎年甲子園に出るようなチームには一人くらい居るでしょ? 地方大会の打率が五割とか六割とか残す選手が、そういう事ですよ」

71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:06:28.77 ID:K/S/Fyi30

コツン


おじさん「バントだったね」

俺「ま、ここは手堅くという事でしょうね」

おじさん「一死献上で得点圏、それも良い作戦と思うけどね?」

俺「投手ってのは、アウトを取ってる限り気持ちよく投げられるんですよ」

おじさん「ほう?」

俺「バントってのは投げる側からすると楽なんです、アウト一つもらえるわけですからね」


72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:08:59.95 ID:K/S/Fyi30

おじさん「ふむふむ」

俺「打たれるって事ほど投手にとって気持ち悪い事はない、ましてや今日初めて打たれた安打だ。ここでバントはむしろ相手に立ち直る機会を与えているようなものです、多少無理してもヒッティングですよここは」

おじさん「う~ん、そうかなあ」


審判「ットラックアウト! チェンジ!」


おじさん「あらま、この回も0点か」

俺「ま、ここで話してても野球をやるのは選手なんですけどね」

73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:13:15.32 ID:K/S/Fyi30

審判「ゲームセット!」


俺「負けちゃいましたね」

おじさん「今年も初戦敗退かぁ、高校野球は厳しいなぁ」

俺「惜しかったですよ」

おじさん「実はね」

俺「?」

おじさん「この高校三年前から監督が不在なんだよ」

俺「はぁ」

おじさん「野球を教えられる人が居なくてね、今は新任の人が顧問をやってるらしいんだが」

俺「そうなんですか」

おじさん「……ま、次も応援に来てあげてね」

俺「はい、そうします」

おじさん「それじゃあ、また」

74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:17:39.26 ID:K/S/Fyi30

俺「よう、惜しかったな」

妹「……うん」

俺「その涙があれば立ち直れるさ」

妹「お兄ちゃん、あのね」

俺「うん?」


妹「あたし、何もできないのが……」

妹「やっぱり……、くやしいよ……」

75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:19:50.29 ID:K/S/Fyi30

妹「同じ野球部員なのに、ベンチにも入れなくて、スタンドから応援してるしかなくて」

妹「あたし、ずっと……ずっとこんな……」

俺「妹……」

76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:27:10.06 ID:K/S/Fyi30

俺「それでもその道を選んだのはお前だろう」

俺「そこでやれるだけの事をやるしかないよ」

俺「お前はお前だ」



俺「とか、言えるわけないしなぁ……あの時何て言葉をかけたらよかったんだよ」

78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:32:48.58 ID:K/S/Fyi30

ピ

TV『H●K杯フィギアスケート』

ピ

TV『一番面白くない芸能人はダレだ?!』

ピ

TV『この件に対し容疑者は「後悔はしていない、だが今は反省しいてる」と述べており~』

ブチン

妹「あー、今日移動日か」

79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:38:46.08 ID:K/S/Fyi30

妹「試合には出られないし、部員はやる気ないし」

妹「野球……楽しくないなぁ」

妹「あ、学校いかなきゃ」

妹「こんな時に期末テストとか嫌になっちゃうなぁ……」

妹「いってきまーす」

80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:42:51.17 ID:K/S/Fyi30

母「あら? 妹ったらお弁当忘れてるわ」

俺「あいつが忘れ物とか珍しいこともあるもんだな」

母「ちょっと届けてくれない? あなた今日お仕事お休みでしょ?」

俺「あぁ、いいよ」

母「それと」

俺「?」

母「これ、差し入れにスポーツドリンクとバナナとプロテインを人数分」

俺「って、こんなに持っていけるか!」

81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:48:10.00 ID:K/S/Fyi30

妹「おはよー」

クラスメイト「おはよー」

妹「テスト嫌だねー、勉強してきた?」

クラスメイト「ぜんっぜん」

妹「あはは、だと思った」


先生「い……妹ちゃん! 聞いて! 大変っ! 大変なの!」

妹「ちょ、ちょっと先生、どうしたの?!」

先生「教頭が、ハゲてて……! あ、そうじゃなくて……」

妹「先生落ち着いて。深呼吸、ハイ吸って~、吐いて~」

先生「ヒ・ヒ・フゥ~、ヒ・ヒ・フゥ~」

妹「それ何か違う気が……」

83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:51:05.73 ID:K/S/Fyi30

妹「それで先生、どうしたの?」

先生「朝の会議でね、教頭先生から言われたの。野球部は廃部だって」

妹「なあんだ、廃部かぁ~」


先生「うん」



妹「え?」




妹「廃部?!」

84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:55:05.91 ID:K/S/Fyi30

妹「ちょっと! 廃部ってどういう事ですか」

教頭「何だね君は」

妹「野球部の者なんですけど」

教頭「ふん、あぁあのクズの野球部か」

妹「なんですって?!」

先生「ちょ、ちょっと妹ちゃん落ち着いて……」

妹「先生はこんな事言われて悔しくないんですか!」

先生「それはそうだけど……」

教頭「まぁこれは決まった事だからな」

85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 21:59:13.48 ID:K/S/Fyi30

教頭「あのね、学校だって慈善事業やってるんじゃないんだよ? 専用野球場の維持だけでも年数百万円かかるんだからね? おまけに弱い。勝てば知名度もあがるが、こんなに弱いんじゃ話にならない」

妹「それは……」

教頭「この間の地方予選も一回戦で負けたって話じゃないか、しかも無名の公立高校に」

妹「う……」

86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:01:15.02 ID:K/S/Fyi30

教頭「うちみたいな私立が公立高校に負けるとはとんだ笑い話だよ、よくも学校の名前に泥を塗ってくれたよ」

先生「でも、子供達は悪くありません……」

教頭「先生は黙っていてください」

先生「はうぅ……」

88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:06:45.61 ID:K/S/Fyi30

妹「そんな……廃部だなんて……」

教頭「まぁ私も鬼ではありません、結果さえ出してくれれば良いのですよ」

先生「け、結果とは?」

教頭「今年中にそれらしい結果を残さない場合は、廃部という事です。大きい大会で上位に入るとかね、まぁ無理だと思いますが、ははは」

89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:09:52.22 ID:K/S/Fyi30

妹「三年生が抜けた今に通達するなんて……やり方が汚いですね」

先生「ごめんね、わたしの立場が弱くて……それに野球もよくわかんないのに野球部の顧問だなんて……ごめんね」

妹「謝らないでよ先生、大丈夫。勝てばいいんだよ」

先生「でも……だめだったら……」

妹「マイナス思考発言禁止!」

先生「はうぅ……」

90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:19:20.93 ID:K/S/Fyi30

先生「どうしようどうしよう、先生どうしたらいいの?」

妹「先生が落ち着かないでどうするんですか!」

先生「ごめんね……でも先生野球の事はよくわからないし……」

妹「でかい大会って言ったら一番近いのは秋季大会か……あと二ヶ月しかないじゃない」

先生「で、でも二ヶ月あれば」

妹「(二ヶ月で三年生の抜けたチームで勝ち上がる……?)」

妹「(厳しい……うちはタダでさえ選手層が薄いのに……)」

妹「(ああ……こんな時あたしが試合に出場できれば……!)」


俺「お、居た居た。おーい妹、弁当忘れてたぞー」

91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:23:52.64 ID:K/S/Fyi30

妹「お兄ちゃん?! どうして学校に?」

俺「あん? お前が弁当忘れてたからだよ」

妹「あ……、ありがと」

俺「こんにちは、顧問の先生ですよね? こいつの兄の俺です」

先生「こ、こんにちは」

俺「それからこれ、差し入れにスポーツドリンクとバナナとプロテインを人数分です。よかったらどうぞ」

先生「あ、ありがとうございます……?」

俺「?」

先生「ひ、ひょっとして、俺くん?」

俺「あん?」

93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:30:49.51 ID:K/S/Fyi30

先生「覚えてない? ほら、高校の時一緒のクラスだった……」

俺「ひょっとして、委員長?」

先生「わぁ、覚えててくれたんだ」

俺「お前、学校の先生してたのか。はっはっは、久しぶりだなぁ」

先生「うん、今年採用されたんだ」

俺「そうかそうか。じゃ、がんばれよ」

先生「も、もう帰っちゃうの?」

俺「弁当届けにきただけだし、用事はもう済んだよ。それよりお前ら時間は良いのか?」

キーンコーンカーンコーン

先生・妹「あ」

94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:36:51.93 ID:K/S/Fyi30

Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr


俺「ん、誰だろ?」

先輩『おい! お前今どこに居る?』

俺「△△高校ですけど」

先輩『△△高校? まぁいい、今すぐ会社こい』

俺「え? でも今日休みのはずじゃ」

先輩『取引先から仕様変更の通達が来たんだよ、対応に追われてるからお前手伝え』

俺「でもそれ先輩の仕事じゃ」

先輩『つべこべ言うな。この前の飲み、オゴっただろ?』

俺「はぁ……わかりました」



俺「この前のタクシー代俺出したのにな……」

95 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:37:27.93 ID:bCnW4lcpO

先生は男?女?

