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1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 19:22:57.78 ID:sUzpsyFW0


ロラン「ディアナ様、おはようございます」

ディアナ「おはようロラン」

ロラン「朝食ができていますよ」

ディアナ「この匂いは…ミルクスープかしら?」

ロラン「はい。まだまだ朝は冷え込みますから温かいものをと」

ディアナ「ありがとう。いただくわ」



2 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 19:26:11.95 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「ごちそうさま。少し辛かったけど、美味しかったわね」

ロラン「すいません…なにしろ不慣れなもので……」

ディアナ「いえ、気にしないで」

ロラン「ハイム家の使用人の時代は台所を任されたこと、有りませんでしたから……」

ディアナ「そうだったの」

ロラン「もっぱら機械専門でしたよ」



5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 19:29:45.44 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「ところで、今日は何をするつもりかしら?」

ロラン「今日は薪を拾おうかと思います」

ディアナ「……まき?」

ロラン「はい」

ディアナ「ああ。暖炉の薪ですね」

ロラン「そろそろ予備が無くなりそうですし。春は近いと言えどまだまだ寒いですからね」



8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 19:33:57.65 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「しかし、本当に地球の環境にはいつも驚かされます。月ではこんな寒さなかなかお目にかかれませんから」

ロラン「僕の生まれ故郷は一年中暖かったので、地球に来て始めての冬はすごく驚きましたよ」

ディアナ「月に住んでいる民にも早くこの地球の自然の素晴らしさを味わって貰いたいと思います」

ロラン「人として生きることの喜びってやつですか?」

ディアナ「はい。月の環境は恵まれていますから、生きれることを当たり前だと思ってしまう」



9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 19:36:53.00 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「だけど、地球に来たらその価値観は壊されるでしょう。私がそうであったように」

ロラン「地球の環境って月の様には上手く行きませんからね」

ディアナ「そうなのです。大変だからこそ生を実感できるのです」

ロラン「確かに暖をとる為にわざわざ薪を拾って汗をかくなんて月では考えられませんよね」

ディアナ「でしょう。私はそれが生きることだと思うのです」



10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 19:42:22.93 ID:sUzpsyFW0


ロラン「やはりディアナ様だ。さすがですね」

コホン

ディアナ「と、ところでロラン?」

ロラン「はい?」

ディアナ「そ、その、いつまでそうやって敬語を使うつもりなのでしょうか?」



13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 19:56:17.21 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「一緒に住んでるのですから、私達は最早家族同然だと思います。普通、家族同士で敬語なんか使わないでしょう?」

