PickUp
スポンサード リンク
1 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/28 23:39:39 ID:AeGI8qJNi


猫「実家に帰ったときだけ、飼い主づらするな」

猫「いちいち抱きかかえるな、うっとうしい」

猫「眠りかけてのときに、あたまにふれるな。寝れん」

猫「その低い声で名前を連呼するのも耳ざわりだからやめろ」

猫「それから、むやみに猫じゃらしで釣るのもだ」

猫「本能のままに追いかけちゃうから」

猫「懐中電灯のあかりで釣るのも、もちろん禁止」

猫「ついでに肉球にさわるのもな」


俺「おまえ、かわいい顔して文句しか言わないな」

7 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/28 23:43:15 ID:AeGI8qJNi


猫「わたしは今年で12年生きたことになる」

俺「知ってるけど。なんだよ唐突に?」

猫「この年になってくると、カラダが重くてしゃあない」

猫「食えるエサの量も減ってくる。出る小便の量もだ」

猫「おまけに階段の手すりに飛び乗ろうとして、失敗する始末」


俺「まあ、いい年だもんなあ」

俺「そんで? それがどうかした?」


猫「もっと労われと言ってるんだ」

俺「これでも気ぃつかってるつもりなのに」

猫「にゃあ?」

俺「唐突にかわいいな、おまえ」

猫「……今のはまちがい。正しくは、ハア、だ?」


12 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/28 23:47:15 ID:AeGI8qJNi


猫「言ってみろ。昨日、自分がなにをしてたのか」


俺「お前も知ってるでしょ」

俺「昨日は一日じゅう寝てて、ちょっとお前と遊んでただけ」

俺「いや、遊んであげたって言ったほうがいいか?」


猫「ふざけるな、遊んでやったのはこっちだ」

猫「だいたいおぬしは、下半身をベタベタさわりすぎだ」

俺「ちょっとしか触ってないじゃん。おまえ、なぜか怒るし」

俺「そうだよ、気になってたんだよな」

猫「ん?」

俺「なんでおまえってさ、下半身さわられるのをイヤがるの?」

14 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/28 23:50:44 ID:AeGI8qJNi

ちなみにこれがうちの猫

http://i.imgur.com/jyvLl8W.jpg


15 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/28 23:51:37 ID:0GP4pcvau

>>14こりゃ美少女ですわ

16 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/28 23:51:54 ID:AeGI8qJNi


猫「イヤだと感じることにいちいち理由なんてない」

俺「ただ単にイヤってこと?」

猫「そうだ。おまえがそら豆を食べられないのと同じだ」

俺「おっ。感心感心。飼い主のキライなものをおぼえてたか」

猫「ずっと昔に食わせようとしてきたからな、ガキんちょのおまえが」


俺「おぼえてないや。……しかし、テンション落ちるなあ」

俺「あと一時間もしたら東京に行くバスに乗るのに」

俺「お見送りが文句だもんなあ。しかも、猫の」


猫「文句ならまだある。『パシャパシャ』だ」

俺「パシャパシャ? なにそれ?」


18 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/28 23:55:46 ID:AeGI8qJNi

>>15
>>17
ありがとう


猫「あれだ。そう、スマートホンだ」

俺「ほほう、スマホがわかるか。えらいえらい」

猫「……なでるなら、もっと優しくなでろ」ゴロゴロ

俺「はいはい。で、それが?」

猫「だからパシャパシャだと言ってるだろうが」

俺「ああ、ひょっとして写真のこと?」

猫「そう、それだ」

俺「そういや昨日はあまりに暇だったから、おまえの寝顔を撮ってたんだよな」

猫「あれのせいで、わたしの貴重な睡眠時間が削られたわ」

俺「いつも寝てしかいないんだから、いいじゃん」

猫「おまえの惰眠といっしょにしないでほしい」

俺「どういう意味?」


19 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/28 23:58:01 ID:AeGI8qJNi