96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:38:13.69 ID:K/S/Fyi30

>>95


97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2009/11/06(金) 22:39:27.33 ID:7/kfrWLw0

部員がヤンキーだったらルーキーズ・・いや顧問が野球に詳しいから違うか

98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:42:34.12 ID:K/S/Fyi30

>>97
ヤンキー野球漫画っていえば「駆けろ!大空」が面白いよ

99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:49:55.82 ID:K/S/Fyi30

俺「ったく、自分の仕事くらい自分で捌けよな」

おじさん「おや? また会いましたね」

俺「この間のおじさんじゃないですか、こんにちは」

おじさん「ほっほ、いい日和だね。夏というのに蒸し暑くなく、日照りが心地良い」

俺「そうですね。お散歩ですか?」

おじさん「ん~、そうだね。家は近いよ」

俺「そうなんですか、この辺りはいいですね緑が多くて。おっと、俺仕事行かなきゃいけないんでした」

おじさん「急ぎかね?」

俺「けっこう急ぎみたいですね」

おじさん「ほっほ、そうかね。君とは一度じっくり話をしてみたいと思ってたんだよ。また会えるかな?」

俺「あ、じゃあこれ俺の携帯番号なんで、いつでも掛けてください」

おじさん「あいわかった」

俺「それじゃあ、そろそろ行きますね」

100 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:54:24.94 ID:K/S/Fyi30

先輩「お前来るの遅いよ!」

俺「すいませんっす」

先輩「これ百ページ今から目を通して資料作り直せ、明日までな」

俺「明日って、そんな急に」

先輩「あん? できなきゃ俺かお前がクビなんだよ、わかるか? わかるよな」

俺「元々俺の仕事じゃないんですが……」

先輩「何か言ったか? 俺はちょっと休憩するけどお前ちゃんと進めとけよ」

俺「はぁ……」


101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 22:58:50.17 ID:K/S/Fyi30

俺「お……終わったあぁ……」

俺「もう終電無いな……」

俺「先輩、先輩。起きてください」

先輩「……ン、終わった?」

俺「終わりましたよ、メールに添付しましたからチェックしてください」

先輩「いやー、サンキューサンキュー。優秀な後輩が居て助かるわマジで、じゃあ帰るからカギよろしくね~ん」

俺「はぁ……」


102 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:02:47.93 ID:K/S/Fyi30

俺「ただいま~」

姉「ねぇ、ちょっとアンタ。妹に何かした?」

俺「あん?」

姉「今日帰ってくるなり機嫌悪くて、とーさん縮こまっちゃってるの。何か知らない?」

俺「さあ? 知らないけど」

姉「ウソついてないでしょうね?」

俺「ウソついてどうするんだよ」

姉「……それもそうね」

103 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:05:22.35 ID:kjQHRJseO

こんな先輩いたら会社辞めるわ


これより酷い上司がいたから今ニートなんだが

104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:09:38.65 ID:K/S/Fyi30

妹「ねぇお兄ちゃん」

俺「あん?」

妹「あの……その……」



妹「やっぱり何でもない!」

父「……ガーン」

俺「いや。ショック受けるポイントおかしいだろ、とーさん」

105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:11:49.65 ID:K/S/Fyi30

父「息子よ……」

俺「何だよ」

父「娘という生き物はかくも難しいものなのか……」

俺「幾つになっても俺もねーちゃんも妹も、とーさんの子供だよ」

父「そうか」

俺「そうだよ」

106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:15:31.61 ID:K/S/Fyi30

俺「でも確かにちょっと変だったな妹」

父「何か知らないか?」

俺「う~ん、そういわれても本当に何も知らないからなあ」

父「お月様かな」

俺「親に言われて嫌な台詞ナンバー1だなそれ」

父「ガーン」

107 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:23:27.84 ID:K/S/Fyi30

俺「(どうしてこうなった)」

女A「ねぇ~俺さんってどんな女性が好みなの?」

先輩「あ~、だめだめ。こいつ童貞だから」

女B「ギャハハ、マジ? うける~」

先輩「それよりさ~、君のそのネックレスかわいいね、どこの?」

俺「はぁ……、なんで俺こんなとこ居るんだろ」

108 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:25:23.89 ID:K/S/Fyi30

先輩『お前、今夜空いてるか?』

俺『え?』

先輩『合コンだよ、急に男が一人来れないってんでお前を誘ってるんだ、ありがたく思えよ? ちなみに相手は現役の先生だから』

俺『俺は別に、』

先輩『来るよな?』

俺『はい……』

先輩『よしよし、素直でよろしい』

109 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:29:01.88 ID:K/S/Fyi30

先生「すみませ~ん、後れました」

女A「おそいよ~」

先生「ごめんなさい、ちょっと練習が……。俺くん?」

俺「委員長……」

先生「奇遇だね、こんなところで会うなんて」

先輩「ひゅー、美人じゃん。何々? 二人は知り合いなわけ?」

先生「高校の時のクラスメイトなんです」

先輩「へ~、そうなんだ」

111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:31:38.68 ID:K/S/Fyi30

ヒソヒソ

先生「ねぇ、二人で抜け出さない?」

俺「え?」

先生「どうせ断れなくて仕方なく参加したんでしょ? わたしも同じだから」

俺「じゃあ、……うん」

先生「えへ、じゃあ決まりね」

ヒソヒソ

113 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:37:16.18 ID:K/S/Fyi30

先生「それにしてもびっくりしたなぁ、妹ちゃんのお兄さんが俺くんだったなんて。苗字が同じだったからもしやとは思ってたけど」

俺「俺こそびっくりだよ。まさか委員長が先生になってるなんてな、まぁ昔から言ってたよな’先生になりたい’って。よかったじゃないか、夢が叶って」

先生「うん……そうなんだけどね」

俺「元気ないな、どうした?」

先生「妹ちゃんから、何か聞いてない?」

俺「いんや、何も」

先生「そう……、実はね──」

115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:43:30.13 ID:K/S/Fyi30

先生「──」

俺「そんな事になってたのか」

先生「わたしもうどうしたらいいかわからなくて……、今日もさっきまで練習してたんだけどね」

俺「こんな時、何て言っていいかわからんが。その、元気だせよ。委員長がそんなんだったら部員の皆も安心できないだろ?」

先生「……うん」

俺「それにしても廃部、か。だからあいつ──」

117 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:51:31.77 ID:K/S/Fyi30

先生「妹ちゃん、一人で責任感じちゃってね。なんとかチームを纏めようとしてくれてるんだけど、なかなか上手くいかないのよ……」

俺「う~ん、なるほどね。そういう事だったのか」

先生「俺くん……」

俺「悪いが仕事があるんでね、コーチの引き受けは難しいな」

先生「……だよね」




俺「しかし」

先生「え」

俺「休日なら暇してるからな、その時くらいなら引き受けてもかまわん」

先生「俺くん!」

俺「ちょ、抱きつくなって。く、苦しい……」

118 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/06(金) 23:57:57.17 ID:K/S/Fyi30

先生「というわけで今日から野球を教えてくれる事になった俺さんです」

俺「ども、よろしく」

部員「ちゃーっす」

妹「お、お兄ちゃん……なんで?」

俺「あー、今日から君らに野球を教える事になりました俺です。昔ちょっと野球やってたんでそこらの人よりは詳しいと思います」

俺「とりあえず今日は皆の動きを見せてもらおうと思います、怪我しない範囲で頑張りましょう」

部員「ほんとに大丈夫なの、この人……?」ヒソヒソ

少年「……」

120 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2009/11/06(金) 23:59:36.15 ID:TPIWvgTRO

>>118
少年いたw

123 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 00:04:10.45 ID:7TQhvk2x0

部員「ノックいくぞー!」

カキーン

部員「次セカンドゲッツー!」

カキーン

部員「ライトいくぞー!」

カキーン


俺「う~ん、この練習風景。懐かしいなぁ」

124 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 00:06:25.64 ID:7TQhvk2x0

先生「俺くん、お茶どうぞ」

俺「ありがとございます、先生」

先生「俺くんに先生って呼ばれるの変な感じ」

俺「ここで委員長って呼ぶほうがおかしくないか?」

先生「うふ、それもそうね」

125 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 00:10:12.84 ID:7TQhvk2x0

部員A「なぁ」

部員B「何だよ」

部員A「あの人野球やれる様に見える?」

部員B「いんや、そうは見えないけど……」

部員A「ちょっと試してみようか」

部員B「試すって何を」

部員A「流れ弾に見せかけて俺さんに向かって全力投球」

部員B「ちょ、ちょっと。辞めようよそんな事」

部員A「あぁああああ! 手が滑ったあぁぁあああ!」

126 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 00:13:13.65 ID:7TQhvk2x0

ビュン!