ロラン「はい…仰るとおりですけど…」

ディアナ「だから、その、えっと……」

ロラン「?」

ディアナ「…ディアナでよいです」

ロラン「え?」

ディアナ「こ、これからはディアナと呼んで欲しいと言っているのです!」



17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 20:02:56.80 ID:sUzpsyFW0


ロラン「えぇっ!?」

ディアナ「さあ!ロラン!言うのです!今すぐ!」

ロラン「いやいや!無理ですよ!」

ディアナ「無理ではありません。ただ私の名前を呟くだけで良いのです」

ロラン「うぅ…」

ディアナ「さあ!潔く男らしい決断を!」



18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 20:06:48.90 ID:sUzpsyFW0


ロラン「わ、分かりましたよ…」

ディアナ「よろしい。さ、どうぞ?」

ロラン「ディ、ディアナ」

ディアナ「は、はい!」パァッ

ロラン「……様」

ディアナ「…随分と意気地が無いようですね。ロラン」



20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 20:10:54.80 ID:sUzpsyFW0


ロラン「やっぱり無理ですよ。僕ごときがディアナ様を呼び捨てにするなんて!」

ディアナ「すぐにそう呼べとは言いません。ただ、私がそう思っていることは覚えておいて」

ロラン「は、はい!」

ディアナ「ふふっ。よいお返事です」

ロラン「あ、もうこんな時間。そろそろ薪を拾ってきます。昼から雨が降るみたいですから」

ディアナ「私も手伝いたいので付いていきます」



21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 20:13:28.65 ID:J5lqCa7yP

三大様づけしないと気が済まないキャラのトップだよねディアナ様


22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 20:15:47.24 ID:sUzpsyFW0


ロラン「ダメですよ。外はまだ寒いんですから」

ディアナ「良いではないですか。厚着をすれば問題無いでしょう?」

ロラン「そうですけど……」

ディアナ「さぁさぁ、ボヤボヤしていても時間が経つだけですよ」

ロラン「もお…分かりましたよ……」

ディアナ「ありがとう、ロラン」フフフッ

ロラン「それじゃ行きますよ、ディアナ……様」

ディアナ「…意気地なし」



23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 20:24:43.99 ID:sUzpsyFW0


ー森ー

ディアナ「寒いですロラン……」ブルブル

ロラン「大丈夫ですよ。薪を拾っているうちに暖かくなってきますから」

ディアナ「なるほど…」

ロラン「雲行きがあやしくなってきましたね。ぱぱっと拾っちゃいましょう」



29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 20:37:58.97 ID:sUzpsyFW0


ロラン「ふぅ…ずいぶんと拾いましたね」

ディアナ「ロランの言った通り、身体は暖まりましたよ」

ロラン「あ、タオル使ってください。汗かいたままだと冷えますから」

ディアナ「ありがとう。それにしても何度見ても地球の自然は雄大で素晴らしいわね」

ロラン「冬が終わって、夏が来たらもっとすごいですよ」

ディアナ「もっと?それは楽しみですね」

ロラン「あっという間に夏は来ますよ」



36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 20:43:23.73 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「こんなに美しい自然でも地球の人はどんどん破壊していると聞きます」

ロラン「地球人にはこの自然は有って当り前のものですから、きっと大切さなんて分かりませんよ」

ディアナ「1度失ってみないと分からないのが人間ですからね。しかし、それでは悲しすぎる」

ロラン「大丈夫です。地球人の中にもこの自然の大切さに気づく人もきっと出てきますよ」

ディアナ「そうですね。そうやって信じることができるのも人間だわ」



39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 20:59:54.19 ID:sUzpsyFW0


ポツポツポツ……

サァー

ロラン「ついに雨が降ってきてしまいました…」

ディアナ「山の天気は変わりやすいというのも本当なのですね」

ロラン「感心してないで、ほら、濡れちゃいますよ!僕の上着着てください!」

ディアナ「ありがとう」

ロラン「そこの小屋で雨宿りしましょう!」

ガシッ

ディアナ「あっ……」

ロラン「走りますよ!」

ディアナ「(…ロランの手は大きいのですね)」フフフッ



40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 21:05:19.68 ID:sUzpsyFW0


ザァー…

ー山小屋ー

ロラン「ふぅ、参った参った。ディアナ様、お姿濡れていませんか?」

ディアナ「いえ、ロランのお陰で大丈夫」

ロラン「良かった…」

ディアナ「……………」

ロラン「どうかしましたか?」

ディアナ「その…手を握ったままなのですが……///」



42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 21:11:46.13 ID:sUzpsyFW0


ザァー……

ロラン「わわっ!すいません!」

パッ

ディアナ「あっ……」

ロラン「失礼しました…ディアナ様を濡らしたらいけないと必死で……」

ディアナ「いいえ、ありがとうロラン」

ロラン「あうぅ……」



44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 21:17:04.37 ID:sUzpsyFW0


ザァー……

ディアナ「本当に気にしないで。それに、私はロランと手が繋げて嬉しかったですよ?」

ロラン「…えっ」

ディアナ「ロランは?ロランはどうでしたか?」

ロラン「ぼ、僕だって嬉しかったですよ。憧れのディアナ様と手を繋げたんですから…」

ディアナ「それは私が月の女王のディアナだからですか?それとも……」

ザァー… ゴロゴロ……



46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 21:24:13.34 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「私を一人の女として見てくれているからですか?」

ロラン「えっと……」

ディアナ「……ロラン?」

ロラン「僕は……」

ディアナ「どうなのですか?」

ロラン「僕は……へ、へ…」

ディアナ「へ?」

ヘクション!