猫「わたしがふだんから寝ているのは、
  いざというときに力を発揮できるようにするため」

俺「というと?」

猫「もしも獲物があらわれたとき、体力がなくて狩りができなきゃこまる」

俺「こまらないよ」

猫「なに?」

俺「だって、そんなことしなくてもエサもらえるじゃん」

猫「たしかに。しっぽをふって泣けばエサがもらえるからな」

猫「外の世界と比べればなんとチョロイことか、人間は」

猫「ほれ、ニャーニャー。エサくれニャー」

俺「たった今、それ通じなくなったから」

21 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 00:00:39 ID:oQeKqoqzS

クールな猫だなww
でも実際言葉話せるようになったらこんな風に話すんかね

22 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 00:02:01 ID:nU8f5FObc


俺「だいたい箱入り娘のおまえは、外に出ないじゃん」

猫「なにを言っている! 数え切れぬほど、外の世界へ飛びだしておるわ!」

俺「ああ、あれね」

俺「いつもオレや母さんが帰ってきて、とびらのすき間から出るやつね」

猫「そうだ。見事な身のこなしだろう?」 

俺「アスファルトに足がのったと同時に家に戻ってくるけどな」

猫「それは、あの地面が肉球に容赦しないからだ」

俺「それに。トラックが目の前を横切ってたとき、おまえすごかったぞ」

猫「トラック? ああ、あのデッカイのか」

俺「転げまわりながら、家に帰っていったからな」

23 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 00:08:07 ID:rjWsUf5OA

想像したら和んだ(*´ω`*)