俺「っ」

俺「委員長! 危ない!」

先生「え?」


ドサッ

先生「え? え? 俺くん? なんでわたしの上に、え? 襲われてるわたし?」

俺「ボケてる場合か、怪我は無いか? 頭とか打ってない?」

先生「え、あ。うん……」

127 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 00:15:53.57 ID:7TQhvk2x0

部員B「あわわわわ、た、大変だぁ」

部員A「あら~……、違うトコ行っちゃった」

少年「おいお前、くだらねぇ事してんじゃねぇぞ」

部員B「し、し~らないっと」

部員A「な、なんだよ少年」

少年「……ち」

部員A「舌打ちされた……、俺先輩なのに……」

128 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 00:19:01.27 ID:7TQhvk2x0

俺「おい!」

部員A「は、はい!」

俺「さっき投げたのお前か?」

部員A「はい! 自分です!」

俺「そうか……お前か……」

部員A「(な、殴られる……)」ゴクリ

129 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 00:20:44.11 ID:7TQhvk2x0

俺「良い肩してるなお前! ちょっとびっくりしたぞ」

部員A「え?」

俺「どこだポジション? センターか? それともキャッチャーか?」

部員A「えっと、センターです」

俺「そうかそうか、その肩があればかなりの武器になる。いやー、いいもん見せてもらったよ」

部員A「はは、……褒められちゃった」

130 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 00:23:10.66 ID:7TQhvk2x0

部員B「なんだか凄い事になってるなぁ」

妹「……」

部員B「ひ?!」

妹「なんでおにいちゃん先生といちゃいちゃしてるの……ゆるせない……」

部員B「こっちも凄い事になってる……」

132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 00:33:54.33 ID:7TQhvk2x0

俺「それじゃあ今日はこれくらいにしておこう、各自ストレッチを怠らないようにな」

部員「したっ!」

俺「お疲れ様」


先生「チームの印象はどうですか、カントク」

俺「監督は辞めてくれよ。どうもこうも、バランスが悪いってのが印象かな」

先生「バランス?」

俺「まぁ、磨けば光りそうなのがチラホラ居たよ。逆に言えばどうやら指導者次第でこのチームは化けそうだ」

先生「うふ、期待していいのね?」

俺「最善は尽くすよ」

133 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 00:37:02.52 ID:7TQhvk2x0

俺「それじゃあ、俺もそろそろ帰るよ」

先生「わたしは、明日の小テスト作ってから帰るね」

俺「大変だな、先生」

先生「じゃあね、俺くん」

俺「うん、またな」



先生「俺くんかぁ……」

先生「ちょっと会わない間に大人の男になってたなぁ……」

先生「俺くん、かぁ……」

先生「はっ、何考えてるのわたし」

先生「俺くん、かぁ……彼女とか居るのかな」

137 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 01:03:58.07 ID:7TQhvk2x0

先生「さ~て、ちゃっちゃとテスト作って帰りますか」

おじさん「おや、居残りかね」

先生「お父様」

おじさん「こらこら、学校でお父様と呼ぶのは辞めなさい」

先生「すみません、理事長」

おじさん「野球部の監督の事なんだが」

先生「はい?」

おじさん「ふさわしい人材が見つかったから、明日紹介しようと思う」

先生「あ、その件はもう……」

おじさん「うん? 何かね?」

先生「いえ、何でもないです」

おじさん「ふふ、楽しみにしてなさい」

138 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 01:06:11.18 ID:7TQhvk2x0

妹「……」

俺「なんだよ」

妹「どうしてお兄ちゃんがコーチやってるの?」

俺「あぁ、委員長に頼まれてな」

妹「委員長って先生の事?」

俺「そうだけど」

妹「……あたしが頼もうとしてたのに……」

俺「ん? どうした?」

妹「なんでもない、寝る」

俺「……反抗期か?」

140 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 01:13:55.22 ID:7TQhvk2x0

俺「えー、今日から本格的にポジションに別れてもらう」

俺「アップが終わったら内野と外野はノックから始めて、バッテリーは俺と一緒に打ち合わせ。午前中はこれで行こう」

部員「はい! ランニングいくぞ!」

部員A「っせー! いっちに!」

先生「ふさわしい人材……か」

俺「あん?」

先生「いや、こっちの話」

146 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 01:34:26.42 ID:7TQhvk2x0

先生「あのね、俺くん実は──」

俺「そっか。監督さん見つかったのか」

先生「うん、お父様に言われて。……ごめんね?」

俺「何で謝るんだよ、むしろ良かったさ。この年くらいの子達は臨時コーチなんかじゃなくてちゃんとした指導者に見てもらうのが一番だからさ」

先生「はうぅ……」

俺「困った時に出るその癖、昔から変わってないな」

先生「そ、そうかな」

147 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 01:37:51.29 ID:7TQhvk2x0

俺「よーし、じゃあバッテリーちょっと集まってくれ」

部員B「っす。キャッチャーの部員Bです、どもよろしく」

俺「おう、部員Bだな? よろしく」

少年「……ちーっす、ピッチャーやってます」

俺「なんだなんだ、クールな感じだな? よろしくな」

妹「はい! ピッチャーの妹です!」

俺「おう、よろしく」

148 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 01:51:01.95 ID:7TQhvk2x0

俺「バッテリーはチームを支える柱みたいなもんだ。どんなビハインドの場面でも絶対に諦める事は許されない、特に投手の枚数が少ないチームならなおさらだ」

部員B「はい!」

俺「あと二ヶ月で結果を出す為には色々な方法が考えられるが。簡単な方法が二つある、一つ目は正攻法で攻める事、二つ目はウラをかく事だ」

妹「ウラ?」

俺「そうだ、例えば二球続けて同じコースに同じ球種を投げたとしよう。そしたらバッターは何と考える?」

妹「もう一度同じ球は無い」

俺「正解だ、だがその逆も然り。だからこそ、その前の打席が持つ意味合いが増えてくる」

部員B「前の打席?」

149 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 01:51:42.95 ID:7TQhvk2x0

俺「そうだ、バッターってのは何を安打したのかは意外と覚えてないが’自分が打ち取られたボール’ってのは不思議と目に焼きついてるもんだ、それを利用する」

部員B「というと?」

俺「それを打席の中でチラつかせるんだ。少なくとも一試合に三回は打席に立つわけだからな、配球の中にその匂いを残すんだ’ほら、次はこのボールを投げるぞ’ってな。そこに迷いが生じる。その迷いが大きければ大きいほど凡打になる確率は自然と上がる」

部員B「ほうほう」

俺「それを可能にするには打者との対決を一打席で完結させない事だ。捕手は配球を覚え、投手はそこに良いボールを投げ込む。一朝一夕にできるもんじゃないがとにかく’一打席で完結させない’事を頭に入れてくれ、まずはそこからスタートだ」

部員B「はい!」

俺「うん、良い返事だ」

151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:01:21.90 ID:7TQhvk2x0

俺「それじゃあ、ちょっと投げ込みしてみようか。球筋も見てみたいし」

少年「……ちーっす」


先生「すごいのね」

俺「あん?」

先生「俺くんの言ってる事、半分もわからなかった」

俺「別に普通だよ。俺だって学校の先生をやれと言われてもできない、それだけの話だろ?」

先生「そうかな」

俺「そうだよ、誰だって不得意な面があれば得意な面もある。それを補っていくのがチーム、だろ?」

先生「え……」

俺「むかし怪我して自暴自棄になってたころ、委員長が教えてくれたじゃないか」

先生「そ、そうだっけ」

俺「そうだよ」

152 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:04:26.62 ID:7TQhvk2x0

少年「……」

バシン

俺「ナイスボール、良いストレートだ」

少年「……」

俺「ん?」

少年「そ、っすか」

俺「……?」

153 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:06:16.44 ID:7TQhvk2x0

妹「いくよ、カーブ」

部員B「へい」

妹「っ!」

バシン

俺「おぉ、曲がるようになってる」

妹「へへーん、どんなもんよ?」

俺「ちょっと見ない間に成長したな」

妹「えへへ」

154 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:15:59.12 ID:7TQhvk2x0

俺「よーし、じゃあちょっと全員集まってくれ」

部員「集合!」

俺「いま全員で何人居るんだっけ?」

部員「18人です」

俺「よーしじゃあ9人に分かれて紅白戦をやろう。チームはキャプテンと相談してこっちで分けるから勝敗は関係なく気楽にやってくれ、普段の動きを見てみたい」

部員C「気楽にって……」ヒソヒソ

部員D「やる気あるのかなあのコーチ……」ヒソヒソ

155 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:19:08.43 ID:7TQhvk2x0

Prrrrrrrrrrrrrrrrrr...