47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 21:27:41.35 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「大丈夫ですか?」

ロラン「すいません…ちょっと身体が冷えてしまって……」ガタガタガタ

ディアナ「可哀想に…そんなに震えて……ごめんなさい、私を庇ったせいで」シュン

ロラン「いえ、僕が好きでやったことですから」

ディアナ「ロラン、こっちへいらっしゃい」



48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 21:33:00.44 ID:sUzpsyFW0


ロラン「へ?」

ギュッ

ディアナ「ほら、こうしたら温かいでしょう?」

ロラン「わわっ!ダメですよディアナ様!濡れてしまいます!」

ディアナ「ダメではありません。それに、私にとってはロランが風邪を引く方がダメです」

ロラン「うぅ……」

ディアナ「ここは大人しく私の言うことをお聞きなさい」

ロラン「はい……」



50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 21:38:42.71 ID:sUzpsyFW0


ザァー……

ディアナ「とりあえず、座って雨があがるのを待ちましょうか」

ロラン「そうですね、薪拾いで疲れましたし」

スッ

ディアナ「………」

ロラン「………」

ザァー………



54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 21:41:30.34 ID:sUzpsyFW0


ザァー………

ディアナ「不思議ですね」

ロラン「何がですか?」

ディアナ「雨の音が聞こえるのに、とても静かに感じて心が休まる」

ロラン「確かに、雨の音以外聞こえないから逆に静かに感じますね」

ディアナ「思えば地球に降りてからこんなに心が落ち着くのは初めてかもしれません」

ロラン「ずっと戦ってばかりでしたから、しょうがないですよ」

ディアナ「でも今は、こんなにゆっくりとできています。みんなロランのお陰です」



56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 21:48:56.88 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「本当に私の今の状況はとても幸せよ。ありがとう」

ロラン「やめてください…畏れ多いです……」

ディアナ「ロランが私に付いてきてくれると返事してくれた時、私は天にも昇りそうな気持ちでした」

ロラン「僕だって、憧れのディアナ様に看取り役として選んでもらって嬉しかったですよ」

ディアナ「……私とロランの嬉しいとでは大きな違いがあると思います」



59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 21:53:50.20 ID:sUzpsyFW0


ロラン「え…ディアナ様、それはいったいどういう意味で……」

ディアナ「……雨があがったようですね」

ロラン「………」

ディアナ「また降りださないうちに早く帰りましょう、ロラン」

ロラン「はい……」

…………………



62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2012/06/21(木) 21:59:40.54 ID:sUzpsyFW0


…………………

ミーンミーンミーン………

ロラン「おはようございます、ディアナ様。今日も暑いですね」

ディアナ「おはよう、ロラン。本当に参ってしまうような暑さね」

ロラン「今日は冷たいスープに挑戦してみました」

ディアナ「まあ、それは楽しみだわ」



64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ ] 2012/06/21(木) 22:04:17.75 ID:sUzpsyFW0


ミーンミーンミーンミーン……

ディアナ「それにしてもすごい鳴き声」

ロラン「これが地球の夏の風物詩ですよ」

ディアナ「この音も彼らが生きている証なのだと考えると可愛く思えますね」フフフッ

ロラン「でも、今鳴いている蝉は8日以内に死んでしまうそうです」

ディアナ「あら、そうなの……」



67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:08:34.02 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「こんなに元気に鳴いているのに命は短いなんて……」

ロラン「きっと短命な分、必死で鳴いているんですよ」

ディアナ「……まるで私のようですね」

ロラン「え?」

ディアナ「長いこと土の中で眠っていて、やっとの思いで外に出れたのに、ほんの少ししか生きれない」



69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:09:43.50 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「これって私の人生とそっくりだと思いませんか?」