24 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 00:10:13 ID:nU8f5FObc


猫「外になじめば、おのずとトラックとやらにも慣れる」

俺「たぶんムリだよ。おまえって猫一倍からだ小さいし」

俺「ついでに気も小さいしな」

猫「そんなことはない」

俺「うしろから抱えようとするだけで、ビビって脱兎のごとく逃げるくせに」

猫「警戒心が強いだけだ」

俺「いーや、母さんも言ってた」

猫「なんて?」

俺「『なんであたしが育てると、気もからだも小さく育つんだろ?』って」

猫「……」

26 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 00:14:30 ID:nU8f5FObc


俺「外の世界にはキャットフードもジャーキーも猫缶もないからな」

猫「食料を自分で確保せにゃならんことぐらい、わたしでもわかる」

猫「食べるものが、虫やゴミに変わることも」

俺「考えるまでもなく、外の世界が大変だってわかるだろ?」

猫「ふんっ、自分こそ猫の手をかりんと虫も駆除できんくせに」

俺「……そんなことはない」

猫「ヤモリが便所に出たとき一目散に、
  わたしを抱えて、便所に連れこんだのは誰だっけ?」

俺「あれは訓練だよ、訓練。万が一のときのな」

俺「おかげでめったにできない狩りが、体験できただろ」

猫「ヤツは壁に張りついてた。けど、にらんだら怖気づいて落っこちた」

猫「あとは一瞬。あれじゃ、訓練にゃあならん」

俺「……今さあ、狩りで思い出したんだけどさ」

猫「どうした?」

27 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 00:17:22 ID:nU8f5FObc


俺「そのヤモリ狩ったあとに、なんでオレの部屋に置いた?」

猫「あれはまだ生きてたんだよ」

俺「え? そうなの?」

猫「オスのくせに自分よりはるかにちっちゃい生き物すら
  狩れないおまえに狩りの練習をさせようと思って」

俺「いらんわ、そんな気づかい」

猫「からだはちっちゃくても、大きなお世話はできるみたいだな」

猫「まだわたしのほうが偉大だな、うん」

俺「でもまあ、あの行動にはそんな意味があったわけだ」

30 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 00:27:38 ID:nU8f5FObc


猫「おぬしたち人間よりわたしたちの時間は短い」

猫「余計なことにさく時間は、もっと短い」

俺「……なるほど」

猫「なんだか嬉しそうだな」

俺「気のせいだよ。それより、寿命で思い出したんだけど」

俺「猫って死ぬ間際に、人の前から消えるらしいんだよ」

俺「どうしてそんなことをするのか、理由わかる?」

猫「知らん」

俺「え?」

猫「わたし、飼い猫だからそういうのわかんなーい」

俺「……さてはおまえ。オレがバカにしたこと、気にしてるな」

猫「べつに」

31 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 00:29:38 ID:nU8f5FObc



猫「人間のすみかは至れり尽くせり。
  飼い猫であるわたしには、それがよくわかる」

猫「この家の中にいても、知りたいことを調べることはできるだろう」

俺「実際に猫本人の意見を聞きたいんだよ」

猫「知らんもんは知らん」

猫「だいたい箱入り娘が、この家からどうやって消える?」

俺「それはまあ、そうだけど」

猫「そういうのは、外をうろついてる連中に聞いたほうがいい」

俺「……そうだな」

猫「だけど、ほかの質問になら答えられる」

俺「質問じゃなくて文句ならある」

猫「誰に?」

俺「もちろん、おまえに」

33 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 00:35:44 ID:nU8f5FObc


俺「オレの勉強のジャマをしたこと、おぼえてる?」

猫「はて。記憶にないな」

俺「人が受験勉強のために、ノートを机にひろげてたらな、
  おまえってばその上にのってきたんだよ」

俺「しかも、何回ノートの上からどかしても、すぐにもどってくるし」

猫「にゃー、ひょっとしてさかりのときのことか?」

俺「そうだよ。勉強してるオレの目の前で、ずっとケツふってたんだよ」

猫「なんだ、そんなことか」

俺「そんなこととはなんだ、そんなこととは」

猫「おぬしは真夏の炎天下に、汗をかいてる人間に文句を言うのか?」

俺「汗かかないおまえが、汗をたとえに使うんかい」

47 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 21:50:35 ID:i2Om6v8a5


俺「とにかく、さかり時期のおまえは勉強のジャマだったんだよ」

俺「しかも夏だと、毛をまきちらすし」

猫「それもしゃあない」

猫「ずっと同じ毛をまとっていては、不潔だ」

俺「おまえ、風呂に入らないもんな」

猫「誰があんな恐ろしいものに入るか」

猫「全身に水を浴びるなんて……身の毛がよだつ」

俺「12年生きてて風呂に入ったの、5回もないだろ」

俺「そういや。一回、洗ってやろうとしたオレを引っかきまくったよな」

猫「人間の生活習慣を猫におしつけようとしたバツだ」


48 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 21:53:39 ID:i2Om6v8a5