俺「また先輩からか……。悪い、ちょっと電話だ、適当に休憩しといてくれ」

部員「はい」

俺「もしもし──」


部員C「何喋ってんだろうな?」ヒソヒソ

部員D「さあ」ヒソヒソ

部員C「ちょっと聞きにいってみる?」ヒソヒソ

部員D「おい、辞めようよそういうの」ヒソヒソ

部員C「って言ってノリ気じゃんよ」ヒソヒソ

部員D「あ、バレた?」ヒソヒソ

156 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:21:23.73 ID:7TQhvk2x0

先輩『おい、お前今どこに居る?』

俺「何ですか?」

先輩『今すぐ会社こい』

俺「またですか?」

先輩『おう、ちなみに拒否権ないからな』

俺「はぁ……」

先輩『先輩には従っとくべきだよ? 後々後悔するのはお前だからな』

157 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:25:26.33 ID:7TQhvk2x0

部員C「なんか仕事の話みたいだな」ヒソヒソ

部員D「そうだね」ヒソヒソ

部員C「そういやコーチって働いてるんだっけ」ヒソヒソ

部員D「らしいね、俺たちより仕事の方が大事なんじゃない? 大人ってそういう生き物じゃん?」ヒソヒソ

部員C「どうせ俺らの事なんて思ってないんだろうな」ヒソヒソ

部員D「どうせコーチも先生目当てなんでしょ? 美人だし」ヒソヒソ

部員C「美人だよな……先生」ヒソヒソ

部員D「だよなぁ……」ヒソヒソ


俺「バカ言わんでください。俺はいま子供達に野球を教えてるんです」


部員C・D「?!」

159 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:26:23.41 ID:fytjXcwIO

おっ

160 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:27:39.65 ID:ru9e8lUN0

よく言った!俺!

162 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:31:29.74 ID:7TQhvk2x0

俺「じゃあそういうわけですから失礼します」

ブツン


Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr...

先輩『この会社で先輩の命令拒否する意味わかる? 部長とかにチクるよ?』

163 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:33:20.28 ID:7TQhvk2x0

俺「そんなもんクソくらえですよ」

ブツン


Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr...


先輩『たぶんお前、クビだから。もう来なくていいよ』

俺「しつこいな、アンタも」

ブツン

164 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 02:36:47.93 ID:7TQhvk2x0

Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr...

俺「あのなあ! 俺はいま子供達に野球を──」

おじさん『おや? そうかね?』

俺「あん?」

168 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 03:02:19.79 ID:7TQhvk2x0

おじさん「──という事で、今日から正式に君たち野球部の監督をしてもらう事になった俺くんだ」

俺「えー、えーっと……おじさん? イマイチ展開に付いていけないと言うか」

おじさん「あぁ。そういえば自己紹介がまだだったね。私はこの△△高校の理事をしてる者だ。これから末永く頼むよ俺くん」

俺「り……りじぃ?!」

先生「ちょっと、お父様?!」

おじさん「こらこら、学校でお父様は辞めなさい」

169 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 03:04:01.35 ID:7TQhvk2x0

先生「理事長……その、話にあった監督というのは俺くんの事ですか?」

おじさん「うむ、その通りだ。彼はまだ若いが非常に良い目をしていたのでな」

先生「あの、実は──」

おじさん「──はっはっは、そういう事だったのか。既に臨時コーチを引き受けていたとは、やはり私の目に狂いは無かったのだな」

170 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 03:09:42.52 ID:7TQhvk2x0

俺「えぇっと……そういうワケでコーチから監督になりました。よろしく」

部員「はい!」

俺「じゃあ、とりあえず紅白戦いってみようか」

部員「はい!」



部員C「なぁ……」

部員D「うん……」

部員C「とりあえず、あの人に付いていってみようと思うんだけど」

部員D「奇遇だね、同じ事言おうとしてたよ」

部員C「あんなの聞かされてやる気でないのは男じゃないよな」

部員D「うん」

171 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 03:12:14.73 ID:7TQhvk2x0

先生「なんか、色々びっくりしちゃった」

俺「たぶん俺が一番驚いてるよ、実はまだちょっとドッキリの線を疑ってる」

先生「お父様はユーモアのある人だけど、その手のジョークは好きじゃないわ」

俺「それにしても、なんで理事長の娘が顧問やってる部活が廃部に追い込まれてるんだよ……」

先生「色々居るのよ、利権とか権力とかが好きな人がね」

俺「どこにでも居るんだなそういう輩」

先生「そうねぇ」

201 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 15:20:17.68 ID:7TQhvk2x0

俺「そんなこんなで紅白戦が終わりました」

妹「完封しちゃった」

俺「う~ん、拙攻マニアには堪らない展開でしたな。って、そうじゃなくて……貧打にも程があるぞこりゃ」

妹「控えには野球経験ない子も多いから」

俺「野球は経験でやるもんじゃないよ。……とは言いつつ、こりゃちょっと骨が折れそうだな」

202 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 15:22:05.81 ID:7TQhvk2x0

俺「ところで、今までスタメンはどうやって選んでたんだ?」

妹「えっと……三年生ばかり試合に出てたかな」

俺「サインは?」

妹「前のキャプテンが色々やってたみたいだけど」

俺「ふむ、なるほど」

203 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 15:25:37.42 ID:7TQhvk2x0

>>200
他の人はどうかわからないけれど自分のはほとんど即興。
誤字が多くて申し訳ない……。

204 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 15:27:35.24 ID:7TQhvk2x0

俺「よーしじゃあ皆聞いてくれ」

部員「はい!」

俺「これから数ヶ月で勝てるチーム作りをしなくちゃいけない、それは皆がわかってると思う」

部員「はい!」

俺「そのためには圧倒的に時間が足りない、だからこれからは」


俺「打撃練習だけやっていく事にする」

205 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 15:35:19.53 ID:7TQhvk2x0

部員「え、でもそれじゃあ」

俺「この中に外野フライを処理できない者はいるか?」

シーン……

俺「じゃあ、ゴロをさばけない者は?」

シーン……

俺「よし、大丈夫そうだな」

俺「守備はちょっとした気づきで劇的に変わる、例えば野手同士のカバーリングとかな。誰かのミスを全員でカバーし合う事を前提に動いていけばそれで充分だ」

俺「極端な話、守備はゲッツーを取れる程度の能力があればそれ以上は望まない。幸い皆はその能力を持ち合わせているようだ」

206 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 15:39:43.65 ID:7TQhvk2x0

俺「それに、打撃練習やってる方が楽しいだろ?」

部員「は、はい!」


部員C「打撃、かぁ」

部員D「な、なんかやってみようかなあ……」

部員C「け、結構考えてるんだなぁ。コーチ」

部員D「もうコーチじゃなくて監督だよ」

部員C「あ、そうか」

208 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 15:44:39.97 ID:7TQhvk2x0

俺「もちろん打撃練習中にも守備にはついてもらう、そこでは守備の練習だ」

俺「そこまで細かい野球ができるとは思ってない、だからミスは怒らないが怠慢プレーは許さない」

部員「はい!」

俺「まぁ、堅苦しい話はこれくらいにして。楽しくやっていこうよ、な?」

部員「はい!」

209 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 15:57:01.11 ID:7TQhvk2x0

俺・妹「ただいま~」

母「あらあら、二人ともドロドロじゃない。早くお風呂はいっちゃって」

俺・妹「は~い」

俺「一緒に入るか?」

妹「お兄ちゃん!」

210 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 15:58:52.76 ID:7TQhvk2x0

妹「ん……」

妹「なんだろう、この気持ち」

妹「先生とお兄ちゃんが喋ってるトコみるの」

妹「ちょっと、嫌だなぁ……」

妹「何考えてるんだろう、廃部になるかもしれないのに……」

妹「はぁ……寝よ」

211 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 16:02:34.94 ID:7TQhvk2x0

父「おう、おかえり。お前△△高校の監督を引き受けたらしいな」

俺「え? もう知ってるの? 今からそれ言おうとしてたのに」

父「はっはっは、父さんの情報網をバカにしちゃいけないよ?」

俺「ストーカーか」

父「失礼な! 父さんはスカートなど穿かん! ぷんぷん!」

俺「どう聞き間違えたらそうなるんだよ……」

父「はっはっは」

212 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 16:07:22.17 ID:7TQhvk2x0

父「で、どうなんだ。チームは」

俺「どうにもこうにも、全部これからだよ」

父「ほほう?」

俺「皆が皆ダイヤの原石に見える、どう教えていくかで変わるんだなって思ったらちょっと怖い」

父「そうか……、お前は良い指導者になるよ」

俺「あん?」

父「野球の光と闇を知ってるからな」

213 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 16:11:52.19 ID:7TQhvk2x0

父「ところで最近腰の調子はどうだ?」

俺「ん、悪くないよ」

父「そうかそうか、あの河川敷の時から病院通ってるもんな」

俺「そうだな、あの少年との勝負以来……? 少年?」

父「どうかしたか?」

俺「あれ……? あいつ、ひょっとしてあの時のあいつか?」

214 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 16:17:20.44 ID:7TQhvk2x0