ロラン「ディアナ様の人生と蝉の生き方……」

ディアナ「はい。月で何千年と眠っていて、やっとの思いで地球に来たというのに、その命は……」

ロラン「やめてください!」



72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:14:08.41 ID:sUzpsyFW0


ロラン「冗談でもそんなことを言うのはやめてください…そんなの……悲しすぎます!」

ディアナ「ロラン……」

ロラン「もしディアナ様がいなくなったら僕は……」

ギュッ

ディアナ「優しい子ね…」

ロラン「………」

ディアナ「私は蝉じゃないもの。きっと長生きしてみせるわ。だから泣きやんで?」



73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:18:31.20 ID:sUzpsyFW0


ロラン「……約束ですよ」グスッ

ディアナ「誓います」

ロラン「へへへ…恥ずかしいところ見られちゃいましたね」

ディアナ「いいえ。格好悪くなんて無いわ。私なんかの為にロランが泣いてくれて嬉しかった」

ロラン「そんな…」



75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:23:00.52 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「こんな女の為に泣いてくれる子が側に居てくれる…とても幸せだわ」

ロラン「きっと泣くのは僕だけじゃないと思いますよ」

ディアナ「え?」

ロラン「ハリー大尉だって、キエルお嬢さんだって、ソシエお嬢さんだってきっと悲しみますよ」

ディアナ「ふふっ。ありがとう、ロラン」



77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:28:12.69 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「ところで今日は何をするつもりかしら?」

ロラン「今日はちょっと街の方に行ってきます」

ディアナ「あら、またですか?最近よく出掛けているような……」

ロラン「ちょ、ちょっと食物が無くなったんですよ!」

ディアナ「……食糧庫はいっぱいでしたが?」

ロラン「えぇ!?あー、えっとぉ……」

ディアナ「…ロラン?」ジトーッ



80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:32:44.20 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「……私も付いて行ってもよろしいですか?」

ロラン「ふえ!?だ、ダメです!」

ディアナ「何故ですか?」

ロラン「えっと…あっ!外は陽射しがキツイですからお身体に障ります!」

ディアナ「………」ジトーッ

ロラン「と、とりあえず行ってきますね!夕飯を作る時間には帰りますから!」

ガチャ!タッタッタッ……

ディアナ「もう。ロランったら……」



81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:37:36.48 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「……最近街に何をしに行ってるのかしら」

ディアナ「いつも何をしに行くか聞いてもはぐらかされるし……」

ディアナ「もしかして、街へ遊びに行っているのかも…」

ディアナ「そうよね、こんなつまらない女と一緒に居ても退屈よね…」

ディアナ「私はロランと一緒に居るだけで楽しいけど、ロランは違うのかしら…」



82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:41:23.55 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「いけない。そんな風に考えてはダメですよね」


ディアナ「ロランを信じないと」

ディアナ「……………」

ディアナ「も、もしかして街に行くというのは嘘で」

ディアナ「本当は……」

ディアナ「本当はソシエさんに会いに行ってるのかも……」



85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:47:35.85 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「そうですよね……」