俺「トイレとかは数回でおぼえて、感心したのになあ」

猫「それとこれとはべつだ」

俺「ていうか、我が家に来たときのこと、記憶にある?」

猫「うっすらとなら」

俺「すごかったなあ、あのときのおまえ」

俺「もうずっとリビングの中を走りまわってさ」

俺「猫って、こんなに元気な生き物なんだってビックリしちゃったよ」

猫「ずっと狭いケージの中にいたんだ」

猫「子どもだったわたしは、いきなりの広い空間に興奮したんだろ」

俺「二時間ぐらい、転げまわるように暴れてたもんな」


52 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 22:00:01 ID:i2Om6v8a5


猫「そっちこそ、おぼえてるのか」

俺「なにを?」

猫「子どものわたしに、たえずベッタリだったこと」

俺「忘れてないよ」

猫「眠りからさめて目をあけると、かならずおぬしの顔が目の前にあったからな」

俺「だって当時のおまえって、メチャクチャかわいかったんだもん」

猫「今は? ……まあいいや」

猫「おぬしはすぐに目をのぞきこんでくるからな。
  それもうっとうしかった」

俺「目があうと絶対顔をそらすよな、おまえ」

猫「目をあわせるのは好きじゃない」

猫「そうじゃなくても、おまえは存在そのものがやかましい」

俺「なんだよ、存在がやかましいって」

53 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 22:07:40 ID:i2Om6v8a5


俺「まあでも、おまえって子どもキライだよな」

俺「イトコたちが来ると、すぐどっかに隠れちゃうもんな」

猫「あの双子のガキんちょか」

猫「来客が子どもだと、家に入ってくる前にわかる」

俺「どうして?」

猫「子どもの足音は耳が痛くなるから」

俺「なるほど。あいつらドタドタ歩くもんな」

猫「おぬしの足音は、ここ数年でだいぶマシになったな」

俺「オレも成長するんだよ」

猫「からだはちっこいままに見えるが」

俺「うるせー」

55 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 22:16:01 ID:i2Om6v8a5


俺「ていうか、おまえって一番母さんになついてるじゃん」

俺「なんで母さんなの?」

猫「愚問だ。お母さんがわたしの世話を一番してくれるからな」

俺「オレだってするじゃん」


猫「どこがだ。エサやりだってときどきしかしない」

猫「シモの世話はまずしない」

猫「気をきかせて、暖房をつけることもしない」


俺「……」


猫「その点、お母さんはおまえとは真逆だ」

猫「よく気がつき、よく気が利く」

猫「どちらになつくか、考えるまでもない」

56 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 22:19:35 ID:i2Om6v8a5


猫「なにより、お母さんの足音は静かだ」

俺「はいはい。おまえは世話してくれて、静かな人間が好き、と」

俺「あれ? でも、オレが寝てるときはおまえって、
オレの上にのってくるよな」

猫「おぬしは体温が高くて、寝床にはちょうどいいからな」

俺「うるさいんじゃないのかよ」

猫「寝てるおぬしがたてるのは、寝息だけだからな」

俺「ふーん」

猫「ただし、春のおまえは寝てるときもやかましいな」

俺「春は花粉症で、鼻がつまってるんだよ」

57 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 22:29:14 ID:i2Om6v8a5


猫「ところで。さっきから誰と比べてる?」

俺「え?」

猫「あきらかに誰かとわたしを比較してるだろ」

猫「トイレの話やわたしが家にきたときに、
  こんなに猫って元気なんだなって言葉でわかった」

俺「……」

猫「おそらく、前に飼ってた猫のことを言ってるんだろ」

俺「おまえ、あたまいいな。猫のくせに」

猫「おぬしはあたまわるいな。人間のくせに」

59 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 22:38:43 ID:i2Om6v8a5


俺「まあ、そのとおりなんだけど」

俺「おまえの前にも、いっしょに住んでた猫がいたんだよ」

猫「それで?」

俺「そいつはミルクって名前なんだけど」

俺「野良猫だったんだよ」

猫「誰かからもらったのか?」

俺「ううん。ついてきた」

猫「ついてきた? 野良猫が?」

俺「そう。まだ8歳のときだよ」

俺「学校帰りだったんだけど。
  たまたま歩いてるあいつと、目があったんだよ」

俺「そしたら、家までついてきた」

60 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 22:50:47 ID:i2Om6v8a5


猫「めずらしいこともあるんだな」

俺「母さんとオレの予想では、たぶん本当によわってたから……かな」

俺「どうしようもなくて、人間にすがるしかなかったんだと思う」

猫「そのすがる相手が、たまたまおぬしだったと」

俺「そういうこと」

俺「真っ白な猫でさ。目の色が左右でちがったんだよ」

猫「ふーん」

俺「おまえもちっさいけど、あいつはもっとちっこかったんだよな」


62 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 22:57:17 ID:i2Om6v8a5