少年「何すか? 人の顔ジロジロと見て」

俺「なぁ、俺とお前勝負した事あるだろ?」

少年「人違いすよ」

俺「そうか? にしちゃフォームといい、球筋といいソックリなんだがなあ」

少年「……」

俺「それにしても背伸びたな~、だからわからなかったのか。声も低くなったな? いや~ちょっと見ない間に成長したなあ」

少年「……ち」

215 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 16:21:06.86 ID:7TQhvk2x0

少年「あぁそうだよ、あの時あんたに負けたのが僕だ」

俺「おぉ、やっぱり」

少年「……ち」

俺「いやぁ、投手がお前だとわかって俺ちょっと安心したわ」

少年「え?」

俺「頼むよ、このチームのエースはお前しか居ないからな」

217 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 16:26:42.57 ID:7TQhvk2x0

少年「……エース?」

俺「あぁ! 頼むぞ」

少年「……ち」

俺「素直じゃないなあ」

219 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 16:32:14.86 ID:7TQhvk2x0

部員A「っしゃあ! ピッチャーこい!」

カキーン

カキーン

俺「おぉ、ナイスバッティング」

部員A「へへ? そうすか?」

俺「うん。でもお前低めのボール苦手だろ?」

部員A「え? なんでわかるんですか?」

俺「打席で構える時バットを寝かせてるからな、もう少しバットを立ててみろ、スムーズにヘッドが出るから」

カキーン

部員A「ほ……本当だ」

俺「よしよし、良い感じだ」

221 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 16:45:04.21 ID:7TQhvk2x0

俺「そんなこんなで秋季大会の組み合わせ抽選の日がやってきました」

妹「いってきま~す!」

先生「いってらしゃ~い」

少年「なんで僕まで……」

俺「いいからいいから、はやく車乗れよ」

222 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 16:48:46.71 ID:7TQhvk2x0

俺「じゃあ俺は申し込み済ませるから、適当に席座っとけ」

妹「は~い」

少年「……っす」

妹「ねぇ、どこと当たるんだろうね」

少年「別に、どこでも」

妹「ねぇ、なんかこんなトコ来るとワクワクしない?」

少年「……しない」

妹「そう? あ~楽しみだなぁ。でも強いとこ当たるのは嫌だなあ。夏の甲子園出場校とかさ。こんな事言ってると当たっちゃったりするかもね、あはは」

224 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 16:51:54.52 ID:7TQhvk2x0

『△△高校、6番です』


俺「なん……だと……」

妹「あら」

少年「緒戦で、夏の甲子園出場校と当たるのか」

俺「……はっはっは。いいじゃないか、最初からクライマックスだ」

少年「あそこと対戦か……」

妹「ねぇ、少年。なんか顔色悪いよ、大丈夫?」

少年「大丈夫……」

225 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 17:00:25.50 ID:7TQhvk2x0

俺「じゃあ車回してくるから、ちょっと待ってろ」

妹「は~い」

少年「……」

妹「ねぇ、さっきからどうしたの? 何か変だよ?」

少年「あの高校は……、本当だったら僕が行くはずの高校だったんだ」

妹「え?」

226 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 17:05:46.59 ID:7TQhvk2x0

俺「ということで緒戦の相手は夏の甲子園出場校に決まりました」

先生「なあんだ、甲子園出場校か。強いところに当たったらどうしようかと思ってたの」



先生「え?」



先生「えぇぇぇぇぇええええ?!」




先生「どどどどどど、どうしよう俺くん! そこってめちゃくちゃ強いとこじゃないの?!」

俺「落ち着け委員長、どすうるもこうするも。勝つしかないだろう」

先生「はうぅ……」

227 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 17:13:06.50 ID:7TQhvk2x0

>>226
×どすうるもこうするも
○どうするもこうするも
----------------------


俺「そんなこんなで試合の日がやってきました」

部員「集合!」

俺「えー、試合の前に皆に一つ言っておくことがある」

部員「はい!」

俺「この二ヶ月、つらい練習によく耐えてよく付いてきてくれたと思う。ありがとう」

部員「監督……」

俺「俺はまだまだこのチームの皆と一緒にやっていきたい、皆はどうだろう?」

部員「は、はい!」

俺「そっか、うん。勝とうな、今日の試合」

242 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 18:43:46.79 ID:7TQhvk2x0

ワーワー


おじさん「おや、あなたが来るなんて珍しい」

教頭「野球部の無様な姿を見にきてやっただけですよ」

おじさん「負けると思うかね?」

教頭「相手は甲子園出場校ですよ」

おじさん「ふむ」

教頭「十中八九勝てないでしょうな」

おじさん「そうかね」

243 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 18:48:54.14 ID:7TQhvk2x0

1回表

俺「おう、マネージャーでベンチに入れて良かったな」

妹「うん……」

俺「お前も一緒に戦うんだよ、前を向け」

妹「うん」

俺「さて、まずはランナーを出したいな」

妹「そうだね」


審判「フォアボール!」


部員A「っしゃ!」

俺「おぉ、良い選球眼だ」

246 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 18:54:18.04 ID:7TQhvk2x0

投手「(しまったしまった、格下だからってコントロール乱れちまったぜ)」

投手「(ここはまァ、バントだろ。アウト一ついただきますか)」


カキーン


投手「え?」

俺「よっしゃ! 回れ回れ! 先制だ!」 

妹「初球バスターエンドラン強行……心臓が潰れるかと思った……」

俺「はっはっは、攻めて行くぞ」


249 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 18:59:02.98 ID:7TQhvk2x0

1回裏



審判「ットライク、バッターアウト! チェンジ!」

少年「……ふん」

俺「なんだろう、勝利の予感がする」

妹「まだ1回の表裏が終わっただけよ」

俺「上々の立ち上がりだ」

250 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 19:03:59.48 ID:7TQhvk2x0

2回表


ギィィィン


俺「詰まらされたか」

妹「サード前ボテボテ。でも、弱い当たり幸いして……」


審判「セーフ!」


俺「おっしゃ!」

相手監督「こら! お前どこ守ってんだ! しっかりしろ!」

妹「あの三塁手、怒られてるね」

俺「そうだな」

251 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 19:08:04.97 ID:7TQhvk2x0

4回裏

妹「打ち取った、サードゴロ」

俺「よし、これでチェンj──」


部員C「あ」


妹「暴投だ」

部員C「あ……ぁ……、ごめんなさい……」

俺「いいぞいいぞ! 気にするな! それよりライト、ナイスカバーだ!」

252 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 19:10:39.96 ID:7TQhvk2x0

少年「……」

部員C「ご、ごめんな少年」

少年「……ち」

部員C「ひぃ」

少年「……ミスくらい取り返してやるよ」


審判「ストラックアウト! チェンジ!」


俺「よーしよし、それでいい。お互いカバーし合う事を忘れるなよ」

部員C「は、はい!」

254 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 19:13:39.49 ID:7TQhvk2x0

6回表


俺「次は少年からの打順だったな」

少年「っす」

俺「ちょっと球数が多いな、いけるか?」

少年「いけるも何も」

俺「あん?」

少年「……それがエースだろ」

俺「良い言葉だ」

256 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 19:18:00.65 ID:7TQhvk2x0

少年「……」

捕手「よう」

少年「……」

捕手「思い出したぜ、お前。○○シニアのヤツだろ?」

少年「……」

捕手「うちに来ると思ってたのにな、こんなとこで何やってんの?」

少年「……関係ないだろ」

捕手「そうかい」

257 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 19:22:35.18 ID:7TQhvk2x0

妹「それにしても」

俺「ん?」

妹「甲子園出場するチームの投手の球を簡単にヒットに出来るはずねーだろ、直球だけでも少なくとも130キロは投げるんだぜ。とかって言われてそうじゃない?」

俺「努力だよ」

妹「そうね」

260 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 19:29:40.17 ID:7TQhvk2x0

審判「チェンジ!」


俺「最終回か、……う~ん」

妹「どうしたの?」

俺「いや、なんでもねぇ。ちょっと順調すぎると思ってな」

妹「少年の事?」

俺「それもあるが……なんか不気味だな相手ベンチが。ここまで策らしい策は無し、それは逆に言えば’俺たちになんかいつでも勝てる’って事だぜ」

262 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 19:32:54.76 ID:7TQhvk2x0

少年「(最終回、1点差で勝ってる)」

少年「(この回を抑えれば勝てる……)」

少年「……」チラリ

相手監督「……」

少年「(後悔させてやるよ……俺を採らなかった事を)」


相手監督「審判、代打だ」

264 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 19:37:23.33 ID:7TQhvk2x0

教頭「ぐむむむむむ……」

おじさん「ここまでは勝ってますな」

教頭「くそ! あいつら何をやっているんだ! こんな弱小野球部すら叩き潰せないだと?!」

おじさん「血圧が上がりますぞ」

教頭「ふん!」



俺「ひょっとして代打って、今まで控え選手ばかり出てたとかってオチじゃないよね」

妹「はは、まさか」


カキィィィィィン


俺「あ……」

265 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 19:40:01.98 ID:7TQhvk2x0