ディアナ「ロランもソシエさんも互いに思い合っていたのに、私のわがままで二人の仲を引き裂いたようなものですし……」

ディアナ「文句を言える筋合い無いですよね」

ディアナ「もしロランがソシエさんのところに戻りたいなら別に私は……」

ディアナ「ああ!ディアナ・ソレル!あなたはどこまで卑しい女になれるのですか!」

ディアナ「心の底では優しいロランなら絶対に自分を捨てるわけないと思っている……」

ディアナ「うぅっ……」

ミーンミーンミーンミーン……

……………





87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:51:47.95 ID:sUzpsyFW0


リーリーリー…リーリーリー……

ロラン「遅くなってしまった。虫も鳴き始めている…」

ロラン「ただでさえ怪しまれてるのにこれ以上怪しまれたらマズイしな…」

ロラン「とにかく、急がないと!」

タッタッタッ……



89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 22:55:16.42 ID:sUzpsyFW0


リーリーリー…リーリーリー…

ロラン「ふぅー…やっと着いた……」ハァハァ

ロラン「すぅー。はー。」

ロラン「よし!」

ガチャ

ロラン「ただいま帰りましたー」

ロラン「ってあれ?真っ暗だぞ?」



90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:01:53.18 ID:sUzpsyFW0


ロラン「ディアナ様?いらっしゃるんですか?」

ロラン「いつものお散歩かな…こんなに暗いのに……」

ロラン「ん?なんだこの音…?虫の泣き声と……人の泣き声…?」

ロラン「も、もしかしてお化けぇ!?」ビクビク

ロラン「おーい…居るんですかー?お化けさーん?」

ディアナ「……お化けではありませんよ」

ロラン「うわあぁ!?」



91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:04:45.11 ID:tt79M8lM0

ああ、いい雰囲気だ


92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:06:42.96 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「……お帰りなさい、ロラン」

ロラン「どうなさったんですかディアナ様!?」

ディアナ「別にどうもしませんよ」

ロラン「こんなに暗いのに灯りもつけないで……今、灯りつけますね」

ディアナ「灯りをつけてはなりません」

ロラン「え?どうしてですか?」

ディアナ「……虫の鳴き声を聴きたいのです」

ロラン「ああ。確かにそういうことなら月の光も有りますし、灯りは要らないですね」



93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:08:09.15 ID:O1CSswxv0

泣き顔を見られたくないんだな…
愛おしい方だ


94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:13:01.65 ID:sUzpsyFW0


リーリーリー…リーリーリー……

ロラン「それにしてもビックリしましたよ…何か泣き声も聞こえましたし……」

ディアナ「幻聴ではないですか?」

ロラン「そうかもしれませんね。夏ですし」

ディアナ「ふふふ……」

ロラン「どうかしましたか?」

ディアナ「前にもこんな風に暗い中で耳を傾けていたことがありましたね」



95 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:17:47.84 ID:sUzpsyFW0


ロラン「山へ行って急に雨が降って来た時ですね」

ディアナ「この前は雨の音でしたが、今日は虫の音のリサイタルですね」

ロラン「色んな虫の音が重なり合って、オーケストラのように聞こえます」

ディアナ「こんな素晴らしいものを独占できるなんて、私達は幸せ者ですね」

ロラン「月のみんなにも聞かせてあげたいなぁ」



97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:22:10.33 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「……こんなに静かだと、世界に私とロランしか居ないように感じますね」

ロラン「僕とディアナ様だけ?」

ディアナ「ええ。この時間がすごく愛おしいです。できることならこのまま……」

ロラン「時が止まればいいのに」

ディアナ「はい。その通りです」



98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:26:30.71 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「ロランは……」ボソッ

ロラン「はい?」

ディアナ「……ロランは隣に居るのが私で良かったのですか?」

ロラン「どうしたんです?急に…」

ディアナ「本当は…、ソシエさんに居て欲しかったのでは無いですか?」



100 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:32:01.58 ID:sUzpsyFW0


ロラン「本当にどうしたんですか?さっきからおかしいですよ」

ディアナ「ロラン、少し私の話を聞いてください」

ロラン「はい…もちろん聞きますけど……」

ディアナ「その……ロランがもしハイム家に戻りたいのなら、私のことは気にせずに……」

ロラン「な、何を言ってるんですかディアナ様!」



101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:35:58.33 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「ロランは私のことを聖人のように扱いますけど、本当の私はそんなに綺麗な人間ではありません」

ロラン「そんなこと……」

ディアナ「こんな話はロランに嫌われるだろうからしたくなかったんですけど、あえてさせてもらいます」

ロラン「………」

ディアナ「私、知っていたんです」

ロラン「…知っていた?何をですか?」



103 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:39:12.94 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「ロランがソシエさんのことが好きで、同様にソシエさんもロランが好きだって……私は知っていたんです」