猫「そいつはどうなった?」

俺「いなくなった」

猫「……」

俺「うちで育てるようになってから、一ヶ月後にきえた」

俺「もともとおまえとちがって、夜以外は放し飼いにしてたんだ」

猫「だからさっき聞いたんだな、猫が消える理由」


俺「うん。ずっと気になってたんだよ」

俺「もちろん思い当たる場所は全部探したけどさ、見つからないし」

俺「あのときは放し飼いにしてたこと公開して、しばらくは泣いてたな」

63 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 23:02:02 ID:i2Om6v8a5


猫「聞く相手をまちがえたな」

俺「かもね」


猫「……」

俺「……」


猫「で、そのあとわたしと会ったわけだ」

俺「そう。なんとなくペットショップに寄ったら、たまたまな」

猫「なんでわたしを飼いたいと思った?」

俺「直感、かな」

猫「もっと具体的な理由はないのか」

64 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 23:06:11 ID:i2Om6v8a5


猫「毛並みが美しかったから、とか。
  目がくりくりしててかわいかったから、とか」

猫「以前飼ってた猫と似ていた、とか」

俺「真っ白なあいつと、アメショーのおまえは似ても似つかんわ」

猫「それもそうか」

俺「まあでも、なんかいっしょに住みたいな、って思ったんだろうな」

猫「ひと事みたいに言うんだな」

俺「昔の自分のことって、案外わかんないんだもん」

猫「いいかげんなヤツ」

俺「まあね」

猫「……そういえば、わたしもずっと気になっていたことがある」

俺「ん?」

猫「わたしの名前」

65 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 23:12:12 ID:i2Om6v8a5


猫「なんであんな名前にしたんだ」

俺「へえ。おまえも自分の名前の由来が気になるのか」

猫「すこし」

俺「……ミルクは、真っ白だったこと。
  はじめてあげたのが、牛乳だったからその名前にしたんだ」

俺「ほんとは猫に牛乳ってあんまりよくないらしいけどな」

猫「それが名前の由来なのか。ガッカリだ」

俺「10歳にもなっていないガキんちょが考えたんだぞ」

猫「で、わたしの名前は?」

俺「……おまえの名前かあ」

猫「てきとうに考えたのか?」

俺「まさか」

66 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 23:17:56 ID:i2Om6v8a5


俺「なぜかおまえを見てたら、おジャ魔女ドレミってアニメを思い出してさ」

猫「アニメ?」

俺「だから、最初はおまえの名前を『ドレミ』にしようかと思ってた」

猫「ほとんど考えてないじゃないか」


俺「でもそれだと、安直すぎるからさ」

俺「あたまの文字をいろいろ入れかえてみたんだよ」

俺「『ファレミ』とか『ミレミ』とか『ソレミ』とか」


猫「で、最終的に今の名前になったわけか」

俺「うん。三文字ってうっとうしいからな」

俺「それに、その名前だと漢字をあてれたからな」

猫「なるほど」

70 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 23:27:58 ID:i2Om6v8a5


猫「よし、もう気になったことも知れたし帰っていいぞ」

俺「ゲンキンなヤツ」

猫「おまえの帰りのバスの心配をしてるんだ」

俺「まだ大丈夫だよ。
  ていうか、気づかいとかできるんだな」

猫「ふん。おまえといると疲れるからな、さっさと帰ってほしいだけだ」

俺「しんらつだなあ」

猫「……実際、あまりよくないんだ」

俺「……」


猫「昔に比べると、食欲も減った」

猫「出る小便の量も減った」

猫「階段の手すりにのぼるのを、失敗するようになった」


俺「……」

73 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 23:36:52 ID:i2Om6v8a5


俺「……なにかあったら、きちんと言えよ」

俺「オレでも、母さんでも、オヤジでもいいからさ」

猫「おバカなおぬしの前だから、こうしてしゃべってるが」

猫「口は災いのもと。
  ふつうの人間の前で、口を開こうとは思わんな」

俺「フツーじゃないのか、オレは」

猫「それに。安心しろ、まだまだ死んでやらないから」

俺「あたりまえだろ」

猫「……前のヤツが疾走したとき、おぬしは泣いたんだったな?」

俺「うん? そうだけど?」

74 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 23:45:43 ID:i2Om6v8a5


猫「もし……もし、わたしが死んだら、また泣く?」

俺「……」

猫「なぜ黙る」

俺「いや、そういうのって考えたくないから」

猫「考えろ。考えて、想像して」

俺「…………まあ……泣く、かなあ」

猫「ふーん。満足に世話もしないくせに?」

俺「それとこれとはまたべつだろ」

俺「でも、できりゃ泣かせてほしくないな」

猫「安心しろって言っただろ。そう簡単にはくたばらない」

75 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/29 23:56:52 ID:i2Om6v8a5