妹「せ……センターバックスクリーン直撃」

少年「ホームラン……」


教頭「ははは、ほら見ました?」

おじさん「まだ同点ですよ」

教頭「いつまで冷静で居れますかな?」


俺「少年! まだ同点だ、忘れていけよ!」

272 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 20:00:10.47 ID:7TQhvk2x0

相手監督「審判、代打だ」

俺「ま、また?」

少年「……ち」

カキーン

妹「センター前ヒット……」


相手監督「審判、代打だ」

少年「……うぜぇ」

カキーン

妹「ライト前ヒット……」


相手監督「審判、代打だ」

273 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 20:03:17.51 ID:7TQhvk2x0

カキーン


妹「これでノーアウト満塁……」

俺「一人でも生還でサヨナラか、絶対絶命だな」

妹「そんな他人事みたいに!」

俺「落ち着けよ、俺たちが浮き足立ってどうする。それにまだ負けてない」

妹「こんな時あたしが……投げられたら……」

俺「信じよう、チームを」

妹「……」

275 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 20:04:44.24 ID:7TQhvk2x0

審判「ストラック、アウト!」


俺「よしよし、ワンナウトだ」


妹「(あたしは、何もできないの……?)」

妹「(みんなが、頑張ってるのを、見てるだけなの……?)」

妹「……」

276 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 20:09:01.79 ID:7TQhvk2x0

少年「……ち」

少年「……うぜぇ」

少年「……これで終わらせてやる」


カキーン


俺「センター! タッチアップだ!」

部員A「まかせとけ!!!」

部員A「うぉおおおお!!」


ズサァアアァ


審判「……」

278 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 20:11:36.23 ID:7TQhvk2x0

審判「ホームイン! ゲームセット!」



教頭「終わりましたな」

おじさん「そうですな」

教頭「これで野球部もあなたも終わりだ」

おじさん「ほっほっほ、果たしてそうなりますかな?」

279 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 20:18:04.15 ID:7TQhvk2x0

先生「はうぅ……」

妹「……」

先生「はうぅ……」

俺「まぁ、なんだ。皆よくやったよ、胸を張ろう」

少年「……」

俺「強いて言うならこの敗戦は完全に俺の責任だ。完全に一枚も二枚も向こうの方が上手だった、お前達はよくやった。恥じることはない」

部員「で、でも……。これで、廃部……」

先生「はうぅ……」

281 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 20:23:23.15 ID:7TQhvk2x0

少年「いや……」

俺「ん」

少年「正直……、僕は一人であいつらを抑えようとして力んでしまっていた。……すまない」

俺「少年……」

部員A「俺も! もう少しコントロールが良ければ、バックホーム間に合ったかもしれないのに!」

俺「部員A……」

部員B「俺もだ!」

部員C「自分も!」

俺「お前ら……」

282 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 20:25:39.06 ID:7TQhvk2x0

部員A「帰って練習しようぜ!」

部員B「そうだ! 練習しよう!」

妹「みんな」


部員「で、でも……廃部になるんじゃ……」


部員A「そ、そうだった……」

284 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 20:30:02.52 ID:7TQhvk2x0

おじさん「ほっほっほ、お取り込み中すまないね」

俺「おじ……じゃなくて、理事長」

おじさん「惜しかったね、ナイスゲームだったよ。久々に手に汗握る展開だった」

俺「はぁ……、ですがこれで廃部という事に」

おじさん「その件だけどね、教頭の出した条件は何だったかな?」

俺「条件、ですか?」

先生「えぇっと、たしか’大きい大会で上位に入る’だった様な」

おじさん「それだ、大会はまだ年内に一つ残っているだろう?」

俺「え? そうなの?」

287 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 20:33:08.44 ID:7TQhvk2x0

先生「えぇっと。たしか’地域交流戦’とか言う名前の大会だった気が」

おじさん「その通り、非公式だが伝統ある大会だ。県内県外問わず参加するチームは多い」

俺「という事はつまり」

おじさん「首の皮一枚だが、つながっているという事だよ。俺くん」

俺「マジか……」

297 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 21:00:18.67 ID:7TQhvk2x0

俺「と、いう事で」


俺「帰って、練習するか」


部員「はい!」

298 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 21:05:04.77 ID:7TQhvk2x0

先生「お疲れ様、俺くん」

俺「よう、委員長。お疲れ」

先生「何やってるの?」

俺「今日の試合の反省文書いてる」

先生「反省文?」

俺「反省文というより、改善点かな。もっとこうしたら次に繋がるとか、そういう事をまとめてるよ」

先生「偉いね、俺くん」

俺「相手あっての事だから勝負に絶対は無いんだけどね、試合に負けた時はやっぱりそれは監督の責任なんだよ」

299 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 21:07:01.62 ID:7TQhvk2x0

先生「……好きなのね」

俺「あん?」

先生「野球が」

俺「あ……あぁ野球か、そうだなあ野球しかないからなあ」

300 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2009/11/07(土) 21:07:58.93 ID:UHPW/OQ+0

野球おもしろいなぁ

301 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 21:09:46.28 ID:7TQhvk2x0

>>300
9回裏、一発出れば同点とか面白すぎる。

305 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 21:22:17.97 ID:7TQhvk2x0

先生「わたしは、だめだなぁ。仕事でちょっと辛い事が起きるとすぐ落ち込んじゃうの」

俺「ねーちゃんに言われた事があるんだよ」

先生「何を?」

俺「仕事してる時は違う自分で居ろって、その方が楽だからって」

先生「楽、か」

306 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 21:25:08.70 ID:7TQhvk2x0

俺「確かにその通りかもしれない、俺だって前の会社に居たときはそうだったし」

先生「そうなんだ」

俺「でも結局それって自分が苦しいだけなんだよね、俺が妥協できない性格なだけかもしれないけど」

先生「頑固だもんね、俺くん」

俺「うるさいよ」

307 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 21:27:41.95 ID:7TQhvk2x0

俺「だけど今は本当に楽しいんだ。やりがいっていうのかな、言葉にすると嘘臭く聞こえるかもしれないけれど」

先生「うぅん、そんな事ない。俺くん輝いてるよ」

俺「よせやい、褒めたって何もでないぞ」

先生「……あのね、俺くん」

309 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 21:31:13.05 ID:7TQhvk2x0

俺「委員長、どうした?」

先生「わたしね」

先生「わたし、俺くんのこと」


妹「あー! お兄ちゃんこんなトコにいたの! 早くかえろ!?」


俺「お、おう」

妹「あれ? お兄ちゃん先生と二人で何してたの?」

俺「なんでもない、世間話だよ」

妹「ふーん」

俺「じゃあ、帰るか」

妹「うん、じゃあね先生」

先生「はい、さようなら。またね」

310 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 21:36:11.57 ID:7TQhvk2x0

俺・妹「ただいま~」

父「おかえり」

妹「あたし先にお風呂はいるから」

俺「おう」

妹「……」

俺「?」

妹「覗かないでね」

俺「覗いて欲しいんかい」

311 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 21:38:53.77 ID:7TQhvk2x0

父「見てきたよ、今日の試合」

俺「一言言ってくれたら良いのに」

父「こういうのは内緒で行くからいいんだろう」

俺「身内で内緒にする必要あるのか」

父「ほら、昔から敵を騙すにはまず味方からと言うだろう」

俺「槙原の隠し球みたいにバレバレなのは意味ないけどな」

314 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 22:02:04.75 ID:7TQhvk2x0

父「今日負けたのはお前の責任だな」

俺「わかってるよ」

父「最終回のあの場面で伝令を送る権利を持ちながら、それができなかった。悪い流れを断ち切れなかった」

俺「そうだな」

父「機を逸すればそれだけ迷う’本当に今流れを切るべきなのか、それともこのまま選手に任せるべきなのか’とな」

俺「……」

父「今日の敗戦はお前のミスだ、試合以前にベンチワークで負けてたんだよ」

俺「そうだよ、俺のミスだ」

父「だが」

俺「あん?」

父「久しぶりに手に汗握る試合展開だったよ、ナイスゲームだった」

俺「そうかい」

315 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 22:04:28.43 ID:7TQhvk2x0

妹「試合に出られないのに練習する意味あるのかな……」

妹「いつも、みんなが一生懸命プレーしてるのを外から見てるだけ」

妹「あたし、本当に必要なのかな……」


キーンコーンカーンコーン


妹「練習……サボっちゃおうかな」

妹「いいや、サボっちゃえ」

316 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 22:08:46.63 ID:7TQhvk2x0

少年「……」

妹「なによ」

少年「……べつに」

妹「ついてこないでよ」

少年「僕の前を歩いてるだけだろ」

妹「……ふん」

317 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 22:10:22.47 ID:7TQhvk2x0

少年「……」

妹「なによ」

少年「……」

妹「何か言いなさいよ」

少年「……べつに」

318 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 22:14:28.55 ID:7TQhvk2x0