ロラン「………」

ディアナ「でも、私はどうしてもロランをソシエさんに取られたくなかった」

ディアナ「そう考えていたら、悪魔が耳元で囁いたのです」

ディアナ「『ロランを看取り人に選べばいい』と。『優しいロランなら断るはずない』と」

ディアナ「私は、私は本当に狡猾な女なのです」

ディアナ「ロランの傍に居る資格なんて無い……」



105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2012/06/21(木) 23:43:27.31 ID:sUzpsyFW0


ロラン「……ディアナ様。どうかもうそれくらいにしてください」

ディアナ「本当にごめんなさい…私のわがままで二人の幸せを……」

ロラン「たしかに僕はソシエお嬢さんのことが好きでした」

ディアナ「はい…」

ロラン「でも、僕はやっぱりディアナ様は素晴らしい方だと思います」


106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:45:27.73 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「そんなことありません…私は自分の欲も抑えられないただのディアナ・ソレルです……」

ロラン「欲に忠実なんて人間なんだから当たり前ですよ!」

ディアナ「………」

ロラン「普通の人間は欲のまま動くことに何の反省もしません」

ロラン「でも、ディアナ様はその欲を悔いることができるお方だ」

ロラン「僕はそんなディアナ様と添い遂げられることが幸せでたまりません」



108 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:48:55.12 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「ありがとうロラン…私も、すごく幸せです……」

ロラン「あの、ディアナ様…。いや、ディ、ディアナ!」

ディアナ「は、はい!」

ロラン「僕と…、僕と……結婚してください!!!」

ディアナ「!」



110 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2012/06/21(木) 23:51:01.43 ID:sUzpsyFW0


ロラン「こ、これ、け、結婚指輪です」

ディアナ「すごく綺麗なシルバーリング……」

ロラン「実は、街で一番の職人さんに作ってもらっていたんです」

ディアナ「あら?でも、リングが一つしか無いみたいだけど……」

ロラン「恥ずかしい話なんですけど、僕の分を作るにはお金が足りなくて……」

ディアナ「まあ…」

ロラン「とりあえず、ディアナ様の分だけ作ってもらいました」



113 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:55:44.58 ID:sUzpsyFW0


ロラン「あの、返事を聞いても良いですか?」

ディアナ「……ロラン・セアックに問います」

ロラン「は、はい!」

ディアナ「ずっと私と一緒に居てくれますか?」

ロラン「ディアナ様と離れることなんて考えたこと有りません」

ディアナ「では、私が死んでしまった後もあなたは私を愛してくれますか?」

ロラン「はい、ずっとずっとディアナ様と過ごした時間や思い出全てを愛し続けます」

ディアナ「ふふっ。ありがとう、ロラン」



114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/21(木) 23:57:56.50 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「では、最後に一つ。指輪を…、はめてくれますか?」