猫「猫が死ぬ直前に消える、理由」

猫「すこし考えたら、予想がついた」

俺「え? わかるの?」

猫「あくまでわたしの予想だ」

猫「自分が弱っているときに、敵に襲われたらどうする?」

俺「オレに聞かれても」

猫「ふつうに考えれば、すぐに答えは出るだろ」

俺「困るだろうな。弱ってたら反撃もできないし」


猫「それが、そのまま答えにつながる」

猫「死の直前ということは、当然弱っているってことだ」

猫「だったら、身を隠すのが最善の策だろう」

78 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 00:02:56 ID:6RHahQcJM


俺「そういうことなの?」

猫「猫のわたしが言うんだ、まちがいない」

俺「……」

猫「どうした?」


俺「もし、だよ。おまえの言ってることが本当だったらさ」

俺「ミルクは、オレや母さんを敵だと思って消えたってことになるでしょ」

俺「それに、もしかしたらおまえも……」


猫「わたしは最期までここにいたい。そう思ってる」

猫「それに、ミルクは野良猫だったんだろ」

猫「野生は野生に帰る。ただ、それだけのこと」

81 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 00:09:51 ID:6RHahQcJM


猫「ミルクはおぬしに感謝している。絶対に」

俺「断言するんだな」

猫「だって、わたしもそう思ってるから」

俺「おまえ……」

猫「わたしはとっても恵まれてる」

猫「それぐらいは飼い猫のわたしでも、よくわかる」

猫「野良猫だったミルクはわたし以上に、
  おぬしやお母さんの施しが身にしみたはずだ」

俺「……そっか」

83 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 00:16:21 ID:6RHahQcJM


俺「あー、なんか、うん。すっきりしたよ」

俺「そろそろ行くよ、バスに間に合わなくなるといかないしな」

猫「待て」

俺「ん?」

猫「せっかく知りたいことを教えてやったんだ」

猫「ジャーキーの一本ぐらい、よこしてけ」

俺「へいへい」


86 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 00:21:47 ID:6RHahQcJM


俺「……じゃあ、そろそろ本当に行くわ」

猫「次に帰ってくるのはいつになりそう?」

俺「んー、次はやっぱりコタツがリビングに出るころかなあ」

猫「じゃあ、それまでは静かなわけだ」

俺「本当は寂しいんだろ。強がらなくていいぞ」

猫「わたしは本気でおまえをうっとうしいと思っている」

俺「傷つくなあ」

猫「だけど。おぬしがいつ帰ってきも、わたしは確実にここにいる」

俺「おう」

87 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 00:23:04 ID:6RHahQcJM



俺「また帰ってくるからな。いってきます」

猫「待っててやる。いってらっしゃい」





89 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 00:24:11 ID:6RHahQcJM


おわり

ここまで読んでくれてありがとうございました

92 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 00:26:18 ID:XqVPM1863

猫系の話ってたいてい猫がご主人様ーとか言ってなついてるけどこの猫はいかにも猫って感じですね
よかったよ

96 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 00:40:43 ID:hR20SXCLF

私もうちの猫と人間語で話してみたい

94 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 00:30:22 ID:kaJB2RPH0

猫の名前はれみであってるんよな?

98 : >>1スマホから[] 2014/08/30 00:50:47 ID:bABSFS060


猫の名前はレミです
最後にレミの画像を三枚ほど

http://i.imgur.com/KIS4k1X.jpg
http://i.imgur.com/nyFkK8D.jpg
http://i.imgur.com/d8628Q4.jpg

改めて読んでくれてありがとう

99 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 00:53:39 ID:kthxoZGiH

うちの猫もこんな風に思ってくれたらいいなあ
そしてレミ可愛いいイィ!!

100 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 01:02:42 ID:xyOBi2Jtw

深い話だ

うちもずっと猫がいる家庭だから
実家に帰りたくなりました

ありがとう

101 : 名無しさん@おーぷん[] 2014/08/30 01:10:43 ID:5tJA7OoBO

台詞回しが独特で内容に引き込まれたよ
もちろん画像は保存させてもらった




元スレ:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1409236779/
関連記事
Relate Entry
スポンサード リンク
zenback
Comment
Comment form
検索フォーム
プロフィール

SSですの。

Author:SSですの。
SSまとめサイトですの。
相互リンクと相互RSS絶賛募集中ですの。

2ちゃんねるのVIP、SS速報VIP、SS深夜VIP、おーぷん2ちゃんねるで書かれた、管理人が面白いと思った、注目されたSSスレを紹介するブログです。拙いところも多々あると思いますが、よろしくお願いします。

リンク、RSS登録は、ご自由になさって頂いて構いません。
相互リンク及び相互RSS募集中です。メールフォームよりご連絡お願いします。

当ブログに掲載している内容に問題がありましたらメールフォームよりご連絡下さい、

スポンサード リンク
スポンサード リンク
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
アクセスカウンター
逆アクセスランキング
リンク
RSSリンクの表示
おすすめリンク
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
小説・文学
298位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
22位
アクセスランキングを見る>>
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QR

PAGE TOP