妹「こんな時間に街を歩いたのって久しぶり」

少年「……」

妹「あたしくらいの年の女の子ってみんな化粧してオシャレして爪伸ばしてさ。なんか可愛いよね」

少年「……」

妹「あたしも、そうしたらちょっとは可愛くみえるかな?」

少年「……さあ」

妹「何よその返事」

少年「僕は」

妹「なによ」

少年「ユニフォーム着てる方が好きだけどな」

妹「なによ……」

319 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2009/11/07(土) 22:16:33.78 ID:UHPW/OQ+0

ついにストーカーに・・・

320 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 22:18:43.29 ID:7TQhvk2x0

男「こんにちは、ひょっとして妹さんですよね?」

妹「そうだけど……あんた誰?」

男「あぁ、失礼。こういう者です」

妹「女子、プロ野球機構?」

男「そうですそうです、前回はお断りされましたが今年度も選手を募集してましてね?」

妹「募集って?」

男「妹さんのレベルでしたら、トライアウトも受かるでしょうし。私としてはぜひ興味をもって頂きたいと思っておりまして」

321 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 22:24:38.15 ID:7TQhvk2x0

少年「受けるの?」

妹「……」

少年「さっきの話」

妹「あんたには関係ないじゃない」

少年「ま、そうだけど」

妹「……っ」

少年「受けるも受けないも自由だろ。大丈夫、言い触らしたりしないし」

324 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 22:32:42.77 ID:7TQhvk2x0

俺「委員長、ちょっと調べて欲しいことがあるんだけど」

先生「は~い、何でしょう?」

俺「えーっと地域交流戦の日程と登録人数と、あと大会規約」

先生「わかったわ」

俺「それと、妹と少年知らない?」

先生「妹ちゃんと少年?」

俺「来てないみたいなんだけど……」



妹「すみません遅れました!」

少年「っす」

部員「遅いぞ! グランド10周だ!」

少年「っす」

327 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 22:57:35.03 ID:7TQhvk2x0

俺「さて、いよいよ大会が明日に迫ったわけだが」

妹「……」

俺「妹の機嫌がすこぶる悪い」

妹「……」

ガタン

俺「ひっ」

妹「……おしっこ」

俺「おう、いってらっしゃい」

俺「てか、おしっこって。もう高校生だろうが」

328 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 22:59:06.44 ID:7TQhvk2x0

男『ぜひ興味を持っていただきたく──』


少年『受けるも受けないも自由だろ』


妹「はぁ……」

329 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 23:01:17.16 ID:7TQhvk2x0

父「とうっ! 正義の味方父さん仮面参上!」 

妹「……」

父「悩める子供達を救いに来た! はっはっは!」

妹「き……」

父「き?」

妹「きゃあああああああああああああああ!!」

330 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 23:02:41.96 ID:7TQhvk2x0

妹「信じられない! 娘のトイレ覗くとか信じられない!」

父「いや、そんなつもりは……」

妹「そこになおれ! 成敗してくれる!」

父「やっと普段の娘に戻ったか」


俺「体張りすぎだろ……とーさん……」

332 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 23:04:44.29 ID:7TQhvk2x0

父「まぁそれは置いといてだ」

妹「なによ」

父「妹よ」

妹「なによ……」

父「何か大切な事を黙っているだろう?」

333 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 23:07:16.63 ID:7TQhvk2x0

妹「べつに、なにも」

父「知っているか? お前が嘘をつくとき瞬きの回数が多くなるの」

妹「あ、これは違う……」

父「違う? 一体何の話だ?」

妹「……おとーさんには敵わないよ」

父「はっはっは、そうだろうそうだろう。わかったらさっさと白状するんだな明智少年」

334 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 23:10:14.52 ID:7TQhvk2x0

妹「カクカクシカシカ」

父「ほう? 女子プロ野球とな」

妹「うん」

父「前に一度断りの連絡を入れた筈だが」

妹「それが、また誘われて」

父「なるほど、それで? お前はどうしたいんだ?」

335 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 23:13:06.28 ID:7TQhvk2x0

妹「わかんない」

父「わからない?」

妹「高校に入る前はそれでもよかった、試合に出られない事はわかっていたし覚悟だってしてた。けど実際やってみると……」

父「ふむ」

妹「あたし、女に生まれなきゃ良かった……男に生まれたかったよ……、そしたら試合にだって出られるし、思いっきり野球を楽しめるのに」

父「ははあ、そうかそうか」

336 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 23:18:37.90 ID:7TQhvk2x0

妹「この前、街を歩いたの」

父「ほう、街を?」

妹「綺麗にオシャレした女の人がいっぱいだった」

父「……そうかそうか」

337 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 23:20:57.51 ID:7TQhvk2x0

父「父さんな、すまないと思っている」

妹「え?」

父「この家はあまりに野球に漬かり過ぎているからな、おねーちゃんだけは染まらなかったけれども」

妹「……」

父「でもな、お前達が野球を始めたいと言ってきた日な。父さん、ちょっぴり嬉しかったんだ」

父「野球と出会わなかったらあいつもお前も、別の生き方別な人生を歩んでいたかもしれない。それはひょっとして今よりももっと素晴らしい事かもしれない」

父「でも、やっぱり野球をやってくれて。父さん、嬉しかったんだよ。ごめんな?」

妹「何で謝るのよ……」

父「お前こそ、何で泣いてるんだ」

妹「わかんない、わかんないよ……」

339 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 23:34:00.25 ID:7TQhvk2x0

Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrr...

先生「あら、こんな時間に誰かしら?」

妹『先生』

先生「妹ちゃん? どうしたのこんな時間に」

妹『いまから、来れる? 学校』

先生「学校? 学校に居るの?」

妹『うん』

先生「わかった、学校に行けばいいのね」

妹『待ってるから』

340 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/07(土) 23:40:27.47 ID:7TQhvk2x0

先生「妹ちゃん、来たわよ」

妹「先生、こんばんは。ごめんねこんな時間に呼び出して」

先生「ううん、大丈夫。お父様には仕事で学校に行くって言い訳してあるから」

妹「単刀直入に聞くわね」

先生「うん?」

妹「先生ってお兄ちゃんの事好きなの?」

343 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 00:00:48.48 ID:yv3ykY970

先生「え? え? 何の事かなぁ」

妹「誤魔化さないで、真面目に答えてよ。この前あたしが居なかったら告白してたんでしょ?」

先生「はうぅ……」

妹「どうなの?」

先生「俺くんは、俺くんは、えぇっと」

346 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 00:07:32.97 ID:yv3ykY970

先生「こ、高校の時から、ずっと……好きだったの」

妹「……」

先生「俺くんって、最初は怖い人かと思ったけど。や、野球部の人ってみんな怖いから……、でも野球以外の事はほんと全然だめで、成績も悪くて一緒に勉強とかしたりしてるうちに、だんだん……」

妹「……」

347 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 00:09:05.11 ID:ikpKlv8L0

先生「みんなからは、あんな人のどこが良いんだって言われたけど。わたしは」

妹「……」

先生「再会できてとっても嬉しくて、俺くんと会う日は毎日楽しくて」

妹「……」

先生「わたし。あなたのお兄ちゃん……ううん、俺くんの事が好き、好きなの。今でも、その気持ちは変わらないわ」

348 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 00:10:30.23 ID:ikpKlv8L0

妹「そう」


先生「うん」


妹「って、言ってるけど」


俺「委員長……」


先生「え? え?」

350 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 00:16:26.44 ID:ikpKlv8L0

俺「──」

先生「──」

俺「──」

先生「──」

俺「──」

先生「はうぅ……」

351 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2009/11/08(日) 00:18:30.93 ID:gOSgNbtWO

妹×少年なら俺鬱になる

352 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 00:19:15.21 ID:ikpKlv8L0

少年「……これで良かった、のか?」

妹「さあね、ってかあんたストーカー? なんで居るのよ」

少年「俺さんを……連れてくる様に頼まれた」

妹「あぁ、そうだったわね。ありがと」

少年「……」

妹「はぁ……何やってんだろ、あたし。敵に塩送るような事してさ」

少年「……涙拭けよ」

妹「うるさいわよ、それに泣いてなんか……」


353 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 00:28:31.07 ID:ikpKlv8L0

少年「……気の利いた事は言えないけど」

妹「なによ」

少年「──」

妹「傷心の女に言い寄るのがあんたの手ってわけ?」

少年「……そんなつもりは……」

妹「ごめん、あたしやっぱりお兄ちゃんが好きなの」

少年「……そうか」

妹「でも、少年。あんたも良い男になったと思うよ」

少年「……ふん」

354 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 00:33:43.94 ID:ikpKlv8L0

少年「で、どうするのさ」

妹「何がよ」

少年「トライアウト、受けるの? 受けないの?」

妹「そんなの、決まってるじゃない──」

少年「はは、……敵わないな」

妹「ほっとけ」

355 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 00:40:15.00 ID:ikpKlv8L0