ロラン「! そ、それじゃあ!」

ディアナ「はい。至らないところばかりですが、よろしくお願いします」

ロラン「ユニヴァース!!!!!」

ギュッ

ディアナ「ロ、ロラン、苦しいです」

ロラン「やった!やったぞ!ユニヴァース!ユニヴァース!」

ディアナ「もう、ロランったら…」



116 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:01:11.06 ID:loj0rlHx0


リーリーリー…リーリーリー……

ディアナ「ねえ、ロラン」

ロラン「なんですか?」

ディアナ「どうして私はロランのことを好きになったのだと思いますか?」

ロラン「うーん…すいません、分からないです……」

ディアナ「きっと、私の本当の初恋の相手がロランに似た人だったからだと思うんです」

ロラン「本当の初恋の相手……」



118 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:03:06.48 ID:sUzpsyFW0


ディアナ「人間などというものは、そんなものなのだろうと思いますか?」

ディアナ「それは、つまらないことなのでしょうか?」

ディアナ「私はそうではないと、みんなに伝えたい」

ディアナ「そしてこれからも、もっといっぱい色んなものを感じていきたい」

ディアナ「ロランとずっと一緒に……」

リーリーリー…リーリーリー……

・・・・・・・・・



119 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:05:01.36 ID:sUzpsyFW0


・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・・


ディアナ「フフフ…」


ロラン「あっ、そこにいらっしゃったんですか。今日のスープは美味しいですよ」


ディアナ「ありがとう、ロラン」





121 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:05:52.24 ID:loj0rlHx0




ディアナ「美味しかったわね」


ロラン「ありがとうございます」





124 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:07:18.77 ID:loj0rlHx0




ロラン「ディアナ様、また明日……」


キィー…パタン……


おわり





127 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:09:17.70 ID:zL35X1lh0

ディアナ様……
乙!ユニヴァース!


129 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 2012/06/22(金) 00:09:56.35 ID:a2EfxvGT0

乙である


130 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:11:40.70 ID:loj0rlHx0


読んでくれた人ありがとうございます!

ディアナ様への愛が止まらない!



131 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:12:32.58 ID:dbVafMCk0

おつ


132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:13:14.85 ID:KAZzCRi70


こりゃロランもディアナ様も乙女だな


133 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:13:31.79 ID:KIbmBgg40

>>119

>・・・・・・・・・・・・
>・・・・・・・・
>・・・・・・
>・・・
>・・


>ディアナ「フフフ…」


>ロラン「あっ、そこにいらっしゃったんですか。今日のスープは美味しいですよ」


>ディアナ「ありがとう、ロラン」

この部分で数年の時間が過ぎてたりするの?


135 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:18:29.06 ID:loj0rlHx0

>>133
イメージは

二人暮らしを始めた冬→(春)→夏→黄金の秋

って感じです

個人的にはディアナ様は一年も生きれ無かったのではないかと考えています


134 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:14:08.01 ID:8J/U/FW40

初々しい二人にキュンキュンしたわ
大層ユニヴァース!


136 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:19:33.05 ID:RO5POq9X0


∀愛が感じられるSSだった


139 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:25:29.10 ID:pDwFLBF00

ディアナ様って作中ではすごく旺盛なんだけど、本当はすごく儚い運命を背負った人なんだよな

なんかもう1回∀見直したくなってきた
ユニヴァース!


152 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:48:51.12 ID:RkbpXt+20


これを思い出した

映画版の製作後に、富野監督はこうまとめている

「ターンエーで目指したものは、こういうことだったのだ。
ターンエーの劇中の人々は、みんなよく飲む、よく眠る、よく走る。そして、バカな戦いもすれば、月にも行ったし、月からも来た。
ロランは、キエルさんに憧れを感じていたし、ディアナ様を尊敬もしていた。
そして、ソシエを愛おしくおもっていた。
そして、ソシエにはそれがわかったから、ロランをディアナ様にあげたのだ。
そのディアナ様は、ロランとソシエを十分に知っていても、最後の自分を見取ることをロランに頼んだ。
許したのではない。頼んだのだ。
なぜなんだろう?
それは、永遠の疑問ではない。簡単な理由だ。
ディアナの本当の初恋の相手が、きっとロランに似ていた少年だったからだろう。
人間などというものは、そんなものなのだろうと思う。
それは、つまらないことなのだろうか?
そうではないと伝えたいのが、ターンエーという物語なのだ」


154 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:53:45.99 ID:/Htwv2xt0

小学生「なんだこの髭だせぇw」

↓成長

大人「ターンエーマジかっけぇ…」

これは誰もが通る道


なんだか富野が俺達に何を伝えたかったのかこのSSで分かった気がする
この>>1はきちんと>>152みたいな富野の意志も汲み取って書いたんだろうな
ユニヴァース。



155 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 2012/06/22(金) 00:55:39.98 ID:RkbpXt+20

∀ガンダムは見終わった後に正に風が通り抜けていくような爽快感がある作品



元スレ:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1340274177/
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