俺「で」

俺「またまた緒戦から甲子園出場校と当たるのはなんでかなあ?」

少年「……わかりやすくて良い、これに勝てば後はザコばかりだろ」

俺「まぁ、そうだけど」

少年「……」

俺「何だよ」

少年「いや、何でもねぇ」

俺「?」

357 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 00:43:24.00 ID:ikpKlv8L0

俺「ところで少年」

少年「……何だよ」

俺「妹はドコに?」

少年「妹なら来ないよ」

俺「え? 来ないってどういう……」

少年「女子プロ野球のトライアウト、今日なんだとさ」

俺「女子プロ? でもあいつそんな事一言も言ってなかったぞ?」

359 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:00:35.38 ID:ikpKlv8L0

少年「嫌なんじゃないか?」

俺「あん?」

少年「どこかの色ボケ二人組みを見て、自分だけ仲間外れなのが。居場所が無くなるのが嫌なんじゃないか?」

俺「仲間外れって……そんな事は無いだろう」

少年「あんたがそう思ってても、あいつはどうかな。あんたは一応あいつの気持ちを裏切った形になるからな」

俺「……まさか……でも、そんな……」

少年「試合の時間だぜ、しっかりしてくれよ監督」

俺「あ、あぁ……」

360 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:02:32.70 ID:ikpKlv8L0

少年「……ち」

少年「……嫌われ役ってのは損だなぁ」


審判「プレイボール!」


少年「……まぁ良い、シンデレラが現れるまでせいぜい踊ってくれよ……なっ!」


審判「ストラック、アウト!」


少年「っしゃあ!」

361 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:06:26.46 ID:ikpKlv8L0

妹「ハァ……ハァ……」

タッタッタ

妹「ハァ……ハァ……」

タッタッタ


男『やぁ、来たね』

妹『あの』

男『あー、ユニフォームで来たの? テストって言っても形だけだから、それより契約の話に移ろうか』

362 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:07:26.70 ID:ikpKlv8L0

妹『あの! やっぱりあたし、まだその話を受ける事ができません! ごめんなさい!』

男『……いいのかい?』

妹『いいんです。それに』

男『?』

妹『あたしみたいに中途半端な考えの人は、プロになっちゃいけないと思います、だから出直してきます』

男『……そうか、じゃあその時が来たらまた声を掛けてもいいのかな?』

妹『はい!』

364 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:09:59.51 ID:ikpKlv8L0

部下「いいんスか? 社長」

男「逃がした魚はでかい……か。おい、行くぞ」

部下「はい?」

男「視察だよ、あの娘の高校が今日試合のはずだ」

部下「視察って、あの娘は試合には出場できないんでしょ?」

男「あん? 知らないのか? ──」

367 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:15:08.41 ID:ikpKlv8L0

妹「ハァ……ハァ……」

妹「ごめん! 遅れました!」

少年「……よお、随分遅かったな」

妹「すごいじゃない、少年。あの重量打線を1点に抑えるなんて」

少年「うるせ」

俺「おい!」

妹「はい!」

俺「色々言いたいが全部後回しだ。最終回、1点ビハインド、ランナー1.3塁。いけるか?」

妹「うん! いけるよ!」

俺「よし、いけ! 審判! 代打だ!」

368 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:18:44.81 ID:ikpKlv8L0

部員A「え? でも女は出場できないんじゃ」

俺「それは公式戦に限った事だろ。この大会の規約を読んだがどこにも書いて無かったよ、女の出場は禁止なんて事は」

少年「……いいとこ残してやったんだ、打てよ」

妹「当然!」

部員A「でも、この場面いきなり出ていって打てますかね?」

俺「あいつ力は無いが右のサイドハンドを打つのはこの中で誰よりも上手いからな」

投手「(女……だと……? 俺も舐められたもんだな……)」

投手「ふん!」

投手「(これでゲーム・セットだ!)」

369 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:21:59.94 ID:ikpKlv8L0

妹「(いつの間にか、言い訳してた)」

妹「(女だからとか、妹だからとか)」

妹「(でも、そんな事全部関係ない)」

妹「(あたしは、あたし! 他の誰でもない!)」

370 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:27:04.25 ID:ikpKlv8L0

妹「(でも、これだけは言わせて)」

妹「(お兄ちゃんの……お兄ちゃんの……)」

妹「ばーーーーーーーーーか!!」


カキィィィィィィィィン!


妹「いっ」

妹「けぇええええええええええ!!」

374 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:29:19.85 ID:ikpKlv8L0

部員A「うお! 打った! マジで打った! 右中間割った!」

俺「回れ回れ! サヨナラだ! はっはっは!」

少年「はは……すげぇやつ……」

375 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:34:06.08 ID:PXaWHJu3O

うぉぉぉぉぉぉぉ

377 : 1です[] 2009/11/08(日) 01:39:45.55 ID:vWQ62KqQO

審判「ホームイン! ゲームセット!」

部員「勝った! 勝った!」

先生「え? え? 勝った? 勝ったの?!」

部員A「うおおおおおお!!」


俺「よっしゃ! このまま優勝目指して突っ走るぞ!」


妹「もちろん!」




ED曲「sugar!!」


382 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 01:46:10.79 ID:vWQ62KqQO

俺「ナイスバッティング」

妹「うん」

俺「……後で色々聞くからな」

妹「ねぇ、お兄ちゃん。そんな事より──」

俺「あん?」

妹「野球しようよ!」



 高校野球編、おしまい。


384 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:03:35.42 ID:ikpKlv8L0

読んでくれてありがとうございました。
誤字が多くて本当に申し訳ないです、ごめんなさいボール投げないで……

>>380
いやー、楽天戦から見てると日ハム有利かと思ったら巨人はやっぱり強かったですね。
世界一にもなって、日本一にもなるとか原監督すごいと思う。

>>383
そんな事ないですよw

385 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:05:27.54 ID:He/nxQrl0

さて前回パワプロ風に能力を表してくれ、と頼んだ俺だが
面倒でなければ現時点の能力をお願いできないだろうか

386 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:06:59.47 ID:ikpKlv8L0

>>385
お、あの人でしたかw
誰を書きましょうか? リクエストがあれば

389 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:12:44.09 ID:He/nxQrl0

>>386
部員ABCと少年で頼む

387 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:10:01.62 ID:SYVweZLGO

ED曲のsugarやらというのはどういう曲なの?なんかの野球アニメの曲なの?

390 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:13:16.75 ID:ikpKlv8L0

>>387
フジファブリックの曲で
Jスポで2009年WBCのテーマソングでした。
良い曲だからぜひ一度聴いてみてください


388 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:11:04.12 ID:YcMZRbE6O

やっぱりあだち充はH2が最高傑作だと思うんだ…高校野球と女の子って良いよね

393 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:18:26.39 ID:ikpKlv8L0

選手名: 部員A
投打:左左 
ポジション:外
弾道 :1
ミート:E  
パワー:E
走力 :D
肩力 :B
守備力:D
エラー:E

特殊能力:レーザービーム タイムリーエラー 送球安定2

394 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:24:53.03 ID:ikpKlv8L0

選手名: 部員B
投打:右右 
ポジション:捕手
弾道 :2
ミート:E  
パワー:D
走力 :F
肩力 :C
守備力:D
エラー:C

特殊能力:リード○ 走塁× 盗塁× 


選手名: 部員C
投打:右左 
ポジション:三塁
弾道 :2
ミート:D  
パワー:C
走力 :D
肩力 :D
守備力:F
エラー:F

特殊能力:チャンス○ 強振多用

395 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:29:20.01 ID:ikpKlv8L0

選手名:少年
投打:右右 
ポジション:投一
弾道 :2
ミート:E  
パワー:C
走力 :C
肩力 :B
守備力:D
エラー:D

特殊能力:短気 速球中心 奪三振


フォーム:オーバースロー
最高球速:137km/h
コントロール:D
スタミナ:C
変化球1:フォーク  変化レベル:1
変化球2:スライダー 変化レベル:3
変化球3:シンカー  変化レベル:2

396 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:29:36.84 ID:6w2v+SN+O

タイムリーエラーwww

397 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 02:30:49.15 ID:He/nxQrl0

スバ抜けた奴はいないけど、光るものをそれぞれ持ってるって感じか
いやまた面倒なことを頼んですまんね

495 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 17:23:58.88 ID:YcMZRbE6O

乙、愛してるぞ

496 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2009/11/08(日) 17:57:35.94 ID:bx2BvqG50

>>1おつかれ!
面白かったぜ

497 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 18:43:58.09 ID:C7Q0NyYiO



498 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2009/11/08(日) 19:00:48.41 ID:BrRJaWqwO

>>1乙!
俺も腰痛めて野球やってなかったけどやりたくなったよ
やっぱり野球っていいな

452 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2009/11/08(日) 12:38:43.98 ID:ikpKlv8L0

俺「日本シリーズが終わった直後に引退を表明した選手がいるらしい」

妹「まだあと二年はやってくれると思ってたのに……」

俺「本人にしかわからない衰えもあったんだろうな」

妹「十八年間お疲れ様でした」

俺「でした」


元スレ:http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1257495000/
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